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知事定例記者会見(2021年9月7日)

令和3年9月7日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日は24節気の白露ということでございます。

(俳句)見えぬ世の 先のひかりの 白露かな

暦の白露。これから先、歩むひかりにしたいという思いを込めて述べました。

パラリンピックは、日曜日に閉幕いたしましたが、このコロナ禍の中、開催に御尽力された方々、また、その中で懸命な競技、パフォーマンスをされた方々に心から敬意を表したいと思います。多くの感動をいただきましたし、ある意味での気づき、学び、勇気、そういうものをいただいた気持ちです。

9月3日、男子100mバタフライ、視覚障害S11、木村敬一選手が見事金メダルを取られました。木村選手は知事室にお越しいただいたことがあるのですが、過去3大会で、銀・銅6個のメダルを獲得されて、今回、その前の競技で銀メダルを取られていたうえで、悲願、念願の金メダルということでございました。表彰台での木村選手の表情を見ていても、いかに金メダルを目指して御努力されてきたのかということがよくわかったと思います。その木村選手の栄誉をたたえ、先日創設いたしました「滋賀県県民栄誉賞」をお贈りすることといたしたい。また、もって県民の皆様とともにお祝いをしたいと存じます。

また、トライアスロンの宇田選手ならびに競泳女子の井上選手や福井選手、女子マラソンの藤井選手など、滋賀県からゆかりの選手がたくさん出場され、活躍をされました。今大会が、お互いの価値を認め合う、また、その輝きを認め合う共生社会につながるようパラスポーツ、障害者スポーツの普及はもちろんのこと、障害のある方々の地域でのこういったスポーツ、芸術活動のさらなる進展を図るために努力をしてまいりたいと存じます。

今日の経営会議でも、このパラリンピックのレガシーを滋賀県内にしっかりと生かそうということで、中嶋文化スポーツ部長に、県政への提案を出すようにということを指示いたしました。聞いてみますとパラリンピックでの金メダリストは1976年、トロントパラリンピックのやり正確投げで金メダルをとられた八田智洋さん以来ということだそうでございます。

新型コロナウイルス関連状況でございますが、緊急事態宣言が8月27日に本県に発令されました。以来10日余りが経過しております。スライドにも出ていますが、8月上旬の1週間を基準に8月下旬の1週間、すなわち8月22日から8月28日と、直近の1週間、8月29日から9月4日を比較いたしますと、ほぼ全てのエリアで、人口の流れをさらに抑制できていることが確認できました。(モニターのグラフの)左側が1日の総来訪者数、右側が午後9時台の来訪者数、その左側が8月22日から8月28日、右側が直近8月29日から9月4日という流れになっているのですが、(時間の流れの表示が)左から右ということで、人の流れをより減らすことが出来ているという状況が確認できます。

また、県外からの流入が左側、県外への流出が右側。これはお仕事の関係、

通過交通量もあるのかもしれませんが、こちらの減少は少ないですけれども、8月の中旬よりも下旬の方が大きく減っているという状況がございます。そういう意味で、県民の皆様にお願いしております外出の抑制、出られるとしても半分に減らそうという、こういった呼びかけ、また事業者の皆様方に御協力いただいておりますテレワークや時差出勤ならびに営業時間の短縮等に、一定の奏功、効果が出ているということがみられるのではないかと考えられます。

こういった人の流れの抑制ですとか、感染症対策の徹底などを背景といたしまして、県内の新規感染者数は9月4日に25日ぶりに2桁となりました。おかげさまで減少傾向がみられるところでございます。しかし、一方で、クラスターが多発しておりますし、病床のひっ迫、自宅療養者が多い状況というのが、依然続いているという状況でございます。本県に発令されております緊急事態宣言が9月12日までとなっております。今日もたくさん御質問いただくのかもしれませんが、今後の医療提供体制などへの負荷、また感染状況を注視しつつ、近隣府県の動向、専門家の御意見も参考に、今週中に本県の方針を決定したいと考えております。

