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知事定例記者会見(2023年4月18日)

令和5年4月18日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今ちょうどシャクナゲが見ごろということで、週末に私も県の郷土の花、シャクナゲの植樹に行ってまいりました。なぜ県の郷土の花になったのか聞きますと、日野町の鎌掛谷にですね、シャクナゲがあまり高地ではないのに群生しているということが見つかって、昭和6年、1931年に国の天然記念物に指定されたそうです。昭和29年NHKですとか、様々な皆さんが企画した郷土の花選定運動の投票の結果、選定されたということでございまして、ちょうどこの4月の中旬から、来月5月上旬が見頃ということでございます。

大津市出身の凪良ゆうさんが4月12日、2023年本屋大賞に2度目の選定をされたと。この偉業を称えたいと思います。私もまだこの「汝、星のごとく」は読んでないんですけど、ヤングケアラーの問題ですとか、いろんな女性の自立、生き様、人生の選択というものが問われ投げかけられている小説と聞いておりますので、また機会を見つけて読んでみたいなと思っております。

それ以外にもですね、先週は4月12日に新規採用職員とちょうど研修を終えるタイミングで交流する機会を持ちました。歓迎会をやろうということで、今までやれてませんでしたので、新採職員の歓迎会を開催いたしまして、私、副知事、各部局長が参加いたしまして、テーブルを囲んで交流いたしました。しばらくの時間だったんですけども。200人を超える新採職員というのはなかなか熱気があって、なんかキラキラしていて、圧を感じましたね。何か圧倒されている50代後半の部長の表情が印象的でしたし、娘、息子と話したいけど話せないみたいな。そういう様子を見るにつけ、経営会議等でも申し上げたんですが、この新採職員との関わりを大事にしようと。そして新採職員からがっかりされるような県庁にならないようにしようということを申し上げたところでございます。ぜひ来年もやりたいと思います。

また、週末はですね、北の近江振興プロジェクトの一環で、挑戦する皆さんの現場を訪問しようということで、湖北苺出荷協議会の皆さんと、例えば「みおしずく」の育て方について、(モニター画像を見ながら)相変わらず食レポはあまり得意じゃないんですけど、美味しい苺を栽培されている皆さんと意見交換をいたしました。

また、「東京-長浜リレーションズ」の皆さんともWebも活用しながら、関係人口を作るために、また若者が集うための取り組み等どういうことが有効なのかという意見交換をさせていただきました。同時に、曳山祭、長浜開町450年の長浜曳山祭も、見学させていただきました。土曜日にはですね、観音ガール・對馬佳菜子さんと一緒に、(モニター画像の)右下の写真になるんですかね。高月町の竹蓮寺の宝冠(阿弥陀)如来像(地元では観音菩薩像として信仰されている)の御前で地域の皆さんとふれあいをさせていただきました。

いずれにしろ、美味しい苺が作れる力とか、いろんな方々と関われる力、また古くから戦火も逃れてですね、観音様を守ってきた、こういうところというのは地域を振興させていく大事なテーマだと思いますので、これから湖北振興の材料にしていきたいと思いました。

その週末にはですね、行程中に耳にしたんですが、和歌山県で総理演説中に爆発物が投げられるという、こういう事件が発生いたしました。一報を聞いて私も背筋が寒くなる思いをしました。現時点、総理を含め大きな怪我をされた方はいらっしゃらない、おひとり何か痛みを感じられた方がいらっしゃるという報道がありますが、大きな怪我なくおれたことには安堵いたしましたけれども、いかなる理由があったとはいえ、暴力は許されない。かつ選挙期間中のこういった事件というのは昨年夏の安倍元総理襲撃に次いで2件目。いずれも関西地方で起こっているということがありますので、また機会があれば関西の首長の皆さんとも、どういうことだったのか、またどういうことが必要なのか、意見交換などもしたいと思います。もちろんやったこと、やった人というのは許されないところもあるんですが、どういう背景があるのかということについても思いをいたしたいと思います。

