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知事定例記者会見(2021年7月27日)

令和3年7月27日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

連日、報道されていますけど、東京五輪で滋賀県の大橋悠依選手が競泳400メートル個人メドレーで、見事金メダル。この偉業を称えたいと思います。既にコメントを出させていただいておりますが、御本人の努力により、また、周りの方の御支援により、快挙を成し遂げられたということで、誇らしく思います。心からお祝いを申し上げます。

聞いていますと、オリンピック個人種目での金メダルの獲得は滋賀県出身者では初めてということでございますので、この歴史に残る偉業に対して、滋賀県民スポーツ大賞「最高栄誉賞」をお送りする予定でございます。詳細はまた追ってお伝えいたしますが、その後に控えるオリンピック、パラリンピックの各種目、それぞれの御活躍を期待したいと思いますし、応援をしていきたいと思います。

射撃の中口選手、山田選手、また、バドミントンの常山選手、ホッケーの田中選手、さらにはバレーの黒後選手、石川選手など、それぞれの種目分野で活躍されておりますので、引き続き応援をしていきたいと思います。

また、昨夜、寝るときには卓球のミックスダブルスは負けていたのですけど、起きたら勝っていました。また、大野選手、大変ストイックな勝ち方をされていることにも感銘を受けました。多くのこういったアスリートの活躍から、勇気や感動をいただいていることに感謝したいと思います。

コロナウイルスの感染状況でございますが、(モニターの)スライドにありますように、指標の一部がステージIIIに達するなど、やはり、本県も増加傾向にございます。先日もお伝えいたしましたが、特に、この波で重視、この局面で注視しておりますのが、人口10万人あたりの新規感染者数がこちら(モニターの画面)でございます。既に7.5人に達しているということでございます。前回の第4波は12日間で10人を超えたということでございますが、今回も同じような軌跡、軌道をたどっております。この10万人あたり(の新規感染者報告数が)10人を超えると、一気に拡大局面に入ってきますので、何とかこの間で踏み止まれるように、改めて県民の皆様方には注意をお願いしたいと思います。3つです。

1つ目は、基本的な感染対策の徹底。特に最近発生した会食クラスターでは、マスクなしでカラオケまでなさり、全員が陽性で確認されております。2つ目は緊急事態宣言対象地域・まん延防止等重点措置実施区域等への往来、その地域での会食を極力控えてほしいということ。3つ目は、県内においても、認証店舗の御利用など、感染リスクを下げる工夫・努力をみんなでしていこうということでございます。この3つを改めて皆様方に呼びかけたいと思います。

もう1つワクチン接種でございますが、7月10日に県の広域ワクチン接種センターにおける接種を開始させていただいて以降、今週の日曜日の7月25日までの約2週間で、警察職員、教職員、福祉職員など、12,000人を超える方の1回目の接種を行いました。ちなみに、ワクチン接種のキャンセルがございましたので私も1回目のワクチン接種をモデルナ製でさせていただいたところでございます。センターにおける接種対象者を広げます。第2弾といたしまして、理美容の仕事をされている方、バス、タクシートラック等交通運輸事業を担っていらっしゃる方、また、ここに記載のとおり、宿泊業、消防団、裁判所や刑務所でお仕事されている方、自衛隊でお仕事されている方、学生の方、職務上、海外出張が必要だという方々など、対象者は今わかっているだけで64,000人を超える方々でございます。この方々に対しまして、当初は、8月中下旬ということでしたけれども、上旬以降、順次接種を行うことといたしまして、その予約を8月1日から開始することといたします。詳細は担当からまた説明させますが、できるだけ簡易な方法で、御本人確認等、所属確認等をさせていただく予定でございます。お住まいの市町での接種順位も回ってくると思いますが、対象となる方は、ぜひ、お気軽に御予約いただきたいというふうに思います。

それでは、資料に基づきまして、2点、私から申し上げます。

まず1点目は、魚のゆりかご水田でございます。(会見室の)前にも置いてあります通り、魚のゆりかご水田米の新しいパッケージデザインをつくりました。県では御案内のとおり、ニゴロブナ等の湖魚が、琵琶湖と水田を行き来できる、かつての湖辺域の水田環境を取り戻そうと、平成18年度に魚のゆりかご水田プロジェクトをスタートさせ、令和3年度には182ヘクタールで展開されているということでございます。これは日本農業遺産に認定されております「森・里・湖(うみ)に育まれる、漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」の代表的な取組でございまして、生物多様性の保全や地域の活性化に貢献するなど、SDGsや私たちがつくりましたMLGsの観点からも、代表的な素晴らしい取組であると自負しております。今回のデザインは、地域の活動組織、生産者、流通組織、企業、学識経験者の方々から成る「琵琶湖とつながる生きもの田んぼ物語推進協議会」が、「魚のゆりかご水田米」のことを全国の消費者にもっと知ってもらいたいとの思いで作成をされたということでございます。

