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知事定例記者会見(2015年10月27日)

平成27年10月27日
(県政記者クラブ主催)

自転車の寄贈を受ける様子
今津の富有柿をPRする様子

朝夕寒くなり、霜の降りる季節となりました。

少し髪を短く切りすぎまして寒いんですけれども、どうぞよろしくお願いします。

今日は話題提供を2件、そして今月のイチオシを紹介させていただきます。

まず一つ目はビワイチサイクルステーションの試行実施についてです。

これは、官民連携の組織である、滋賀プラス・サイクル推進協議会、これは事務局を滋賀県が担っておりますが、こちらが、びわ湖一周サイクリング“ビワイチ”をより安心して楽しんでいただくために、トイレや空気ポンプ、自転車用工具の貸出などのサポートができる施設や、観光情報など、より充実したサポートが提供できる施設について、統一のロゴマークやピクトグラムにより、サイクリストへ発信するものです。

試行期間は、10月31日の土曜日から11月29日の日曜日までの約1か月間で、道の駅や県立施設および、包括連携協定を締結させていただいておりますコンビニエンスストアや、既にサイクルラックを設置していただいております飲食店などを中心に、各事業者や施設、観光協会などのご協力により、実施するものです。

チラシの裏の左上をご覧いただきますと、実際に表示する「のぼり」の例がありますが、統一ロゴは、観光ブランド「ビワイチ」のロゴを、各サポートの表示については、ピクトグラムにより表記します。

また、この試行期間中、既に県で道路への矢羽根マークの試行設置を行っておりますほか、米原駅前ではレンタサイクルの社会実験を行っております。これに加えまして、11月末頃に守山市さんが湖上タクシーの試行的実施を行われますほか、県と包括連携協定を締結していますヤマト運輸(株)さんのご協力もいただき、宿泊施設や自宅へ、手荷物やお土産品の配送などができるよう、協力いただくということになっております。

これら各種の取組を試行いたしまして、来年度以降の本格実施に向けて、関係者で、より安心・快適な、このビワイチサイクリングのサポート環境について検討してまいります。

加えまして、走行自転車のカウント、どのくらいご利用いただいているのか、走っていらっしゃるのか、アンケートなどを行いまして道路や施設等における案内表示、「ビワイチサイクルステーションの機能」についてのニーズ、サイクリストの宿泊状況などを調査いたしまして、今後の取組に活かしてまいりたいと考えております。

【司会】

ここで輪の国びわ湖推進協議会さんから、自転車の寄贈がございます。

<自転車の寄贈>

ありがとうございます。

という事でございまして、私自身も皆さんと一緒にビワイチサイクリングを楽しんでいきたいと思います。今日は輪の国びわ湖推進協議会の皆さんと6月に「こんにちは!三日月です」で対談させていただきまして、その折に「是非提供するので知事自身に乗ってほしい」というご提案をいただき、このたびの提供に至ったという事でございます。

続いて、「街道をゆく」司馬遼太郎さん没後20年記念シンポジウムについてです。

司馬遼太郎氏がお亡くなりになられて来年20年になるのを記念して開催するシンポジウムについては、8月の会見で実施をご紹介したところでございますが、このたびシンポジウムの名称やパネリストなど詳細が決まったのでご紹介いたします。

司馬遼太郎氏の義弟にもあたられます司馬遼太郎記念財団理事長の上村洋行(うえむらようこう)氏に基調講演をいただいた後に、国際日本文化センター名誉教授 山折哲雄(やまおりてつお)先生、元滋賀県知事であり司馬遼太郎さんとも大変縁の深かった武村正義氏、作家の諸田玲子(もろたれいこ)氏によるシンポジウムを行います。コーディネータは元NHKアナウンサーの古屋和雄(ふるやかずお)氏にお願いをしております。

「街道をゆくとは何か」「なぜ司馬遼太郎氏は滋賀に魅かれたのか。」などについて学術的視点や、地元滋賀の視点、作家の視点から改めて「街道をゆく」を通じて司馬遼太郎氏が伝えたかった滋賀の魅力を引き出していただきたいと考えております。

