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知事定例記者会見(2016年1月19日)

平成28年1月19日
(県政記者クラブ主催)

「琵琶湖八珍」を説明する様子
「琵琶湖八珍」の画像

おはようございます。早いもので1月12日になりました。

この週末は出初め式および成人式に臨席させていただきました。昨年は大津の出初め式に出たんですが、県内各地で行われる出初め式に出ようということで、9日は彦根、そして10日は竜王に出させていただき、消防職、団員、関係者の皆さんに敬意を表し、しっかりとした体制づくりをお願いし、共に防災体制の強化の誓いをしたところでございます。

また、一昨日から昨年に引き続き湖北木之本杉野に居住しております。雪がありません。1月にこれほど雪がないのは1970年以来だそうです。温暖化を心配される方や「知事が来るといつも雪がないな」と言われたのですが、しっかりと現地で14日まで勉強したいと思います。

初日の10日には菅浦の視察、その後大浦の腹帯観音、そして木之本安念寺での「いも観音さま」を視察させていただいたほか、各集落周りをさせていただいておりまして、意見交換会をさせていただいております。

昨日は余呉湖にも参りました。国道303号線の八草峠の八草トンネルを視察しまして岐阜県にも参りました。皆さんも行かれて感じていただければと思うのですが、滋賀県側と岐阜県側で山が違います。山の色が違う、なぜならば植林による面積が広く、一方岐阜県側はそうではなく山肌が違います。要は落葉していてこの時期は。これが獣害等にも、動物たちの生息環境にも大きな影響があるのではないかと感じたところです。

いずれにしましても、昨年、琵琶湖とその水辺景観が日本遺産に認定され、琵琶湖の保全再生のための法律も制定いただきましたので、改めて山の保全、活性化という事にもしっかりと取り組んでいく必要があるということから、山を守り生かす取組、山に住んでいただくそういった取組も充実させていきたいと思います。

そういうことも感じながら、杉野で二つの句を詠みました。

「山に入り 待つは人花 雪景色(やまにいり まつはひとばな ゆきげしき)」待っていない人もいるのですが、私は山に雪景色を待っているという気持ちも込めて。

「出口なき トンネルはなし 冬の山(でぐちなき とんねるはなし ふゆのやま)」困難な課題もございますが、出口がないトンネルはないという思いをもって臨んでまいりたいという決意をいたしました。

さて、本日は二点話題提供させていただきます。

まずは「滋賀のお漬物博」についてです。

本県には、古くから地域で栽培される近江の伝統野菜が多数ございまして、そのほとんどは県内で消費され、大量に流通するほどの収穫量はないのですが、それぞれの地域の食生活と密接に結び付いた郷土独自の味覚でございまして、その土地の歴史や文化も色濃く反映されております。

県では日野菜や下田なす、赤丸かぶなど14品目を伝統野菜として選定しておりまして、これらの多くは、漬物の原材料として利用され「近江つけもの」として県民に愛されています。

そこで今回、伝統野菜や地域特産野菜を中心に「近江の野菜」を振興するため、これらが培われた歴史や食文化などのストーリーを色濃く反映する「漬物」に焦点をあてた「滋賀のお漬物博」を1月23日土曜日に、イオンモール草津のセントラルコートで開催します。

県内各地から伝統野菜をはじめとする地域の特産野菜を使って、家庭や地域で伝承されてきた漬け方により漬けられた「近江つけもの」を一堂に集めまして、学んで、見て、食べて、買えるお漬物イベントを開催します。これは県下初の取組になります。

県内各地域の13の農産物加工グループが作ります30を超える漬物の展示や伝統野菜のパネルによる紹介の他、JAや農産物直売所、滋賀県漬物協同組合で販売されているイチオシの漬物のPRと併せて、一部試食、販売も実施されます。

是非、それぞれの地域の伝統野菜に支えられた滋賀の食文化の奥深さと魅力を再発見していただくきっかけになればと考えております。

もう一つは、「おいしが うれしが」マッチング交流会2015in 彦根についてです。

県では、地産地消の推進を図るため、販路開拓に意欲的な生産者の皆さんと「おいしが うれしが」キャンペーンに登録していただいている飲食店、ホテル、スーパー等との商談・交流機会を創出するマッチング交流会を開催しておりまして、今年度も昨年11月に琵琶湖ホテルで開催し、積極的な商談・交流が行われたと聞いております。

