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知事定例記者会見(2020年5月19日)

令和2年5月19日
(県政記者クラブ主催)

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。先週、5月の句を詠むのを忘れていまして、

五月雨やリズム湖国の聴診器

拙い句ですが、最近雨も降るようになり、琵琶湖や木々にあたる音を聞きながら、滋賀県の健康状態、また人々の感染予防の状況等を日々考えることも多いので、そういう気持ちを詠ませていただきました。

 

それでは、資料に基づく前に、新型コロナウイルス感染症対策の現状についていくつか申し上げます。今朝判明分の検体検査につきましては、新規陽性者ゼロということでございます。現在99名の陽性患者が確認されております。うち県内に入院されている方が16名、宿泊療養中の方が3名、御退院なさった方が79名、残念ながらお亡くなりになられた方が1名となっております。県内に確保できている病床は242床となっております。様々、御協力いただいている方々に感謝申し上げたいと思います。

国の緊急事態宣言の解除を受けまして、本県では去る5月14日に「コロナとのつき合い方滋賀プラン」を示させていただき、客観的指標により3段階のステージを設定したところでございます。スライドにもございますように、現在は警戒ステージでございます。県のホームページのデザインもわかりやすく変更いたしました。このステージでは、施設の使用制限の要請は行わないものの、県域を跨ぐ移動やイベント開催の自粛などを要請しております。

もう1つスライド見ていただきますと、ここまでの県外訪問者数をまとめたものがこのグラフでございまして、青色が今年で、黄色が去年のグラフですが、ゴールデンウイーク明けに少し人出が増えてしまったようなところもあるんですけれども、前年比で平日で32%減、休日ではおよそ50%減を保つことに御協力をいただいている、こういう状況でございます。

なお、県立学校につきましては、5月末まで臨時休業期間となっておりますが、6月1日から再開するように、その準備をするように、本部長として、教育委員会教育長に指示をさせていただいているところです。再開に向けて、鋭意御準備をいただくこととなっております。

5月と6月は支援強化月間としております。県の休業要請に御協力いただいた事業者への臨時支援金につきましては、去る15日に第1弾の振り込みを行いました。昨日18日現在で郵送は1,870件、オンライン申請は2,061件、合計3,931件の申請をいただいているところです。

また現在、県等が実施しております支援制度や相談窓口の一覧について広く県民の皆様にお伝えするため、5月22日(金)の新聞折り込みにおきまして、タブロイド版のチラシを県内配布させていただきます。皆さんのお手元にも、カラー刷りで、配らせていただいているものがございますので御覧をいただければと思います。

その他の支援策につきましては、本日話題提供でも御紹介いたしますほか、議会にもお諮りした上で、順次できるだけ早く、皆様のお手元に届けられるように努めて参りたいと存じます。

 

それでは資料に基づきまして、いくつか御紹介をさせていただきます。まず1つ目は、支援強化月間の取組の1つ、県内外の1人暮らしの学生、特に生活にお困りになってらっしゃる学生の皆さんに、近江米など食料品を無償提供する取組を実施いたします。

大学生をはじめとする学生の支援につきましては、奨学金など就学支援制度があり、世帯では福祉資金の貸付けなど生活支援の対象となりますが、特に1人暮らしの学生においては、アルバイトができない、生活費に困窮している状況があると大学等からお聞きをしております。国においては現在、そうした困窮する学生を対象とした給付金が検討されているところでございますが、それも聞いていますと6月以降となるということでございます。それまでの繋ぎの支援として、県で近江米みずかがみ2キログラムや、連携協定を結んでおります企業様から御提供いただきます食料品を配布することといたしました。

こちらが商品の一覧で、私も本社を訪問したことあるんですけど、ミシガンに本社があるケロッグ社様からはこういったシリアルを、大塚製薬様からはボディメンテ(飲料)を、カゴメ様からは野菜ジュース、セブンイレブン様からは缶詰を御提供いただくということで、こういった形で御協力いただいたことに感謝したいと思います。県内の配送には、滋賀県トラック協会様に御協力をいただけることとなりました。

