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知事定例記者会見(2022年9月6日)

令和4年9月6日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。台風11号が接近しております。強風や大雨に注意をしていただきたいと思います。今回、本県は直撃を免れるようでございますが、被災されている方にお見舞いを申しあげたいと思います。また、もうしばらく台風シーズンが続きますので、最新の気象情報に注意して、早めの備えをお願いしたいと存じます。

今年は短時間の大雨が特に多く発生しておりまして、先週9月2日にも甲賀市、東近江市、日野町に記録的短時間大雨情報が出されました。地下歩道などの低い場所が冠水をしたり、河川の水位が急上昇したりすることがありますので、そういった情報にお気を付けいただき、危ない場所に近づかないなどの対応をぜひよろしくお願いいたします。

新型コロナの状況ですが、ここにきて少し減少傾向がみられるのではないかと報告を受けております。新規の陽性者数は8月29日から9月4日までの1週間と比較いたしますと0.67倍となっておりまして、本県の感染状況は減少傾向を確認できますが、9月5日時点の確保病床の占有率は70%を超えております。したがって、引き続き、医療の提供体制は非常事態であると言わざるを得ません。

発熱外来の負担を軽減するため、9月1日から運用を開始しております「検査キット配布・陽性者登録センター」につきましては、何とか機能しているのではないかと捉えております。検査キットは1日に約500名からお申し込みいただいているということですし、翌日、翌々日には御自宅にお届けできているという状況でございます。このキット、また無料化検査事業で陽性となった方の登録も行っておりますが、昨日時点で250名を超える登録をいただいているということでございます。自宅療養者支援センター等でフォローケアをしっかり行っております。引き続き、手洗い、場面に応じたマスクの着用、常時換気など基本的な感染対策の継続をお願いしたいと存じます。

私自身の日程のことで申し上げれば、今週末の9月10日から13日まで、米国イリノイ州シカゴで行われます「日本・米国中西部会、日米合同会議」に出席するために渡米いたします。この渡米には、ジェトロ滋賀およびびわ湖ビジターズビューローも同行いただく予定をしておりまして、米国企業等の本県への投資に向けたアピールですとか、インバウンドの本格的再開を見据えた「シガリズム」のプロモーション等を実施する予定です。さらに、姉妹州でありますミシガン州のウィットマー州知事とも対面による初めての会談を行う予定で、現在、調整中でございます。2028年には姉妹提携60周年を迎えるということもございますので、両県州の友好交流の促進、さらなる発展に向けて、今後の持続的な交流についても意見交換をしたいと考えております。

それでは資料に基づきまして、私から3点申し上げます。

まず、1つ目は、毎月1回「北部の日」をつくろうと。北部のことを北部で見る、聞く、考える、という取組をスタートさせます。3期目県政において、北部振興をしようということを呼びかけておりますが、そういったことに現場で様々な方と交流しながら腰を据えて取り組むために、今月から毎月1回「北部の日」を設定しようと考えております。長浜市、高島市、米原市のいずれかに拠点を設けて公務にあたります。北部のことを北部で見て、聞いて、考えて、北部の魅力や可能性を探り、北部だからできる、北部でしかできない振興施策等を考えてまいりたいと存じます。

また、こういった取組には私知事だけが移動するということではなくて、職員も北部で勤務してもらいます。(知事と副知事が)同時には行きませんけど、できれば副知事も動こうではないかということを呼びかけているところでございます。現場で感じたことや得たものを共有しながら、全庁的に取組を進めていきたいと思います。

今回、第1回目となりますので、9月8日の木曜日から9日の金曜日の2日間、いつもよりも少し短い短期移住として実施するものです。この短期移住は私が知事になりましてから各地でやっておりますが、初めての記者さんは異様に感じられるかもしれません。私自身は京都生まれ、大津育ち、そして衆議院議員時代の選挙区は湖南地域ということもございますので、湖北地域のことを現地・現場でより深く知ろうという取組の一環でございます。ちなみに、長浜市への移住は今回で5回目ということになります。

今回は、町づくりに取り組む地域の方々や北部に立地していただいている企業の方々との意見交換、北部振興と同様に重点的に取り組んでおります「子ども子ども子ども」に関連いたしまして、地元の学校に通う子どもたちとの交流を通して、今後の施策構築や検討に向けたヒント、また気づきを終える機会としたいと思います。加えまして、各社報道機関の皆様も県民というお立場もあるでしょう。また、滋賀に御縁があり、関わっていただいているという、こういった御縁もあるでしょう。ぜひ、北部振興に向けた課題や可能性について、北部で意見を交わす場も持ちたいと思っておりますので、御都合をつけていただき、御参加いただければ幸いでございます。

