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知事定例記者会見(2016年5月10日)

平成28年5月10日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

ゴールデンウィークいかがお過ごしだったでしょうか。私も県内各地を回る機会として活用させていただきました。印象に残っておりますのは3点です。

一つは近江八幡市安土で田植えをし、甲賀市で茶摘みをさせていただきました。やはり滋賀の自然の恵みは豊かだなと感じました。

2点目、各地のお祭りを回りました。日野まつり、竜王のケンケト祭り等ですね。非常に特徴ある、また多くの方が関わられる、とりわけ子どもたちが活躍する祭りが多いなと思いました。同時にお祭り、民俗、伝統文化を継承することも困難さをうかがい知ることができましたので、そういったことも課題だなと感じました。

3点目はラ・フォル・ジュルネをはじめさまざまな新たな取組が定着、また拡大しつつございまして、そういったことをさらに滋賀の魅力づくりとして伸ばしていきたいなということを感じた次第でございます。

今日は3点話題提供がございます。

1点目は、大津湖南エリア地域公共交通活性化協議会を発足させ、昨日第一回の会議を開催いたしました。検討地域が大津市と草津市をまたがりますものですから、県が両市と連携しまして、大学、県立図書館、県立美術館等多くの施設が集積しますびわこ文化公園都市への交通アクセスの向上のため、この地域のマスタープランとなります地域交通網形成計画の策定を目指しまして、検討を進めてまいります。

また、人口減少を見据えた公共交通のあり方検討を行うために「人口減少を見据えた公共交通のあり方検討協議会」を設置いたします。その第一回目の会議は6月下旬に開催する方向で現在調整させていただいております。

「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」や「交通政策基本法」が深く関係しており、いずれも私が国会議員時代にその制定ならびに改正に深く関与した法律でございますし、滋賀の可能性を伸ばし、課題を解決するための一助となるべくしっかりと検討し、議会でも一部答弁させていただいておりますが、公共交通の活性化のための条例含め、検討してまいりたいと考えております。

2点目はキテ・ミテ・中之島2016みんなの駅美術館への出品でございます。

5月21日から中之島で開催されます当イベントに滋賀から初めて作品を出品させていただくこととなりました。「みんなの駅美術館」は、京阪の中之島線4駅を美術館に見立てて、さまざまな作品を展示しようとする取組でありまして、今年で5年目ということでございます。

堂島川と土佐堀川に囲まれた中之島と琵琶湖を擁する滋賀県は川でつながっておりますので、川がつないだ文化芸術ということで今回滋賀からも作品を出品することとなりました。京阪電車さまからのご提案により出品させていただくこととなりました。出品する作品は近江学園の生徒・卒園生の作品および余呉小学校児童と画家大橋優子さんが制作した作品ということでございます。

近江学園はご案内のとおり戦後すぐに糸賀一雄先生をはじめ田村一二さん等々多くの方々によって粘土を活用した造形活動が始まりまして、現在に至るまで多彩な作品が作られ続けております。本日、近江学園の卒園生である西川智之さんの作品をこちらに持ってまいりました。西川さんの作品も京阪の大江橋駅に展示されるということでございます。

西川さんは2010年にパリで開催された「アール・ブリュット・ジャポネ展」ですとか2015年に県立近代美術館で開催された「生命の微」展に出品された作家さんでいらっしゃって、お手元に配布されたガイドブックでも紹介されております。これらの作品を魅力的な文化の一つとして大阪で初めて発信することとなります。

また余呉小学校児童と大橋優子さんの作品は、昨年度実施しました「学校にアートがやってきた」事業で制作した作品ということでございます。芸術家を学校に派遣いたしまして子どもたちと交流しながらアート活動を行う本事業において、余呉湖の羽衣伝説をイメージした布作品が完成いたしました。滋賀の子どもたちと芸術家が一緒に作った作品を中之島の皆さんに見ていただきたいと考えております。

この取組を一つのきっかけといたしまして、新たな出会いやつながり、こういったものが生まれるかと考えておりますし、何よりも滋賀の文化的な魅力をより多くの方々に知っていただくきっかけにしたいと考えておりますので、報道方よろしくお願いいたします。

