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知事定例記者会見(2017年1月31日)

平成29年1月31日
(県政記者クラブ主催)

orite米原の特産品をPRする様子

おはようございます。まず1点、既に報じられている訃報でございますが、長年、滋賀県政の発展のためにご尽力をされました、山田新二元副知事におかれましては、昨日ご逝去されました。昭和24年に滋賀県にご奉職以来、長年にわたり滋賀県政にまさに中心人物としてご貢献された偉大な大先輩でいらっしゃいまして、副知事は4期お勤めになられましたし、私自身も、そんなに長く、多くというわけではありませんでしたが、折に触れご指導いただいた大先輩でもあられます。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

今日は、早いもので1月も末ということになりました。季語を見てみますとたくさんあるんですけれども、「春近し」「春隣」ということでございますので、ちょっと春をイメージしたネクタイをしてまいりました。

今日は、私の方から3点話題提供、そして今月の「イチオシ」1点申し上げます。

1点目は、平成28年度滋賀県庁就職セミナーを来る3月9日(木曜日)に開催するということでございます。

これは、滋賀県職員採用試験の受験を考えていらっしゃる方々を対象に、ブース形式の質問コーナーを設けて、参加者の皆さんからのご質問に、現役の県職員が直接お答えするものでございまして、県庁や県職員の仕事内容についてご理解を深めていただこうと平成13年度から毎年実施しています。昨年度からは、冒頭に採用1年目の職員が体験談を語るなど内容を工夫して実施しておりまして、参加された方からはパンフレットやホームページだけではわからない具体的な仕事内容や職場の雰囲気などがよくわかったとご好評をいただいております。

滋賀県庁への就職を考えておられる方はもちろん、受験は決めていないけれど一度話を聞いてみたいという方には、この機会にぜひ参加をしていただきまして、お話を聞いていただければと思います。私も冒頭にあいさつをさせていただき、皆さんとぜひ一緒に働きたいという熱いメッセージを発したいと思っています。

開催時間は、第1部が9時から11時45分まで、第2部が13時30分から16時15分までの2部制となっており、定員は第1部、第2部それぞれ120名です。先着順の事前申込みでございます。例年、受付開始後早い時期に満席となりますので、参加を希望される方はお早めにお申込いただければと存じます。

なお、平成29年度の採用試験から、新たに「社会福祉」職の試験区分を新設します。セミナーでは、健康医療福祉部のブースもございますので、滋賀の福祉の現場で働く面白さややりがいなどを知っていただくよい機会になると思います。社会福祉職を志望されている方もぜひご参加いただきたいと思います。申込受付開始は2月6日月曜日からです。今年も多くの皆さんの参加をお待ちしております。また、報道機関の皆様からも積極的なPRにご協力頂ければ幸いでございます。

2点目は、琵琶湖北湖での全層循環を確認したと、いよいよ琵琶湖に春が訪れたというニュースでございます。平成29年1月26日に、琵琶湖の水質調査を行いましたところ、全層循環を確認しました。確認時期としては、過去10年の中では早い時期となります。最も早いわけではなく、2番目に早い時期ということでございます。

まずは、全層循環の仕組みについて説明させていただきます。琵琶湖では、春から秋にかけて、水温躍層とよばれる層が形成され、琵琶湖の表層と底層は水の行き来ができなくなります。そのため、表層の酸素を含んだ水が底層に行かないため、底層の酸素は少なくなっていきまして、晩秋には、最も低い値となります。冬になりますと、表層の水が冷やされ、重くなり、底層に沈み込むことにより、表層と底層が混じり合います。これを全層循環と言います。その後、春には、また水温躍層が形成されて、毎年、この成層と循環を繰り返すのが琵琶湖の動きです。

底層の溶存酸素濃度の調査地点はこちらのとおりで、北湖、高島の沖合、今津浜から沖合4~5kmの地点で調査をおこなっています。なお、C点については昭和54年から、その他の地点については、平成19年から調査をおこなっています。したがって経年の変化を確認するということでございます。