今回のシンポジウムのねらいは3点です。

1つは司馬遼太郎氏が強く魅かれた滋賀の発信、定着。2つめは「街道をゆく」をきっかけとする観光客のリピーター化。そして、市町や大学、県などさまざまな主体が連携した地域資源の再認識と活用方法の確立であります。

参加申し込みは年明け早々を予定しておりますが、4月の開催に向けてともに機運を盛り上げていただきたいと思いますし、ご協力賜ればと思っております。私自身、職員の皆さんと一緒に「街道をゆく」の輪読会、勉強会を朝にしておりまして、ご興味があればご参加いただければと思います。

さて、今月のイチオシ、これで第13弾になりますが、今月は高島市今津の富有柿(ふゆうがき)でございます。

では、紹介をさせていただいてから試食しますが、ここにも立派な柿が並んでいますが、富有柿は、「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べ、種無しは舌で食べる」という言葉があるんだそうです。

非常に果肉が柔らかく、それでいて歯ごたえもあって、皮に光沢があるというのが富有柿の特徴だそうです。

「今津の富有柿」として有名で、贈答にも多用されてきた滋賀の代表的な秋の味覚でございます。平成2年には皇室にも献上されております。高島市、特に今津地域は地場産業に柿渋染めもございまして、柿の生産がさかんなところです。

発祥は岐阜県瑞穂市が発祥なんだそうで、高島市での生産は大正初期に岐阜県の養蜂家の方が持参した穂木を接ぎ木したのが始まりといわれております。

現在、今津町深清水を中心に約40名の方々が約20haで栽培されていらっしゃいます。生産者の高齢化とそれに伴う耕作放棄、野生獣による被害が課題となっておりますが、はしごを使わなくていいように木を低くくしたり、農薬低減のために粗皮削りを行うなどの努力を続けておられまして、環境こだわり農産物や高島市農産ブランドの認証を受けている生産者もおられます。

今年は西村早生(にしむらわせ)の出荷がほぼ終わり、刀根早生(とねわせ)が今月7日から、平核無(ひらたねなし)が16日から出荷されているそうでございまして、今回紹介した富有柿は11月に本格的な出荷時期を迎えるということです。

生で頂くほか、白和えや天ぷらなどの料理にも重宝するそうで、ビタミンCやタンニンが二日酔いに効き目があるのはご承知のとおりです。ぜひご賞味いただきたいと思います。

ということで、今日はお持ちいただきましたので、私も頂きたいと思います。爪楊枝を刺す時点で、非常にしっかりとした果肉で。

<知事の富有柿試食>

しっかりと歯ごたえがあって、甘みが噛むたびに出てきますので、皆さんも是非。

伺いますと、渋柿の富有柿もあるそうで、それを取ってから甘くされたり、木になった状態で袋をかけて甘くされたり、いろんな方法で少しずつ味が違うそうで、いろんなニーズを捉えながら、甘くする技術をお持ちだそうで、是非我々も大切にPRしていきたいと思います。

是非皆さま方も取材などで取り上げていただけたらと思います。

私からは以上です。

[中日新聞]

自転車をもらったということで、かなりいい自転車だと思うんですけれども、どういうふうに使っていきたいかというご感想、お気持ちはどうでしょうか。

[知事]

かなりいい自転車のようですので、大切に乗りたいですし、この時期多いですよね、私も琵琶湖岸を仕事柄歩く、走ること多いんですけれども、多くの方がサイクリングお楽しみいただいておりますので、私自身もこのビワイチ全部一周することはちょっと難しいんでしょう出れども、琵琶湖周辺のサイクリングを楽しみたいと思います。そしてその良さを皆さんにPRしていきたいなと思います。

[中日新聞]

今マンションの杭の問題が全国的に話題になっていますけれども、県内でこれまでにそういった情報が寄せられているかということと、自治体によっては調査にも積極的にやり出すというところもあるみたいですけれども、滋賀県としてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