デザインにあたりましては、お米のゆりかごに赤ちゃんが育まれるよう、やさしいイメージでデザインをされているということでございますので、今まである青色の「みずかがみ」ですとか、オーガニック米とのすみ分けなど、考えられてのデザインということでございます。この秋には、パールライス滋賀で精米されたものが、コープしがから、このパッケージを利用して販売されるということですので、ぜひ御案内方、またお買い求め方、よろしくお願いをいたします。

それでは、もう1つ資料があるかと思いますが、私が大事にしております現場主義の取組で、知事の短期移住を行っております。この夏は、8月5日の木曜日から8月10日の火曜日までの6日間、高島市で実施することがほぼ固まりましたので御案内申し上げます。今回の移住が14回目。高島での移住、居住が4回目ということになります。今回は新たな生活様式、働き方の実践に向けたワーケーションの体験をメインにしながら、これまでまだ訪ねられていない地域を訪ね、それぞれの地域で頑張っていらっしゃる皆さんとの交流、懇談等をさせていただく予定でございます。

今回は集落での居住というのが、調整が整わず、また別の目的でもあるワーケーションということで、白浜荘と今津サンブリッジに宿泊しながら、活動するという予定でございます。現地で取材等の機会も取りたいと思いますので、皆様、御都合の許す限り、御取材等いただければと思います。詳細は資料のとおりでございます。私からは以上です。

【びわ湖放送】

大橋選手ですが、金メダルを取られたということで、当日にコメントをいただきましたけれども、改めて滋賀県から世界の頂点に輝かれたということに対してのコメントをお願いできますでしょうか。

 

【知事】

予選から見ていました。決勝もライブで、妻とともに観戦をいたしまして、大声を上げて応援をしました。2つ目の御本人が得意とされる背泳ぎがよかったですかね。その後の平泳ぎでトップに立たれ、離されて、そして、自由形でトップを守られて金メダル。御表情を見ていても、秘めた闘志というか、そういうものを感じましたので、それが金メダルという形で結実したことを本当にうれしく思います。すぐに彦根市長とも連絡を取り合って、この偉業を称え合ったところでございます。テレビで見ていると、簡単そうに次から次へという印象があるのかもしれませんけど、とてもできないことだと思います。いろいろと、この間大変なこともあったと聞いていますが、知事室にも一度お越しいただいたこともございます。大変きゃしゃの中にも強さ。美しさの中にも何か強さを秘められたアスリートだと思って敬服しておりましたが、今回、見事にこういった最も大変だと言われる種目で、金メダルをとられたということでございます。ぜひ、また、お戻りの際にお話しする機会があれば、どういう心境で臨まれたのかを聞いてみたいし、また、草津東高校を初め、スイミングスクールの皆さんや子どもたちにも夢と希望を与える金メダルだったと思いますので、そういう活動なども期待したいというふうに思っています。

 

[びわ湖放送]

今回、最高栄誉賞を贈られるということですが、日程とかは決まっているのでしょうか。

 

【知事】

まだ、今はまさに200メートルのメドレーで戦われていますし、準決勝ですか、これから臨まれるということですし。オリンピック、その後のパラリンピックもあります。御本人の日程とも調整しながら、御案内したいと思います。一番いい時期にやれたらいいなと思います。

 

[びわ湖放送]

今日の夕方に、近畿地方整備局の局長とお会いになるかと思いますが、先日、大戸川ダムの知事意見書を出されましたけれども、今日はどういったお話をされる考えでしょうか。

 

【知事】

まず、今日は国の直轄事業の御説明をいただく予定です。特に、今年度予算にどのようなものが入っているのか。事業の進捗とともに、御説明いただいて確認したいと思いますし、本県の方からも、少し要望などもさせていただければと思っております。

 

[びわ湖放送]

大戸川ダムの早期実現とかについては。

 

【知事】

大戸川ダムを含む淀川水系河川整備計画の変更案につきましては、先だって県としての意見を申し上げました。関係する府県の意見も出そろったということで、近畿地方整備局からもコメントが出ていましたけれども、本県としても、記載された計画に掲げられた事業等が、予算措置と相まって、着実に行われるよう、今日の機会でも求めることになると思います。大戸川ダムを含むあらゆる事業が着実に進展するよう求めていきたいと思います。

 

[産経新聞]