続いて、3点目でございますが、平成28年度滋賀県職員等採用試験の実施についてでございます。

今般、県では滋賀県職員等採用試験の実施計画を発表いたしました。このうち、いよいよ5月16日から受験申込みの受付が始まります上級試験について説明したいと思います。

平成28年度の採用予定数については、全体として、昨年度より9人多い、114人を予定しています。内訳は、行政職が62人程度、総合土木職が22人程度、その他警察事務、環境行政、化学等の職種を合わせまして30人程度となっております。昨年度は実施しておりませんでした「水産職」「電気職」「機械職」も今年度は実施いたしまして、それぞれ1名採用予定ということになっております。ぜひ滋賀への熱い思いを持った方に多く受験していただきたいと考えておりまして、私自身も県庁就職セミナーに出席しながらですね、受験を希望されている、思案されている皆さんに直接お会いして、滋賀県の魅力、滋賀県職員の魅力、やりがいなどについてアピールしてきたところでございます。

お手元に採用案内のパンフレットをお配りしておりますが、現役の県職員が自分の担当業務について、またどんな点にやりがいを感じているかなどについて紹介しております。職員が作ってくれた、うちの子も「このパンフレットいいね。」と言っていたそういう自慢の作品でございまして、キャッチコピーに「Dive in SHIGA キミがつくる滋賀の未来」とありますが、滋賀県職員は、まさに滋賀県の未来をつくっていく大変やりがいのある仕事であります。滋賀県のために、また県民の皆様のためにともに頑張ってくれる方、滋賀への熱い思いを持つ方とぜひ一緒に仕事がしたいと考えています。

また、現在「女性職員の活躍推進のための取組方針」におきまして、採用試験の受験者に占める女性の割合を平成30年度までに30%以上にするという数値目標を掲げております。女性も男性もともにいきいきと活躍できる働きやすい職場であるということも十分にアピールしながら、受験者の確保に取り組んでまいりたいと考えておりますし、ぜひ多くの女性の方にも受験していただきたいと考えております。

上級試験の受験申込受付期間は5月16日月曜日から6月6日月曜日まででございます。今年度から、行政・警察事務の試験区分では、専門試験において出題分野を拡大して選択制を導入するなどして、受験しやすい制度になっております。報道関係者のみなさまからも、積極的な周知にご協力を賜れればということでございます。

退職者の増ということもあって、過去にない規模の採用予定数だということでございます。このパンフレットの裏表紙は、県職員が撮りにいった写真を張り付けた滋賀県ならびに琵琶湖の姿でございまして、竹生島のあたりに教育長の青木さんが載っていらっしゃるという、こういう作品でもございます。

[京都新聞]

1点目の公共交通に関することですが、あらためて公共交通の活性化に向けた条例も検討したいというお話でしたが、現時点での知事の考えとして、ご自身も関わられたという法律の趣旨を盛り込む方向性になるのか、滋賀独自の視点あるいは課題に対応する条例となるのか方向性をお願いします。

[知事]

条例そのものを検討するということよりも、公共交通の現状や課題を分析して条例の在り方を検討するということでございます。

今、ご質問のあった二つのことは当然検討の対象になると思います。やはり滋賀は交通で栄えてきた地域ですし、そこに強みがございます。ただ同時にその強みが弱みになりつつある地域等もございます。高齢化ですとか事業環境の厳しさですとか、こういったところを負のスパイラルで事業撤退、路線撤退、そして住民の不便ということにするのではなくて、マイカーだけに依存せず、公共交通をより便利にしていくことによって、高齢化に伴う例えば免許の返納、加齢に伴う移動・行動の制約というものを、行きたいところに行き、会いたい人に会えるという環境を作る正のスパイラルにもっていくためには、どういう取組が必要なのかということを少し幅広く検討していきたい。

これは、国で法律を定めましたけれども、やはりそれぞれの地域ごとに合意を形成していくことが極めて大事なものですので、そのことは立法過程においても重々わかっておりましたので、この機に、まずは草津、大津、びわこ文化公園都市を中心としたエリアの計画を作るというプロジェクトと併せて、全県的にどういう取組をしていくべきなのかという二つのプロジェクトを動かすことによって、検討を深めてまいりたいと考えております。

[京都新聞]

全県的な話のほうは、検討をする場を設けるのか、既存のところに投げかけることになるのか、そのあたりは今決まっていますか。

[知事]

全体的なことも人口減少を見据えた公共交通のあり方検討協議会を設置して検討いたします。一部委員の方で重複される方もあるかもしれませんが、多くのご利用が見込める地域と、そういうところばかりではない地域のことも含めた検討というのは、少し検討内容も変わってくるのかもしれませんので、そのあたりのことを幅広く検討していきたいと思います。

[京都新聞]

確認ですけれども、そこで条例ありきということではなくて、検討するなかで条例というのも一つの形として出てくれば、将来的にはあり得るということでしょうか。

[知事]