1点目は以上でございまして、2点目は「第55回滋賀県政世論調査」について、単純集計結果が出ましたので、概要を報告させていただきます。まず、その前提といたしまして、多くの県民の皆様にお声を届けていただく御協力をいただきました。まず、このことに御礼申し上げたいと思います。

資料がお手元にあると思います。御覧いただきながらお聞きいただければと思いますが、まず、調査のあらましは(資料の)1に記載のとおりでございます。定例テーマであります県政全体に関する満足度、県の広報広聴活動、単年度テーマといたしまして、子ども・若者の支援、こころの健康、そして県政に関する自由記述設問5項目について調査いたしました。

まず、回収結果でございますが、(資料の)2を御覧いただければおわかりのとおり、2,034名の回答を得ました。有効回収率が67.8%、前回が50.6%、前回が56.1%というところから大きく増加させることができています。これは担当職員の頑張りによるところが大きいですけれども、行動経済学ナッジ理論を用いながら様々な取組を行った結果と聞いているところでございまして、今後につながる、また、他の調査につながる有効な知恵等は、ぜひ蓄積して生かしていきたいと考えております。

その回収結果の内訳をみますと、18歳から34歳。これは18歳から19歳が3.2%、そして20歳から34歳が18.1%ということで、合計21.3%と、昨年の年齢分類は15.4%でしたから、5.9ポイント大きく増加しております。

定住傾向についてでございますが、(資料を)1枚おめくりいただきまして、滋賀県に住み続けたいという回答は75.5%と、昨年より4.2ポイント減少しております。滋賀県に対する誇りにつきましても76.6%と、昨年に引き続き、微減という状況です。県政への関心、これは3ページ目にございますが、関心のある方が65.6%と、昨年よりも少し増加しているということがございます。次のページ、県民生活への満足度についてでございますが、分野別に20項目をお聞きいたしましたところ、健康的な日常生活を送れているというのが、満足度が高い項目となっている一方で、不満度が高い項目といたしましては、公共交通機関の利便性ということで、こちらについては12年連続という状況だそうでございます。次に、9ページのところに幸福度の調査もしておりまして、とても幸せを10点満点とした場合、自分が感じる幸せの度合いを尋ねて平均集計いたしましたところ6.61点ということでございまして、幸せを感じるうえで大切なこととして、その次のページにありますように、身体の健康、こころの健康等が上位になっているということでございます。以上が単純集計結果の概要となります。

例えば、11ページには県政に関して自由記述設けましたところ、815名の方々から御協力をいただきました。また、途中のページの説明を省略しましたけれども、6ページのSDGsの認知度、さらには7ページのMLGs(マザーレイクゴールズ)の認知度を調査した結果などについてもお知らせしておりますし、8ページのCO2ネットゼロにつながる取組ということについても、調査の速報値をお知らせしております。現在、クロス集計結果を集計中でございまして、今、申し上げた自由記述設問の可視化分析も含め、後日、これは10月中にも報告をさせていただくべく、現在集計をしているところでございます。こういった調査結果も反映しながら、来年度の施策づくりに取り組んでまいりたいと存じます。

最後でございますが、「SDGs全国フォーラム2022滋賀・びわ湖」を開催します。そのポスターセッション出展団体様を募集しますという御案内でございます。「SDGs全国フォーラム」というものは、2019年に神奈川県で開催されたことから始まりまして、昨年は長野県、そして今年は滋賀県で開催させていただくもので、11月12日の土曜日にピアザ淡海で開催いたします。このフォーラムは大きく3つのプログラムがございまして、1つ目はSDGsとビジネスをテーマに、企業様を招いたパネルディスカッション。2つ目は滋賀県内のSDGsの取組を知っていただけるプログラム。そして3つ目は県内外の高校生・大学生からの発信というものを予定しているところです。

2点目は、このフォーラムでは参加企業・団体様に、SDGs達成に向けた取組事例を発信していただくとともに、それぞれ参加される団体様、来場者の方々が交流していただける場として、ポスターセッション会場を設けたいと思います。このポスターセッションに出展される団体様の募集受付を本日から開始しておりますので、県のホームページを御確認いただき、ぜひお申し込みいただきたいと存じます。学校ですとか、企業様、いろいろな団体、地域も含めて、あらゆる団体の応募が可能ということでございますので、奮って応募いただければと存じます。プログラムの1つは学生が企画・発表するなど、若い世代のSDGsの取組が活発である滋賀県だからこそできるフォーラムになっていると聞いておりまして、仮想空間(メタバース)を活用した新しい試みも進んでいると聞いておりますので、楽しみにしているところでございます。