今日は資料に基づきまして、2つ御紹介いたします。

1つ目は女性のつながりサポート事業というものでございます。6月の県議会で、予算を御承認いただきました「女性のつながりサポート事業」をいよいよスタートをいたします。6月に県公式LINEで行いました、生理の貧困に関するアンケートでは、県内でも4人に1人の方が経済的な理由などを背景に、これまでに生理用品の購入入手に苦労したことがあるということもわかりました。この事業では、生理用品の提供をきっかけに、コロナ禍で孤独を感じ、社会的に孤立し、不安を抱えていらっしゃる女性、必要な支援が届いていない女性に対し、相談支援や居場所の提供を行うことで、必要な行政等の支援につなげ、社会とのつながりを回復できるように支援するというものでございます。

御手元の資料のとおり、生理用品の提供につきましては9月から72校の県立学校での提供を既に始めているところでございます。学校では、生理用品を女子トイレの手洗い場などに置き、必要な生徒が利用できるようにしております。また、メッセージカードやポスターを用意いたしまして、まとまった個数が必要な場合、別途個別で配布されることや、学校や県内に相談窓口があることを周知してまいります。具体的には、御取材の御要望等ございましたら、石山高等学校や北大津養護学校での設置状況を御確認いただくことも可能だということでございます。県の施設では、県立男女共同参画センター、県庁の女性活躍推進課で提供させていただきますほか、図書館、精神保健福祉センター、子ども家庭相談センター、びわ湖こどもの国など、準備が整ったところから配布いたします。9月中旬の開始を予定しております。配布は、窓口のサインボードを指さしていただいた方にお渡しする予定でございます。

また、この事業では、気兼ねなく相談できる相談会を4か所で開催いたしますほか、悩みや不安を抱える女性が気軽に集える居場所を10月から提供できるよう、現在、NPOなど、民間団体の皆さんと調整を行っているところでございます。こうした生理用品の提供をきっかけといたしまして、生理の貧困にある女性の背景や事情に向き合い、必要な支援につなげていけるよう事業に取り組んでまいりたいと存じます。

それでは、もう1点。こちらも資料があると思いますが、琵琶湖北湖90m湖盆の底層溶存酸素等の現状についてという情報提供をさせていただきます。既に、例えば、WMO、世界気象機関が災害被害などに関するレポートを発表され、洪水や熱波などの災害が過去50年間で5倍に増加したことを明らかにされております。そのレポートでは、主な原因として気候変動が挙げられております。気候変動によると思われる影響は本県がお預かりしております琵琶湖にも及んでいると考えられます。特に北湖で、冬に表層と底層で水が入れ替わり、酸素を湖底に供給する全層循環につきましては、平成30年度から令和元年度の2年間にわたり確認できず、湖底でイサザやヨコエビの死亡個体が確認されるなど、生物への影響もみられたところでございます。

今年2月に、約3年ぶりに確認できましたものの、引き続き、状況を注視してまいりました。このたび、スライドにもございますが、去る8月30日に実施いたしました水質調査において、北湖の第1湖盆の水深約90mの1地点で、今年初めて、底層の溶存酸素量が底生生物への影響が見られる目安でございます2mg/Lを下回ったという結果が出たそうでございます。そのお知らせでございます。

また、今回、(モニターの表で)黄色く示しておりますのが、8月30日調査のL地点、1番下の左側、その右側は昨日の調査の結果ということだそうでございますが、これまでに2地点で2mg/Lを下回ったデータが確認されているとのことでございます。なお、溶存酸素以外の水質につきましては、現時点では各項目とも平年並みの数値であり、影響は確認されていないということでございます。また、もう1つのスライド、湖底生物の状況をみられる範囲でみてくれているのですが、琵琶湖環境科学研究センターで所持しているカメラを搭載した水中ロボットによる調査によりますと、現時点では、左側がイサザ、右側がスジエビ、いずれも生きていると。(モニターの画像は)写真ですので、動かないそうでございますが、いずれも生きていたということでございます。詳細につきましては、会見終了後、担当課にお尋ねいただければと思います。

これまで底層溶存酸素量の調査を月2回で確認してきましたが、今後は、要注意期間に入ってくるということもございますので、月4回に頻度を上げて実施いたします。また、水産試験場、京都大学等の関係機関とも連携を強化してまいります。MLGs(マザーレイクゴール)にもありますように、琵琶湖は、私たちの暮らしを映し出す鏡であると同時に、地球環境を見通す窓でもございます。今後もしっかりと監視いたしまして、科学的な知見と、関係の皆様の英知を結集して、一層の琵琶湖保全再生、気候変動対策を進めてまいりたいと存じます。