このグラフは、平成26年度~28年度の、C点の底層における溶存酸素濃度の経月変動を示しています。先ほど、ご説明したとおり、底層の酸素は、春から秋にかけて減少していき、全層循環が起きると、底層の酸素は回復します。今年度の状況は赤い丸印でプロットしていますが、1月26日の調査で全層循環を確認しました。今年度の琵琶湖の全層循環は、過去10年の中では2番目に早い時期での確認となりました。今後も、このような全層循環の確認をはじめ、琵琶湖の環境調査をおこないながら、その状況を皆さんにもお知らせしながら、世界に誇れる琵琶湖として、その結果について情報発信をおこなっていきたいと思います。

続いて3点目は、平成29年度県政モニター募集についてでございます。このことにつきましては、昨年12月7日に資料提供をさせていただきましたが、改めてご案内させていただきます。県政モニターは、県民の皆さんからご意見やご提案をお聴きするモニターを募集いたしまして、主にインターネットを通じたアンケートへの回答を中心に活動していただく制度で、お忙しい方でも気軽にご参加いただけます。

現在、平成29年4月から平成30年3月まで活動いただく400名の方を募集しています。対象は、平成29年4月1日現在で県内にお住まいの満15歳以上の方で、今回の募集から対象年齢を満18歳以上から15歳以上に引き下げまして、高校生世代のご意見も反映できるようにさせていただきました。アンケート結果やいただきましたご意見等は、県の施策を構築する上で参考とさせていただいております。

ぜひ、幅広い年代の皆様方からご応募いただき、共に豊かな滋賀を作っていきたいと思っています。応募締切は、平成29年2月10日(金曜日)午後5時となっていますので多くの方のご応募をおまちいたしております。

こういったインターネットを通じたアンケートへの解答だけではなくて、昨年度と今年度、県政モニターさんと知事との対話、懇談会を開催いたしまして、ご希望される方すべてはご参加いただけませんが、その方々からまた選びまして懇談会も行っておりますので、ぜひ皆様方のPRなり積極的なご参画をお願いします。

今月の「イチオシ」でございますが、既にたくさんの商品、PRグッズが並んでおりますが、私自身も先日短期居住をさせていただきました米原市で現在展開中の「orite米原」でございます。「orite米原」は米原市商工会が市内の事業者の皆さんと協働で特産品や伝統工芸品の販売や観光情報等を提供するため、平成27年春に始められ現在2年目を迎えたプロジェクトでございます。

「orite」とは、通過せずに降りてくださいという意味で、販売されている商品は43事業者287品目にも及ぶということで、に上り、商工会会員の36%が出品されているということでございます。それぞれ持たれている自社サイトの他にも、yahooショッピングやBASEですとかJAPANSQUAREにも出店されて、販路を広げられているということでございます。好評を博している商品のごく1部を持参いただきました。こちらは私も先だって見学に行きましたけれども、世界でも有名なシュラフメーカーであります、株式会社ナンガさんとコラボで作られた「MilkyWay」というシュラフ。なぜMilkyWayかというと、天の川もあるし、ホタルいるし、私は見たことはないですが、天気のいい夜には天の川、星空も見えるということでございまして、あとは三成バッグ、大―、大万、大吉と記されていて何かいいことがありそうなバッグですね。また、三成マドレーヌ、三献の茶にちなんだ3つのお茶の味が楽しめるマドレーヌですね。もうひとつ赤カブの糠漬けもお持ちいただきました。

マドレーヌを食べて、漬物を食べるというなかなかいい組合せですね。

(知事試食)

お茶の風味がちゃんと入っていておいしいですね。このお漬物がいいですね。漬物から先に食べればよかった。

やっぱり、琵琶湖の元でありますので、ミネラルが豊富な滋賀産の、これは中硬水というんですか、非常に味わい深いお水を「米原水」として、協定を結ばれた青山学院大学生とのコラボ商品として作られているということで、好評いただいておりますので、ぜひ、皆様方にもお飲みいただければと思います。