今回、新たな試みとして「湖東・湖北の食材」というテーマを設けることとし、1月25日に彦根市の彦根キャッスルリゾート&スパにおいてマッチング交流会を開催することといたしました。

当日は、湖東・湖北地域の7市町から22の生産者や加工事業者の皆さんに、伊吹大根や赤丸かぶなどの旬を迎える伝統野菜、地域で産地化を進めているイチゴやブロッコリー、漬物や酒といった加工品など、地域の食材を多数出展いただく予定にしております。

現在、当日来場いただく事業者の方を募集しておりますので、地産地消に興味のある事業者様におかれましては、ぜひ積極的に御参加いただければと思います。

あわせて、彦根キャッスルリゾート&スパ主催で、山形県にあるイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥田正行シェフによるイベントが同日開催されることから、地産地消の料理人として全国的に有名な奥田シェフにも、滋賀の食材の魅力を知っていただくため、交流会の会場にお越しいただく予定です。

ぜひ取材いただければと思い、案内させていただきます。

私からの説明は以上です。

[読売新聞]

琵琶湖八珍に関して、県外に広がっていかないことに資源の少なさというか、流通に一定量の確保が出来ないと飲食店でも使いにくいといった課題もあると思うのですが、そういったところへの対策は、ブランド化という課題とあわせてどのように感じておられますか。

[知事]

おっしゃるように、流通上の課題もあると思います。今回、こういうかたちで八珍を定め、ある意味で面白おかしく、興味深くお知らせする過程で、そういった流通上の課題も具体的にしっかりと探って改善していきたいと思います。

従来型の稚アユを採って全国で養殖して全国で食べていただくという事だけではなくて、もっともっと売り出せる方法があるのかないのか、また、採れる時期がありますので、そういったものをいかに訴求して販売者の皆さんや料理店の皆さんにメニューとしてつくっていただくのか、そういうことも今回のブランド化とキャンペーンの展開の中で調査し、今後に繋げていきたいと考えております。

[読売新聞]

安全協定に関してですが、社長に会われるのはどれくらいぶりで、今回会うチャンスですが、知事はどのようなことを要望されていくお考えでしょうか?

[知事]

社長と前回お会いしたのが、いつだったかのか、ちょっと定かではありませんけれども、私も公務の都合がございますし、社長も滋賀県だけのエリアではないので、そんなに度々お会いできる方ではないという事からすれば、この機会も大切に考えて、しっかりと本県の事情はお伝えしていきたいし、前回の基本合意の中で確認された今後のことであるとか、滋賀県特有の課題であるとか、そういうこともしっかり伝えたうえで確認する必要があると思いますので、有意義な時間にしたいと思います。

[読売新聞]

大津市長選挙の結果についての受け止めを。

今まで市長会などで知事が各自治体と連携を取られていることは目にするのですが、県都の市長と知事が1対1で何かに取り組まれるという事は少なかったように感じるのですが、新たに二期目という事で何かお考えがあればお願いします。

[知事]

一昨日、大津市民の有権者の選択の結果が出て、越市長が再選されたという事です。

当選の一報を受け、私も事務所に伺ってお祝いの言葉を申し上げましたが、その時に申し上げたのは、「是非多くの共感を得られる県政・市政を一緒につくっていきましょう」と申し上げました。私も自戒を込めて申し上げたつもりですが、色々と課題も山積しております。ただ、可能性も大津を含め滋賀県にはありますので、是非違いや対立を強調するのではなくて、どこに一致点があるのかということをお互いに探れるような、そういった取組をしていきたいと思います。

滋賀県の中で最も人口の多い市ですし、私が言うのも僭越ですが、若い市長ですので、大いに市民の負託を受けて活躍されることを期待しています。

また、知事との連携という事では、大津市に限らずどの市長・町長とも、これまで以上に丁寧にやっていきたいと思っております。

[産経新聞]

25日の締結予定の安全協定について、内容については以前に示された再稼働時の地元同意権が盛り込まれないという状況には変わりないのでしょうか。

[知事]

これまで私どもが確認している合意内容と変わってきているということは聞いておりません。

[産経新聞]

前回の会見時にも、原発に万一の事故があった場合、被害に県境はないという事で立地自治体並みの安全協定を求めていくことに変わりはないという事でしたが、今もその考えにお変わりはありませんか?