折に触れ、私も医療機関の皆様への感謝の言葉を申し上げておりますが、こういった物流配送業務に関わる方々も、自粛要請中もお仕事をしていただくおかげさまで、私たちの手元に商品をお届けいただいております。感謝したいと思います。県内の学生の皆さんには、5月下旬から県内の各大学等を通じて配布させていただく予定です。また県外に進学されている学生の皆さんには、5月25日から「しがネット受付サービス」で受付を開始することとしまして、アンケートにも答えて申込をしていただく予定でございます。

私も大学時代に湖国寮というところにおりましたけど、米不足で市中でお米が買えずに困ったときに、滋賀県から近江米が届いて、大変心が温まった思い出があります。こういう取組が、学業で頑張っている皆さんのお役に立ち、滋賀県からこういうものを届けていただいたということで、何かちょっと心に灯がともる、そういう取組になればいいなというふうに思っております。

次は、「いまだから地産地消宅配料100円キャンペーン」の実施についてということでございます。高まる宅配ニーズに対応いたしまして、業務用需要の低迷による県産農畜産物の流通販売の停滞を解消するため、滋賀のお肉、魚、野菜、花などの県内の消費者への宅配料を100円にする「いまだから地産地消宅配料100円キャンペーン」を明日5月20日(水)から実施することとしています。

県内の34の生産者・生産者団体の方々がキャンペーンに取り組みます。このキャンペーンの取組内容については、滋賀県ポータルサイト「滋賀のおいしいコレクション」に掲載するとともに、県内放送局を活用した告知等も実施いたします。この機会に滋賀の食材やお花をぜひ御利用いただき、滋賀県産農畜水産物の魅力を感じていただければと思います。

 

それでは次に、令和2年度滋賀県職員等採用試験の実施計画を発表いたしましたので、その内容についてお知らせいたします。特徴は4点ございます。1点目は、5月18日から受験申込の受付を開始している上級試験でございますが、新型コロナウイルス感染症対策のため、3つの密を防止する観点から、「行政アピール試験型」を6月20日(土)に、それ以外を6月28日(日)に分けて実施いたします。また、会場も滋賀県庁や膳所高等学校などに分けて実施いたします。

2点目は上級試験の採用予定人員ですが、全体で113名となり、これで7年連続して、採用予定人員が100名を超えるということでございます。

3点目は上級試験のうち行政アピール試験型について、昨年度に引き続き、より受験しやすい内容となるよう、民間企業等の採用選考でも広く利用されているSPI3を採用することといたしまして、民間企業と併願される方にも受験しやすくなるようにしています。

4点目といたしまして、いわゆる就職氷河期世代を対象とした採用試験の実施を予定しております。対象となる方の資格などの詳細は検討中でございまして、決定次第、お知らせをさせていただきます。

また、資料に記載はないんですけれども、本県ではデータを重視して施策を立案するEBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングを推進するため、「行政データサイエンス」職を新設いたしまして、別途職員の募集を行う予定をしております。詳細は5月26日頃に公表の予定でございます。

最後になりましたが、上級試験は受験者数も多いことから、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に万全を期しますので、受験をされる皆様におかれては体調管理をしっかりしていただきまして、試験に臨んでいただければと思います。

 

ジャパネットたかたさんが始められた生産者応援プロジェクトにて、滋賀県産品が販売されることになりましたので報告させていただきます。本県においても、コロナ禍による外食需要の減少等に伴い、生産者にとって販売先の減少など、非常に苦しい状況に置かれ大変な思いをされております。そのような中、滋賀ふるさと観光大使であります西川さんからジャパネットたかたの取組と髙田旭人社長の御紹介をいただきました。

私と電話会談を行いまして、髙田旭人社長から、この取組に対する熱いお気持ちを直接伺いまして、大変感銘を受けたところでございます。そこで、鋭意取り組んできて、今回の実施の運びとなりました。この取組は家にいながら、全国の特色ある産物を楽しむことができ、コロナとの共生、withコロナを体現したものでございます。まさに「売り手よし、買い手よし、世間よし」の近江商人の特性である三方よしの取組であるということで、一緒に取り組んでいただきたいと申出を行い、実現いたしました。滋賀県からは、「近江牛」、「近江しゃもと近江黒鶏」の2品目を販売いたします。

