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知事定例記者会見(2015年11月17日)

平成27年11月17日
(県政記者クラブ主催)

笑顔で記者会見に臨む様子

おはようございます。

今年も40日余りとなりました。

まずは、先般発生しましたフランスパリでのテロで被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいと思います。この後、私も京都にありますフランスの総領事館を訪問しまして、総領事とも会い、お見舞いを申し上げ、また記帳をさせていただく予定としております。

フランスとは先般も元首相が来日され、アールブリュット含め、ラ・フォル・ジュルネを含め、様々な文化的交流もございまして、そういったところにお見舞いを申し上げながら、それぞれの事情がありましょうが、感情に任せた報復というのは、不審増の連鎖を生むという立場に立って冷静な対応も同時に求めてまいりたいと思います。

また、先ほど開催しました県政経営会議でTPP対策本部の設置を指示しました。

既に県庁内では部局横断の調整会議を設け情報共有を図っていますほか、農政水産部においては対策会議を設置して、主に負の影響があるのではないかと懸念される分野にどう対処するのかという対応を行っておりますが、国の政府与党において、また交渉状況の過程内容が明らかになるにつれ、県としても一段高めた対応が必要であろうという事から、本日指示いたしました。

また詳しい内容については追って報告させていただきたいと存じます。

本日は1件の話題提供をさせていただきます。

このたび、全国の有志首長からなる「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」の趣旨に賛同いたしまして、本日付で加入いたしました。

この首長連合は、平成23年度に設立されたものと伺っておりまして、全国各地の地域に飛び出す公務員を応援するため、首長自らが先頭に立って活動することを目的とした有志連合であります。本日現在、全国60の首長が同連合に加入しております。

公務員が、公務とは別に、もちろん公務として地域にも入っていただいているのですが、公務とは別に地域に飛び出して様々な活動をすることは、それぞれの職員の視野を広げ、公務員としての資質を高めるとともに、自ら従事する公務を別の角度から見つめなおすよいきっかけになると考えておりまして、大変に意義のあるものだと存じます。

「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」では、毎年1回、全国各地で「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット」を開催されておられ、今年は、本県湖南市において第5回のサミットが開催されます。会期は、11月22日の日曜日と23日の祝日でして、私も22日の首長会議に参加する予定であります。全国の首長と積極的な意見交換をかわしたいと思っております。

「地域に飛び出す公務員」と言えば、本県にも、公務以外に積極的な地域活動を行う職員が既に大勢いてくれています。

例えば、自らNPO法人の設立に関わり森林保全などの活動に取り組む職員や、子どもの虐待防止を呼びかけるオレンジリボンたすきリレーを毎年企画・運営する職員ですとか、湖北地域を中心に意欲的なまちおこし活動を展開する若手職員などなど、誇れる様々な分野で活動し様々な分野で職員が地域に飛び出して活躍しています。

私といたしましても、前知事も加入しておられましたが、今回の首長連合の加入を契機に、こういった活動がより職員の間で広がるよう様々な機会を通じて呼びかけを行ってまいりたいと思っております。

私からは以上でございます。

[中日新聞]

まず地域に飛び出す公務員首長連合ということですけど、知事ご自身公務と離れて飛び出すという考えはあるのでしょうか。

[知事]

全てが公務でなかなか時間がないんですけど、公務以外でいいますと様々な文化行事に参加したりですとか、子供の関係がありますので、学校行事に参加したりですとか、そういうことでしょうか。なかなか公務を離れて時間は取りにくいですが、なるべく地域に出ていってということはやっていきたいと思います。

移住なんかもその活動の一つかなと思っておりまして、昨年来そういう活動もしておりまして、そういう活動をしているならぜひというお声かけもいただいたものですから勉強させていただきました。

[中日新聞]

さきほどお話の合ったテロ事件です。現在把握していらっしゃる限りでフランスやヨーロッパ関係の事業が中止になったとか、そのあたりの影響とかはいかがでしょうか。

[知事]

昨日現在、教育委員会、また私立学校を所管します総務部管内、また観光等を所管します観光交流局、主に旅券室ですね。それから警察本部。それぞれの分野の注意喚起でありますとか、影響把握を行っているところでありますが、たとえばフランス、パリ地域を訪れている学校がありますとか、今消息不明になっていらっしゃる旅行者がおられるとかといった情報はありません。

