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知事定例記者会見(2016年2月16日)

平成28年2月16日
(県政記者クラブ主催)

俳句春浅し 今まさに映えん 湖国かな
俳句を説明する様子
記者からの質問に回答する様子

おはようございます。

寒い朝でしたけれども、「春浅し 今まさに映えん 湖国かな(はるあさし いままさにはえん ここくかな)」

この時期、暖かかったり寒かったりと、体調管理が大変ですけれども、春の訪れを待ちながら、寒い朝に、澄み渡った空の中で、山々を見たり琵琶湖を見たりすることに癒されています。

いよいよ明日から議会が始まりますので、来年度予算案はじめ、しっかりとご審議いただけるべく当局としても万全を期してまいりたい。また、県民の皆様に県政の課題等をご理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。

本日は話題提供一点です。

県と長浜市で、「山を活かす、山を守る、山に暮らす奥びわ湖源流の会」を設立することになりましたので、お知らせします。

昨年2月と今年1月に、私自身も長浜市木之本で短期間居住を行いましたが、こうした地域は、かつては林業、養蚕業、製炭業、また鉱山採掘などで大変賑わっていたと聞いておりますが、現在では、高齢化や人口減少が進んでおりまして、この地での暮らしの中で、山の保全、活性化にしっかり取り組んでいく必要があることを強く感じました。

同時に、村の人達と意見交換をしておりますと、「知事、獣害対策を何とかしてくれ」とおっしゃる一方で、てっきり捕らえてほしいとおっしゃるのかと思ったら、「獣たちが山で暮らせるよう、山をしっかりと保全してほしい、戻してほしい」というお話があるなど、山の方々の非常に温かい心にも触れた、また、滋賀県民らしいなと感じたひと時でもありました。

何もしなければ、住む人がさらに減少します。人が住まないと地域が荒れますし、そのところを、地域のみなさんと、地域を元気にする取組を行っていきたいと考えました。

幸い、これらの地域には、山の貴重な資源が多く残っております。きれいな水で作ったおいしいお米、おばあちゃんが作った山菜、漬物、そば、ブナやトチノキの巨木林、山門湿原、小原かご、土倉鉱山などです。

また、ちょうど気候・地形の影響からか、琵琶湖の東北部、奥琵琶湖の源流地域には貴重な独自の生態系の交わり等もあるということです。昨年5月には、藤井長浜市長はじめ、地元の皆さんと一緒に、杉野川源流のトチノキ巨木林を視察しました。何百年と成長を続けてきたトチノキの命のたくましさ、命のほとばしり、神々しい雰囲気を感じたところです。伐るのは一瞬なんですが再生するには数百年かかります。伐らずに守る価値と責任があると実感したところです。

さらに、琵琶湖の水をはぐくんでいるのは、周りを囲む山々であり、琵琶湖の恵みは、とりもなおさず緑豊かな森林の恵みであることも忘れてはならないと考えています。

会の具体的なイメージは、お配りした資料1のとおりですが、会の名称は、「山を活かす、山を守る、山に暮らす奥びわ湖源流の会」です。メンバーは、私と長浜市長、各地域の代表のみなさんにお入りいただきたいと考えております。

まずは、モデルとして、旧木之本町、旧余呉町、旧西浅井町の地域において、地域ごとに部会を作って、議論を深めていきたいと考えております。

会の設立時期は、3月下旬を見込んでいまして、森林山村資源の活用、資源を活かした就労、山村と都市との交流など、森林山村地域振興全般について、議論していきたいと考えております。

資料2のとおり、国の補正予算である「地方創生加速化交付金」を利用して、「山を活かす、山を守る、山に暮らす」都市交流モデル事業に取り組んでいきます。この事業では、森林山村で十分に活用されていない地域資源を掘り起こし、地域住民と都市住民が交流するイベントなどを通じて、それを就労や地域おこしにつなげる仕組みを作り上げていきたいと考えております。

私からは以上です。

[讀賣新聞]

高島にも暮らされたことがあったと思いますが、長浜にポイントを絞られたのは何かあるんでしょうか。

[知事]

