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知事定例記者会見(2016年2月2日)

平成28年2月2日
(県政記者クラブ主催)

俳句盆梅に 香る人世の 息づかい
記者会見で俳句を説明する様子

おはようございます。早いもので2月になりました。

今月の一句です。「盆梅に 香る人世の 息づかい(ぼんばいに かおるひとよの いきづかい)」

昨年、盆梅展で買い求めました盆梅、小さい梅も、おかげさまで、公館の管理人さんのお手伝いも頂き、昨日花をつけました。

また、昨年の台風で倒れた公館の梅もちらほら花を咲かせております。今は長浜の盆梅展も好評でございまして、多くの方がご来場と聞いておりますので、是非お楽しみいただければと存じます。

また、滋賀学園良かったですね。春のセンバツ出場を皆で応援したいと思います。

週末は東京で「おいしが うれしがマルシェ」ならびに「戦国の近江魅力発信事業」に参加してきました。いずれも国の交付金を活用した補正予算を使った事業で、準備の暇が限られれていましたが、担当者の努力と、多くの方のご協力をいただき、概ね好評に開催できたという事ですので、今後の事業に役立ててまいりたいと思っております。

さて、今日のお知らせですが一件です。

そういうことも絡めて、滋賀の魅力を全国に力強く発信していくため、この2月から4月頃にかけて、主に首都圏で「見る!食べる!語る!滋賀の魅力を全国発信!」と銘打ったキャンペーンを展開します。

ちょうどこの時期、進学・就職・転勤といったことで人が多く動く時期でもありますので、この時期に様々な情報発信事業を集中させて、首都圏はじめ全国の皆様から滋賀県に目を向けていただこうというものです。

既にお知らせ済みのものや、今後、詳細を発表するものもございますが、全庁的に全国発信の意識を持ってきたものが、一つのムーブメントのようなものになってきたということですから、こうした形で話題提供させていただきます。

いま県で取り組んでおります共同通信PRワイヤーという媒体を活用しながら発信してまいりたいと思います。

いま「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」を具体に動かす段階に入っておりますので、市町や民間と連携しながら、滋賀の魅力を磨いて発信することに全庁挙げて取り組んでいきたいと思います。

7月には長浜市さんが観音様を東京に行っていただくという計画のようですし、9月には東京国立博物館で櫟野寺の展覧会を計画中という事もありますので、そういったものの助走になればいいなと思っております。

簡単ですが、私からは以上です。

[読売新聞]

この一覧のうち、知事はどれくらい参加されるのでしょうか。

[知事]

いま決まっているのは、3月9日の「第28回琵琶湖夢街道大近江展」や「司馬遼太郎没後20年記念シンポジウム」は行く予定で調整していますが、それ以外も出来る限り出られる方向で調整したいと思っています。

[読売新聞]

トップセールスマンとして知事が前面に出ることの効果というものは、どのように感じていらっしゃいますか。

[知事]

先週末の日曜日の東京でマルシェと城の講演に伺いましたが、知事が来て知事の言葉で話すことの効果は一定あるなと思いました。

来られる方の注目度やメディアの方の注目度が、やはり違うものがあると自覚していますので、より積極的に私自身のセールスをしていきたいと思います。

[読売新聞]

関西広域連合で北陸新幹線の1つの方向性を出されました。前回の会見でも米原ルートを推進するというのは重く受け止められるべきとおっしゃっていましたが、それとは違う、「再検討」というマスコミからすると米原ルート撤回ではないかと思っているのですが、知事が連合の中で滋賀県知事として異議を唱え、三年前の主張を重く受け止めるべきと主張されなかったのはなぜなのでしょうか。

また、先日JRから話を聞かれました。事業主体が米原ルートを望んでいないと受け止めたのですが、決定権を持たない自治体として、米原ルートを主張していくとすれば、どのような働きかけをしていこうとされているのでしょうか。

[知事]