私からは以上です。

[中日新聞]

まず、コロナの感染状況についてですけど、減少傾向に入ってきたということで、前回の会見とかでは外出半減には十分達してないというふうに言われていましたが、人出が十分減少しない段階で既に感染者が減少の方に入ってきたような印象を持っているのですが、そのあたり、どのような対策が効いて減少に入ってきているというふうに捉えられているでしょうか。

 

【知事】

すみません。まだ、よくわかりません。このあたり、もう少し状況をみたい。また、みなければならないのではないかと思っています。

 

[中日新聞]

これ(人流のデータ)をみると、緊急事態の期間に入ってから外出が減っているのかなという印象、(緊急事態宣言が)8月27日からだと思うので。この8月29日から9月4日の期間の方が、やっぱり緊急事態になると減るのかなというふうに思うのですが、今後9月12日以降に(緊急事態宣言が)もし解除された場合には、また増えてくるだとか、あと京阪神が緊急事態で、滋賀が解除となると人の流れとかも変わってくるのかなと思うのですが、そのあたりを含めて緊急事態への今後の対応をどのようにお考えかを教えてください。

 

【知事】

こういったファクトとして、例えば、大津駅周辺では、(モニターのグラフの)左側が7月から8月にかけて、真ん中あたりがちょうど8月に入りまして、この茶色いラインからまん延防止等重点措置に入ったところ、赤いラインが緊急事態宣言に入ったところということでございますので、こういった措置をさせていただくこと、関連するメッセージを発信させていただくことが、こういった人の流れの抑制に一定寄与しているのではないかとみられます。この人の流れの抑制というものが、感染状況の減少に寄与しているのではないかと推察されますが、まだ何か科学的な知見をもって立証されているわけではございませんので、もう少し状況を注視する必要があるのではないかと思います。

以前もお話ししたかもしれませんが、お盆の状況、お盆の人の動きの流れが出てくるのが、この9月の上旬。そして、学校再開が8月の下旬から成され、行われ、9月1日から本格的に再開してきた影響が、この週もしくは9月10日前後あたりから出てくることを踏まえれば、そのあたりの状況というのは、みていく必要があるのではないかと思います。

また、何より医療の状況。病床は388床まで増やし、宿泊療養施設は677室を確保して対応させていただいておりますが、直近で、自宅等でお過ごしになってらっしゃる方、自宅療養の方が1,000人は切りましたけれども1,000人近くいらっしゃるという状況がございます。こういった状況等踏まえて、今週末で期限を迎えるこの緊急事態宣言、その後にどうしていくのかということは考えていく必要があるのではないかと思います。

 

[中日新聞]

措置を取っていることで、大分効果があったとすると、急になくすと、また副作用があるかと思いますので、段階的にというか、そのあたりの方向性はいかがでしょうか。

 

【知事】

そうですね。いきなり「もう緊急事態宣言もありません」「全てコロナが発生する前の、(規制等が)何にもない状態に戻ります」というのはなかなか難しいのではないかと思います。ただ、ずっと緊急事態宣言の状況下という状況は、巷間言われているように宣言慣れしてしまう、またこの宣言が出されていることや、人の流れを抑制していることに伴う副作用等も出ますので、そういったことなども十分に配慮する必要があるのではないかと思います。

 

[中日新聞]

最初にパラリンピックのことを触れていただきましたけど、昨日で五輪、パラ両方とも終わったということで、知事は開催に前向きな発言をこれまでされてきたと思うのですが、結果的にかなり同じような時期に感染拡大、全国的に広がりまして、五輪開催自体というかお祭りの雰囲気によって対策が緩んだのではないかという指摘もあるかと思うのですが、そのあたり大会が終わってみての受け止めを改めてお願いします。

 

【知事】

総じて、この日本で、東京で行った東京オリンピック・パラリンピックというものは、この感染症下ではありましたけれども、最大限の成果を収められたのではないかと思います。これはひとえに、出場される選手の皆さんはもとより、大会関係者の皆様、ボランティアの皆様、それを支えた医療、輸送、警備の関係者の皆様方など、多くの方の御協力があってのことだということで、私は心から敬意を表したいと思います。