今回のフォーラムは、多くの方がSDGs達成に向けた実践を行うきっかけ、また既にSDGsに取り組まれている方々がパートナーシップを構築するきっかけ、さらには単なるやっているふり、SDGsのバッチを着けているだけではなくて、SDGsが地域にいかに溶け込んできているのかといったようなこと(ローカライゼーション)をつくり、確認する場になればと考えているところでございます。このフォーラムのプログラムの詳細、参加方法等については準備が整い次第、また追ってお知らせしたいと存じます。私からは以上です。

[朝日新聞]

まず、御説明いただいた北部振興についてです。この北部振興について改めて取り組むというふうにお考えになったということは、現在、滋賀県の北部には何かが足りないというふうなことをお考えになっていることだと思います。

滋賀県の中で、この北部振興の中で、知事としては何が足りないというふうに考えていらっしゃるのか。そして、それはどういう経緯で、なぜ北部に足りないものができてしまったのかというふうに分析されているのかお伺いします。

それから、これから取り組まれているということで、北部の振興、どんなことを振興していこうというふうに考えていらっしゃるのか。それはどういうふうにやっていくかという方法についてと、それから、ある程度の時期に成果を出しますというふうな目標などがあればお聞かせいただきたいと思います。それがまず第1点です。

【知事】

1点目にたくさんのことを盛り込んでいただきましたので、順次、お答えしたいと思います。まず、北部振興を考えたきっかけ、何が足りないと思ったのかということでございますが、私が知事に就任する前から、言葉として南高北低ということをよく問われたり、指摘されたりすることがございました。私はその言葉はあまり好きではなくて、むしろ、それぞれの地域が持っている魅力、そして課題イコール可能性であり、課題は克服し可能性を伸ばしていく。こういう取組をしようということを、例えば2014年以降、地方創生の取組などについてもつくってきたところでございますし、人口減少地域、また、過疎地域といったところについては、より重点的にその取組を展開していこうとしてきたところでございます。

ただ、7年、8年経って振り返ってみますと、また地域を選挙期間中などに回っておりますと、そういった取組が一定功を奏し、例えば人口減少・流出等を食い止められている部分、移住者・関係人口を呼び込めている部分がある一方で、なかなか十分可能性を生かしきれてないのではないかと。また、耕作放棄地や山間地の荒地等が増えている等の課題も散見されましたので、この期にもう一段、みんなで知恵と力を集めて、この北部振興というものに取り組むことができないだろうかと考えたところでございます。

また、2つ目にいただいた、どんなことをどのようにということにつきましては、まさにこれから、どういった取組ができるのか、それらをどのように行っていくのが今日的で有効なのかということについて考えようということで、庁内のワーキングチームを立ち上げて検討を既に開始しております。市町とも、この方向性や内容等について協議を始めたところでございます。

当該の基礎自治体である市とはしっかり連携していく必要があると思っておりますし、企業をまたあらゆる団体の皆様方とできるだけ広く意見交換しながら、今後の可能性を模索していきたいと思っております。

まさにそれと連動して、成果や目標というものが、形づくられてくると思うのですが、1年、2年ですぐに結果が出るというものではないと思いますので、少し期間・年限、ターゲットを定めて取り組んでいくということが必要なのではないかと考えておりますが、そういったことを前提、提案としながら、今後よく議論、吟味、検討していきたいと思っております。

 

[朝日新聞]

それでは2つ目です。今日の御説明にはなかったのですが、新型コロナウイルスの対策についてです。先般、国は全数把握を見直すという方向に舵を切りました。知事は、当面の間は全数把握を続けていかれるということをおっしゃっています。ただ、ある時期が来たら全数把握を切り替えるとお考えだと思うのですけれども、どういう状況になったら全数把握というものについては見直すのか、あるいはそれが現段階だと大体いつ頃(見直す)というふうに見通していらっしゃるのかお聞かせいただければと思います。

 

【知事】

まず、この新型コロナウイルス感染症対策につきましては、この第7波、猖獗(しょうけつ)を極めてきているところでございますが、ここにきて少し以前よりは減少傾向、ただまだまだ高止まりで、病院・保健所の現場は厳しいという状況があります。どなたが罹られて、どういう状態にいらっしゃるのかと、何歳ぐらいの方がどこにいらっしゃるというのは、私どもは全数で把握し、フォローやケアを行っていくということを当面継続していきたいと思っております。

ただ、発熱外来に行っても検査してもらえないとか、診てもらうのに時間がかかるという状態が8月には特に多くありましたので、「検査キット配布・陽性者登録センター」を9月から立ち上げて、それと従来からある保健所、医療機関での受診、陰性・陽性の確定、治療、そういったもの等を併用させて、セットでこの全ての方の状態を見ていくという滋賀県の体制を維持していきたいと思っております。