明日、5月20日からテレビショッピング等で販売していただきます。テレビショッピングには私だけではなく、滋賀ふるさと観光大使である西川貴教さんも動画で登場し、滋賀県産品を御紹介いただくということでございます。私の出演は50秒でございました。前回、4月の寄附に続き、東京から滋賀を応援いただき、西川さんのこういったお力添えを大変心強く思うと同時に、感謝しております。琵琶湖を取り巻く雄大な自然の中で生産者の皆さんが手塩にかけて育てられた滋賀県の逸品を、ぜひ全国の皆さんに味わっていただき、この取組を通して地域経済の活性につなげていきたいと思います。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[中日新聞]

冒頭でも知事が触れられていた滋賀県の3段階の独自基準のことでお伺いしたいんですけども、今は警戒ステージに当たるということなんですが、現時点で感染経路が調査中の人が1名県内にはいらっしゃると思うんですが、まず、この感染経路調査中というのと感染経路不明というのは、どの段階で線引きをされるのかについてお伺いしたいというのが1点目です。

2点目は、現時点で1名調査中の方がいらっしゃって、次に感染経路がすぐにわからない人がもう1名出た場合、段階としてはどうなるのか。判断指標1つでも満たせば特別警戒ステージにあたって休業要請も措置するということなので、そうなるのかというところを教えてください。

 

【知事】

まず、感染経路調査中と感染経路不明というのはどうなんだ、どこでどう変わるんだということですが、感染経路調査中はその言葉の通り、どういったところに、感染の経路があったのか調査を行っている段階で、それを判明すべく、今調査をしているということです。一定調査をした上で、どうしてもわからない場合については、不明と記載をし、感染経路不明の患者様として登録をするということになると思います。現在、この98、99例目、ちょっと98例目の方と99例目の方がどちらが最初に感染の発症者であられたかということも含めて、現在まだ調査中と聞いております。それがある程度わかり次第、もしくはわからないと判断次第、わからなければ不明、わかればここから感染というようなことで、公表させていただくということになります。

そういった発表を受けて、私どもが示しました「コロナウイルスとのつき合い方滋賀プラン」の感染防止対策にも絡むステージの指標の中に、今もお尋ねいただきました判断指標の中の県内状況の1つに、感染経路が不明な新規陽性者数という項目がございまして、現在は警戒ステージなんですけれども、7日間で1名までというのが、指標になっております。

お尋ねはそれが複数確認された場合、より厳しい特別警戒ステージに移るのかという、そういった御趣旨のお尋ねだったと思いますけれども、まず状況にもよると思うんです。この指標の表にも書いておりますように、判断指標のうちどれか1つでも満たすものがあれば、より悪いステージにあると判断する。ただし、参考指標の状況もかんがみて、ステージの判断は柔軟に行うものとするということを我々も決めておりますので、例えば、特別警戒ステージは感染爆発、医療崩壊のリスクが高いステージと位置付けておりますので、他の判断指標である病床稼働率ですとか、人工呼吸器等の稼働率も見なければいけませんし、参考指標に位置付けております状況もかんがみて判断をすることになると思います。

したがって、今週中にもう1人出たから即座に特別警戒ステージになるかということについては、それだけでは判断できないのではないかと考えているところです。

 

[中日新聞]

感染経路が調査中から不明に移るのは、一定の調査をということなんですけれども、明確なその基準みたいなものはお示しいただけるんでしょうか。

 

【知事】

保健所の現場で、どの程度、積極的疫学調査を行って、どの段階で不明と位置付けているのかというのはちょっと定かではありませんので、確認の上、担当者から答えさせたいと思います。

 

[中日新聞]

今の御説明だと1週間で2人以上、感染経路不明の感染者が出たとしても、その指標だけじゃなくて他の状況もかんがみて、自粛要請の判断をすることになるだろうということなんですけども、この基準だとなかなか県民の方、県内で事業をされてる方に、判断基準がわかりにくいという曖昧さを含んでいるんじゃないかとも思うんですが、そこら辺をどう思われますでしょうか。

 

【知事】

私どもも、こういう感染拡大防止対策を、一定、経済活動などと両立させながら行っていくステージ分けをして、対策を緩めるところと強化するところと、一定の指標をもって、判断、区別をするほうがいいだろうということで、今回こういうものを出させていただいております。