観客は原則、入れなかった。テレビで見る機会が多かった。しかし、テレビでも十分にいろいろな競技ですとか、選手ですとか、その活躍、熱戦に手に汗握る、また感動をするということも多かったのではないでしょうか。滋賀県ゆかりの選手も大いに頑張ってくださいました。こういう種目もあったのか、こういう選手もあったのか、こういう面白さもあるのかというようなことで、初めて見る種目ですとか、なかなかテレビで見られない。そういった競技などにも触れることができましたので、そういう意味でスポーツを通じて人生を豊かにする、また町や社会を元気にする。こういった効果というものが大いに発現する、そういう効果があったのではないかというふうに思っております。

ただ、おっしゃったように、そういったことが連日報道されることで、少し社会全体が緩んだり、「出ていいんだ」「見に行っていいんだ」「楽しんでいいんだ」という雰囲気をつくってしまったりしたことは否めないと思います。その狭間で医療従事者の皆さんは大変現場で頑張っていただいた。御苦労、大変強いてしまっているという状況があるのかもしれません。こういった感染症と付き合いながら、どうやって社会を運営していくのかということが試されている、そういう状況下でもございますので、今回のこの期間中に得たことなども、しっかりと踏まえて、今後の社会づくりに生かしていきたいと思っております。

[日経新聞]

緊急事態宣言の効果について1点、まず伺います。様々な措置をお願いしているわけですけれども、特にお酒の提供と飲食店の午後8時までの時短営業の効果については、どのくらい人流の減少に影響しているというか、効果を上げているとお考えでしょうか。

 

【知事】

(モニターの人流データの)表を御覧いただきますと、やはり夜9時以降の来訪者数が大きく減っています。これなどは、営業時間の短縮、いろいろな目的もあるのでしょうけれども、酒類の提供の停止をお願いしているという効果も、一定寄与しているのではないかと思います。このことが、感染抑制に一定効果を持っているのではないかと推察しておりますが、なお検証が必要ではないかと思います。

 

[日経新聞]

先ほど、何もない状態にするのは難しいというお話がありましたが、やはり一定効果があると認められるお酒の提供停止と飲食店の時短については、9月13日以降も継続する可能性が高いと考えていいのでしょうか。

 

【知事】

選択肢としては、延ばすかやめるか。また一部、延ばすかやめるか。

 

[日経新聞]

エリアを区切ってということでしょうか。

 

【知事】

そういうこともあります。あらゆる選択肢があると思うのですが、減り切っていないから軽々に延ばすということは、これは慎重であるべきだと思っているのです。といいますのも、滋賀県は初めてこういった強めの対策をとらせていただきました。これは、これまでにない感染状況だからです。

この人の流れをみてもそうですし、営業時間短縮に御協力いただくお店が99%を超えているというのも、やはり、この短期集中型だからこそ聞いていただけている面があるのかもしれません。これが長引くと、感染が減っているのに延びると、もういつまでもついていけないという部分も当然出てくるでしょう。このあたりの見極めというのが非常に難しいと思います。

 

[日経新聞]

コロナ以外で恐縮ですが1点伺いたいと思います。9月1日に発足したデジタル庁について伺います。まず、どういう期待を持っておられるかということと、推進をしてきた菅総理が退陣しますが、そのデジタル庁の今後の運営にはどのような影響があるとお考えでしょうか。

もう1つ、県として行政のデジタル化についてどのように取り組んでいくかについてもお考えがあれば伺いたいと思います。

 

【知事】

まず、菅政権になって掲げられた公約の1つを、この短期間で、組織設置、スタートというところで結実をされた。このことは、1つの大きな成果だったのではないでしょうか。いろいろなものが一元化され、国のデジタル政策を牽引される、その司令塔としての役割を大いに期待したいと思います。

特に、デジタル人材の育成ですとか、あとは情報システムの標準化、それぞれの市町ごとに違う、官民で違う、場面によって違う、こういったものの標準化ですとか、あとマイナンバーの普及、この3つのことには特に期待をしたいし、我々も一緒になって頑張っていきたいと思っております。