[知事]

この横浜の杭工事不具合のマンションの問題でございます。まずは、こういう事態が発生したこと、大変遺憾に思います。私自身も国会議員時代に耐震強度の問題に関わった経験があるんですけれども、これは非常に住民の皆様方、そしてマンション所有者の皆様方、ある意味では、マンション業界の一つの構造なんですけれども、下請の業者の皆さんに多大なるご負担が及ぶそういう事態でありますし、こういうことの信頼が損なわれますと、市況に非常に大きな影響も与えるということで、私は看過できない問題だと思います。その上で今国においてもそれぞれ関係問題事業者においても調査および公表が行われているということでございますが、滋賀県ではでございますね、先般発表がございましたが、問題の杭工事を施工された旭化成建材株式会社が施工された物件が21件あると発表がございました。個々の物件は公表されておらず私どもも把握しておりません。また、その中で施工データの流用があった物件というものについては県内では現時点で、ないということでございます。ただ、21件の物件について、これは情報管理をされているようで、施主にはどの物件かということを詳しく教えていただけるということでしたので、21件の物件の中に県の、県が施主となっている物件があるやなしやということを確認いたしましたところ、昨日の夕方時点でそういう該当はない旨の回答をいただいております。また、平成17年度以降に工事を行った県の有している建築物等について、県が自主的に調査を行っておりますが、現時点、今回の問題のような既製コンクリート、もともと作ってあるコンクリート杭を旭化成建材が施工された物件は、現時点では、ないということでございますが、引き続き調査を行っていくということでございます。いずれにしましても、今後随時国土交通省および事業者から出される情報等しっかりと見聞きしながら、県としても対応してまいりたいと思います。

[中日新聞]

一部の報道で、大戸川ダムの検証開始という話がありましたけれども、現時点で知事の大戸川ダムに対する御見解を教えてください。

[知事]

大戸川ダムそのものについて私が見解を述べるということよりも、私自身は政策提案集の中でも、全国初の流域治水の推進に関する条例の活用ということを挙げ、万が一の洪水に備えたダムだけに頼らない流域治水を住民の理解と参加により推進ということを掲げさせていただき、同時に水害からいのちを守るため、地先の安全度マップの活用ということを申し上げています。

大戸川ダムの検証につきましては、私自身もその検証の視点づくりに関与しました平成21年から22年にかけて。その方針や基準に基づきまして、それぞれ個別ダムの検証作業が行われていると、その中に検証中のダムとして大戸川ダムがある、ということですので、国において、地方整備局において、検証される過程にあるということだと思います。前回から少し時間があったということでございますが、個別それぞれ数がありますので、その検証に時間がかかったということでありますとか、平成25年に水害があったこと等影響しているかもしれませんが、いずれにしましても、国においてそれぞれ客観的基準に基づきまして、検証されるということだと思います。

[中日新聞]

昨日、愛媛県の中村知事が再稼働を容認する判断をされたんですけれども、半島の先の住民の話ですとか、そのあたりの避難の問題とか、指摘もされているんですけれども、ああいった判断を知事としてどう受け止めたかということと、安全協定の進捗状況がどうなっているのかというところがなかなか見えてこないんですけれども、そのあたりについて教えていいただけますか。

[知事]