ただ、後段も御質問があったように、今後どうするのかということについてはまさに感染動向によるところが、まず1つです。それもみながら、国ができるだけ早く今後の把握のあり方ですとか、コロナ対策感染症対策のあり方、見直しを検討すると言っておりますので、それはみていきたいと思います。

今回の一部要件緩和につきましては、全数の報告ですとか、年代別の報告については引き続き行った上で、緊急避難的に全数把握をしなくてもいいという、現場でどうしたらいいのかわからない対応もみられますので、こういったことなどをクリアした新たな方式等が示されるものと期待しておりますが、そういうものをみながら県の対応を考えていきたいと思っております。

ただ一方で、現場でたくさんの患者さんの方々がいらっしゃって、そのHER-SYS(ハーシス)の入力などで事務作業も大変多重だという御指摘もありますので、どういったことが簡素化できるのかということについては、現在も担当部局で検討し、今後、医師会等とも調整の上、順次簡素化できるものは簡素化していきたいと考えております。

[朝日新聞]

3点目をお伺いします。

先日、朝日新聞は全国の国会議員、知事に対して、旧統一教会との関係についてアンケートをしました。三日月知事もアンケートに御協力いただきありがとうございました。その結果をみますと、知事の回答は選挙支援、献金、それから会費の支払い、祝電について、いずれも該当しないというようなお答えをいただいています。ただ、全国の知事をみますと7人の方が、何らかの関係があるというふうに答えた知事がいらっしゃいました。

三日月知事は衆議院議員も長く務められて、知事選知事についても3回目の選挙を今回戦っていらっしゃいます。数々の政治活動と選挙という過程の中で、旧統一教会側からの「こういった協力しますよ」というふうなアプローチというのはあったのでしょうか。もし、あった場合、それに乗らなかったというのはどのようなお考えで乗らなかったのかについてお聞かせいただければと思います。

 

【知事】

まず、私が現在知る限り、この旧統一教会の団体、関連する団体との関わりというものは確認できておりません。そういう状態をなぜつくることができたのかということについては、理由はよくわからないですけど、その都度、国会議員時代は事務所スタッフを含め、そして知事になってからも政務のことであれば事務所スタッフ、公務のことであれば秘書課のスタッフなどと、その時々の公務としての参加のありようですとか祝電依頼に対する対応等については相談してきておりますので、そういった中に、こういった団体等に関わるものが、これまではなかったのではないかと思います。

私が当該団体から選ばれなかったのかどうかはわかりませんけれども、今の時点でそういった御縁はなかったということですけど、ただ、信教の自由も一方にあって、どういう宗教を信仰していらっしゃるのかということをいちいち私どもも確認しながら、関わりを持ったり、支援をお願いしたりしているわけではございませんので、こういったことの把握や特定、そしてある一定の線引きというのは、なかなか困難な面もあるのではないかと推察しております。

 

[時事通信]

安倍元首相の国葬に関連してお聞きしたいのですが、国葬の案内状・招待状というのはもう来ているのでしょうか。

 

【知事】

まだ、いただいていません。

 

[時事通信]

国葬の案内状の内容次第で、公務であるか公務ではないかを判断されるというお話だったと思うのですが、国葬には参加されるのでしょうか。

 

【知事】

まず、国葬が9月27日に行われるという報道には接して、承知をしております。まだ、案内は届いておりません。最終的には、その内容を確認させていただき、私自身の公務の日程・都合もあわせて確認をし、閣議決定して案内をいただける国葬ということであれば、県民を代表し、参加して弔意を示していくというのが筋であろうと思っております。

 

[時事通信]

安倍元首相の追悼のための県の対応というか、弔意を示すために県庁舎への半旗の掲揚ですとか、職員に黙とうを求めるというか、県として何らかの対応を国葬に関連して考えておられるか、知事のお考えをお願いします。

 

【知事】

これまでの、例えば、政府等との合同葬儀ですとか、皇族の方々の御葬儀の際にどのように対応しているのかということと照らし合わせて、あと総務省からになると思いますけれども、どういう通知が来るのかということにもよると思うのですが、これまでの例に照らせば、弔旗・半旗の掲揚というのはありうるのではないかと思います。したがって、地方機関も含めて県の施設で、そういった対応というのは想定しておりますけれども、強制されるもの・するものではないと考えております。

 

[読売新聞]

北部の医療のことで質問させてください。長浜赤十字病院と市立長浜病院を巡って、滋賀医大と京大が再編を求める要望というのを長浜市長宛に出しました。この要望自体は働き方改革を理由にしているのですけども、このコロナ禍の前から、元々長期的な医療の需要の減少ということで、県としても厚生労働省に重点地区というふうに申請したかと思います。