この、orite米原の成果は大きく3つあるんだそうです。「特産品売上げ拡大による地域経済の活性化」「ふるさと納税額の大幅向上」「米原市の情報発信力の向上」ということでございますし、加えて、高齢化されている市内事業者のモチベーションも向上にも寄与されているということでございます。

明日、2月1日からは開設2周年を記念して「飲んで米原」というキャンペーンを実施されます。多くの方に皆さん米原に降りていただいて、お水も飲んでいただいて、今は雪深い地域もありますし、また、盆梅展も長浜に負けない盆梅展を、おもと展とあわせてグリーンパーク山東で展開されていらっしゃいますし、奥伊吹のスキー場は今まさにいい雪でございますので、ぜひお楽しみいただければと。蕎麦もおいしいですよ。伊吹大根をすって食べるのがいいですね。ぜひ、お楽しみいただきますようご案内申し上げます。

長くなりましたが、私からは以上です。

[産経新聞]

県政モニターを18歳以上から15歳以上に対象年齢を拡大するということで、改めて何を期待されますか。

[知事]

できるだけ若い方にも関心をもって、ご意見などをいただければというのがねらいでございます。

私もその世代の子供を三人育てている一父親として、よく話題にすることもあります。琵琶湖のことや政治のこと、まだ話題にならない時も話題になるように、話題にするように仕向けているところもあるのかもしれませんが、やはりより長く暮らす、生きていく年代にも滋賀県のことや地域の周りのことを考えていただくきっかけになればと思います。高校生と対話をしていましても「私たちの高校をどうしてほしい」「私たちの高校生活をこうしてほしい」のほかに将来についてもご質問やご提言もありますのでね。県政モニターの場を通じてもきっかけになればいいなと思います。

[産経新聞]

先日、関西広域連合で、北陸新幹線にからんで井戸連合長が、費用負担に関しては、ルートが決まるまでは話し合わなくてもいいというようなお考えを示されたかと思うんですけれども、これに対する知事の受け止めをお願いします。

[知事]

以前も申し上げたかもしれませんけれども、ルートが一部、与党において方向性が決定されて、まだ決まってない京都~大阪間のルートもございます。こういったものを受けて、「このルートをこういう形で通そうと思う。」ということを受けて、今度は、かねてから関西広域連合で、これは総意ではありませんけれども、国と地方負担の割合をどうするのかということや、受益に基づく負担の分担をどうするのかといったようなことを議論しようということも入ってくるんだと思います。

第一義的には「通らない県は負担をしない。負担を求められない。」というのが現行ルールですのでね。その現行ルールと今後決まってくるルートの中で早く通すためにどうすればいいのか議論していこうということでございます。

[産経新聞]

議論を始めるタイミングとして、井戸連合長のおっしゃるようにルートがきちっと確定するまで待つということに対してはどう考えてらっしゃいますか。

[知事]

私は、井戸連合長のおっしゃることも理のあることだと思っています。ルートが決まらないとどう負担するのか議論しにくいと思いますので、より現実味を持って議論するためにもルート決定というのは経た後で議論することが必要なのではないかと思います。

[京都新聞]

先日、県内全域に大雪の被害が発生しまして、知事として大雪の被害に対する認識と今後の対策、対応をどのようにお考えでしょうか。

[知事]

先日から行っております県議会各会派との政策協議会の場でも申し上げていますが、先々週、先週と近年まれに見る大雪が降りました。また積もりました。県内のすべてはございませんが、多くの積雪がございまして、道路渋滞、また事故渋滞が発生いたしましたし、農業についてはビニールハウス等の施設が損壊しました。また収穫不可になる作物がございました。まだ、たくさん積もっている時期で全部が把握できているわけではないんですが、そういったことも既に報告されております。