警察当局においては本庁から警備局長通達が発出され、警戒警備を強化することということでございますが、特に対象となる施設はないものの、新幹線駅が米原にございますので、そういったところでは所管署による通常勤務を通じた立ち寄り警戒をしていただいているということでございまして、特にこの事態を受けて中止にした、中止にするという報告は現時点では承知しておりません。

[中日新聞]

もう一点、杭うちの問題で旭化成建材以外にジャパンパイルという大手のくい打ち企業からデータの改ざんというようなお話がありまして、国土交通省にも報告をされたということですけど滋賀県内に関連物件が見つかっていないということは聞いているんですが、そのあたりの情報はあるのかということと、今後別のメーカーでも流用があるかもしれないということで県独自調査を広げていくというお考えはありますでしょうか。

[知事]

まず旭化成建材による物件、これは先々週ですか発表された3040件の物件ですね。そのうち21件が本県の物件でして、うち17件で調査済み。うち2件でくいデータの流用があったということでございまして、既にどの地域のどういう建物であるということも公開されておりますので、その安全性を確認させていただいているところです。それ以外の業者をして建てられた物件についても施工報告書のデータ流用を国土交通省に報告されたと昨日伺いました。

極めて遺憾なことであると同時に、ちょうど10年前に耐震強度偽装の問題に国会で関わったことがあるんですけれども、目に見えない、買う人がなかなかわかりにくい分野でこういう不正が行われるということの問題の深さですね。改めて指摘したいと思いますし、同時にこういう業界の重層的で、非常に多くの構造的な問題を抱えた、たとえば時間的なもの、費用的な問題、十分にこういう業者にまで費用等々が弁償される業界なり、工事実態になっているのかという、そういうことも合わせて検証し、また対策を講じていく必要があるのではないかと考えております。

いずれにしましても、次々、続々と明らかになってくる情報になるべくすみやかに対応し、消費者また施工者の皆様、同時に発注者の皆様等にご不安がないように努めてまいりたいと思っております。

[中日新聞]

現時点で新たな該当物件の連絡はきていないということですか。

[知事]

それ以外に県内でこの建物のこの杭がという情報は得ておりません。

[時事通信]

大津市長選挙の件ですけど、現職の越さん、県議の蔦田さん、先日は川本さんが立候補を表明されていますけれども、お三方のうちどなたを支援するおつもりかお聞かせ願えればと思います。

[知事]

お三方をはじめ大津市の事を考えられる方、志のある方にご奮闘いただきたいと申し上げます。

[時事通信]

具体的に応援演説に行ったりとかはなされないのですか。

[知事]

私、知事にならせていただいて以来、知事になろうと決断した時から全ての選挙に中立ということで、選挙は中立、政治は理念と政策、人と人とのつきあい、つながりということで対処するとしておりまして、そういうことで今立候補表明されているお三方それぞれつながりもございますし、お人柄も存じておりますので、がんばっていただきたいなという感じです。

ただ私も大津市民になりましたので、よく考えて行動していきたいと思います。

[毎日新聞]

今の関連ですけれども三人とも無所属ということで政党隠しもあるかもしれませんけど、地方選挙の国政とは違う政党離れについて知事はどのように見ておられますか。

[知事]

まだ構図なり、推薦状況が完全に出そろって選挙という形になっていないと承知しておりますので、まだまだ変わることがあるのでしょう。一般に国政の政党の状況だけで政治や選挙が選択肢を示せる状況かというと、そうじゃないと思います。

[毎日新聞]

知事の会見をふまえて、当選後ですけれど、議会対策は大変じゃないですか。

[知事]

まだ私も知事になって1年と4か月ですし、私も悩むこと、いろんなご指摘、ご指導いただくことがありますので、私から何か申し上げるようなことはありません。むしろ教えていただきたいぐらいです。

[京都新聞]

昨日GDPの7~9月期の発表がございまして、前期に続いて2期連続でマイナスということになりまして、その間アベノミクスの評価が、野党は臨時国会を開けと言っていますが、一日限りの予算委員会とかありました。総括も含めてできていないのかなと思いますが、地方からご覧になって、まずその数値をどう思われるのか。実感面も含めてですが、それと合わせてこの間のアベノミクスとかを地方からどのようにご覧になっているのか聞かせていただけますでしょうか。