新型コロナウイルスの感染状況についてですけれども、だんだん人口10万人あたり10人以上という数字に近づきつつある中、今7.5人ということで、知事の御見解としては、感染の再拡大警戒局面という表示を出していただいていましたが、再拡大にもう入っているという認識でしょうか。それともまた違う認識でしょうか。

 

【知事】

再拡大(の時期)には入っていると思います。第5波には入っているという認識です。他の都道府県、例えば、大阪府もそうですし、近畿の各府県も一時期収まりましたけど、また、増えてきていますので、次の波の中に入ってきているという認識はしっかりと持ちたいと思いますし、県民の皆様とも共有したいと思います。その上で、モニターにも示しておりますように、こういった感染拡大のスピードが、前の波と比べて、どの程度抑えられるのか抑えられないのか。我々、既にこの4波を経験しましたので、医療の病床を確保したうえで、宿泊療養施設等を増やして対応をしようとしております。しかし、感染しないこと、感染しても重症化しないこと、そして、命をしっかりと守れること、こういったことをしっかりと行っていきたいと思っています。だからこそ、その入口である感染拡大の時期に、感染予防の面で皆様方に御協力をお願いしたいということです。

 

[時事通信]

今後の県民に対する呼びかけというのでしょうか、お盆等を含めた移動。その辺り、今後、何か発信される予定でいらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

まずは、今日、呼びかけたこの3項目をお願いしたいと思っていますが、今後また状況に応じて、皆様方にお伝えをしたいと思います。既に夏休みに入っている方、子どもたちもいますが、8月に入りますとお盆の帰省なども増えてきます。そういったことをみながら、どういうことを呼びかけていくのか、現在、検討しているところです。

[時事通信]

先ほど、第5波に入っているという認識を示されましたけども、改めて、病床の確保であるとか、宿泊療養施設の確保について、このあたりは充分であると認識されていますでしょうか。その辺り、対応を改めてお伺いします。

 

【知事】

前回の波を踏まえて、医療病床については、そのベッド数を確保し続けています。372床。宿泊療養施設については、増やした状態で4施設677室でございますし、コントロールセンターが中心となって、その調整をしています。

若干、分析してみますと大津、草津で多いということとか、特に20代の感染者が多い。第4波と比べて20代が増え、60代以上が減っている。特に60代以上の減少というのは、ワクチン接種の影響があるのかないのか。このあたりもまだ、もう少し有意なデータを得るまでに実数がいる、時日がいるということでございますので、なお分析する必要があると思います。したがって、この第5波に対して、一定、向き合える体制は取っていると思いますが、感染拡大のペースが以前よりも高くなるのか、また重症化が以前よりもひどくなるのか・ならないのか、こういったことにもよると思います。ぜひ注視しながら、速報できるように努めていきたいと思います。

 

[時事通信]

先ほどおっしゃったそのワクチンの件ですけど、なかなか供給の方がどうなのか、見通せるものなのかどうなのか。先ほど、大規模接種も対象を拡大するということですけど、このあたりはどういう御認識でいらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

おかげさまで、市町の現場、さらには広域接種センター関係者の御尽力もあって着実にワクチン接種が進められていると思っています。高齢者については、もう既に1回目で9割、そして2回目含めても7割を超えてきた。

県民全体でも、1回目が3割を超え、2回目も2割を超えてきたと。5人に1人は2回目の接種がもう終わってきたという状態でございますので、これらをさらに広域接種センターですとか、若い人への接種ということで広げていきたい。もって、社会の集団免疫を高めていきたいというふうに考えております。

したがって、広域接種センターが順調に進んでいるということですので、少し予定を前倒いたしまして第2弾の接種を8月から始めていきます。ただ、職域接種を予定されている事業所もある中で、県内ではまだ30件にとどまっている。市町によっては先々のワクチン配布の見通しがまだ心配だというお声もいただいておりますので、引き続き、国ともかけ合いながら、県も調整機能を果たしていきたいと考えております。

 

[時事通信]

先だって、国の方がエネルギー基本計画というのを発表しまして、原発の方は現状維持という形の一方で、再生可能エネルギーの方はほぼ倍増。ただ、EUに比べれば、それほど多いというわけではというところですが、この辺りネットゼロの関係もあると思うのですが、何か御認識がありましたらお伺いをします。

 

【知事】

大きな流れとして、CO2ネットゼロ、カーボンニュートラル、脱炭素に向けて、社会全体を大きく変えていくという流れは、国全体でも、また世界レベルでも共有していると思います。その中で大変重要な部分を占めるエネルギーの基本計画をどうしていくのかということが、今、申し上げた大きな目標の成否にも関わってくると思いますので、そういう意味で、経済産業省、ならびに環境省とも連携協議しながら、この次のエネルギー基本計画の改定案ができ上がりつつあるということでございます。