昨日ですか、伊方原発3号機の再稼働について、愛媛県知事が容認されたという情報に私も接しました。

この同意については、「国が前面に立ち立地自治体等関係者の理解と協力を得る」という国の方針を受けた、愛媛県の重い判断だと受け止めています。

一方で、私たちも常々申し上げていますが、まずは、万が一にも事故が起こらない防災体制の構築、そして、万万が一、事故が発生した場合に、被ばく者を生まない、そのための実効性ある多重防護体制の確立ということを私どもも求め、また、行動しておりますが、そういう体制がどう整えられているのか、また、被害が及ぶ可能性のある住民の皆様方に、どのような説明がなされているのか、またどのように向き合われているのか、ということについて引き続き注視をしてまいりたいと思います。ただ、全体的なことで申し上げれば、今申し上げた実効性ある多重防護体制の確立、これはオンサイトのみならずオフサイトも、そして立地自治体のみならず関係のおよぶ自治体も含め、さらには再稼働の問題も、安全協定の問題も、任意、それぞれの地域ごとで異なるということではなくて、法定でしっかりとその実効性が担保されるということも含めた、実効性ある防護体制の確立と、加えまして、静脈ですね、使用済み核燃料の問題も含めた静脈の整理、こういったこと等々に展望が見られないまま、再稼働を容認できる環境にはない、というのが私たちの立場でございます。いずれにしても、非常に重要な課題であり、私どもとしては、福島第一原発事故を教訓に原発に依存しない新しいエネルギー社会を構築していくという立場に立って、滋賀県でできる、県民の皆様方とできる、そういう道筋をしっかりと作り、また、実行してまいりたいと思います。

[中日新聞]

安全協定についてもお願いします。

[知事]

安全協定の問題については、稼働する、稼働しないということにかかわらず、原発がそこに存在する以上、様々なリスクが存在するわけで、そのリスクに、立地自治体だけではなくて私たちもしっかりと関与していく、監視していくという立場から、私は必要なものであると考えております。私たちは、立地自治体並みの安全協定の締結というものを掲げ、そしてエネルギー事業者および国にもそのことを求めております。一方で、その要望になかなか応じていただけない国の状況や電力事業者の状況がございますので、今、協定の締結に向けて、協議をさせていただいているということでございます。

[京都新聞]

前回も聞かせていただいたんですけども、沖縄の辺野古を巡る問題ですけども、昨日政府が県都から名護を飛び越してですね、地元の地区に直接地域振興費を渡すという、まさに地方自治を飛ばすというような形のことをやろうと方針を出したんですけども、地方自治を預かる知事としてどのようにご覧になっているかあらためて教えていただけますでしょうか。

[知事]

この問題はまさに戦前、戦中、戦後という状況の中で生み出された帰結でしょう。そして地勢的ないろんな問題があるのかもしれません、さらには日米関係の中で周辺事態の状況の中で、いま沖縄県に長年にわたる過度の負担が押し付けられているという状況に、県民の皆様方を含め、翁長知事を含め国に対して問題提起されている、こういう状況だと思います。安全保障の問題も一方であるんですけれども、その地域にある感情でありますとか、事情でありますとかそういうものを沖縄県の皆様方が主張されている、いろいろ難しい問題があるんでしょうけれども、しかし私は、前回の会見でも申し上げましたが、沖縄県民の皆様方の思いもですね、もう少しくみ取られて、そういう対話ができないものかなという感を持っております。そういうこともいろいろわかった上で、国に対して毅然と問題提起されている沖縄県民の皆様方へ私は敬意を表したいと思いますし、国には、もう少し沖縄県の皆様方へ寄り添った丁寧な対応を求めていきたいと思います。

[京都新聞]

県なり市を飛び越して、県とか市がいうことを聞かないならば、国が直接お金を渡すという、かなり危険なことではないかと思うのですが、今回は辺野古の問題ですが、全く違う例えば原発であったとしても、そういう可能性がないことはないと思うんですが、そのあたり国のやり方についてどう思われますか。

[知事]

一般的に言って、この地域にいてほしくないなというものを国としてお願いしなくてはならないときに、そういう手法を選択肢に入れられるということについては、理論上あるのかもしれません。しかし一時的にうまくいったとしても、そういうやり方というのは必ず反発を生むし、憎悪の連鎖を生み、結果的に長い目で見てそういうやり方が功を奏すかというと、私は否定的な見解を持っておりますので、時間がかかったとしても粘り強く多くの方々のご理解が得られる、そういう対応を私はローカルな問題であったとしても、自治というものを大事に進められた方がいいんじゃないかと思います。