とりわけ本県も、滋賀県デジタル社会推進本部を今年の2月に設置いたしまして、中條副知事をCDO、最高デジタル責任者にして、今、様々な諸施策を進めていますが、年内に滋賀県DX推進戦略をつくることにしています。そこでは、暮らし・産業・行政、各分野におけるDXによる新たな価値創造、今後3年間でどのようなことに重点的に取り組むのかということについて、しっかりと描いていきたいと考えておりますので、こういった取組をさらに強力に進めていきたいというふうに思っております。

 

[日経新聞]

DX推進戦略について、何かわかりやすい、具体的にこういうことをやると、例えばデジタル庁の3つの仕事などは、まさにわかりやすい例だと思いますが、県のDX推進戦略で具体的にこのようなことをやるのだという、わかりやすいメッセージというのはないでしょうか。

 

【知事】

まさに、国のデジタル庁に期待することとして申し上げた3つのことというのは、県も、この戦略をつくってやっていくことになります。人材の育成、さらには様々なシステムの標準化、これは特に市町と共同して取り組んでおりますので、住民の利便性の向上、こういったことに資するデジタル化をやっていきたい。

さらにはマイナンバーの普及です。滋賀県は、8月末時点で41.65%、全国4位という導入状況ですけれど、担当に聞いていますと、民間サービスを含めた利用拡大というのが課題だと。例えば、スマホと一体にできるとか、様々なサービス等が、このマイナンバーを提示することによって、証明のために何枚もカードを出すことなく、受け取れる、行えるといったようなことなどについても、何とか盛り込んでいくことができないだろうかということを検討中と聞いています。

ただ、滋賀県のDX推進戦略は、一人ひとり全ての人の幸せにつながるように、誰1人取り残さないようにつくろうじゃないかいうこととか、あとは、やはり人に優しいデジタル化をつくろうじゃないかということを志向していますので、そういったことなども、滋賀県らしく盛り込んでいければというふうに思っております。

[京都新聞]

琵琶湖の溶存酸素量についてお伺いします。今回、7地点のうち1つの地点で、今年初めて、溶存酸素量が底生生物に影響がみられる目安を下回ったということですけれども、これに対する評価というのは、知事はどのようにされてますでしょうか。

 

【知事】

皆さんの御手元の表の3ページのところのグラフを見ていただきますと、今年が赤の実線のグラフで、過去10年の平均が赤の点線のグラフです。特に我々が、大丈夫かと思って冷や冷やしたのが去年と一昨年の青と黄色のグラフです。そのときに比べると、酸素が平均するといい状態になっているのですけれど、1地点1地点をみてみると、点線のある生き物の生存に重要な2.0mg/Lを下回るレベルになってきているので、しかも8月30日だけではなくて9月6日もまた1地点出たということですので、これはやはり要注意ということです。

後ほど専門のスタッフに聞いていただければと思いますが、これが下回ってくると、生き物だけではなくて水質にも影響を与えるというのが、この3ページの1番下の、例えば全マンガンというものの、経月変動というものを見ると、昨年はマンガンが突出して多く出ているときがあります。このときはやはり、上の溶存酸素のDOの経月変動も低い時期だったのではないかと、そこと符合するのではないかということもありますので、こういったことなどみていますと、やはりお預かりする琵琶湖の健康状況というのは、非常に要注意時期にあるというふうに思っています。絶えず調べて、ファクトに基づく状況をしっかりとお伝えすることで、私たちの行動変容に結びつけていくことが重要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

今年度の全層循環についてはできそうか、どういうふうな影響が及ぶとお考えでしょうか。

 

【知事】

それはすみません。神のみぞ知るというところなのかもしれませんが、ただやはり、この年末、特に冬の時期になってどう動くかというのが大事です、躍層という意味では。ですから、秋から冬にかけての動きなどもよくみていきたいし、ずっと下回ったときに、何でもって回復するのかというと、台風などで、波でかき混ぜられて回復するということもあるので、あまり台風が来るのは歓迎できないですけれど、そういう面などもみながら、いずれにせよ状況をよく注視したいと思います。

 

[京都新聞]