改めて、この長浜赤十字・市立長浜の再編について、県としてのスタンスを教えていただけますでしょうか。また、その要望を踏まえて、長浜市に対して県として何かこの対応を求めることが、もしあれば教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず、こういう議論が行われる前提として、御案内のとおり、長寿化、高齢化が進んでいます。人口減少も進んでおります。そういう中で、医療のニーズというものが変わってきておりますので、このニーズの変化に対応した医療機関の見直し・再編が必要であると考えているところでございまして、とりわけ湖北地域というのは、先ほども一部お尋ねございましたけれども、そういう状況を急速に経験しながら、重複する、もしくは同じような機能を持つ医療機関がエリア内に存在するということを受けて、どのように役割分担をしながら再編をしていくのかという議論は必要であり、不可避であると考えております。したがって、国に対しても重点的にこういった検討する旨を表明させていただいているところでございます。

加えて、2024年(令和6年)からの本格的な働き方改革を受けて、多くの医師を派遣いただいております京都大学や滋賀医科大学の方からもそういったことについて、強くおっしゃられる・提言を受けるというのは、至極最もなことであると思いますので、こういった医師を輩出していただく大学機関とも連携を強化いたしまして、検討を加速させていきたいと思います。

ただ、地域住民の方々にきちんと説明しながら御納得いただくということも重要ですし、長浜市民病院は設置自治体である長浜市が、長浜赤十字病院は日本赤十字社が、どのようにお考えになり、その機能分担の仕方によっては病院経営にも影響してきますので、こういった事々を整理、調整していく必要があると思っておりますので、県がしっかりと間に入って、そういった話し合いなどが進められるように努力をしていきたいと思います。

[読売新聞]

元々、経営形態がそもそも異なる両病院ですので、その間に入るとして、どのように課題として認識されているのかということと、あと企業にしても何にしても再編・統合の協議となると、どうしてもその主導権をどちらが取るとかいうことになって、この問題は医療とはいえ組織対組織の話なので、その辺は避けられないと思うのですが、どういうふうに対応していこうというふうに考えてらっしゃいますか。

 

【知事】

おっしゃったとおり、言葉で言うのは簡単ですけれども、それぞれの設置者がいらっしゃって経営に関わることですので、なかなか難しいのではないかというのは、そのとおりだと思います。簡単なことではないと思います。

ただ、その病院、医療機関で担う医師のマンパワーというのは限られておりますし、それぞれの医師、メディカルスタッフが持つ時間というのも限られているわけですから、その中で働いて、働き方改革をして、持続可能な医療を提供していくということにどう対応していくのかということだと思います。こういう前提は、おそらく医療機関設置者も認識を共有していただけると思いますので、まず、その課題について認識を共有した上で、どのような調整のやり方があるのか。再編・統合、機能の役割分担、そして再編する選択肢があるのかということなどについて、例えば県が間に入って何かしらの提案をするとか、そういったこと等の役割を果たしていけるのではないかと思いますので、そういったことをぜひ精力的にやっていきたいというふうに思います。

 

[日本経済新聞]

訪米の狙いについて伺います。滋賀の投資とインバウンド誘致、それぞれどういったことをアピールするお考えでしょうか。

 

【知事】

今、日程は最終調整しているところでございますが、まずジェトロ滋賀、現地のジェトロ法人の方々の御協力もいただきながら、企業の皆様方、これは日米ですけれども、いろいろな意見交換をする機会を調整中です。そういった中で、米国企業の対日投資の関心、方向性なども探っていきたいと思いますし、その前提となる政治の状況、あとは世界貿易、通商の環境などについても御認識を共有できればと考えております。

観光インバウンドの方につきましては、いよいよコロナとの付き合いをしながら、本格再開、順次拡大という局面に入ってきておりますので、そういったニーズや興味がどういったところにあるのか、我々は我々のものをお示ししながら、そういったものにどういう反応があるのかということを確かめてこられたらというふうに思っております。

特に、ミシガンとは中西部会のグループとして一緒ですし、ミシガン州と滋賀県の友好交流の関係があって、今回もシカゴだけではなくて隣のミシガン州への渡航も考えたのですけれども日程が合いませんので、ミシガン州知事とはシカゴで会談を調整中です。そして、観光スタッフがミシガンで調整することも予定しておりますので、そういったスタッフが現地でプロモーションしていくこともぜひ調整したいと思います。

 

[日本経済新聞]

知事がずっとおっしゃっている「シガリズム」という少し難解な言葉がありますが、向こうに着いて、アメリカ人に「シガリズム」という言葉をどのように説明されるお考えでしょうか。

 