まず長浜の奥びわ湖源流の地からやってみようということです。もちろん山といえば県内周り各地にございますし、森林という意味で言えば県土の二分の一を占めるという意味では大変広いですけれども、ご縁があり、また、いろいろと調査もし、地域の皆様方との連携も図りやすい。また、先ほど申し上げましたように日本全土をとってみましても、非常に独特の生態系を有しているということからも、まずの地でこの取組をやってみて、また検証しながら他の地域に広げられるところを広げられていけばというふうに思っております。

[讀賣新聞]

いま裁判のほうがトチノキをめぐって民間同士の土地の所有者さんと業者さんということなので直接県がということではないのかもしれませんが、実際こういう風な仕組みをされてもそういう私的な取引については県が制限をかけるというのが難しい状況だと思うんですけれども、守らなければいけない、切るのは一瞬というふうにさきほどもおっしゃったんですが、知事としては今回の裁判に対してどういう風にお考えなんでしょうか。

[知事]

まず係争中の司法は司法の中で議論されることであります。

同時にご指摘いただきましたように、“私(わたくし)”の権利を公の権限でもって制限をしたり、またその売買によって所有権がある方に移転されたものを県の公の資金を持って買い取る保有するということは、なかなか難しいという風に考えておりますが、同時に育てる再生するのは数百年、伐るのは一瞬という資源をどう守っていくのかというこの地域ならではの課題に向き合っていく必要があるんだろうと。この地域はダムの問題があったり、また様々な過疎化の問題があったり、どの地域にもありますけれども、とりわけいろんな歴史の中で課題のあった地域でありますので、係争中の司法は司法で横目に見つつ、そういった資源を活かす取組というのも同時進行で整えていく必要があるであろうと。その後司法の結果が出たその課題に対しても有効に作用すれば、という風に考えておりますので、県は市と協力して地元の人たちとも力を合わせてですね、この地域の資源を守り活かす取り組みを進めていければいいなというふうに思います。

[産経新聞]

奥びわ湖源流の会の目的にある長浜市北部地域の森林山村振興というのは、やはり金居原のトチノキも対象に含まれるということなんでしょうか。

[知事]

はい。トチノキの巨木はじめですね、ブナなどのそういう木々も含めて対象になります。

[産経新聞]

裁判で仮に木材商側が勝たれたとしたら、伐採される可能性が大きくなると思うんですけれども、伐らずに守る責任があるということなんですけれども、例えば県として買収とか積極的対策に乗り出されるお考えはあるんでしょうか。

[知事]

この取組のみならず山にはこういった地域振興や観光振興に資する資源がたくさんあります。その中の一つにそういう木々や巨木群というのがあると思いますので、それらを個々買い取って県が保存していくというのは大変難しいという風に考えておりますが、私たちが見た、確認できている巨木群のみならず、やはりその地域に長年かけて育ってきた木というのは、ある意味では生態系保全の観点からも、またいろんな実や蜜を資源として供給してくれるという意味においても、私は貴重な資源であるという風に考えております。ただ今その一部所有権をめぐり司法で争われているということについてはその行方を見守りたいと思うんですけれども、その過程においてそれぞれ当事者が合意していただけるような内容で収まり、伐られずに保全される状態が望ましいのじゃないかなあという風には考えてはおりますが、それは司法は司法で判断されますので、我々はきちんと今ある資源、その他の資源を守れるような取組を構築していきたいということからこの会議を立ち上げさせていただこうと考えておりますので、今回の裁判があったからということだけで直接やろうとしているということではありません。

[産経新聞]

個々の買収は難しいということなんですが、とはいえ裁判の結果が木材商側になったときは、県としてはどのような対策を具体には考えてらっしゃるんですか。

[知事]

司法の結果が下された時には、その結果に基づいてまたその時に県としての対応を検討したいと考えております。

[産経新聞]

北陸新幹線に関して、知事が広域連合として井戸さんと一緒に明日与党PTに聞き取りにいかれるという風に伺ったんですけれども、もともと西田委員長は関西広域連合から聞き取りはしないという風におっしゃったようにきいているんですけれども、今回どういった経緯でそのような流れになったんでしょうか。

[知事]