わかりにくさがあるのではないか、残っているんじゃないかという、その御指摘は甘んじて受け賜りたいと思うんですけれども、一方で、特に医療の状況なども十分見ながら判断する。その状況が厳しくなってくれば、どうしてもより厳しいステージに移行せざるを得ないということを、あらかじめ県民の皆様方とも共有した上で、感染防止対策をお願いすると同時に、いろんな行動の自粛などもあわせて呼びかけるという意味での効果はあるんじゃないかなと思いますので、もしより実態にそぐわないことがあるとすれば、柔軟に見直しもしながら、長いつき合いになってくるでしょうから、状況に応じた変更等も検討したいと思います。

 

[日本経済新聞]

新型コロナの感染以降、全国各地の知事の存在感が高まっていると感じます。注目される側の1人として、こういった現象にどういう感想をお持ちでしょうか。

 

【知事】

コロナウイルス感染症の問題が起きる前から、知事というのは1人しかおりませんし、いろんな災害対応も含めて、相当な責任のある仕事だなという、その重圧を常日頃感じてやっていました。

加えて、今回のこのコロナの問題で、より県民の皆様方の前に、こうしたメディアを通じて呼びかける、出る、そういうことも増えてきましたし、言葉の1つ1つが県民の皆様方に受けとめられている、もしくはいろんな御批評もいただくし、そして知事が言うからこう考えるというようなことも反応もいただいているところですので、よりそういった責任の重さを実感しているということですね。ですから、これを知事として、しっかりと受けとめて体現することと同時に、大事なことは、組織として対応できることが、より重要ではないかなと感じています。

知事1人の発信力も非常に大事なんですけれども、行動も大事なんですけれども、そこにどういう情報を入れるのか、そして知事が判断しようとしたことをどう実現していくのか。そういう意味において、例えば週末もテレビで一部報じられましたけれども、データを活用しながら判断の材料を作ってくれている取組ですとか、あと、先ほどもお尋ねのあった特別警戒ステージ、警戒ステージ、注意ステージの指標づくりなどにも、県庁内の様々な専門スタッフが部局を超えて協力してくれている。こういうことをある意味では統括、束ねていくのも知事の仕事ですので、そういう外向けのものと内部のものとを、しっかりと大事にしながら、この難局を乗り切るリーダーとして頑張っていきたいなと思っています。

[日本経済新聞]

昨日、大阪府吉村知事が緊急事態宣言の発令と解除については、首相ではなくて知事の権限にすべきだと、こういうふうに特措法改正すべきだというふうに発言しました。この意見について、三日月知事は、賛成でしょうか。反対でしょうか。

 

【知事】

僕は1つの考え方だと思います、そのお考えは。ただ、もう少し状況をみたいと思います。今、法律に基づく様々なこういった宣言の発令ですとか、措置の実行ですとか、そういうことをやっています。この取組で、どのような押さえ込みができるのか、またできないのか、伴う課題があるのか、そういったことを、もう少し見た上で、法律の改正や付随する権限について議論をするべきではないかなと思います。

特にもし知事の権限になったときに、なかなか難しいかもしれないと思うのは、やはりその県境を超えて、人の移動があったり、いろいろとその利害が対立したりする、考えが異なる場合の調整などにどのような仕組みが設けられるのかというところもあるのではないかと思いますので、東京や大阪という1つの規模だけで措置ができ、人が集まっているので効果を発現しうるところと、人の往来により感染者が多くなり、対策を講じながら見ていかなければならないところとは、若干違いもあるのかもしれませんので、そういったところを少し落ち着いた段階で、この法律のあり方を検討していけばいいのではないかなと思っています。

 

[日本経済新聞]

県独自に3段階のリスクの判定ステージを示しました。もし仮に緊急事態宣言の権限が知事にあるとすれば、法的根拠に基づいた措置を、県独自の判定に基づいて出せるというメリットがあると思うんですが、それについてはどうでしょうか。

 

【知事】

理論的に、そういった県で設けた基準を超えた場合に、その基準に合った宣言なり措置が知事として出せるということはあると思いますが、伴ういろんな課題もあると思いますので、例えば、様々な要請を行ったときに、どのような補償なり支援をするのかといったようなことなども、これ付随してあると思いますので、1つの自治体だけで、それらがすべてまかない得るのかというようなところもよく考えなければいけないのではないかと思っています。

 

[日本経済新聞]

最後に1点聞きたいんですが、コロナの感染拡大を経験した後、国と地方の関係というのは、何か変化が起こり得るんでしょうか。

 