【知事】

英語でのプレゼンテーションを準備して調整しているところですけど、英語で言おうと思っても、やはり日本語でどう組み立ているのかというのが重要で、どのように伝わるのかというのは、最終的に現場で確認していきたいと思います。まずは、滋賀県が持っている琵琶湖をはじめとする自然の価値、そういう中で暮らしているという、人と人とが仲良く、人と自然とが仲良く暮らしているということを表現してみたいと思うし、私達の暮らしは、例えばアジアとの距離感、そして多文化も共生しながらつくってきた、暮らしてきたということも表現してみたいと思います。こういう人と自然の関係、人と人との関係、多文化共生という思想をまとめて「シガリズム」だと思うのですが、こういうものが、実はポストコロナを展望したときに、様々な対立がなかなかなくならない世にあって、三方よしの思想も含めて重要ではないかという提起をした上で、賛同・非賛同、関心・無関心などを確かめることができればと思っております。

 

[京都新聞]

「北部」の日に関連して3点ほど教えてください。まず、「北部の日」というのは「びわ湖の日」のように県民参加のものではなくて、知事がまた県庁として北部に取り組む日としての意味合いでしょうか。

 

【知事】

まず、そうしたいと思います。まずは、私を中心に県のスタッフが北部に入って、見て、聞いて、考える日としてスタートしたいと思います。

 

[京都新聞]

「まずは」ということは、そこからまた先の発展というのが、もう少し想定されているのでしょうか。

 

【知事】

「びわ湖の日」とは少し意味合いが異なると思うのですけど、どういう展開ができるのかというのをまずやってみて、考えていきたいと思います。

[京都新聞]

2点目は、いつまでやるのかというところとか、2回目以降、米原や高島ということですけども、どこで執務をされるのかというのは、今、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

これも、まずスタートしたいと思います。この提案も秘書課で私の日程を担当してくれているスタッフが「こういうのやりませんか」と言ったものですから、難しいけど、「面白い、いいのではないか」ということで始めてみました。

ただ、月に1回、例えば1泊2日でも知事が県庁にいないという予定をつくるのは容易なことではないですけど、まずやってみたいと思うということでやってみようということにしました。適宜、オンラインなども使いながら、必要な協議、公務対応をすることになります。

そして、どこで執務するかという拠点も、それぞれ探して、執務するに値する、もしくは十分執務することができる場所というのを確保することになると思います。いろいろな面会する場所もそうです。現場に行くときは簡単ですけど現場行かしてくださいということで対応できますけど、そういう公務ばかりではないでしょうから、そういった場所探しも含めて、今後行いながら、続けていければと考えております。いつまでになるか、これもやってみます。長浜だけというわけにもいかないでしょう。

 

[京都新聞]

日程としては第5回まで決まっているのですか。

 

【知事】

まず、第5回まで決まっているということです。

 

[京都新聞]

場所については、市役所とかそういったところではなくて、今まで短期居住された拠点の場所というのを想定してやっていかれるのでしょうか。

 

【知事】

そこもいろいろだと思います。これまでの短期移住の場所はどちらかというと集落に入って借りた家に住んでということでしたけど、むしろ、公務しながらということであれば、少し場所も考えなくてはいけないのかもしれません。市役所などにも適宜、御協力いただきながら場所設定ができればと思います。ぜひ、一緒に行きましょう。

 

[京都新聞]

あと、北部振興の振興というのにどのようなイメージを持ってらっしゃるかというところですけれども、先ほど幹事社さんの質問に対して、今後の目標設定であるとか何をするかというのは、これから考えていかれることだということだったのですけれども、振興というのは人口減少を食い止めるということなのか、それともにぎわいをつくるというような意味合いなのか、知事はどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

【知事】

今、お尋ねの中で例示されたことというのはいずれも当たると思いますが、人口減少にどのように向き合うのか、にぎわいや活性化をどのようにつくるのか、いずれも大事な要素だと思います。何より住んでいらっしゃる皆様方がどのように考えて、行動を起こしていかれるのか、そういったことはまず大事にしたいと思います。そして、従来型の昭和の時代からずっと戦後つくってきた振興、これは人口増加を前提にしながら、山から都市に出ていってというようなものを前提にするだけではなくて、むしろ北部型の、湖北型の新しいモデルなどが提示できればいいのではないかと思います。

例えば、私がよく協議などで言うのは、生まれてくる子どもの数は、確かに以前よりも少なくなった。特に湖北地域、つぶさにみていかなければなりませんが、以前よりも減っているとするならば、一人ひとりの子どもにかけられる時間やお金、資源というものが以前よりも増える可能性がありますので、そういったものをどうプラスに捉えることができるのかというようなことですとか、産業振興を考える上で企業誘致・産業誘致というものが、よく言われるのですが、現在県内には大規模な工業団地含めて、企業のニーズに合う工業団地というものを用意できている状況ではありません。そういう可能性というものが北部にどのようにあるのかといったようなことですとか、山の資源や農の資源、水産の資源という、いわゆる一次産業の資源というものの生かし方、先ほどお尋ねあった「シガリズム」という観光の拠点としてはたくさん素材がありますので、そういうものの生かし方などについても、まだまだできることがあると考えておりますので、こういった事々を投げかけながら、どこに光を見出していけるのかというのを探っていければと思います。