コロナ関係で大きく3点お伺いしたいと思います。1つ目が、感染状況を注視しつつ、今週中に滋賀県としての方針を決めたいというお話だったのですけれども、パターンとしては複数あるかと思うのですが、(1)緊急事態宣言の延長を政府に要請する、あるいは、(2)緊急事態宣言ではなく、まん延防止等重点措置の適用を再び要請するというパターンか、あるいは(3)何も要請しないというパターンか、この3つのうちのどれかになるというようなイメージを持っておいたらいいのか。あわせて、それは何らか県から要請をするという主体的なアクションは起こすというふうに理解しておいたらいいのか。その辺は、どのようなおつもりを持っておられるのか、まずお聞き出来たらと思います。

 

【知事】

いずれにせよ、感染状況の注視の過程で、国とよくやり取りしたいと思います。もし国と県の持っている状況認識に違いがあれば、しっかりとすり合わせしたうえで、必要であれば要請をしなければなりませんし、その要請とは、緊急事態を延長するのか、緊急事態からまん延防止等重点措置など別のステージに入るのか。そういった要請をしなければならないことも含めて検討したいと思います。

 

[京都新聞]

感染の動向も重要だと思いますし、医療提供体制のひっ迫の度というところも判断材料になってくるかと思うのですが、例えば、緊急事態宣言を再び要請をするとなると、県としての判断基準というのをどの辺に設定されておられるのか。例えば、病床使用率であるとか、重症者病床の占有率であるとか、あるいは、10万人当たりの全療養者数というのは相当大きな数でまだ維持されていると思うのですが、その辺がどのような値になってくれば、緩和の方向に行けるというふうに知事御自身、見据えていらっしゃるのか。もし、何らか指標めいたものを、お心の中にあるのであれば教えていただけたらと思うのですが。

 

【知事】

心の中どころか、連日、担当者等々と協議していまして、どこをみればいいのか、どういったところを重点的に考えなければいけないのかということを議論しているのですが、やはり日々の感染状況というのは1つ、みなければならないでしょう。加えて、そういうものと連動する医療の体制、病床もそうですし、特に入院の措置については、今、非常事態にある、ひっ迫した状況にあるということで、臨時的な措置をお願いしています。特に自宅で療養する方の数も多くお願いをしています。そういう状況がどのように改善するのかしないのか。そこはやはりしっかりみていく必要があるのではないかという、専門スタッフの意見を聞いています。

 

[京都新聞]

医療のひっ迫の度は、相対的にいうと和らぐ方向で推移しているのかなと。自宅療養者数も減っていますし、病床占有率についても、総体的にみれば下降傾向かというふうに思うのですが、絶対的な評価として、現在も滋賀の医療提供体制については強いひっ迫状態にあるというふうな御見解を持ちでしょうか。

 

【知事】

最大病床占有率が8割前後で行ったり来たり。以前の9割からはよくなってきましたけれども、まだこの状況は非常に厳しい状況と言わざるを得ないでしょう。

 

[京都新聞]

人流抑制の点、あるいは感染動向を抑えることの効果について、まん延防止等重点措置の期間は、なかなか人流も減らずに新規感染者数もぐんと上がっていたと。これが緊急事態宣言下に入ると、減少傾向に転じてきているというところを鑑みると、まん延防止等重点措置の効果は、一体何だったのかという思いに駆られてしまうのですけれども、知事御自身は、この先、まん延防止等重点措置にしていくということも視野に入る中で、まん延防止等重点措置とは一体どういうものであったのか、その評価について教えていただけたらと思います。

 

【知事】

総じて言えば難しいと思います。まだ、1年、2年でまん延防止等重点措置たるや、その効果とはということで、確たる何か評価をできる状況ではないのではないかと思います。

ただ、本県の状況だけみると、まん延防止等重点措置の期間に入ったのが8月8日から、もうその時点では7月のいろいろな影響、他府県からの影響、そういったことも出始めておりました。当然、お盆の様々な8月に入ってからの人の動きなども、8月の中旬以降に(影響が)出てくるということもございましたので、そういったものとの兼ね合いの中で、まん延防止等重点措置の期間になったからといって、急にそのものが消えてなくなるということではないでしょう。私もそれほど出られていないので、確かめられていませんけれども、いろいろなデータでみる限り、人から聞く限り、人の流れや動き、道の動き等々見ていると、この8月下旬から9月に入って、何かようやく人が減ってきたという印象などもお持ちではないですかね。