[時事通信]

政府与党が首相の外遊の日程が詰まっているということを理由に、臨時国会の召集を見送る方針を決めまして、一方で野党は憲法の規定に基づいて臨時国会の召集申入れをしており、ここで与野党間の駆け引きがあるわけですけれども、知事の御見解としては、政府与党が内閣改造をしたという事もある中で、臨時国会の召集を見送っていることに対しての御見解をお聞かせください。

[知事]

色々な事情があって、こういう状況に至っているのだと思います。安倍総理はじめ閣僚の皆様方も精力的に海外で日本のために行動されている。このことは、私は敬意を表したいと思います。

同時に内閣改造が行われ、TPPの問題を含めて、これだけ内外に課題山積のなか、こういう時に国会が開かれないという事は、私が経てきた国会議員人生の中ではあまりなかったことではないかと思います。

従って合意が整い、国民の皆様方の代表者である国会議員の皆様方で合意が整って、国権の最高機関である国会でそういった議論を行える、そういう環境を整えられることが良いのではないかと思います。

[時事通信]

国会で議論を出来る環境を整えることっていうのは、それは臨時国会を開くべきだというお考えでしょうか、それとも閉会中審査でも事足りるということなのか、どちらでしょうか。

[知事]

国会の日程の事なので、私はどういう交渉や協議が行われているのか、つまびらかではありませんが、来月になれば予算委員会が開かれるやに伺っておりますし、諸国との関係で総理の日程がある中で、国会だけが開かれても実質的な審議が出来ないという事であれば、このことも問題になるでしょうし、これはいずれにしろ政府与党と野党とが協議をされて決められることだと思います。

私の経験の中では「あまりなかったなぁ」という印象を持っています。

[滋賀報知新聞]

来年度予算編成について、各部局で来月の18日までに見積額を提出するよう作業が行われているわけですが、知事は今朝の知事談話でも、「これまでの見積額を見ていると、ちょっと遠慮がちだ」と言われたのと同時に、「今までやっているものが必要かどうか見直しをしてくれ」と。どちらかというとアクセルとブレーキを交互に踏むという複雑な話になるのですが、知事はブレーキを踏めと言っているのか、逆にアクセルをふかせと言っているのか、多分両方だという回答が来るのでしょうかが、あえて伺います。

2点目は予算の基本方針のポイントとして、国に呼応した施策の推進、国の施策制度の活用というのがあります。また、市町との連携というものもポイントとして挙げられているのですが、この予算見積もり作業の中で、この2点についてはどのように取組が行われているのでしょうか。

[知事]

まず一点目のアクセルもブレーキもという質問でしたが、答は予想通りアクセルもブレーキもです。坂道を下るときはアクセルを踏まなくてもいいでしょうし、カーブが目の前ではアクセルを踏むのは危ないですし。

ただ、私が述べた印象は二つありまして、一つはこの間、非常に財政状況が非常に厳しいなかで縮小削減の予算編成を重ねた時期が長かったし、部局も多かったと思います。新たなことをつくるという営みや挑みにもう少しチャレンジするべきではないかなと。その時には、それぞれの部局だけで協議するのではなくて、他の部局との連携、また市町と一緒に、同時に民間の方々にも協力を求める。そういう新しい予算づくりという事に、もっともっと積極的に取り組もうじゃないかという思いが一つ。

そして、この間、夏以降協議していますと、「あれもやろうと思います」「こういったことも必要です」という事業のビルドはあるんですが、「じゃあどの事業を止めるの」と。「それぞれの部局で仕事廻っているの」という事を聞くと、どうも「組織の事は今後協議」とか、「頑張ってやります」とかいう事になっていますので、「じゃあ今までやってきたことで切れるものを切ろうよ」という、スクラップの部分を、以前に比べますと職員数が相当減っているにもかかわらず、私たちが担おうとしている、担うことを求められる仕事が多くなっているという、ここに対する強い問題意識を職員に投げかけているということです。