平成25年4月25日の関西広域連合で決定した「北陸新幹線(敦賀以西)ルート提案に係る基本方針」をご覧いただければと思うのですが、『北陸新幹線(敦賀以西)ルートについて検討した結果、(1)開業による波及効果では、関西にとって湖西ルートがやや優位であるものの3ルートともほぼ同等であり、(2)小浜ルートは日本海国土軸の形成に一定程度寄与するが、(3)費用対効果、開業までの期間などを総合的に判断すると、「米原ルート案」が最も優位であると提案する。』とあります。以下、※に『「米原ルート案」は、敦賀から米原を通り、新大阪に至るルートであって、リニア中央新幹線の大阪開業までは米原駅で東海道新幹線等に乗り換え、リニア中央新幹線開業後は乗り入れるものとする。』と記されており、以降、その、『リニア中央新幹線の早期全線開業についても国やJR東海に対して求めていく。』また、『国と地方の費用負担のあり方や地域の受益の程度などを勘案し、引き続き、関西広域連合として検討し、関西全体で解決を図る。』ということや、『ルートの整備に伴い発生する並行在来線(北陸本線、湖西線を想定)については、京阪神と一体となった交通ネットワークを形成する幹線交通として、重要な役割を果たしていることから、関西広域連合は、当該並行在来線の経営がJR西日本から分離されることは受け入れられず、分離されないよう、国やJR西日本に求めていく。』といったようなことが記されています。

私どもは、この決定、この方針に基づくものでもありますし、同時に費用面や時間面を勘案し、最も早くつなぎ効果を発現するものとして米原ルートが最適なのではないか、同時にそういったダイヤや乗り入れの制約やシステム上の問題などについては、国家的見地から乗り越えていくべき課題ではないかと提起しました。

あわせて、多大な費用をかける余裕があるのならば、それらはリニア、大阪までの早期開業に注いだ方が国の利益にも、また地域の発展にもつながるのではないかといった趣旨の提起をさせていただきました。

この三年前の関西広域連合の決定時には、伺ったところ、JR西日本の意向は聞けなかったと聞いておりますが、今回こういった形で正式に、JR西日本からの意向表明がされたという事は、私はある意味、重く大きなことであると思いますし、関西広域連合としても、当時は話題として大きくあった、今般、整備が遅れると示されたフリーゲージのあり方を含め、その後の状況変化を勘案し、関西広域連合として、いよいよ国において決定される北陸新幹線敦賀以西ルートに対して、どう臨んでいくのかということを再検討することは、ある意味で自然な流れであると思いますし、滋賀県としては、滋賀県の立場を、今後ともしっかりと主張しながら、滋賀県の将来的な利益になることを見越して、議論に参画してまいりたいと思います。

[読売新聞]

事業主体が望んでいないことに対して、自治体として訴えていくことだけでは、なかなか考えを変えることは難しいと思うのですが、そのことについてはどうですか。

[知事]

営業主体になるであろうJR西日本から提起された問題は大きいと思います。

それらを克服してつなぐならば、そこに係る支援もいるでしょうし、そういったことは国に支援いただくことも必要でしょうし、同時に地域の大きな課題としては並行在来線の問題がありますね。今回の敦賀以西のルートはいよいよ物理的並行在来線だけではなく、非物理的並行在来線の問題を考えていかなくちゃいけないという、そういうエリアになってきます。

したがって広域連合の中で連携して結論を出していかなければいけない課題だと思いますので、そういう意味で色々な課題をテーブルの上に提示して、それらを克服するためにどういう譲歩や合意形成が望ましいのかいうことを、今後国においても、関係者のヒアリングを通じて検討されるでしょうし、夏までに一定の結論に、一定の選択肢に絞られるという事であれば、その過程において協議する機会をいただけるでしょうから、その機会を通じて私どもの考えを申し上げていくということです。

[読売新聞]

それは、米原以外の小浜・京都のルートを通った時に、いま滋賀を通っている湖西線が並行在来線として捉えられるという危機感を知事はお持ちだという事でしょうか。

[知事]