そうです。先行している都道府県は私の知る限りでは奈良県でしたかね。また、福岡市をはじめ、各市レベルでも条例を作られているところもあります。そういう先行事例を見ながら条例の在り方も検討していきたいと思います。

[京都新聞]

具体的な話として、大津・湖南エリアの話が検討されていますけれども、ここは昨日の会議でもそうでしたが、県立体育館の話や新生美術館の話があって、首長会議でも、そのへんについてはやや厳しい意見もありまして、不便ではないかというようなイメージがあるようですけれども、新しい施設ができていくタイミングと、昨日の会議で検討されていた課題の解決の時期について、一つ新しいシステムを導入するのであれば、新しい施設ができる時期というのが一つの目途になるのか、そのあたりの知事のお考えはどうでしょうか。

[知事]

3段階あると思っています。一つはすぐにできること。これはもうすでに連節バスの導入などなどで取り組みはじめております。ただその中で、先般も南草津駅に視察に行きましたけれども、時間帯によっては、時期によっては非常に学生さんが集中し、天候によっては長蛇の列が改札口にまで及ぶという、そういう課題もあって、1時限目に間に合わないというようなこともございますので、こういうことをシステム的に解消する、信号システムですとか、ICカードの導入ですとか、こういうことを鋭意検討していきたいと。二つ目は、そういうタイミングに合わせてターゲットを絞ってやっていくこと。三つ目は長期に渡ってですね、10年、20年スパンで考えなければならないこととを分けて課題を整理し取組を作っていきたいと思います。

[京都新聞]

そうすると、例えばLRTというような話は、今の三つの話でいくと中長期ということになるのでしょうか。

[知事]

中長期の中に含まれると思います。

[産経新聞]

鹿害抑止を目的に始めたココイチのカレーの出店が、今日で終了になるんですけど受け止めを教えていただけますか。

[知事]

これは27年2月から、約1年前から取り組んでいただいておりまして、大変意義のある、鹿による獣害で悩まれることと、そして命をいただいてカレーとしていただいているということを上手くミックスさせた有意義な事業であると考えており、そのことを啓発も含めてPRさせていただくこととして、県庁前広場で先行モデルPR販売をしていただいておりました。

今般、県の施設利用という観点でもそうですし、会社様と協議をする中で、今回の県庁前広場を活用した先行モデル販売は一区切りをつけさせていただいて、今回の取組の中でお考えになったこと、課題を意見交換しながら整理させていただいて、今後の展開に結び付けていきたいなと考えております。

[産経新聞]

確認ですが、県有地の継続使用としては限界があるということなんですけれど、当初ココイチさんには滋賀県の方からこういう取組をできないかという持ちかけがあって始めたと聞いているんですけれども、当初から県有地に関してそのような決まりがあったということは念頭にあったんでしょうか。

[知事]

当然県有地を使っての商的行為を含め活動には基準がありますし、そのことは承知の上で今回の取組はしていただいております。ただ、今般、その基準のより厳格な適用という観点ももちろんありますけど、会社さまのいろんな事情を含め、今後どう継続していくのがお互いに良いのかということについて、少し区切りをつけて意見交換させていただこうと思いました。

[産経新聞]

今後のことを先程おっしゃったんですけど、今後アドバンスさんと何らかの連携は考えていらっしゃるんでしょうか。

[知事]

今日、私もそのカレーをいただきますし、今後この事業をしてくださった会社さまと事業に取り組んでくださったスタッフの皆さんと少しよく意見を交換しながら今後の取組を検討したいと思います。昨日の芹谷もそうでしたが、獣害で悩む地域が山間部には非常に多いと同時にそれを狩猟等で個体数を管理する。そういう所にもスタッフ不足も含め非常に課題があると伺っておりますので、それらを解消するための一助にどうしたらなっていくのかという事も含め、大事な観点だと思いますのでそれらも含めて意見交換をしたいと思います。

[産経新聞]

今後協議して検討していくということなんですけど、今の段階で知事の中でイメージされていることがあれば教えてください。

[知事]

今、申し上げられるようなイメージはありません。今後検討したいと思います。

[中日新聞]

今のカレーの関連で、約1年半やってみて食べた感想も含めて、思ったより臭みが飛ぶとか、これだけ食べても頭数がなかなか減らないとか、その辺りの感想はどのように受け止めておられるでしょうか。

[知事]

これは元々、昨年2月から販売する前の12月に先行で私がいただいて、非常に美味しいなと、これ売れるんじゃないかということで、この県庁でのモデル啓発販売に繋がったのではないかと思っております。そういう意味で、私は知事になる前からお店等でいただいたこともあるんですけれども、美味しい調理方法・メニューだと思っています。