[知事]

GDPが2四半期連続でマイナスという状況ですね。昨今の地方の経済状況をどう見るかということですけれども、マインド面はずいぶん改善されつつある、改善しよう、改善したんじゃないかと思っているというところがあるんでしょうけど、実質面でそれが伴っていないんじゃないかなあと思っています。たとえば賃金面だとか、雇用の安定性だとか、底堅い生産需給、そういったことにまだまだのところがある。同時に市場として関わっている中国経済の先行き懸念ですね、そういったことを口にされる企業経営者の方もいらっしゃいます。ですから多く中小・小規模事業者がおられる中、実際に働かれている方の生活を担うことになり地方はとりわけ細かく、詳しく地方の実態を見ていく必要があると思いますので、引き続きこういう報道もいろんな先の変化につながることもございますので、注意深く見ていきたいと思います。

[京都新聞]

アベノミクスについて、これまでの三本の矢も含めて知事はどのように見ておられますか。

[知事]

私が何かアベノミクスというものをとって批評する段階でもなければ、立場でもないのかなと思います。いずれにしろいろんな構造的な問題を改善する、また低減する、経済を活性化させていく、とりわけ地方の経済を元気にしていくということが大きな課題なんでしょうから、私はそのために尽力していきたいと思います。

[京都新聞]

今日午前中に国が高裁那覇支部に提訴したということで、改めて提訴に対する知事の思いをお聞かせいただけますでしょうか。

[知事]

国の目指される方向と沖縄県の主張、長年抱えていらっしゃるご事情とこういったものが相整わない状況の中で今回の事態に至っているのだと思います。国はもちろんアメリカとの関係も含めて安全保障政策、また基地負担軽減という大義の中で今回の方向性を出されているのでしょう。

沖縄には沖縄の人にしかなかなかわからない基地負担、塗炭の苦しみの中で、なくしてほしい、減らしてほしい、そのための道筋をつけてほしいという思いの中での翁長知事はじめ皆様方の行動だと思いますので、手続上提訴等々致し方ない面もあるのかもしれませんけど従前から申し上げているとおりできるだけ丁寧に地方、地域の実情を、また心情をくみ取る努力というのもを国をしておこなっていただきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

大津市長選に関して、候補者の方々がおっしゃっている「大津に活力・元気がない」という件、JR大津駅にはエスカレーターもないとか、駅の周辺もそうですし、嘉田知事時代は県市連携という県と市が連携して県庁周辺から賑わいをつくろうとやられていましたが、どの方が選ばれるとしても、県として市との連携や周辺の賑わいに対してテコ入れするような考えはありますか。

[知事]

大津に限らずどの市とも連携します。

同時に駅やインターチェンジ等々は、やはり玄関口でしょうから、そういったものがより使いやすく、また賑わいのあるものにしようという思いは共有しながら連携して取り組んでいきたいと思います。

ただ、大津市が難しいのは、たくさんの駅が市内にはおありですから、大津駅だけというわけにはいかないのかもしれません。

今は膳所駅の改修をはじめ色々な事業に取り組まれていますので、大津駅も内装と外観をテコ入れされるという事ですし、先般も駅前の通りでイベントを開催されるなど、色々と大事なことは住んでいらっしゃる皆さんの行動や盛り上がりも大事だと思いますので、そういうものも見ながら取り組んでいきたいなと思います。

[滋賀報知新聞]

民主党の件です。知事も所属されていましたが、党内ではいつまでたっても民主党の支持率が上がらないということで解党論が出て、岡田代表が沈静化を図っていますが、民主党解党論について三日月知事はどうお考えですか。

[知事]

私は今、離党をして民主党には所属しておりませんので、どういう議論が行われ、どういった話が出ているのかというのはよくわかりません。

いずれにしても政党・政治というものは理念と政策が大事ですから、そういったものを考えて、誰が集うのか、誰と組むのかという事だと思いますので、一強多弱と言われる政治状況の中で、与党に対峙する政治勢力をつくらねば・つくりたいという思いは理解するのですけれども、それに伴う理念や政策の積み重ねが出来ているのかなぁという印象は持ちますので、そういうものを大事に今後議論されていけばいいなと、一国民、一知事としては願います。