色々なことが想定されると思うのですが、質問にあったように、「もし仮に国の整備計画上の1つである小浜市附近を通り、JRが望まれる京都に乗り入れるということになった場合に、並行在来線はどうなるんですか?」という問いに対して、物理的に並行する在来線と、物理的に並行しない在来線については優等列車の代替ということからすると、湖西線も並行在来線の検討線区に入るということも言われておりますので、そういうことも視野に入れて、検討材料として私どもの方向を検討していく必要があると思います。

[京都新聞]

湖西線が並行在来線の検討対象に入るというのは、この前の関西広域連合の場での質問に対するやり取りであったのでしょうか。

[知事]

そうです。

[京都新聞]

知事から直接確認したという事ですか。

[知事]

そうです。

[京都新聞]

JRの発言は、検討対象線区に入るということだったのでしょうか。

[知事]

検討対象線区に入ると認識を示され、同時に、沿線の自治体の同意も必要ですので、よく相談するということもおっしゃいました。

[京都新聞]

その場合、小浜線についてどうなるかということは。

[知事]

していません。

[京都新聞]

他の知事や市町からも、そのことに関しては。

[知事]

なかったと思っています。

[京都新聞]

この議論について、早く安くという事ですが、今のところ広域連合の試算以上のものがなくて、国もこれから調査するという事でしょうが、訴えていくのであれば、小浜京都ルートの工期と工費が膨大になることは目に見えていますし、あまりに長くかかりすぎたら、リニアが通った後でも小浜・京都ルートは通っていなくて、結局、東海道新幹線のダイヤが空いて、米原に通していた方が良かったのではないかということになるかもしれないのですが、その工期と工費の優位性などを改めて県として独自に出して訴えていくようなことは検討されないのでしょうか。

[知事]

工期と工費については、私どもが現時点で持ちうる材料に基づいて、米原ルートの優位性を主張させていただいておりますが、なお詳細なデータに基づく比較検討というものは、国に対しても求めております。

国において検討される際には、おそらく既存の3ルートと、新たに出てきたルート、それぞれのルートにおいても通る場所によって変わってくる工期を、最新のデータによって比較検討されると同時に、北海道や九州など、今年度末につながる新函館から、札幌まで延ばすにかかる費用、これら財源は、JRから入るであろう新幹線貸付料の財源を食いながら整備を始めているという、整備新幹線も新しい段階に入っています。こういうことを総合的に勘案しながら、財政当局や納税者の皆さんのお考えも斟酌しながら検討されるのだろうと思います。

当然、工期については、2030年までに札幌までつないでいく、また2021年に武雄温泉と長崎間をつないでいく、2027年までにリニアを名古屋までつなぐ。こういうことと総合的に勘案しながら決定されると思いますので、そういったところに滋賀県なりの考え方を伝えながら、大きな意味での費用対効果と、また時間軸での検討を促していきたいと思います。

[京都新聞]

先ほどの広域連合の取組方針でも、費用負担についても関西全体でとありますが、例えば小浜京都ルートとなった場合の費用負担についても、変わらず関西全体でみるべきだと、あるいは滋賀県を通らないのであれば滋賀県は負担できないと考えに立つのか、どちらでしょうか。

[知事]

いよいよ敦賀以西の整備に入ってくるこの段階は、その整備をすることによって受ける受益と、そのために負担しなければいけないことのバランスが、これまでとのルートとは若干違う、これまでのように並行在来線も経営分離して結構です、ルールに基づく費用負担を自治体で行いますというものと、通るのだけれども受益をそれほど受けない、しかしエリア全体では受益が大きいという問題とは違ってくると思うのです。

ですから、どのルートに限らず、関西という枠の中で、そういう費用の負担分担の議論をしていくことは、私は必要だと思います。

[NHK]

率直に、先日の与党の検討委員会で、JR側が小浜市附近を通って京都から新大阪につなぐというルートを示しましたが、あらためて知事の受け止めはどうなのでしょうか。

[知事]

営業主体になられるであろうJR西日本から、そういったことが提起されたことは、重いと感じた瞬間だったなと思います。

[NHK]