また、文化庁が京都に移転してきます。本格的には5月15日から業務を開始されるということですので、滋賀県といたしましても、文化庁と緊密に連携していこうということで国・県文化連携担当を本日付で設置することといたします。文化スポーツ部次長の藤原と、文化芸術振興課長の萩原および同課の宇野の3名を兼ねさせまして、名簿にもその旨明記し、県庁内外に皆様方にも御存じいただけるようにしたいと思います。文化庁それぞれの層、またそれぞれの分野の担当がありますので、しっかりと連携を取りながら、今後の施策の企画立案等を行っていきたいと存じます。

今日は資料を1つ、今の国・県文化連携担当に加えてですね『県内 JR4駅×BIWA-TEKUアプリ×武将カード電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!』こういう楽しそうなタイトルのお知らせをさせていただきます。来月、令和5年5月1日からですね、JRの4つの駅の改札窓口で、スマホの健康推進アプリBIWA-TEKUの画面を提示すると、近江ゆかりの武将カードがもらえるという大変面白い企画が始まります。近江ゆかりの武将カードは、ここにもいくつか持ってきましたけども、「近江の城」魅力発信事業の一環としてですね、令和4年度から順次制作してイベント等で配布しております。結構人気があるそうです。いろんなゆかりの武将があります。(カードの)後ろにはゆかりの地を紹介していただいておりまして、なかなか通な情報もあってですね、これは良いカードだと私も思います。集めてみたいなと思える、そんなカードだと思います。

このカードをもらうには2つの条件をクリアする必要がある。1つ目はですね、スライドにもありますが、今年の5月1日から12月31日までの配布期間中に、JRの鉄道を利用して、彦根駅、近江八幡駅、大津駅、堅田駅、4つの駅の改札窓口を訪れていただきます。2つ目はですね、健康推進アプリBIWA-TEKUの画面を、(モニター)画面の左側にありますように、配布駅の改札窓口で駅員さんに見せて、健康作りに取り組んでいることを示していただくというものでございます。ただこのアプリにはポイントがあったり、体重とか血圧を入れられるコーナーがあるんですけども、その入力状況までは確認されないということでございます。質問もされない。

滋賀県ではコロナ禍で公共交通、鉄道を利用される方が大きく減少したということがございまして、県庁内に鉄道利用促進プロジェクトチームを設置して、これは令和3年10月から、鉄道利用者の増加に向けた取り組みを行っております。チームにはですね、観光、環境、交通、文化、健康等の各分野の担当の面々がですね、参加いたしまして、どういうことができるのか、それぞれの政策の相乗効果を生む取り組みをつくろうじゃないかということで、検討した結果、今回の企画が生まれてきたということでございます。カードを集めたいなとか、歴史やお城、武将が好きだという方、またコロナで控えてたんだけど鉄道を利用して外出できたらいいなとか、もって健康づくりになるんだったらなおいいな、こういう皆様それぞれの御関心に結び付けてですね、御利用いただければと思いますので、報道機関各位のお力添えもいただければ幸いでございます。

私からは以上でございます。

[中日新聞]

武将カードについてですが、知事は好きな武将とかはいらっしゃいますか。

 

【知事】

どの武将も興味深いんですけど、今テレビドラマでやっているからというわけではないですけど、家康の生涯というのは改めて見ていますね。と同時に私は明智光秀ですね。生涯のパートナーは一人。この時代にしては珍しいと言われていますし。先に亡くなられた妻と一緒のお墓で西教寺に眠っていると。こういうところはすごく何か惹かれるところがあります。

 

[中日新聞]

今回カードの配布を行う駅を彦根駅、近江八幡駅、大津駅、堅田駅の4駅にした理由はなんでしょうか?