要は、やはり全県で緊急事態、もう近隣府県も含めて緊急事態ということが多くの皆さんと共有できてきた時点で、かなりいろいろなものが止まってきたという面もあるのかもしれません。そういう面で今後、ずっとこれを続けるというのは、またこういった協力が得られない状況を生み出すことにもつながるでしょうし、状況が改善したら緩め、そしてまた厳しくなったら強めという、この繰り返しの中で、ワクチンですとか治療薬が十分に行き渡らない状況下においては、乗り越えていくということが必要というふうに思っております。

 

[読売新聞]

重ねてというか改めて伺いますが、緊急事態宣言を9月12日の期限をもって解除できるかどうか。今の医療体制、特に病床使用率は約8割ということを踏まえて、解除が可能かどうか知事のお考えをお願いします。

 

【知事】

まだわかりません。判断が難しいと思いますが、今日が7日で、そして9月12日になってから、9月12日までの期限をどうするかということが言えるかというと、それはないですよね。1、2日前までに言うとすれば、9月10日ぐらいにはやっぱり決めていかなければならない。そうすると、9月6~9日、この3日間、4日間の状況。さらに改善するのかしないのか、十分に改善するのかしないのか。このあたりをみていく必要があるのではないかなと思います。

[読売新聞]

例えば、考えられるのが、他社さんからも出ていますが、まん延防止等重点措置に移行するということになると、県からの呼びかけとか措置に差が出ると思うのですね。今、全県一律の対応が、まん延防止等重点措置になったら、例えば元に戻るというか、エリアを区切っての対応になります。それは賛否ともに考え方としてあると思うのですが、対策に差がついてしまうと、そこに人の流れが生まれ、メリットだけではないというか、感染が収まったら措置は緩めるという考え方があると思うのですが、一方でまん延防止等重点措置に切り替えると、そういう地域差が出てしまうというところがありますが、そこを踏まえて、いかがでしょうか。

 

【知事】

悩ましいです。そこは大変悩んでいます。おっしゃるとおり既存の法の建て付けもしくは制度の建て付けからいくと、まん延防止等重点措置は全県ではない。重点的にやるべきということになっていますので、県内でも、より重点的にやるところを定めて、他は外してやることになりますので、そこをどうみるのか。

我々はそのエリアごとというよりも、対策が取れているところと取れてないところという区別ができないのかということも含めて検討していますけれど、なかなか今の制度ではそういったことが難しいということであるならば、そこは悩ましいところです。

 

[読売新聞]

まん延防止等重点措置にできるけれども、例えば、全県一律を維持するために(非常事態)宣言を続けるという考えもあると思うのですけど。その辺は、どうなのでしょう。

 

【知事】

可能性としては、あると思います。ただ、その際も、例えば、減少局面に入っての延長ですので、さらに状況が改善したときに、その次設定される期限を待たずに、その次のステージに移行するということも合わせてメッセージとして発することが必要になってくるのではないかなというふうに思います。

 

[読売新聞]

いずれにせよ9月12日をもって、県の方から時短要請とか措置を全面的に解除するというのは難しいというお考えですか。

 

【知事】

さっきも申し上げたように、今日が9月7日で、9月12日の期限をもって全てを解除するというのは難しいと思います。

 

[読売新聞]

大阪府で検討されています大規模な臨時的な医療機関「野戦病院」と通称呼ばれているものですが、滋賀県としては、それの設置についてどうお考えでしょうか。

 

【知事】

現時点、本県で確保していただいているコロナ対応病床、そして県で設置しております見守り観察ステーション。こういったもので対応していきたいと考えております。

 

[読売新聞]

設置のお考えはないということでしょうか。

 

【知事】

現時点ではありません。

 

[読売新聞]

そこの理由としては何かあるのでしょうか。病床はあまり大きく増やせないと伺っておりまして、今後さらに拡大する可能性もあるとは思うのですけれども、現状で対応していくのでしょうか。

 

【知事】

感染状況はみたいと思うのですけれど、場所だけ確保すればいい、ベッドだけ用意すればいいという話ではありませんので、総合的に勘案する必要があると思います。

 

[読売新聞]

自宅療養者への支援で、今後どう充実させていくかお考えをお願いします。

 