その上で、先ほど広域連合で、今までとは違った、これまでの米原ルートを撤回したというのは、ある意味自然な流れで、滋賀県は、滋賀県として立場を主張していくとおっしゃっていましたが、その主張していくという事について、もう少し具体的に教えてください。

[知事]

質問の中にあった「関西広域連合として、米原ルートを撤回して」という表現がありましたが、私はそうは思っていなくて、米原ルートが最も優位であると提案する関西広域連合の取組方針というのは、私は変わっていないと思っています。

ただ、その後に新たに出てきたことを踏まえて、どう処していくのかという事を再検討する、同時に並行在来線のことも含めて、関西エリアとしての留意点を国に対して伝えていくという事だと思いますので、その際には、通る可能性のある滋賀県、また並行在来線に分離される線区を有する可能性の高い滋賀県、また、費用分担を求められることが大きい、また可能性も高い滋賀県として最もどのルートが最適かということを訴えていくのは大事だと思いますし、私どもは、もちろん近畿圏と北陸圏とも流動も大きいですが、北陸圏と中部圏の流動というものも一定あるわけですから、そういう方のことも考えた高速鉄道網を整備するという事からすれば、滋賀県が主張する米原ルートにも一定の理があるし、また、新幹線交通網も大事ですけれども、日々多くの方が利用する在来線のことも、より現実的に意識して、議論提起をしていくことも大事ですので、こういった観点でこれまで以上に緊張感をもって、また、切実感をもって関西広域連合の議論に参加していくという事だと思います。

[中日新聞]

先日終わった後にJRにきいたら、並行在来線の話は具体的にしていないとのことでしたが、湖西線の名前が具体的に出たとのことでしたが、県内では具体的には湖西線だけなんでしょうか。

[知事]

並行在来線のことは今までの検討の枠組みではルートの議論と着工条件、すなわち並行在来線を含む議論をすることは別であるという見解がJR側から示されました。これは与党の会議でも出されたと聞いているんですが、我々自治体を担当する者として、「いやそういうことにはなりませんよ。小浜ルートを通るからどこが並行在来線。どこが並行在来線だからどこを通してほしい。」ということは非常に切実な問題であるということを申し上げ、国の計画である小浜市付近を通り、JRが希望する京都駅を通ることになった場合、湖西線は並行在来線になるのかと聞いた時、先ほど私が申し上げた検討対象線区に入る可能性が示された。同時に沿線自治体の同意がなければ経営分離できないためかもしれませんが、よく自治体とは相談しますと発言されました。いよいよそういうことも含めて議論する段階に入ったのだなと思います。

[中日新聞]

敦賀と京都がつながるからだと思うんですけど、それでいうと東海道線も含めて京都とつながれば乗客の流れが湖西線とかぶるからということだと思うんですけど、それを言ったら東海道線も議論の対象になるのかなという気もするんですが。

[知事]

すみません。そこはまだ材料は持ち合わせておりません。

[中日新聞]

全体に知事の話をおうかがいしてて、どちらかというともちろん米原ルートを追及していくんですけど、在来線を守る方にシフトチェンジをというふうにも受け止めてるんですけど、どのあたりに比重を置いていくというお考えはあるんでしょうか。

[知事]

比重というのはかける対象にはなっていないと思います。ただ、以前から主張しておりますが、財源も含めて全て負担します。そして並行する在来線、物理的なもの、今後発生しうるかもしれない物理的に並行しない在来線の経営分離を認めてでも新幹線を米原に、そういう主張の仕方はしてきておりませんので、そのことを改めて再確認しながら、国家的見地から費用面や時間面からも米原ルートが最適だと私たちは思いますと。同時に付随する課題についても解決に向けて努力してください、一緒にがんばりましょうと申し上げておりますので、比重が変わった、変えたという事ではないと私は思っています。

[中日新聞]

全く別の話題で、例の教科書採択問題ですが、県内でも28人ということが文部科学省が公表されたということで、具体的に一人当たりいくらぐらい、どのあたりの肩書の方が受け取って、採択にどんな影響を及ぼした、それに対する受け止めを教えていただけますでしょうか。