 

【知事】

僕も(担当に)聞いたんですけど、なぜ4つだけなのかと。駅員さんがずっといててくださる、そして夜も含めていててくださるということが大きかったと。アプリは私も使ってるんですけど、位置情報とセットなので、どこにいてもクリアしたことはこの画面に出てくるんですけど、だからどこでもできるんじゃないかと思ったら、このカードは駅員さんにもらうのでと。郵送とかになると費用もかかるので、今回は駅員さんからもらうこのやり方で始めてみようということから取り組みをやります。ただ駅員さんも忙しいので大変だろうなと思いながら、御協力いただけることには感謝したいし、こういう取り組みをやればこういう利用者の方がいててくれるんだということをお互いが知るきっかけにもなればいいなと思います。この××(掛ける掛ける)というのがいいんですね。こういう取り組みをぜひこれから作っていきたいと思います。

 

[中日新聞]

各駅でもらえるカードの武将を見ていると、駅というかその地名にちなんだ武将がいるのかなと思うのですがいかがでしょうか。

 

【知事】

そういうところは意識してると思いますよ。ただ、もうちょっと長浜とか木ノ本に行くと、もっといろんな近いゆかりの武将がいたり、最初に木曽(源)義仲持ってくるあたりが、今井兼平と一緒に、なかなか渋いですよね。ここは渋いと思って見ましたね。こういうのはやっぱり集めたくなりますよね。僕もチャレンジしてみようかな、どこまでいけるか。

 

[中日新聞]

冒頭にもありましたが、土曜日に和歌山で岸田首相に向かって爆発物が投げられたという事件について、今回これを受けて県警とはなにかやり取りはありましたか。

 

【知事】

本部長とは直接やり取りはしていませんけど、週明け経営会議で県警の担当が出てきましたので、苦労かけるけれどもよろしく頼むということを申し上げました。昨年の安倍元総理の一件を受けてですね、当然県警も要人警護等を選挙期間中含めて最大限、また新たに作られたガイドラインに基づいて、取り組みをしてくれていると思いますが、なお今回の一件で改善強化しないといけないことがあるならば、その課題は共有して取り組んでいきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

武将カードは今回初めてではなく、昨年度から作っていらっしゃるんですか。

 

【知事】

このカード自体は前から作っています。これ以外にもお城カードなどもあります。

 

[日本経済新聞]

それは一般の人が手に入るものだったんですか。

 

【知事】

これはお城EXPOとか(で配布していました)。これ(お城EXPO)は何年前からかな。毎年やってるんです。今年は野洲でやるのかな。滋賀県はお城、お城跡、ゆかりの戦国武将がたくさんいらっしゃいますので、こういうもの(カード)を集めていただくことで巡っていただくと。こういうことでやりたいなと。

 

[日本経済新聞]

ズルをして車で巡るとどうなるんでしょうか。

 

【知事】

いちいち何で来たかなど(駅の窓口で聞いたり)そんなことははしませんけど、そこはもう性善説でやって。とはいえ来てもらえば、いろいろ物を買っていただくとか、そういう機会も増えるでしょうから、そこはもう性善説でやります。

 

[日本経済新聞]

(会見の)後でも結構ですので、滋賀はお城や城跡が日本で一番多いと聞いているが、実際にそうなのかその数はどれぐらいなのか教えていただけますか。

 

【知事】

こってりお話しさせに行かせますよ。お城とかお城跡を研究されている方ができれば滋賀県で働きたいなと思われるぐらい多いんだそうです。それぞれの時代、やっぱり日本の真ん中にあったりして、そして水があって、交通の要衝であって、お米なんかも取れて、都にも近くて、やっぱりここ獲りにいきたかったんじゃないですか。あと豊かだったからこういう小さいものも含めて、大きい安土城とか彦根城は別にして、小さい中世の土塁に囲まれたお城のようなものは、一族一族がそれぞれ自治というか、守るために築いてきたこともあるんだと思います。これは興味深い滋賀の歴史の特徴の1つだと思います。

[日本経済新聞]

今回こういった試みははじめてですか。

 