 

[毎日新聞]

まず、県政世論調査のマザーレイクゴールズの認知度で、72.7%が知らないということに関しては、多いのか少ないのか、知事はどういった御感想をお持ちでしょうか。

 

【知事】

この結果だけ見ると、まだまだこれからというところです。やはり、もっと知ってほしいという思いもあります。ただ、昨年からスタートして、例えばSDGsとの違いですとか、まだまだ届けられていない部分もあるのでしょうけど、こういう中にあっても、例えば、聞いたことがある、少し知っている、よく知っているという、いわゆる25%あまりの方々が、どこにどの年代にいらっしゃるのかといったようなクロス集計などもみながら今後の対策を練っていければと思います。

 

[毎日新聞]

米国出張でミシガン州のウィットマー知事と初めて対面で会うというふうに、昨日、おっしゃっていたような気がするのですが、その辺の確認と、知事との会談ではどういうことを期待されているか。

 

【知事】

対面でお会いすることができれば初めての機会になります。オンラインで一度、あれは去年だったと思いますけど、御就任後にお祝いの御挨拶などをオンラインでやりました。リアルで対面会談が実現できれば、やはりこの長いミシガンと滋賀との友好交流をコロナに負けずに継続・発展させていこうという基本的なことを確認したいと思いますし、この中にあってもオンラインを含め、様々に続けられている交流ですとか、交易といったものをぜひ更に伸ばしていけるようにお互い協力することも確認できればというふうに思います。

 

[読売新聞]

知事が冒頭で少しおっしゃられたのですけれども、アンダーパスの事故が近江八幡市内であったのご存じかと思いますが、お亡くなりになった方が見つかった場所に非常に近接した場所が県管理の場所だったということで、近江八幡市と県の連携について改めて課題を洗い直しておられると思います。

事故を受けての知事の所感と、今後どう対応していくかというのを教えていただければと思います。

 

【知事】

まず、冠水事故でお亡くなりになった方の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。そして、今、お尋ねいただいたように、急激な雨によって短時間で冠水するという状況、かつ、市が管理している地下道と県が管理している地下道とが近接する状況にあって、県の方は入らないようにという措置が取れていたけれども、市の方はそれが十分だったのかということが指摘されていることを受けて、こういった地域・場所の管理のあり方、また冠水が起こったときの対応のあり方については、ぜひ見直しなり、対策を検討するように指示しているところです。先に行った方が合わせて対策しておくとか。あと、今回、降ったエリアが比較的限られていましたから、(県は)見に行って対応できたのでしょうけれども、広範囲に及ぶと、また長時間に及ぶと、そういうことがままならないということになることも想定して、例えばハードで何か対策を講ずることができるとすれば、水位を探知して警報を鳴らすとか、こういったことなども併せて取り入れながら対策を取っていきたいというふうに思います。

[読売新聞]

その対策においては市の担当の部局と県の担当の部局で何か場を持たれて対策を話し合っていかれるというイメージになりますか。

 

【知事】

既に今回の件を受けて、市と事務所とは協議をしていると聞いておりますし、今後、対策を講じるにあたっても市側の対策と県側の対策とをきちんと合わせて、互い違いや、ちぐはぐがないようにしていきたいと思います。それと同時に、こういった箇所が他にもあるとするならば、この教訓をしっかりと同種の施設に生かすことができるように横展開していきたい。

 

[NHK]

知事が冒頭でも御説明いただきましたけども、新型コロナの医療現場などへの負担を減らすための「検査キット配布・陽性者登録センター」の運用が始まってまもなく1週間になりますけれども、実際に医療現場の負担軽減につながっているかどうか。

まだ、1週間という短い時間なのでなかなか評価は難しいですが、受けとめと、その中で、もし何か課題といいますか、そういうものがみえてきたとすればどんなものがあるのかお願いいたします。

 

【知事】

まず「検査キット配布・陽性者登録センター」が9月1日から運用開始をして、まだ1週間足らずですので、もう少し状況をみたいと思います。現時点において、例えば1日約500名の方から検査キットの申し込みがあるということであれば、無料の検査の場所以外に行かれる場所としては、これまでは医療機関などもあったわけで、それがこういった配布センターを通じて、検査需要が一定まかなえるということであるとか、登録についても、これまでに250名を超える方が御自身で登録いただいていますので、こういったことを、これまでは医療現場、ないしは保健所でやっていたということを代替していく機能というのは一定発揮できているのではないかと思います。ただ、かかる時間がどうなのかとか、そういった方々がどういう不安や戸惑いを、その過程において持たれているのかなどについては、もう少し状況をみて、必要な対応対策等を考えていく必要があると思います。