[中日新聞]

「みずかがみ」が3年目の収穫を終えました。全国でも色々なブランド米が開発されており、群雄割拠の状態ですが、「みずかがみ」の特性として暑さに強いという部分もあると思うのですが、このままいくと埋没しかねないという印象も持つのですが、近江米の代表ブランドとして発信していくうえでの方針を教えてください。

[知事]

産地間の競争は非常に熾烈です。同時に、作り手の皆さんの環境が、高齢化も含め非常に厳しいという状況。さらには気候変動対策が必要だという事の中で、三年前に「みずかがみ」が開発された。

これは暑さに強いという事と同時に、美味しい、食味が特A、昨年度は逃しましたけれども今年は取りたい。そして冷めてもおいしい、おにぎりやお弁当に最適。そしてこれが大事だと思うのですけれども、全てが環境こだわり、水の事、環境の事、生きもののことを考えて、農薬と化学肥料を半分にして作っています。草刈りが大変です。色々と収量も心配ですということがありますが、全てを環境こだわりでつくっているし、ひいては健康にもいいと。

最後の部分は、私が法被を着てセールストークをした時にも、やはり違うという事を実感していますので、こういった事をキーコンセプトに、その品質を、その作り方を大事に、今年度は2000haという目標まで来ましたので、ここから広げますと、生産者は増え生産面積が増える。その品質をきちんと担保していくということが大事ですので、こういう事をしっかりと自信と確信を持ってやっていきたい。生産者の皆さんにもきっちりと伝えていきたいというのがこれからの課題だと思います。

おかげさまで、日本のパナソニック製の非常にいい炊飯器をつくっている草津の工場で、踊り炊きという高価な炊飯器ですけれども、その炊飯器で美味しく炊けるお米に「みずかがみ」を入れていただいて、滋賀でつくる炊飯器と、滋賀でつくるお米とのマッチングが出来てきたりなどなど、新しい滋賀らしい売り方の面でも色々な可能性が出てまいりましたので、希望を多くやっていきたいと思います。

[中日新聞]

今順調に2000haまで広がってきて、これからもどんどん拡大していきたい一方で、今おっしゃったような課題もあるという話でしたが、最終的には県内でつくられる品種のうち、「みずかがみ」を一番多くしたいなどといったことはどうなのでしょうか?

[知事]

最終目標まで把握しているわけではないのですが、いよいよ全国展開という段階に入ってきます。全国展開となるとやはり一定の収量が必要になってきますし、少しそのことを見極めながら、あまりつくりすぎて価値を下げることとのバランスで今後の方向を決めていきたいなと思っております。

[中日新聞]

つくり方にこだわられるという事は、基本的には県内の生産にしばらくは限定していかれるということでよろしいでしょうか。

[知事]

県外生産の「みずかがみ」という発想は、いま私は持ち合わせていません。まずは県内でしっかりとつくる、水のこと環境のことに配慮しながらということが大事だと思います。

でも「みずかがみ」は稲穂が良い匂いがするらしいですね。だから猿も「おいしい。おいしい」と言ってよく食べるそうです。「それが困ったもんだ」と生産者の方から伺ったり、今年度も生産者の方を集めた、どうつくれば「みずかがみ」らしい品質を保てるのかというシンポジウムも開催しますので、しっかりと共有することが大事だと思いますので、着実に積み重ねていきたいと思います。

[中日新聞]

話は戻り大津市長選ですが、現職の越さんが改革をされてきましたが、越さんの4年間の評価というものも一つの争点になるかと思うのですが、県都の活性化というのは滋賀県の活性化とも関係すると思いますが、知事はどのあたりを中心に論戦が展開されるべきだと、大津市民だということですが、どのように考えていらっしゃいますか。

[知事]

大津市民の多くの方とこの問題で意見交換を重ねたわけではありませんので、多くの方がどこにご関心があるのかという事を私はまだよくわかりません。

ただ、私自身は首長を4年間・一期やり遂げたことはございませんので、どういった苦労が4年間の中で出てくるのかという事も自分自身知りません。

したがって越市長の御苦労の一端の一端もまだ十分に分かっていないのでしょう。しかし、非常に若くして女性でいらして、色々な課題や問題がある中で、この間一生懸命頑張ってこられたのだと思います。