【知事】

さっき申し上げたように、お城EXPOなんかをやって皆さんに楽しんでいただくためにカードを作るというのはやってきましたけど、例えば健康アプリと兼ねてとかJRと絡めてというのは始めてです。

 

[日本経済新聞]

これはやっぱり鉄道を使って欲しいということですか。

 

【知事】

そうですね。できれば近江鉄道もやればよかったな。今回まずスタートなので、JRダイヤ減ったけど乗る人増やしてダイヤ戻そうというのがありましたし、まず第一弾これでやってみて、意外に好評であればまた広げていったり、やり方を改善したりしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

今回武将にしたのは武将ブームとかをにらんでということなんでしょうか。

 

【知事】

やっぱり武将ってドラマになったり映画になったりすることにも象徴されるように、何かロマンありますよね。どうだったんだろうという興味もそそりますよね。

 

[日本経済新聞]

最近の武将はリアリティのあるものじゃなくて、もっとアニメ化したアニメの主人公になっちゃってるんですよね。

 

【知事】

それも面白いと思うんです。ただ、やっぱり小谷城を見たら、あそこで浅井長政がどうやって統治してたのかとか、やっぱり現地に行って感じるリアルな感情がありますよね。賤ヶ岳なんか登られたらわかるように、なるほどここは獲りたかっただろうし、獲るの難しかっただろうなとか。やっぱりそういうものを感じていただけたら、なお面白くなるんじゃないかと。

 

[日本経済新聞]

柴田勝家のカードを持って賤ヶ岳とか。

 

【知事】

いいと思います。

 

[日本経済新聞]

この取り組みは来年もやるんですか。

 

【知事】

とりあえずまずは12月までやって、途中どんな状況なのか、1枚も取りにこられなかったら、なかなかやるの難しいかもしれませんけど。

 

[日本経済新聞]

資料には「次年度以降合計53種53名をめどに順次製作し配布する予定です」とあるので、これは今回の企画かどうかはわからないということですね。

 

【知事】

そうですね。ただ1回やって終わりというんじゃなくて、もちろん好評であればですけど、今後もこういった公共交通と絡めてやるというのは大いに可能性のあるプロジェクトだと思います。

 

[日本経済新聞]

何か目標はあるんですか。何人動員とか。

 

【知事】

あんまりそれをやると県庁職員が回ったりするかもしれないので、自然体でいきたいと思っております。

 

[日本経済新聞]

昨日滋賀県の首長会議がありましたが、テーマは全スポとそれから不登校対策、これ以外のテーマというか議題はあがりませんでしたか。

 

【知事】

今回はこの2つです。この首長会議というのは今までの経過があって、議論の経過のルールがあるんですけど、県側からテーマを与えてなんかこうしてくれというだけじゃなくて、市町から県が要望を聞くだけじゃなくて、県も市町も共通課題だね、テーマだねというのを出し合って、選んだ結果、2つに絞って議論する。そして4月、7月、10月、1月と年に4回議論するということになっていますので、今回たまたま県が出した2つのこの国スポ大会障スポ大会と不登校対策が選ばれた。それ以外にも市町と県が議論しなければならないテーマはあると思いますが、次回以降また議論していければと思います。

 

[日本経済新聞]

たまたま岸田首相の事件もあったので、(首長会議が)危機管理センターでの議論だということなので、もっと知事のSPを増やした方がいいんじゃないかとかそういう話にはならなかったんでしょうか。

 

【知事】

今回はならなかったですね。後で御質問出るかもしれません。こういう事件があると必ず警備警護が厳しくなる。例えば人との距離を置いて、演説に出るのも躊躇してとかになると思うんですけど、それをやると逆にふれあいの機会が減って、私達もつかめる感覚がつかめなくなって、民主主義というのはどんどん劣化、退化していくという面もあると思うんですね。だからやはり、ひるまず恐れず出ていくということも同時に必要なことだと思うので、この点を合わせて考えていきたいと思います。