【知事】

保健所の体制増強をし、既に予算の補正で行った対策に応じて、人の確保もできておりますので、順次、現場で活動してくださっています。そういうスタッフ中心に、自宅での療養をしっかりと健康観察する、サポートする、その体制を取っていきたいと思います。まつわる生活支援、市町と民間事業者の方と連携して、生活支援についても行っていきたいと思います。

また、本県では、親御さんが感染されて、子どもさんだけが1人で過ごされなければならない。子どもだけで過ごさなければならないという方々向けの施設等も運営しておりますので、そういった体制等をしっかりと維持しながら、御自宅にいらっしゃっても、急変時、また、極力御不安なく対応できる、その状況をしっかりと維持していきたいというふうに思います。

 

【びわ湖放送】

緊急事態宣言に関して4府県知事で人流抑制のメッセージを出されましたけれども、今回、この9月12日に解除されるかどうかにあたって、今の段階でも4府県は一緒ではないといけないとお考えでしょうか。例えば、滋賀県だけまん延防止等重点措置になったときに、また人が入ってくる可能性というのが結構あるかと思うのですが、その辺あたりいかがでしょうか。

 

【知事】

当然、足並み揃えてやっていたところが外れたり変わったりすると、そういった動きを誘発しかねないという面はあると思います。そういうことも踏まえてどうするのか考えます。

特に滋賀県の場合は、確かに4府県、近畿を向いて動く、来られるということもあるでしょうけれども、中京圏との人の動きをどう考えるかといったようなこともあります。そういったことを総合的にみていきたいと思います。

[時事通信社]

緊急事態宣言の延長の関係ですけれども、延長することが前提になって申し訳ないですけれども、期間としてはどのくらいが適当とお考えでしょうか。先ほど、協力を得るためにはという話があったので、もし御所見がありましたらお伺いしたいのですけれども。

 

【知事】

それも含めて考えます。

 

[時事通信社]

軽症者の関係で抗体カクテル療法の件ですけれども、これを宿泊療養とかで導入とかされるような考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

以前も申し上げたように、現時点では宿泊療養施設にいらっしゃる方が必要になった場合は、一時入院で抗体カクテル療法を対応しております。そういう意味で、その投与が必要と医師が判断された方については、4つある全ての療養施設から一時入院で投与を行っているということでございます。今後は、その宿泊療養施設内においても、そういったことが可能になるのかどうか、現在、それぞれの施設、関係機関と調整中と聞いております。当然、医師や看護師の確保も必要だということです。

 

[時事通信社]

あと、自民党総裁選ですが、望まれることですとか、どのような方がふさわしいですとか、国政でいうと知事会の方で提言もされました子ども庁のことであるとかいろいろあるかと思うのですが、御所見がありましたらお伺いします。

 

【知事】

スケジュールに沿った総裁選ですので、かつ与党の一角を占められる政党の総裁選、すなわち、内閣総理大臣になられる可能性の高い方を決める選挙ですので、そういったものが課題となる、コロナ対策もそうでしょう、私たちが求めている次世代、子ども政策の充実を含めて、改善し、前進図れるものになるように期待をしたいと思います。

一方で、総裁選だけでいいのかというようなことを思われる方も多いでしょう。国会を開いて、予算を決めて、対策を万全にしてほしいということですとか、地方自治を預かる側とすれば、この間の対策で財源不足も生じてきていますので、今ある予備費で対処できると言われていますけど、その予備費の配分がまだ決まっておりませんので、そういったことなど、今後さらなる経済対策をやるためには、さらなる予算の補正ということも機動的に必要なってきますので、そういったことに応える対応といいますか、方針といったものを示していただきたいというふうに思います。

 

[読売テレビ]

この9月12日以降の対応について、例えば、酒類の提供に関して、一部を緩和するとかそういったお考えはございますでしょうか。

 

【知事】

選択肢の中にはありますけど、今の時点でそれが可能かどうかという判断はまだ難しいのではないかと思います。

 

[読売テレビ]

今回、酒類の提供に関しては緩和することも視野にはあるということですか。

 

【知事】

選択肢の中にはあると思いますが、それらが部分的に可能なのかどうか、9月12日をもって可能なのかどうかという状況判断は、もう少し、(状況を)しっかりみたうえで下していきたいというふうに思います。

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