ただ一方で、CoCo壱番屋さんのカレーにしていただくということだけで、増える鹿の頭数が減る、もしくは管理できるレベルになるというわけではないようでして、その辺りのことをどう展開していけば良いのか。獲る人の課題、流通の課題もあるでしょうし、いただいた命を屠畜等で管理処理するという課題もあるでしょう。鹿の肉が持つ他の肉には無い特性というものもあるのかもしれません。その辺りのことをよくよく研究する必要があるのかなと思います。

[NHK]

熊本の地震の関係で、先月4月を集中月間と位置付けて、職員の派遣であったり、募金活動等をやられてきたが、その先月の取り組みについて5月になったので振り返ってみてどう評価されるのかということと、また今後県としてどのような支援が出来るか等、考えておられるところは。

[知事]

昨日、第1次、第2次で派遣に応じてくださった職員の皆さんと帰庁報告を受け意見交換を致しました。そして今日、県政経営会議の中で、現地に行っていただいている第3次の職員とインターネット電話で話をいたしました。

今日、職員から伺った情報では、職員が行っている学校は再開され、避難所と学校が併存する形で、活動が行われる等、昨日の職員の報告にもあったが、発災以降時間を追って日々刻々と変化する被災地の状況があると伺っております。従って、現地熊本県をはじめとする自治体ならびに国と連絡を取り合って、どういう支援が必要なのか、どういう課題があるのかということに即応していきたいと考えています。

同時にこれは防災危機管理局と話しているのですが、まずは被災地の復旧支援が第一でございますが、同時並行で直下に断層を多く持つ我が県として現状の防災状況に課題は有るや無しや、そして今回の熊本の地震を受けてやるべきことが有るや無しや、このことを鋭意検討しようということを申し上げておりまして、このことについても、少しまとまったものを計画の中に入れ込んでいく作業が必要だと考えておりますので、この点も並行して行っていく。

[毎日新聞]

ゴールデンウィーク中、各地のお祭り等をまわられたということですが、これは公務として行かれたのか。

[知事]

公務として行ったのもありますし、私、個人で行ったのもございます。

[毎日新聞]

公用車は利用されましたか。

[知事]

公用車を利用したこともありますし、私の運転で行った所もありますし、妻の運転で行った所もあります。

[毎日新聞]

本日、日本地質学会が滋賀県の石というのを全国で発表されるということですが、ご存じでしょうか。

[知事]

報道資料で触れました。こういうことがあるんだなぁということで非常に関心を持って見ました。

[毎日新聞]

ご感想等は。

[知事]

私、石等が好きでして、子供の頃はよく水晶を取りに行ったり、これは小学校の担任の先生の影響ですが、知事になってからは米国ミシガンのスナイダー知事がミシガン州の石というペトスキーストーンですか、これを頂いて今も私の知事の机の上に飾っているんですが、こういう取り組みというのは都道府県ごとにもってPRするもしくは磨く良い取り組みではないかと思いますので活用したいなと。

[京都新聞]

原発に関することで、今日から大津地裁の方で先日の仮処分に対する異議審が実質的に始まるんですけれども、改めて先日の決定では避難計画に対する問題点というのも指摘をされて、直接原発のことは問題になっていないわけではないが、熊本の地震でもあれだけやはり地震が相次ぐと、避難というものがなかなか難しくなるという現実も想定としては、ああいう例を見ていると考えられるが、近々、知事も国の政策提案の方で国会議員の方と意見交換等をして提案をまとめられていくと思うが、今年の国への要望や提案の中で、避難計画の策定の仕方あるいは従前からおっしゃっている法定化も含めてですね、どういうふうに提言していこうかということと、改めて異議審が始まることについての知事なりの考え方をお願いします。

[知事]

まず異議審についてはですね、この定められた過程の中でプロセスの中で、しっかりと審議をしていただくということが、必要だと思いますしその過程を我々も良く確認をしたいと思います。

とりわけ原子力発電所の安全性確保ということに重きを置いて決定が行われたことに対しての異議審ではないかということでございますので、双方からの意見をよくよく比べながらですね、我々も注目をしていきたいと思います。その上で、今ご質問のあった熊本地震等でやはり断層、隣接する断層が連動して連続して動くという、もっと古い歴史にはあったのかもしれませんが、今回起こったこういうことを想定し、どう対策をとっていく必要があるのかということも大事です。