[京都新聞]

先ほど発表のありました国・県文化連携担当を本日付で置かれるということなんですけれども、京都での文化庁の業務が始まって半月余りというタイミングですが、このタイミングで設置を決められたのは、何か必要と思われるきっかけがあったのかということと、担当の方を通してどんな連携をしたいというふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

まず3月の下旬から私も式典に参加いたしまして、改めて今回の京都への文化庁の移転というのは、新たな歴史の起点になるだろうということを強く実感いたしました。と同時に、京都にある文化庁というよりも、滋賀の隣の京都、奈良の隣の京都、こういった「古くから都があったり多くの文化財をお預かりしている地域」にきた文化庁、こういうことを我々はもっと考えていくべきではないか。また、さらに言うと、2年後に大阪・関西万博を控え、「世界に向けて様々な発信をしたい関西」にある文化庁、であるならば単なる国の機関としてということだけではなくて、常日ごろの業務からどんなことができるだろうか、こんなことやろうじゃないかという、こういう連携をこれまで以上につくる意味と価値があるんじゃないかと感じましたので、3月以降何か作ろうということで考えてきました。折しも担当審議官として赴任された日向さんいう方が滋賀県の生涯学習課長をされていた方でもあり、赴任後早くに滋賀県に挨拶に来ていただいて、様々な御事情等も聞かせていただきました。そういう中で探ってきたと。こういう経過があります。

(連携体制を)つくるだけじゃなくてぜひ具体が伴うように、例えばびわ湖ホールは国を代表するホールの1つだと思いますし、今の文化庁長官もJ-POPをはじめとする音楽には大変造詣の深い方でいらっしゃいますし、例えばもっとどういう使い方ができるのか、一緒に考えられればいいなと思いますし、美術館も一昨年再開館いたしまして、保坂ディレクターを初め、いろんな発信をしはじめています。こういったことの情報共有ですとか、先ほどもございました城郭、城跡、これは日本で最も多くお預かりしている、現有している、そういうことなどもこれから安土城の復元プロジェクトなども進めていきますので、ぜひ文化庁とさらに連携をしたい。

もっと喫緊のことで言うと人材です。文化財を守るための人材。根本中堂の大改修をさせていただいておりますが、特に建物の文化財を守る人材、原料から建て方から、その説明も含めて、こういう人材を確保し、また、育成していく。これは国の課題ではあると思うんですけど、最も多くの文化財をお預かりしている京都・奈良・滋賀が文化庁と一緒に、将来のためにやらなければならない課題だと思います。こういうことを徹底的に議論していきたいと思います。

 

[京都新聞]

びわ湖ホールとか美術館はいずれも県立施設ですけれども、そこを国と連携することでどういう方向に持っていきたいというふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

このコロナでもわかりましたけど、この文化芸術、美術に親しむ・触れるというのは、人間の根源の要求といいますか、ここを閉ざされるとある意味生きていけないというか。よく不要不急のものにしていいのかという投げかけがありましたけど、やっぱりしてはいけないことだったと思うんです。とはいえ、例えば施設をつくる、守る、それを運営するということにはまだまだ課題がありますし、例えば予算面、人材面。また、県立だから単体、民間だから一つひとつということでやるよりも、連携して、既にやってるところもありますが、もっと連携を深めてやることによって、例えばインバウンドの方々に強く訴求できるようなあり方、やり方があると思います。

また、そういうものを生かしたまちづくり、アートとか美術とか芸術とか活かしたまちづくり、すでに取り組まれているところもありますが、滋賀としてもさらに力を入れてやっていきたい。こういうことは国も考えてますでしょうから、そのイニシアチブを期待すると同時に、具体展開するところを例えば滋賀だというようなことで、滋賀だけではないと思いますけど、(文化庁が)滋賀の近くにあるということで一緒にやっていければと思います。

 

[毎日新聞]