[知事]

万が一、事故がおこれば被害に県境はないということから、立地自治体並みの同意権限を付与する協定であるべきだ、また、こういった協定のあり方・再稼働の手続含め、任意の、時々、場所場所に違いがあるやり方ではなくて、法定でルール化すべきだという事も含めて求めていくという姿勢に変わりはありません。

[産経新聞]

当日の25日に関電の社長とお会いした時に、そのような事もあわせて要求するということでしょうか。

[知事]

滋賀県の主張や姿勢に変わりがなければ、そのことをその場でお伝えするという事は、私は自然なことだと思います。

[産経新聞]

年末に丸川大臣とお会いされ、3府県で合同の広域訓練についての話が出たかと思うのですが、現状で進捗状況などはあるのでしょうか。

[知事]

年末にしたことを受けて、現時点で何か内容などの報告は受けていません。

[産経新聞]

滋賀県は高浜原発から30km圏内に掛かるとはいえ、その地域には人は住んでいないのですけれども、訓練をするという事については、どのように受け止めていらっしゃいますか。

[知事]

どのような訓練をするのかという事によると思います。したがって、国でしようとされている訓練、その内容を確認させていただいた上で、滋賀県の立場を申し伝えるということです。

[関西テレビ]

使用済み核燃料の中間貯蔵施設についてですが、関西電力は2020年ごろをめどに福井県以外で中間貯蔵施設の候補地を決めるとしています。候補地は基本的に電力供給エリア内でということで、京都の山田知事はいち早く拒否の姿勢を示し、八木社長は「地元の同意がなければ建設はしない」と。「京都は候補地にしない」と表明しました。

関西電力から仮に中間貯蔵施設建設の打診があれば、滋賀県はどのようなスタンスを取られますか。

[知事]

まず、仮定のご質問には判断材料がないのでお答えできません。

ただいずれにしても、若狭エリアにある原発については、使用済み核燃料の貯蔵容量が非常に高まっていて、加えて追加できる容量が限られているという状況、ならびに中間貯蔵や最終処分といった静脈の対策、こういったことがかねてから整っていないという問題点も指摘されていますので、そういったこともしっかりと整えていくということも必要だと思います。

[関西テレビ]

山田知事のように拒否するなどといったところはどうですか?

[知事]

どういう話がどうくるかによって、私は県としてのスタンスを明確にしたいと思っています。

[京都新聞]

先ほど知事は安全協定に関して文言調整をしているとおっしゃいましたが、それはどういったところにもう少し調整が必要なのでしょうか。

[知事]

文言調整と申し上げたわけではなくて、締結文書については現在最終調整中という事でした。どういう調整をしているのかという事は定かではありませんが、いずれにしても明らかにできる段階で明らかにしたいと思っています。

[京都新聞]

まだ両者で調整すべき点が残っているということではないのですか。

[知事]

担当から詳細に聞いているわけではないのですが、やはり大事なものですので、念には念を入れて締結まで確認しているというふうに理解しております。

[京都新聞]

先ほどもありました丸川大臣との話の中で、民民ではなく法定でのというものがありましたが、そのあたりのことについての取組があれば。

[知事]

私どもとしては、こういう国民にとっても大きな関心事であり、また将来にとっても大切である、この原発の問題は、その基準のあり方についても、手続についても、国民合意をつくっていくうえでの法定化が必要であると考えておりますし、その主張はしていきたいと考えております。

ただ、立法府が、その構成員の方々がそういった事に合意され、そういった事に行動を起こしていただけなければいけないとすれば、政府だけではなく立法府の方々にもそういった主張をしていきたいと思いますし、一人で言うよりも複数で言う方がその意見が通りやすいという事が常道だとすれば、関西広域連合はじめ知事会など色々な機会にそのことを申し上げていきたいと思います。

ただ、この間、一年半たちましたけれども、当初から申し上げていて、多くの方がそういった手続が任意であるとか法定されていないという事に対して問題視される方も増えてきていますので、引き続き粘り強く訴えていきたいと思います。