これまでの進捗、また、今置かれている状況なども十分踏まえたうえでの、また、新しい技術等の開発状況なども検察されての計画づくりになると思いますので、これはこれでしっかりと我々も踏まえていきたいと思います。ただ、国全体のことだけではなくてローカルレベルでできることというのもあると思いますので、そういうものをしっかりと生み出し、また、つくり上げ、積み重ねて滋賀県のCO2ネットゼロの計画をつくっていきたいと考えております。

 

[読売新聞]

滋賀県では2025年に国スポがございますけれども、今回の活躍が県内でスポーツを頑張っている皆さんに与える影響という観点で、今回の金メダルについてコメントしてもらえますか。

 

【知事】

これまでからは大橋さんは滋賀に戻られて、自分より後輩たちに対していろいろなメッセージを出してくださり、大橋選手のようになりたいとか、そういうことで頑張るアスリートのいいロールモデルになっていただいていました。その方が、東京オリンピックで金メダルですので、これは裾野を広げる意味においても、またレベルを上げる意味においても、大変大きな力になると思います。我々としてもそれを力にできるように大橋選手にも働きかけをし、お願いをし、また、県のスポーツ振興、競技力向上のためにもお力添えいただけるようにしていきたいというふうに思っております。

[読売新聞]

単純比較できませんが、個人競技で金メダルを取られたのは初めてであるということで、今まで県民の活躍の中では正に最高峰なのかなと思っているのですが、賞としては最高栄誉賞というしかないですけど、賞の上げ方を考えるとかいうことは。

 

【知事】

私たちが持っている要綱の中で、このスポーツの分野で最高の栄誉賞をお贈りすることができますので、それをしっかりとお届けしたいと思います。今もお尋ねいただいたように、むしろ、そういう機会を通じて、その後のレガシーを広げていく、つないでいくという意味においても、それをどのように波及させていくのかということが大事ではないかなと思いますので、そういったことに力を注いでいきたいと思います。

 

[読売新聞]

広域接種センターの話ですけれども、第1弾の予約というのは想定どおりだったのか、少なかったのか、どっちでしょうか。

 

【知事】

この2週間で12,000人ですので、もともと6万人を予定していて、12,000人ですので、市町との兼ね合いの中で、また、お仕事との調整の中で、まだこれからという方もいらっしゃるでしょうから、想定していたよりは少ないのかもしれません。

 

[読売新聞]

第2弾で含めている学生、大学等というのがございますが、若い世代が高齢者ほどはなかなか積極的に打たないというのが課題かと思うのですが、その辺りどのように対応していかれるのでしょうか。

 

【知事】

先般の首長会議でもそういった状況の御報告がございました。もう少し、どの世代だからどれぐらい打たれるのか打たれないのかという状況をみるためには、時間が要るのかもしれませんが、いろいろなチャンネルを用意するということが大事ではないかと思います。住んでいる市町だけではなくて、広域接種、職域接種等でいろいろな機会で打てるということが大事なので、今回、この学生も対象にさせていただいております。そういう意味で、全体の接種率を上げていけるようにしたいと思います。

 

[京都新聞]

コロナの感染状況について第5波の入口に立っているということだったのですが、この先のステージ判断のポイントについてはどのようにお考えになっておられるのか。変異株の脅威がある一方で、ワクチンの効力が出てくるというところ、両方のベクトルがあると思うのですけれども、ステージIIIへの引上げについて、どのようなタイミングで、お考えになっておられるのか。現在の状況を教えていただけたら。

 

【知事】

まず、このそれぞれの指標を持っていますので、この指標に対して現状がどのように推移するのかというのはしっかりみたいと思います。指標についても、前回のステージダウンのときに、一部見直しをさせていただきました。引き続き、やはり病床のひっ迫具合というのは、しっかりみなければならない指標だと思います。他の府県、そして4波の経験からいたしますと、(モニターの表中の)(4)の人口10万人あたりの新規報告者数の推移がどの角度で、(グラフが)上がっていくのか、いかないのか。これが1つのポイントになってくると思います。

今回、重症化される方が、今のところ幸い、病床を大きく占めるまでに至っておりません。この状況も、命を守るという意味においては大変重要だと思いますので、こういったことをみながら躊躇なく指標に基づいてステージ判断をしていきたい。また、このステージ判断だけではなくて、そういった状況を県民の皆さんと共有するためのメッセージは、前回も医療体制非常事態ということで宣言させていただくなどいたしましたので、そういうことはしっかりとやっていきたいと思います。

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