先週12日に総務省が昨年10月1日現在の人口について発表しまして、滋賀県はマイナス0.11の減少ということですけども、この減少幅は縮小していますし、全国的にも5番目ということでそんなに激減してないですけれども、この結果について知事はどのように受け止めてらっしゃるのかということと、あと東京だけはプラスということですが、地方と一極集中の問題についても御意見をお聞かせ願います。

 

【知事】

まず受け止めとしては2つあって、1つは、東京はちょっと置いといて、東京以外の地方、とりわけ滋賀県を含む地方というのは減少局面にある。これがまず1つですね。やっぱり減少しているんだ。滋賀も減少しているんだ。そういう中にあって滋賀の減少幅が縮小していたり、相対的に大きく減少していない。このことはもちろん、自然に恵まれているという地理的有利性、大都市に近く離れずという地理的要因とともにですね、一定それぞれの市町が展開されるまちづくりであるとか、福祉・教育の施策であるとか、こういったことの効果もあるのではないかと思います。

もう1つの御質問にあった東京の誘引力というか吸引力は相変わらず強いんだなというのを実感いたしました。ですから東京だけじゃない、東京以外にもあるんだということを、これからさらに滋賀県としても打ち出していけたらいいなというふうに思っています。

 

[京都新聞]

岸田首相の襲撃事件の関係で、過去には地方自治体の首長が襲撃されるという事案もあったかと思うんですけれども、今回こういったまた、政治家の襲撃というのがあったということで、三日月知事御自身の警備に関して強化する必要があるというふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

現時点で今のお尋ねに対して、何か変えたり増やしたりという必要性があるとは思っておりません。現時点ですね。確かに選挙の最中に起こったああいった事件が続いているということとか、お尋ねにあったように、以前は首長なども襲撃の対象になったということからすると、今回の一件の後、私のところにも数件、気をつけろとか、そういう御心配の御連絡があったことも事実です。警備はどうなっているのかとか、何かあったらこうしろとかですね、いろいろ(御連絡は)あったんですけれども、とはいえ、私の場合は別に政治家一家でも何でもないんですけど、政治に出るときに決して暴力を許すということではなくて、暴力は許されませんけれども、ときとしてそういう対象になりうる、そういう仕事なんだろうなという、そういう思いは常に持って出るようにはしています。だから大げさな言い方ですけど、例えそう(襲撃の対象と)なったとしてもうろたえずに、きちんとしておいてくれというのは常に家族には伝えるようにしています。

[朝日新聞]

この4月15日にドイツが脱原発を完了したということがありました。これはメルケル政権が一時原発の稼働延長という方針を立てたけども、福島の事故をきっかけに、やはり脱原発の方向に方向転換した結果が完了したということになります。ドイツが脱原発を実現する一方で日本は今、岸田政権のもとでまた、原発への依存度を高めていく方向に舵を切ったということはあるんですけども、こういったいろんな国の情勢とか事情もあるとは思うんですけども、長期的に考えて知事としてこの脱原発の方向性については今どのようにお考えでしょうか?

 

【知事】

大変難しい重要なテーマだと思います。お尋ねの中にあったように、国の置かれている、例えば地理的条件、陸続きのヨーロッパ大陸にある、国境も地続きで面している、様々な融通が利くということと、(日本は)島国であるということ、また地震列島である、火山列島であるといういろんな事情の違いはそれぞれあると思います。また、その国の方針に基づくもの。その国の方針というのはその国の選挙によって、例えば決定付けられたり変えられたりしている。こういう結果の産物だと思いますが、例えばドイツという国が2011年の東日本大震災を機に、こういった方針を立て貫き実現したということは1つの事例として学ぶべきところもあるのではないかと思います。