私から雪寒対応万全を期すようにと主に土木交通部に対する指示と、農政水産部に対しては積雪による農業被害の把握に努めてほしいということを指示しております。順次報告が上がってきており、一定取りまとめをいたしまして、農業団体等からもヒアリングを行いまして、国への災害対応等への支援につなげていきたいと考えております。この雪の被害については、できるだけ早く被害状況を把握し、国の支援も受けながら対応していきたいというのが現在の状況でございます。

[NHK]

昨日、三菱電機について、不起訴になったことで入札参加停止処分が解除されましたけれども、送検の時点で入札を停止すること自体におかしいのではないかと一般の者から見たら感じるのですが、起訴になるまで待つなど制度を変えないのかということについては、どうお考えでしょうか。

[知事]

そもそも滋賀県では、書類送検の時点で入札の審査基準がありますので、それに照らして判断をさせていただいているところです。不起訴になることもあるんだから、起訴になってからでもいいのではないかという意見も。現実にそういう基準を設けている都道府県もあるやに承知しておりますが、滋賀県の場合は、書類送検で基準をもっているということでございます。

起訴まで待って対応すると、その間に入ってこられる業者さんがいらっしゃる可能性もありますので、これを排除するための県の基準だと思っております。

[時事通信]

環境保全型農業の件ですが、今年分の国の減額措置については、県で対応するということでよろしいでしょうか。また来年度についてはどのようにお考えですか。

[知事]

環境保全型農業を進めるための交付金については、国において予算化されておりますが、本県でも全国に先駆けて全国で最も多くの面積で、この交付金を使って実施しております。そうしたところ、今年度春から夏、秋にかけて取組を実施したにもかかわらず、国から十分な交付金が受けられないかもしれないという事態がありまして、夏から秋にかけて「それは困ります。すでに実施している。交付金を配分していただきたい。足らないのであれば補正を組んででも配分していただきたい。」旨の要望を行ってまいりましたが、年末から年始にかけまして、国の補正対応が行われない旨連絡があり、県に追加配分されないことが確定してまいりましたので、この間検討してまいりました。

国の交付金もあるんですが、市町との協調交付金という制度設計になっておりますので、市町やすでに生産をされ、収穫もされている生産者の方からもご要望いただき、意見交換をしました結果、取り組まれたことについては環境こだわり農業を推進する本県においてはしっかり措置しておくことが必要だろうということで、今年度分については農家に対しては約束した満額の単価が支払われる形で国の分の足りないところは県が負担する形で措置することを決定し、県議会にもその旨連絡を、当然市町にも連絡させていただいた次第であります。

しかし、来年度も同様の交付金がございますが、来年度の国の予算額についても年末に組成された国の予算案を見ていますと、今年度と同規模の予算となっておりますので、早晩来年度も不足が予想されます。

したがって生産者の方や県議会の皆様から来年度についても一定何らかの対応が必要なのではないかという問題提起、強い要望をいただいているところでございまして、この点についても最終検討中でございます。先ほど申し上げたように環境こだわり農業を先進的につくり、さらに広げていく。世界農業遺産を一定目指す本県としても主に米ではありますけれども、環境こだわりの作付面積を50%にしていこうという目標を掲げている本県として国の制度との兼ね合いでどうしていけばいいのか。国も来年度、再来年度どう応援していけばいいのか制度設計については再検討されるようですので、そういうものをにらみながらどうしていくのか。

また、一部来年度予算案の中には県として環境こだわり農業を深化させていこうという事業を入れる方向ですので、これとの兼ね合いをどう整理するのかということで、なお最終検討中でございまして、来年度の方針については、予算案を出す際には、これについてもわかるようにお示しさせていただきたいと思います。

[時事通信]

今年度については国の分を県が肩代わりするということですが、今後、国が県がやってくれると受け取らないといいと思うんですけど、どのようにお考えでしょうか。

[知事]