今与党の委員会をしてこの北陸新幹線敦賀以西ルートの検討がされており、いよいよ多数のルート、それぞれの主体のご主張等が出てきて、ある意味では大事な時期を迎えているということだと思います。そういう中で私自身も関西広域連合で、関西広域連合としての主張を与党の検討会の場でさせていただくようにすべきではないかという意見を申しあげ、井戸連合長はじめ皆様方にも呼応していただき、与党側にもその働きかけ、申入れをしていただきました。今般、明日17日に予定されている場に関西広域連合の招請があり、その出席に向けて最終調整をしているということだと思います。井戸連合長はご出席をされるということでありますし、私自身も日程が合い、合意が整えば一緒に出席する旨井戸連合長にもお話をし、井戸連合長も一緒に行きましょうということであります。その場で関西広域連合としての考え方などを申入れ、与党の方々のご質問にお答えするということになろうかと思います。

[産経新聞]

関西広域連合としての考えをおっしゃるということでしたが、知事は依然、米原ルートの優位性をあらゆるところで訴えていきたいというご発言もあったかと思うんですけれども、今回はそういった米原ルートのメリットを訴えたりするお考えはあるんでしょうか。

[知事]

その場で関西広域連合として与えられたその機会にどう申し上げるかはいま最終調整中でございますが、関西広域連合としての見解や経緯考え方を申しあげるのが、私はまず前提としてあろうかと思っています。もし仮に滋賀県さんも前に来てこうおっしゃったけれどもどうかとか、構成府県市がどう考えるのかというご質問があれば、また滋賀県としての考え方を述べる機会があるのかもしれませんが、基本的には関西広域連合として、たとえば三年前に検討の結果米原ルートが優位であるという結論を出している等々の関西広域連合としての考え方を述べるということが基本にはなると思います。

[産経新聞]

関西広域連合としてのお考えということなんですけれども、当日はたしか京都府の山田知事もご参加されるかもしれないという風にお聞きしているんですけれども、たとえば山田知事は小浜・京都ルートに対して前向きな姿勢を示していたり、三日月知事は米原ルート指示というお考えは変わらないという風にお聞きしていますし、三者三様考え方は違うとは思うんですけれども、いまの関西広域連合の考え方をどういう風に知事として認識してらっしゃいますか。

[知事]

関西広域連合としての考え方は、三年前に様々な方々と協議、もしくは調査を行ってですね、費用対効果、開業までの時間等々を勘案してですね、米原ルートが最も優位であるという結論を出した。その後、当時は十分にお話を伺うことができなかった、営業主体になるであろうJR西日本さんや関係するかもしれないJR東海さんから、ルートやシステム上の課題等について与党の検討会においてご提起はあった。その状況を受けて、三年前に出した結論を堅持しえない、再検討せざるを得ないというのが、いまの関西広域連合の状態だという風に思っていますが、その費用対効果の面であるとか、開業までの時間であるとか、そういう意味で最も早く安くつなげられるのはどこですかといったことであるとか、システム上の課題や制約というのは当時三年前の検討の時にもですね、当然想定されていたことでありますし、国家的見地からどこにどうつながり、そして付随する課題はどう克服するのかということが今問われているテーマだと思うので、そういうことを与党の検討会の場で、関西広域連合として提起していければというふうに思っています。関西広域連合としても大阪まで早くつなぐべきだということは繰り返し言っているわけでありまして、そういう意味では大きい意味で言うとJRさんなりが主張されていることとかわりないのかもしれません。ただ、どこを通って大阪まで行くのか、どう乗換えなりを考えるのかというところに、若干、自治体と営業主体側との齟齬が現時点であるのかもしれないという風に考えております。

[産経新聞]

国家的見地からということなんですけれども、滋賀県としては国家的見地からリニアの開業とかを考えると米原ルートのほうがコストもだいぶ安く抑えられるんじゃないかという主張だった思いますが、そのあたりは主張される予定はありますか。

[知事]

関西広域連合としてもかける費用と得られる効果、費用対効果、また開業までの時間を考えて米原ルートがもっとも優位であるということを申しあげてきましたし、その点は私自身が滋賀県知事として、昨年与党の検討会において申しあげた国家的見地からその財政の問題、時間の問題を考えれば、米原ルートではないか。国家的見地ということで言うと、北陸からの移動はなにも近畿圏だけではなくて中京圏等もあるのではないか、また国家的見地で言うと北陸新幹線だけではなくて、リニア中央新幹線の構想もあるのではないか、それらを名古屋までではなく、関西と首都圏とをより速くつなぐというニーズもあるのではないか。もし北陸新幹線に多大なる時間と多額の費用をかける余裕があるのであれば、それらは一部リニアの大阪までの開業に結びつけるべきではないかといった主張は、国家的見地からという視点で言うと検討されてもしかるべき、そういう課題ではないかなと思っています。