原発をどう考えるのかというのは、もう既に(原発は)あるので、これは立地自治体の住民の皆さんに受忍をいただいて御理解いただいて現時点(原発は)あって、ある原発からの由来の電力も使わせていただいているので、その安全管理というのは、国を挙げて、これは隣接自治体も含めて、もちろん電力事業者はしっかりとまず安全対策に最大限責任を持って対応するということがまず1つだと思います。と同時に、安価で安定ということから、いろんなこのエネルギーの政策選択は行われると思いますが、安価で安定なのかということの評価は、これはまだ必ずしも原発で確たるものが定まっている状況にはないのではないかと私は考えています。国は「ベースロード電源」という言い方をしますけど、定期点検が必要であったり、また静脈が整備されていなかったり、住民の理解が十分得られないという、こういう状況下で安定で安価かと、また万が一事故が起こったときのいろんな補償対策を含めると、私は原発に依存するのではなく、原発以外の新しいエネルギー源というものを求めていくことが、もっともっと国としても必要なんじゃないかと考えています。

 

[朝日新聞]

原発に依存しない方向を目指すんであれば、そのエネルギー源としては新しい電力のあり方というのを求めていかなくちゃならないということで、再生可能エネルギーの導入を進めていくということが脱原発の方向性を進めていく上では不可欠ではありますけれども、日本はなかなか進んでいなくて、ドイツのまだ半分程度というような実情があります。そういうこともあって先日来、日本で開催されたG7の環境大臣会合でも、なかなか日本がリーダーシップをとれてなかったというのは、やはり国内において本来やらなくちゃいけないことがまだしっかりとなされていないということがあったのかなと思うんですけども。このように日本では再生可能エネルギーに関しては、菅政権ではかなり旗を振ったかと思うんですけども、その後なかなか導入が進んでいかないということについて、課題はどういうところにあると思いますか。

 

【知事】

まずは国、政治のリーダーシップで大きな方向性をどう定めるのかということだと思います。これをもちろん現実、よく見て対応していくことが必要なんでしょうけれども、必ずしも従来のやり方だけではない方向性というのを示せるかどうかにかかってるんじゃないでしょうか。とはいえ今の政権は一定原発など使えるものは使いながら、そして再エネ導入も進めていく。同時に滋賀県のエネルギー政策では、徹底した省エネと、そして創エネと、もちろん技術開発を伴わなければなりませんけれども、蓄エネというものも行いながら、原発に依存しないエネルギー社会をつくっていくというビジョンに基づいて動かしてますので、もちろんできていることとできていないことがありますし、エネルギー源単位によりカウントの仕方が変わってくる。こういう現状はあるんだと思いますが、できることを増やしていくということで、国のエネルギー政策展開に貢献していきたいと思っております。

 

[中日新聞]

和歌山の襲撃事件に関して、安倍元首相の一件があった中でこういうことが起こってしまって、今度5月には広島サミットも開かれるということで、要人の1人として対策としてどのようなことが必要とお考えでしょうか。

 

【知事】

これは悩ましいですね、本当に難しいと思います。みんなで考えないといけないことだと思いますね。私もこの一件以降、いろんな連絡を受けたときに、さあ、どうしたらいいんでしょうねと投げかけるようにしているんです。私はまだそんな警護を必要とする要人ではないんでしょうけれども、その、鉄板に囲まれて、画面でしか出てこない、選挙演説、首相の演説というのは、ある意味では100%安全な環境かも知れませんが、そこには熱も感じないし、ぬくもりも感じないし、触れ合いもないということからすると、選挙や民主主義という観点からいうと、寂しい寒いものにもなるし、でも安全だけを100%重視するとそういうことになるし、やっぱり私達の住んでいる社会、生きている社会で、暴力による示威というのはやめようというこの良識が勝るようにしないといけないんだと思いますね。多くの場面は、多くの時々そうできていると思うんです。でもそうじゃない一件があったからといって、そういうものが壊される環境にならないようにするという、この良識の輪というものが必要なんだと思いますね。決して負けない素地は、私達の国、それぞれの地域は持っていると思う。多くの人が持っていると思いますので、それを信じて私は町に出ていきたいと思う。人と触れ合っていきたいと思います。

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