また、最悪の場合を想定し、最悪の事態が起こらないということに注力しつつもその事態が起こった場合に、どう逃げるのか、また被爆を防ぐのかということも併せて考えていく必要があると思います。そういう意味で避難計画の実行性ですね、こういうことに自ずと関心が集まるのは自然なことだと思いますので、若狭湾に多く原発が立地しており、琵琶湖を預からせていただいている滋賀県としても良くそのことについて想像力を働かせながら、避難計画の有り様を検討していきたいと思います。

屋内退避というものの現実性がどうあるのか。これは、私は非常に懐疑的なのですが、留まって欲しい、居て欲しいということにどれだけの方が応じていただけるのか、今回のように連続して余震等が続く中で、屋内に留まり得るのか。今回明らかになりましたね、熊本でも。家はあるけれども崩れかかっている家には留まれない。このことに、屋外放射能数値が高いという状況がどう影響作用するのかということはよく考える必要があるかと思います。滋賀県は避難される際に通られる方も多いと思いますので、そういうルート確保の問題も重要になってくるでしょう。そういうこともよく踏まえながら不断に研究していきたいと思いますし、その研究を是非国にも促してですね、国会議員の皆様との意見交換ならびに政策提案等もございますので、こういう機会を活かして、よく自治体のこの不安の現状を伝えていきたいと思います。

[滋賀報知]

アメリカの大統領選ですね。共和党の指名にトランプ氏がほぼ確実になったわけですけれども、この方は非常にユニークな方で、移民政策についてもメキシコの国境に壁を作るとか、イスラム教徒の入国禁止を掲げるなどされていますが、フィリピンの大統領選もそうですけれども、こういう放言というか非常に強行的な形を本音で出すという、この辺はどういう、今までの新自由主義が破たんしているのか、ある意味孤立主義というかそういう時代に変わりつつあるのかちょっとわからないですけれども、どういう具合に受け止められていますか。

2点目は、基地の問題ですね。全額負担しろと、だめならもう駐留はやめると、撤収すると。それなら日本も核武装すればいいと。非常に、今までの9条とかですね、憲法論議、日米安保を基軸にして日本の右も左も作ってきた枠組みが完全に全然違う切り口で、人種の問題については賛同しかねますけれども、これについては非常にリアルに今までのタブーをきちっと言っているという感じがするんですが、この2点のことについて知事はどう感じられているのか。

[知事]

非常に重要な問題提起だと思います。概ね私も石川さんと同様の見方をしているんですけれども、今年はいろんな意味でこの米国大統領選挙を見ながらですね、本質的なことを我が国内においても議論する時期ではないかと考えています。

一つは安全保障の問題です。これはある意味では原則論で大統領選挙において一部の政党の方が、候補者の方が提起されているという受け止めだと思います。おっしゃったように、米国、米軍との関係によって安全保障を作ってきた、我が国の安全保障政策を根本から議論しなおす。そういう提起だと思いますし、ある意味では自分の国は自分で守る、そういう事態が起こりえない様々な方策を尽くすということだと思うんですけれども、そういうことを我が国においてもしっかりと構築していく、そういう時期に来ていると思います。

ただ一方で、トランプ氏をはじめ排他的、孤立的な主張とも受け止められかねないそういう主張がそのまま本選でされるかどうかはわからないとしても、しかしこの党内の指名獲得を巡るなかで行われたということは、私は由々しきことではないかなと考えておりまして、停滞期には排他的になるというアメリカの政治の一つの歴史を象徴しているのかも知れませんが、ここには米国民の良識がきちんと示されるように期待をしたいと思いますし、日本がそういったことにくみしないように、そういう流れに飲み込まれないように多様性を尊重するということをぜひ旨としていただきたいと思いますし、本県はそういうことでまいりたいというふうに考えています。

[滋賀報知]

この7月には参議院選があるわけですね。ある意味ではどこまで安倍さんがやられるかわかりませんけれども憲法改正なんかが争点になると思うんですけれども、このアメリカのトランプ氏なんかの動きはですね、ある意味で憲法を守れとか、9条をなんとかしようという流れじゃなくて、いざとなったらアメリカさよならしちゃうよとなればですね、根底的に枠組みが我々自身も考えざるを得ないというような状況も将来考えられるんですけれども、今度の参議院選とアメリカの大統領選の動きは影響があるのかどのようにお考えですか。

[知事]

わかりません。わかりませんが、日本と米国の非常に大事な選挙が今年行われるということにおいては、その時々の、その国々の一つの意志が示される、示せるそういうチャンスでもありますので、私自身がいただいている権利は大事に行使したいと思いますし、その行方を重大な関心を持って見ていきたいと思っています。

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