難しくて、悩ましいことだと思っています。本来国が交付金をもって、全国的に環境こだわりの農業を進めるという方針をもつ以上、その取組に共鳴し、参加した生産者には然るべき交付金が払われるべきです。これは原理原則だと思います。それが払われない状況というのは非常に遺憾な状況だと思います。

が、一方で支払いが行われなかった時に、国が減額されたので県も減額、市も減額、もって生産者に入る金額が約束されたものになりませんという状況をどう見るのかということだと思いまして、琵琶湖をお預かりする本県としてこの取組を後退させるのか、停滞させるのか、前に進めるのかという判断の中でこれは考えていかなければならない課題ですので、今年度についても当然国に対して連絡を取り、再三再四要望してまいりましたが、本県の要望はかなえられなかった。したがって本県で措置することにいたしましたが、予算案をみると足りないことが早々にわかってますので、さらに関係団体、また関係議員の皆様とも連携を強化して国にこの旨申し上げて、同時にメッセージとしては春以降種を買い、面積を定め、作物を決め、作付に入っていかれるわけですから、生産者に対するメッセージをどう発するのかを合わせて同時に考えていきたいと思います。

[時事通信]

大雪被害の件ですが、現時点でいくらぐらいの農業被害があるとか、激甚災害指定を求めていくのかとか、補正予算を組むなどお考えでしたらお教えください。

[知事]

まだ確認、積算精査中でございますが、近年まれに見る大きな被害が出ているようです。数千万規模の農業被害が出ているようですので、最終とりまとめをきちんとした上で、的確に対応したいと思います。

[毎日新聞]

琵琶湖の全層循環ですが、今年は早かった理由と、逆に去年は遅かったと思うのですが、去年は何か悪い影響は出たのでしょうか。

[知事]

後ほど技監等に詳しく聞いていただければと思いますが、底層の温度が今年度は高めだったんですよね、下の層の温度が高めだったそうです。従って、少し上が冷やされると、そこと合う形で循環しやすくなる、こういう傾向があるんだそうです。一般的に温暖化の影響があるのではないかということが指摘されますが、もちろん無い訳では無いでしょうけれども、必ずしもそれだけでは無くて、琵琶湖の場合はかなり水の中の温度や流れや動きが複雑な要素等もあるようですので、注意深くその動きをみていき、年ごとの変化を捉えていくということが必要なのではないかと考えているところです。

[毎日新聞]

「orite米原」の絵を見ていますとウサギやリスが見えるんですが、米原で降りたら見られるのですか。

[知事]

山に入れば鹿もいますし、僕は熊は見たことは無いですけれど、おそらく山の中にはこういう動物たちも住んでいるのだと思います。駅の近くでウロウロしているという状況ではありませんけれども、しかし山の中の生態系の中には色々いますので、そういう生態系豊かな山々は守っていきたいなと。これは早川鉄平さんの切り絵作品をモチーフにされた、駅の構内にも改札口出た所に飾られていたりということがございます。

[滋賀報知新聞]

27日の各会派の政策協議会があってですね、その時に国体とか新生美術館含めて一体総額どのくらいかかってですね、見通しが分からないという指摘があって、知事もこれについては総額を示したいというお考えを示されていますけれども、そもそも国体で言いますと彦根のグラウンドが200億くらい、あれは軟弱地盤ですから、おそらくそれ以上超えると、あるいは県立体育館が97億で、ざっとそれだけでも300億と、これ普通に事業費等々入れますと、少なくとも軽々に私が言うのはおかしいですが、500億前後かかるだろうと。それ以外に新生美術館が当初47億と言っていたのが、だいぶ増えてきていますよね。そうなると国体だけでも、36年ですが、あと7年になるんですが、実際建物ができるとみたら、6年くらいですから、そうすると500億ベースでみますと、毎年度、国体だけでも80億くらいの金がかかってくると。平均ですけれども、これはたまたま試算ですからリアリティありませんけれど、そうなってくると、そこに新生美術館がまたオンする、それからまた施設の建て替えですね、これも出てくると。そうすると財政上ですね、今はまあ平成27年から30年、これについてですね収支見通しして基金の取崩しとかしてですね、等々でまあ均衡はとれるという県の判断ですが、それまで構造改革プログラムとか最近でいくと平成23年度からですね、行財政改革方針ということで3か年出されていますが、こういう以前のですね、どれだけ事業費がかかって、そしてどれだけ財源不足になって、よって事業費はこんな抑えるというそういう従前の1つの財政規律みたいなところを、総トータルを出した後ですね、年度ごとに少なくとも平成36年、まあ、知事が再選されるということになるんでしょうけれども、そこまでのお考えを財政規律もう一度行財政改革というか財政の健全化にどう取り組まれるのかですね。