 

[共同通信]

全数把握で今回の政府の指示でどうしたらいいかわからないような部分も散見されたというようなお話がありましたけれども、そのような中で何県かは全数把握の見直しをされているという状況もありまして、先行してやっていらっしゃる県もあります。その辺、指示が曖昧な中で一部の県とかは(全数見直しを)やっているという今の状況をどう捉えていらっしゃるか一言いただきたいです。

 

【知事】

感染症対策ですので、全国でそろえられるところはそろえて一律にというのは、ひとつの理想だと思います。ただ、感染状況も違いますし、やってみないとわからないところもあると思いますので、先行する自治体は状況をみながら先んじてやろうと考えられたのでしょうし、私どもは感染状況もみながらですけど、全数把握でいこうということでやっておりますので、それぞれの状況なども共有しながら、今後、もしくはその次の波や感染症対策に生かしていくことができればと思います。

 

[びわ湖放送]

県政世論調査ですが、先ほどMLGs(マザーレイクゴールズ)の話は出ましたけれども、全体的に御覧になって、今回の調査でみえてきたこと、気づかれたこと、それをどのように生かしていきたいかお聞かせください。

 

【知事】

まず、第55回県政世論調査、私も毎年度、この結果や速報内容については、注目しておりますし、これは毎年のことでありますけど、今ちょうど来年度の施策づくりも始めたところですので、どのように生かしていくのか、しっかりと考えていきたい。今回のことでいえば、コロナも3年目になって、毎年伺っていることもありますけれども、こういう調査で新たに聞くことも含めてどのように県民の皆さんが反応していただけるのかということについては注目していました。1つは先ほども少し時間を取って説明しましたけど、回答していただく方が大きく増えたということは、世論調査の信頼度を上げるという意味においても意味を持ちますし、県庁内のそれぞれの部局がする様々な調査に対しても生かしうる効果があるのではないかと思います。また、ネットで回答する割合が40%近くという傾向もあります。

また、定住とか誇りの部分は経年の部分があるのですが、実はこの前に行われていた県政経営会議でも基本構想の実施計画を考える際に、生まれるのも、生きるのも、死ぬのも、夢も、学ぶのも、ずっと滋賀だという目標などについて、少し閉鎖感があるのではないか、これでいいのか、外部から来た人も一緒にやろうという視点が要るのではないかということもございました。例えば、住み続けたいというような定住意向なども私は大事な意向だと思いますが、滋賀の閉鎖感みないなものがあるとするならば、そういうものを打ち破るヒントみたいなものを探ることができればというふうに思っております。

あとは、毎年注目しているのは満足度。特に不満足度、公共交通の部分です。毎年、地域別に年代別にどの地域のどの年代がどれぐらい不安を持たれているのかというのもみていますので、こういったところなどは注目しているところです。

 

[びわ湖放送]

不満足度の部分ですが、先ほど公共交通の部分が12年連続不満足とおっしゃったかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

 

【知事】

どの年代の、どの地域の方がこのように答えられているのかというのをみさせていただきますが、鉄道の方もあれば、バスの方もあるし、日々使われる年代の方もあれば、そうでない年代の方もあるのかもしれません。まず、結果として12年連続で不満度が最も高いという結果を大事にしながら、詳細をみた上で、今、取り組んでいる様々な公共交通の活性化・維持、その施策に生かしていきたいし、ビジョンづくりですとか、そのビジョンを実現するための財源づくり、交通税の議論などにも参考にしていきたいというふうに思います。

 

[中日新聞]

高等専門学校についてですけれども、現在の進捗と、もし設置場所の決定、公表の見通し等ありましたらお願いします。

 

【知事】

まず、高等専門学校につきましては、滋賀でつくりたいということで、早くて令和9年の開校を目指して、現在、準備をしているところです。これからの時代、高度モノづくり人材の輩出ということを志向しながら、情報通信の技術を基盤にしながら、化学ですとか、機械ですとか、様々な現場のニーズにも合致した未来を志向した滋賀らしいモノづくり人材を輩出できるようにしようということで、大きな考え方をまとめた上で、現在、場所の選定を行っているところです。9つの自治体から提案もございまして、既にプレゼンテーションも終わっておりますので、そういった内容などを確認した上で、まず場所を県として決めさせていただいた上で、例えばカリキュラムをどうするのか、そして具体の施設設備をどのように整えていくのかといった次の段階に準備を進めていけるように取り組んでいきたいと思っております。

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