大津は県庁も所在する地域、県内では最も人口が多い市でもありますので、やはり大津が元気になることは滋賀の元気にも直結するということだと思いますし、京都から10分、大阪からでも30分という距離は、観光面でも対外面でも非常に「そんなに近いの?じゃあ行こう」ということで多くの方が訪れられる地域は大津が多いのでしょう。そういう意味で大津の魅力がさらに高まれば滋賀全体が元気になるという要素はあると思います。

同時に、琵琶湖の法律が定められ、日本遺産にも認定された琵琶湖の価値魅力をさらに高めて発信するという意味においても大津の役割は大きいでしょうし、教育問題では不幸な事件ではありましたけれども、大津の事件をきっかけに法律が制定され様々な対策が進められてきた、言ってみれば大津モデルの様々な取組もありますので、そういうことを大事にしていくということも必要だと思います。

土砂災害防止という意味では、大津は山があってすぐ琵琶湖という地域も多いので、そういう対策もいるでしょう。

滋賀県から、琵琶湖から流れ出る川は瀬田川から出ていきますので、その治水玄関口である大津の取組も注目されることがあると思います。

そういう挙げるだけでもきりがない、課題でもあり可能性でもあるものが、市長選挙でそれぞれの候補者をして市民の皆さまをして、議論され選択されることだと思います。

[毎日新聞]

県から出る温室効果ガスの排出量が増えているという事で、先日の県の環境審議会でも議論になりました。県が掲げている50%削減の看板を降ろされるのか、変えられるのか、知事のご意見を。

[知事]

現状をよく見て、そして経過をよく分析して、今後の世界・日本・県の今後の状況を展望しながら、これからの目標をよくよく議論して決めていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

先だって認知症の奥さんを絞殺し懲役三年執行猶予五年という事件がありました。老老介護というか、滋賀県でも高齢化が進むと年金だけでは苦しくなり貧困の問題や生活保護も含めて増えてきたりするなど予測されますが、滋賀県ではこのような問題をどのように受け止められて、どう考えていかれるのか。

[知事]

私も非常に衝撃をもってこの事件に触れました。と同時に、以前、認知症の方が起こされた鉄道事故の損害賠償のこともございまして、私が鉄道会社に勤務していたという事もあり、その責任を見守るのが大変なご家族がどう負うべきなのかと考えたこともあります。

連れ合いとも私たちの老後について話すことがございます。一方がそういう事態に至った時に私たちがどう振る舞えるのかという事については、非常に夫婦間でも話題の時間が増えました。

私は3つあると思っています。

一つは、なりたくない・なっては困るというという認知症の状態だとは思うのですけれども、色々な良い事例をしっかりと見て拡げていきたいと思っています。ひとつは、認知症のサポーターの拡がりです。出来ることから、声掛けや見守りだとかをしようという取組が拡がっています。滋賀でも非常に多くの方がサポーターになってくれています。この動きを拡げることで社会的な支え合いの仕組みを拡げていくこと。

二つ目は、色々の施設等でも人として認知症の方に接することはもちろん、その方が好きだったこととか、その方が良い表情をされることに少しフォーカスをあてて、音楽を聞いたり、作ったり、こういう取組をされることが認知症の進行を抑えるという事例もたくさんあるという事です。そういうことを拡げていきたい。

三つ目は、守山市の藤本クリニックさんで全国に先駆けて進めていただいているのですけれども、若年認知症の方の就労や働きをサポートして、色々なことができなくなっていくんですけれども、出来ることがあるんじゃないかという事に目を向けて、仕事をして給料をもらわれて、そして認知症の方同士でサポートし情報交換をする、こういったピアカウンセリングの取組、若年性認知症への支援の取組、藤本クリニックさんでは産業医の方と連携しながらチェックをされるという事をされています。

こういった三つの取組は、全国の中でも滋賀の良い取り組みがございますので、認知症になることは怖いこともあるけれども、大丈夫、支え合えば不安はないんだということを持つことで、老化や認知症を防ぐことに繋がっていくのではないかなと考えます。

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