[知事]

財政の課題、厳しさというのは常にこの右側なのか左側なのか片側においてですね、数多ある財政需要にどう応えるのか、またそれらをどう抑えるのかという時に、併せて考えさせていただいております。

この間、私が就任した以降も、安倍内閣になって国全体でアベノミクスによる経済効果、税収増というものを見込まれ、事実そうなった部分もありますし、そうなっていない部分もあると。それを受けて県内に入ってくる税収、県内に国からいただく交付税が大きく変わるこういったことがございます。これらをやはりその年度年度で、今もまさに最終見極めをしているところですけれども、ギリギリまで見極め見積もって、予算を作っていくこういった作業が必要になってきます。

また、この2~3年だけでも例えば消費税率を国全体で上げるのか上げないのか、一定、1年半先送りされたこの消費税の税収増を地方にどう回せるのか、回せないのかということがあります。恒常的に社会保障に関する負担等というのが、これは国のみならず県においても増えていきます。それらに加えて滋賀県の場合は、7年後の国体・全国障害者スポーツ大会ならびに予てからあります例えば琵琶湖博物館のリニューアル、新生美術館の建設等々もございますので、これらはむしろこの間の財政構造改革の間にも温めてきて、ある意味では我慢をしながら、この時に備えてきて今を迎えているという事業ですので、これらを計画的に、これから先の滋賀県の力のためにも作っていくということが必要だと思っています。

ただその際に、大型事業目白押しで総額いくらになるのだろう、このことが財政にどういう影響を与えるんだろうということは出来るだけ早く不確定要素もあるんですけれども、出来るだけ早くお示しをしながら、県民の皆様方、代表される県議会の皆様方のご理解を得る必要があると思っていますので、これは会派との政策協議会の中でも申し上げたとおり、分かるものをきちんと積み上げて皆様方にお示しをし、また判断を仰いでいきたいということを申し上げておりますので、その努力はしっかりとしていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

よく分かるのですが、例えば国体、あるいは新生美術館とか、琵琶湖博物館リニューアルで、それが非常に想像以上に大変なことだと知事はお考えになっているのか、環境こだわり農産物もそうですが、そういう具合に国の分を持つと、それは結構ですが、もっと早い時期に8月か9月くらいに分かっているわけですから、市町と話し合うとかですね、色々やって県の負担をむしろ軽減できたのではないかもしれませんね、それは残念ながら土壇場になって出てきた。もう一度改めて聞きたいのですが、国体と文化・スポーツの事業がこの普通のレギュラーの事業を圧迫するような段階が来ると思われているのか、それとも、いや大丈夫なんだとお考えになっているのか、もし来るなら新しい構造改革プログラムを作る必然性が出てくると思うのですが、その辺を伺いたい。

[知事]

国体・全国障害者スポーツ大会もそうですし、のみならず文化とスポーツで滋賀県を盛り上げるという取組、必要な施設整備をしたり、施策を行うための予算、これはやっぱりきっちりと確保し計上していきたい。