[知事]

今調査していると聞いておりますので、今の時点でどなたがどれくらい受領されていたというのは調査し、発表できる段階でコメントしたいと思います。

[中日新聞]

具体的に会社の方から氏名なども提供されているという事で調べようと思えばすぐにわかると思うんですが、調査というのはどういう形でいつごろまでにというお考えはあるんでしょうか。

[知事]

それについては資料を持ち合わせておりませんので、県の教育委員会のみならず市町教育委員会に必要な調査を行い、発表すべきものは発表するということになると思います。

[中日新聞]

見方によっては金銭の受け取りというのは言ってみれば収賄という見方もされかねないと思うですけど、こういう事案について知事としてどう見てらっしゃるんでしょうか。

[知事]

それについては整理した上でコメントを申し上げたいと思います。どういう教科書を作る上での現場の先生との関わり合いがあるのか、またその関わり合いと教科書採択とリンクしていたのか、してなかったのか。それぞれの先生方がどういう認識、またどういう時間感覚の中でこういうことをなさっていたのか等々について検証されていると聞いております。

[時事通信]

北陸新幹線について夏までに広域連合で協議するということなんですけど、実際に協議して結論を出す時間があるのかおうかがいできればと思います。

[知事]

時間は限られていると思いますが、だからこそ井戸連合長などはルート提案などは難しいかもしれないとその場でも発言されました。出来得る限りの議論をして、関西広域連合としての意向なり留意点は、決定権を持つ国・政府には伝えていきたいと思います。

[時事通信]

関西広域連合としては与党が決定するまでに再検討した結果を示すという認識に皆さんなっているということなんですかね。

[知事]

その場での議論でも出ていましたが、関西広域連合として何かしら留意点であるとか関西広域連合の考えを示すべきだという方向では、大阪府は一部留保されましたけれども、一致をしておりますので、気になることや考えることを国に然るべき時に然るべき形でお伝えするというのは、私はあるべき姿だと思います。

[時事通信]

新たに滋賀県として米原ルートのこういう点が有利だということを提供して関西広域連合で主張するということはあるんですか。

[知事]

何をもって新たにとおっしゃっているかわからないですけど、私どもは年末に機会をいただいて与党検討委員会に意見発表した際に持ちうる最新のもの、また集めうる最大のものを申し上げたつもりです。その後状況の変化があったとすればJRが意向を正式に表明されたという事でありますので、そういったことと比較対照しながら今後議論されると思いますので、その過程において滋賀県なりの考えを伝えていきたいと思いますし、滋賀県の並行在来線の調査については、予算項目にも上げながら滋賀県としての調査をすることに現時点でしているんですが、そういう具体のものも明らかになってきた時点で議論に加えていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

関西広域連合という枠組みでどのルートがいいかということがあるんですが、3ルートの中で米原ルートが最有利だという形で来ていて、県民の方からすると、それができることによって滋賀県にどういうメリットがあって、どうしても百年の計でいるんだという、逃がした魚がどれだけ大きいのか、どうお考えになっているのかというのが一つ。

それから京都や大阪から小浜まで行ったとして、並行在来線に湖西線も入るとすれば米原有利だといいながら結局ふんだりけったりというか、どんなメリットがあるのかわかればもっと県民も動けたと思うんですね。それが示されずに来て、工期とか経費という形だけでルート設定だった。

要するに事実上変わると思うんですが、逃がした魚はどれだけの大きさをもつとお考えですか。

[知事]

そもそも魚を獲りにいっていたのかどうかということだと思いますし、私はまだ、これからだと思いますよ。多くの県民の方々の議論する段階になっていたかどうか。私はこれからだと思います。魚を獲りに行こうとしているのか、カニやエビを獲りに行こうとしているのか、鳥を獲りに行こうとしているのか。獲りに行く際にどれだけのコストをかかるのかということもオープンにして、いよいよ切実感を持って議論する、そういう段階だと思います。

[滋賀報知新聞]