[京都新聞]

国との関係では進展はないと見ていてよいのでしょうか。

[知事]

法定化するとか法案を出しますという事は聞いておりませんので、そういったことでは進展はないのかもしれませんけれども、その主張していることへの賛意は広がってきているのかなぁと感じております。

[京都新聞]

その賛意は同じ都道府県などの首長という意味ですか。

[知事]

メディア等の社説はじめ主張や論調もそうですし、首長の皆様の色々な見解もそうでしょう。色々なところで一定ご理解いただきつつも、なかなか手続きに入っていかないという段階にあるのかなと思います。

[京都新聞]

そういう中でも、この協定を結ぶことに関して、まだ不十分さは感じているという事で良いのでしょうか。

[知事]

そうですね。私どもが求めている実効性ある多重防護体制の確立ということに照らし合わせて、今回の協定が100点満点、100パーセントかというとそうではありません。

ただ、動いていようと動いてなかろうと現存する原発に向き合い、安全対策を講じ、主体的に防災対策等に参画していくという事には取り組んでいかなければいけないという事だと思いますし、今後に向けても一定のこれまでにない合意が確認されるとすれば、それは次につながる一歩だと思いますので、現状の不十分さは認めつつも、今後につながる協定であることを確認し、締結をしたいと思います。

[時事通信]

高浜原発の安全協定の件なんですけど、関電の社長さんと会われる時には立地自治体並みの同意権を求めるということと、これまで言ってこられた再稼働は容認できる環境にはない、この2つはお伝えになるということでよろしいんでしょうか。

[知事]

さきほどもお答えしましたけれども、滋賀県としての姿勢、立場に変更がなければ、そのことは都度都度申し上げるのが自然な形だと思います。

[毎日新聞]

先週末、衆議院選挙制度に関する調査会が議長に対する答申を行った中で、滋賀県の選挙区が1減るような事案が示されていたところなんですけれども、知事からコメントをいただいた中で、衆議院だけでなく参議院も含めて、より議論が深められることが必要だということがありましたが、これについてもう少し詳しくお話しいただければと思います。

[知事]

調査会の答申が示され、一定の定数削減が行われ、その削減される都道府県の中に滋賀が含まれ、その議席減が1であり、現行4が3になるということを受けたコメントは先般1月14日に出させていただきました。

その中では、一票の較差是正というものは必要であると。憲法の要請に基づき、これは早期に行うべきであるということでありますが、一方で地方の声をどう反映するのかという視点での議論も重要であるということから、今後立法府での議論を注視していくという趣旨のコメントを出させていただきました。

もちろんこれは重要なテーマなんですけれども、調査会の内容全てを詳らかに分析しているわけではないんですが、当初スタートした時は一票の較差是正と、ならびに定数削減、そして小選挙区制度と比例代表制度の並立の存続をどうするのかといったようなこともテーマであったと思いますが、その比例との並立をどうするのかことについての議論はどうなったのかなあということは個人的に関心がございますので、そういう意味でも今後の議論の行方を見ていきたいなと存じます。

[毎日新聞]

アメリカにおいては上院と下院において、選挙区の選出の仕方が違ってくるかと思います。アメリカ上院においては州において同じ定数があり、下院においては人口に応じて定数が決められております。そうした制度を想定して選挙区制度の改革を考えていかれるべきだというお考えなのかと思ったので、お尋ねしたのですが、それについてはどうでしょうか。

[知事]

おっしゃるように衆議院と参議院の違い、選び方も含めた違いをどう作っていくのか。国会の中には二院でいいのかというご意見をお持ちの方もいらっしゃると承知をしておりますが、そういうことも含めてどう議論するのか。ただ地方と国政との意見反映も含めて関係のあり方をどう整理するのかということも含めて議論するべきだと思いますし、この法案をもし出されるとするならば、そういうことも俎上に出されるのではないかと思います。せっかくの機会ですので、小手先で人口に応じた改革をするというのではなくて、世界に照らして、今の時代に合わせて今後を見据えてどういう選挙制度が望ましいのかという大所高所からの議論が展開されることを期待したいと思います。

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