[毎日新聞]

北陸新幹線の与党検討委員会の委員長は京都選出の議員ですが、それは不利と思っておられますか。

[知事]

それぞれの出身の議員さんなり、然るべき立場の方が、その地域のことを重く置いて考えられる。また、新幹線はじめこういった高速鉄道インフラは、そういった政治的要素で決まってきたという歴史を鑑みれば、有利か不利かと言われたら有利ではないと思いますが、しかし、財政の状況や人の流動という面からいって、別の判断もあるかもしれませんし、委員長だけがお決めになることではないと思いますので、そこはまだまだ議論の余地があるのではないかと思います。

[毎日新聞]

先日の京都市長選挙では、西田さんは応援演説で「現在、北陸新幹線を舞鶴から京都へ引くために努力している最中です」とおっしゃっていましたが、そのあたりはどう思われますか。

[知事]

どうおっしゃったのかとか、前後にどう言葉が付いていたのかなど、私はつまびらかではありませんので、そのことはコメントする立場にはないと思います。

[毎日新聞]

山の話ですが、この対象と想定している地域一帯の所有者は私有林が多いのですか。

[知事]

組合所有のものもあるが、私で所有されている森林も多いです。

[毎日新聞]

理念や目的は良い事だと思うのですが、知事や市長が言いだして、下からの協力という意味ではどうなんですか。

[知事]

この間、全ての地域とは言えませんが、色々な意見交換や交流をしてきて、これは私のみならず実務的にも、協議や話合いをしてきてこの形になったものですので、何も我々行政の側、首長の側からのみ働きかけているということではなく、地域の方々もこういう村にある、山にある非常に素晴らしいものを、どう伝え残し生かしていけばいいのかということに随分と苦慮されていますので、そういう意味では双方ともにがんばろうという方向で一致したという事ですので、上からとか下からというものでなく、みんなで力を合わせてやろうという提案をさせていただいているところです。

[中日新聞]

北陸新幹線に関して、先日の首長会議で「本気度が見えない」などの意見が出されましたが、それをどのように受け止められたのかという事と、先日の会見では「はたして魚を取りに行っていたのか」という発言がありましたが、その趣旨について少し解説いただきたいのと、最後に、そのような姿勢は、先日の首長会議で何か変わったのでしょうか。

[知事]

先般の首長会議でも様々なご指摘、ご意見をいただきました。大変有意義な機会であったと思っております。同時に、私なりには三日月らしい本気度を示していると思っているのですが、それらが首長の皆様方に十分に伝わっていないとすれば、もっとコミュニケーションする必要があるんだろうなというふうに思っております。

前々回の会見で「逃した魚は大きい、小さい」の話がありましたが、若干私の答え方も皆さん方に十分ご理解いただけなかったかもしれないですけれども、整備新幹線の問題は県だけではなくて、そこを通る自治体や住民の方々の方や、関連する鉄道会社を含めて、かなり醸成される必要のあるテーマだと思います。

そういう意味で、そもそも魚を取りに行ってたんだろうかと、その魚とはどういう魚で、どのくらいの大きさで、それを釣るためにどのような餌が必要で、どんな対策が必要なのかという事について、果たして滋賀県は十分理解を得て、協力体制が取れているんだろうかという問題提起でありまして、ここにきて与党検討委員会の敦賀以西ルートが、かなりの速度です進められている、また、県選出の国会議員の方々も色々な立場でご尽力いただいている、経済界もこの状況を鑑みて、様々な行動を起こされ始めている。先般の首長会議でもあのような形で一定時間、顔を合わせて議論することができた。そういう意味で、そういう環境というのは徐々に整いつつあるのかなというふうに考えております。

同時に、滋賀県だけが決めれば、その全部が実現するわけではないという事においては、かなり難しいテーマである、また国の整備計画自体は米原市を通るというかたちで現時点決まっているわけではないという事からすれば、それらを覆していくためにも相当な労力を要するテーマなんだろうなという事からすると、より力を入れて、より合意形成に色々な手法を取って取り組んでいく課題であるなというように考えているところです。