県民はわからないわけですよね。そういうメリットがあるんだと。意外となくてもいいんだと。県民に材料が全然提供されてない。広域連合だけで政治的というか、はっきりいえば大戸川ダムも嘉田さんの時にダム全部やめちゃったと。それで京都や大阪の負担がなくなった。じゃあ滋賀県の顔をちょっと立てましょうかということがあったと思うんですよね。松井さんみたいなプラグマティズムな人たちが登場したから滋賀県なんかいらないよと。京都の国際的に評価の高い所を通しますよ。きわめて政治的な知事も含めて、その中で決まっているわけですが、米原ルートというのが計算もありますが、政治的にもあったと思うんですよね。もっとぶっちゃけていえば東海道新幹線の駅一つぐらいあんたたち関西広域連合で責任もってやってよと。それぐらいのこと言ってもいいんじゃないですか。脱退するよと。大阪とか京都とかが中心で広域連合が動いて小さな周辺の県がどんどん否定されるというお考えはないですか。

[知事]

もちろん整備新幹線のルート等々は政治的にも決定されていくことは私も一定理解しておりますが、例えばということで表現された治水政策で何かというような類のものではなかったと私は考えております。

関西広域連合というものは地方自治体の挑戦だと思うんですよね。対立する利害をどう調整し、霞が関や永田町で決めなくても決めていけるよというある意味で挑戦だと思うんです。その中で、たとえば治水政策や交通政策についての議論もある意味広域連合が問われ、試されるものだと思います。

こと整備新幹線は、関西の中だけで完結しないことですので、もう少し広いエリアで考えなくてはいけないということからすると、少し難しい要素があるのかなと思って見ていますので、この今の状態をもって広域連合の意義役割が問われ直すということではなく、むしろこれをうまく活かしながら関西全体のメリットになるようなものにしていきたいなと私は思います。

[滋賀報知新聞]

高浜原発なんですが、再稼働して、4号機もまもなく今月下旬に再稼働するということですが、その条件に西川知事は使用済み核燃料を県外にもっていってくれと国と関電にいわれて、それに対して京都府はノーと明言されて、和歌山県も先月中旬の会見で津波や地震があって適地ではないという発言があると、関電の考える県外、海があるとかいう設定が徐々に狭まっている。あるいは変えていかざるを得ない。普通に考えると大阪や兵庫はありえないと。人口密度から考えると無理ですから。兵庫は日本海側とかはあるかもしれませんが、もう一度滋賀県というものが出てこない保証も限らない。中間貯蔵施設についてイエスもノーもまだおっしゃってない。これについてなぜおっしゃってないのかということと今どう思われているのか。この2点についてお願いします。

[知事]

使用済み核燃料の問題は、まず大前提として動脈の部分のみならず静脈の部分も整理していくことの緊急性・必要性は私どももかねてから主張しておりますし、そういう部分もない段階で、もちろん履行された防護体制というものもありますが、容認できる環境にはない。使用済みの核燃料を生み出すことを容認できる環境にはないということを申しております。

いろいろなアンケートもいただいておりますし、会見でもお答えしておりますが、そもそもイエスもノーも言っていない。その問い自体がどうするかイエスですかノーですかという問いかけもないので、イエスもノーも言える状況にはないということでございます。

そういうことも含めてどうするのか、最終処分をどうするのか、安全対策はどういったことがいるのか、中間貯蔵はどうするのか、最終処分はどうするのか、安全対策はどういったことがいるのか、自治体の関与はどうするのか、運搬はどうするのか、今国においても検討されているときいておりますので、そういう議論の動向を見守りながら県としての判断もしていかなければならないと思いますし、これは次の時代を生きる人類にとって極めて根源的なテーマだと思っていますので、国を挙げて議論し、今後にツケを残さない対応をしていかなければならないと考えております。

[滋賀報知新聞]

関電からそういう話はないということですか。

[知事]

関電からも国からもそういう話はありません。そういう相談を受けたこともございませんし、あくまでこういうことが議論されていますが、どうでしょうかという漠然とした問ですので、この時点で県として、知事としてお答えする段階にないと考えております。

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