そのことで、以て、必要な経常経費、社会保障の様々な施策が後退することがないように予算をつくって執行していくというのは基本だと思いますので、そういう意味からすると額は違うかもしれませんが、ああいった環境こだわりの国の約束された交付金が、そのとおりいただけないということは、大変残念に思いますし、今後そういうことが無いようにできるだけ早くから既に行ったものについては、約束したものについては、きちんと措置されるような、そういうことをこれはもうきちんと国に対して言っていきたいと思いますし、滋賀県の場合は、アベノミクスでかなり経済効果を税収を高く見積もられ、県内企業たくさんいらっしゃいますので、その方々の税収が滋賀県にはたくさん入るだろうと予想されているが故に、地方交付税が低く見積もられるという傾向がございますので、以て単年度の収支が他の都道府県より厳しく出てきます。

一部交付税については、後年度でカバーされるところもあるのですけれども、しかし単年度単年度でみるとかなり厳しい予算づくりを余儀なくされるという事情もございますので、例えば国の経済政策についても、この4、5年経ってきて、どういう影響が地方に有るのか無いのかということについても、少し国とも合わせてきちんと認識共有をして、今後の財政運営についても対応を検討していきたいなと思います。

[読売新聞]

県政モニターの件で、対象年齢を引き下げられたのは、このタイミングは去年参議院選挙から有権者の年齢を下げられましたけれども、それも絡んでという認識でよいのでしょうか。

[知事]

そういうことも当然あります。対象年齢は、選挙年齢よりも低いですけれども、やはり県議会の場でもそうですし、主権者教育どうするのだろうか、もっと若い人の関心をどう高めるんだろうかという問題提起等もいただいておりましたので、その一助になればということも担当の皆さんが検討していただいて、じゃあ15歳以上は応募してもいいんじゃないかという制度にしていただきました。現時点1月27日時点で10代、20代の方が33名、うち15歳から18歳、今回広げた方々が12名既にご応募していただいているようですので、一定僕もやろう私もやろうという方はいらっしゃると思います。更に広げていければと思います。

[時事通信]

先程、北陸新幹線の質問のところで、早期整備のお話をされたかと思いますが、もしその早期整備をするためならば、滋賀県としても負担するお考えがあるとか、その辺りはどうお考えでしょうか。

[知事]

高速鉄道はおよそ一般的につながるのが早く、つながるなら早くつなげた方が良いということがございますし、それぞれルールに基づいて負担すべきものは負担するということが原則だと思いますが、そもそも通らない新幹線の建設整備に滋賀県が負担する道理はありませんので、その道理を覆すだけの受益があるやなしやということがあると思いますので、そこはよくよく国とも協議していきたいし、どこを通るのか、どうやって建設するのか、いつ作るのか、その財源をどうするのか、まさに与党で今検討中だと承知しておりますので、その内容を見ながら関西広域連合や滋賀県でも議論していきたいと思います。

[時事通信]

先日、大津地裁の方でトチノキの裁判がありまして、所有権認められないということがありまして、今後県としてどういうスタンスで取組をされますか。

[知事]

私も知事になりましてから1度ですかね、またぞれぞれの地域に居住中にもそういった巨木、県内にたくさん立っている、また長年立ってきた巨木を目の当たりにいたしまして、伐るのは一瞬だけれどもこの神々しい数百年の存在感というものをやっぱり大事にして、この資源を守りそして活かしていこうじゃないかということで、この山に暮らし山を守り、そして山を活かす事業というものを今年度から本格的に始めたところです。

当然、今回対象になった金居原、このトチノキっていうのも対象でありましたので、もちろん民間の方々の売買、経済の契約事項を全て制約するというのはできないまでも、今回一定司法で、買われた方の所有権が認められないというということであれば、伐られずに守り活かすことのできる可能性が広がるということですので、私は歓迎したい。ほっと胸を撫で下ろす1人でありますので、具体はやはりただ立っているだけ、神々しいだけではなくて、その価値を多くの方に知っていただけるようなそういう取組をより積極的に広範囲に広げていきたいと思います。

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