[中日新聞]

これまで市町の参加はあまりないように見ていましたが、そのあたりが変わってくるような動きはあるのでしょうか。

[知事]

市町は市町で当然、米原につなぐこと、それ以外のルートになることに伴う効果・課題・問題等もあるのだと思います。

ですから、この段階において、市町もより積極的に動き始めていただいておりますので、例えば今日から明日に向けても、様々な国会議員との皆様方との協議や、そういった場に市町と一緒に取り組んでいると聞いていますので、その中で県の方向性が統一されていくのだと思います。

[産経新聞]

先ほど「三日月らしい本気度」とおっしゃいましたが、具体的にはどういう部分というものはあるのでしょうか。

[知事]

こういう会見の場で上手く表現できるかどうかわかりませんが、私自身が鉄道員だったという事もあるでしょう。また、その整備新幹線の様々な検討の、平成21年、22年、担当政務官として、財務省・総務省の政務官と一緒につくってきた、そういう経過もございます。整備新幹線高速鉄道網には光もあれば影もあるということも、並行在来線の経営が立ち行かなくなっている一部会社の状況を見れば、そういう問題もあるということからすると、もう一つ付け加えるとすれば、平成18年に選挙でもって県民の民意が示されて、私の選挙区であった地域の新幹線の駅の計画が造られなくなったという事も経験していることからすれば、非常に奥深くて幅広いテーマだと思っています。

ですから、なるべく色々な課題を早め早めに出しながら、関係当事者の合意形成を図っていくという丁寧なプロセスが必要ではないかということから、色々な方と色々なテーマで議論をしている。もって私は三日月らしい本色ということを称させていただいております。

[産経新聞]

つまり、具体的なこととしては色々な方と話し合ってきたという部分にあるのですか?

[知事]

首長だけが、知事だけが旗を振れば、行動すれば動くものではないと思っています。したがって色々な方がより多くのことをわかった上で動ける状態に、一人の100歩よりも100人の1歩が整った段階で、事が成っていくということに重きを置いておりますので、そういう事のために私は私の動きをしていく、話もするし、良い面だけではなくて課題も伝えていくし、そういう意味で申し上げております。

[産経新聞]

来年度に北陸新幹線に関する調査費用を計上して、ルートに関しても調べられると思うのですが、今年の5月にはルートの絞り込みがなされるようですが、若干で開始時期が遅いのではと思うのですが、そのあたりはどのように受け止めておられますか。

[知事]

既に今年度にできることについては、並行在来線の調査含めてやっておりますし、来年度5月か6月に与党をして複数の案に絞り込みをされ、政府与党をして本格的な調査をされる、ルート決定をしても着工までの時間、着工しても開業までの時間、駅の問題をどうするのか、並行在来線の問題どうなるのか、などなど本県に関わる課題もこれはまだしばらくありますので、そういった事に県としてしっかりとデータなり裏付けをもって臨めるようにということからすれば、私は遅くないと思いますので、ただそれを超えるスピードで進むことも十分に想定しながら、早め早めの対策を取っていきたいなと思います。

[産経新聞]

ルート決定をしたとしても、それを覆すことは可能だと考えていらっしゃるという事ですか。

[知事]

政府与党をしてルートが決まれば、それが覆ることは、私は難しいと思っております。

その為の調査ではなくて、ルートが決まった後の、じゃあ駅はどこに造るのですか、並行する在来線の経営分離に自治体は同意しますかなどなど、付随する問題がしばらくの期間続きますので、そのことに滋賀県は影響を受ける可能性がありますので、そのことに備える調査の費用をみているということです。

[産経新聞]

そうすると、米原ルートが優位であるという事を示す調査費用ではなく、米原ルートではないルートに決まったとしても、そのルートで損失を被らないように調査をしていくということですか。

[知事]

米原ルートが優位であるということの根拠は、費用対効果や時間的な問題等々で一定資料を出させていただいていますが、この調査の過程でさらに精度が上がるという事もあろうかと思います。例えばダイヤの制約をどう考えるのか、システム上の課題をどう考えるのか、国は国で調査検討されるでしょうけれども、県は県で調査検討し、比較・議論できる材料が得られるかもしれません。

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