従って今朝の知事談話のタイトルは、「この仕事、私の仕事いる?」という視点で検証しようじゃないかという事でございます。

もうひとつ予算編成のところで申し上げました、国の制度との呼応、もしくは国の制度の活用、これは大いに積極的に進めて行きます。これまで以上に感度良く、これまで以上にある意味前のめりになって国の制度を積極的に活用していこう、また国の財源等々も積極的にいただいていこうということです。

同時に、例えば琵琶湖の保全再生もそうですが、これは滋賀県のほうが良く知っているし、滋賀県が動かないと国がなかなか動いていただけないという事もございます。したがって、ここはむしろ国の制度を作るくらいの気概を持ってやろうじゃないかと言っています。当然、市や町との連携も必要ですので、11月に行う予定の国に対する政策提案、要望活動におきましては、県だけが行うのではなくて、関係する市町も同行をお願いしたり、政策づくりや予算づくりの過程において、皆様方からのご意見をしっかりと埋め込む、盛り込めなかったところについてはこういう理由で盛り込めなかったということについてお返しする。こういうことを、丁寧に進めて行きたいと思います。

[滋賀報知新聞]

予算案の編成の中で、国との絡みで行きますと地方創生いう事になるのですが、総合戦略を立てられましたが、正直、いったい何がやりたいのか具体が見えないという感じがしますが、ここについてどこまで突っ込んでいただけるのかが一つ。

次に予算要求の1つのラインというものは、今年度予算をベースにされるのだと思うのですが、この辺りについて、改めて枠の問題についてお聞きしたい。

[知事]

まず二つ目の質問からお答えしますと、額というものに目処を持っているのかというとそうではありません。しかし、経営方針の中で累積債務の上限、そして基金の一定積立ての目安を持って行っておりますので、そういったものを意識しながら、それぞれ個別項目の積み上げをやっていきたいと思います。結果、それでどのくらいという事を何か持ってやっているわけではありません。

もう一つ、総合戦略を先般作り、発表し、国にも石破大臣や前政務官であります小泉進次郎議員のところにも持参いたしまして、まもなくご意見をいただきました皆さん方にも発送させていただく予定にしております。

基本構想初年度でございましたので、どう絡めてつくるのかという事は極めて難しい、そういう時期でございましたが、こういう基本構想でやろうとしていることのエンジンにしようという事で、19のプロジェクトとそれぞれのKPIというものを束ねました。

その19の中で9つのプロジェクトは重点的に優先的にやろうと。

特に重点的、優先的というのは、人口減少地域に例えば移住促進プロジェクトでありますとか、安心して希望を実現して子供を産み育てられるプロジェクトなどを、人口減少地域に優先的におこなっていく。

もう一つ優先的に行っていこうとしているのが、琵琶湖の問題。私たち滋賀県は琵琶湖を預からせていただいていて、観光面でも環境面でも産業面でも、この琵琶湖を中心に、物事を捉えられ考えられていくという。この琵琶湖の価値を大切に守ろう。そして琵琶湖の持っているものをしっかりと発信していく、そういうことをやる9つのプロジェクトを重点的にやろうということを決めていますので、そういったところに力を入れながら、短期的に結果が求められる、成果が問われる取組ですので、そのあたりを強く意識しながら事業を進めてまいりたいと思います。

[中日新聞]

先日、高島市の庁舎問題で合併特例債の届出に対し同意しないでくれという署名の提出がありましたが、住民投票されたり、議会で改正条例が否決されたりなど、事態の先行きが見えてきませんが、起債への同意も含めて知事はどのように見られていますか。

[知事]

合併して10年ですか、この間の経過を踏まえて高島市の皆様方が協議をして、手続に則り事を行われているという事ですので、私からそのことでコメントすることはありません。

ただ、いろんな思いがあるけれどもそういった事を乗り越えて、高島市の将来のために、市長はじめ皆様方がご努力いただいていることでしょうから、そういうものに敬意をもって、尊重しながら臨んでいきたいと思います。

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