【知事】

この2ヶ月、私もコロナ対策をやりながら、withコロナ、ポストコロナの世界、社会、地域の在り様について、今考えを巡らせておりますし、いろんな文献等を読み漁り、またいろんな方とWebで対談等を重ねながら、今その後の社会の在り様について自分なりに止観そして冥想しています。冥想の「そう」は「想う」だけではなくて「捜す」、「冥捜(めいそう)」をしているところであります。

お尋ねにストレートに答えるとするならば、どうなるかはまだわからないと思いますが、より身近な広域自治体の役割がさらに高まる、そういうことには繋がるのではないかと思います。と同時に、人は、社会的な動物であるにもかかわらず、人との接触を避けてくださいと申し上げなければならない。こういう事態に、どうやって繋がりを保つのか、健康を保つのか。こういうこともこれからの課題になってくるでしょう。元の生活に戻すだけではなくて、戻していいものと戻してはいけないもの、戻すべきではないものとを見極めながら、様々な次の新しい社会を構築していくということも求められると思いますし、何より私が今この対策をやりながら肝に銘じているのは、「このことを絶対に忘れない」ということです。したがって、この記憶をしっかり留めながら、次にまた2波、3波が来たときに、そして別の新型ウイルスが、インフルエンザが来たときに、例えば検査体制であるとか医療体制であるとか、そういったことがいろんな意味で反省しなければならない状況にならないように、今から対策を講じていこうということを、今も県庁内で常々言っておりますので、そういったことで申し上げた広域自治体としての役割をしっかりと果たし得るように頑張っていきたいと思っています。

 

[京都新聞]

県の3段階の判断指標、ステージについて教えてください。21日にもまた専門家会議が開かれて、現在の緊急事態宣言が継続中の都道府県についての解除の是非が判断されるということですけれども、現在、県内の判断指標はクリアしている段階だと思うんですが、この大阪や京都の緊急事態宣言が解除された場合、先ほどの幹事社さんの質問と逆になるんですけれども、ステージを下げるということを今考えていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

まず、お尋ねいただいたように現在、警戒ステージにいるのですが、その判断指標の1つである大阪府または京都府に緊急事態宣言が発令されているという状況が、もし、なくなれば、当然、この注意ステージに移行してもいいのではないかという、そういう1つの検討材料になると思うのですが、その(資料の)下にあります感染経路が不明な患者の方の数の動向ですね、現在不明のものもございますので、これもずっとゼロのままという状況ではない状況であります。したがって、京都、大阪が解除されたからということだけをもって、黄色い注意ステージに移行できるというものではないのではないかと思います。そこは、慎重な検討と判断をするべきではないかという、そういう立場に立っております。

 

[京都新聞]

解除されたとしても、経路不明の方が今1週間以内にお一人いらっしゃるということなので、今はまだ下げる段階ではないと。

 

【知事】

ないのではないかなということです。

 

[時事通信]

冒頭におっしゃられた学校の再開の件ですけれども、理由がもう少しありましたら、今回、再開の準備をする指示をされた理由を教えていただけないでしょうか。

 

【知事】

まず、学校については、この会見でも累次にわたりお尋ねいただき、お答えしておりますように、5月31日まで県立学校については休業をさせていただいております。教育委員会をして、各学校をして、緊急事態宣言が解除されて以降、登校日を設けながら、学習再開の準備を今、感染防止対策を取りながら行っていただいているという状況です。状況もよくみなければならないと思っていますが、やはりこういう一定の流れがある以上、また、この間、長く子どもたちの学習環境を制約してしまっているこの環境をできるだけ早く解除していく、そういうことも必要だと思いますので、1つのスタートのポイントとして6月1日と。5月31日まで休業期間にしていますので、6月1日以降は学校を再開させていこうという、そういうことを教育委員会と共有させていただいているところです。

もちろん、6月1日再開としても、以前と同じように、一斉に同じ時間に、それまでと変わらぬ授業をすべてできるかというと、そうじゃない取組も必要だと思います。少し分散して登校するだとか、ちょっと再開してからの状況をもう少し見るだとか、そういったことも当然出てくると思いますが、とはいえ6月1日から再開するということを前提にいろいろな準備を進めていくということにしようということで、今、教育委員会と連携して取組をしているところです。

[時事通信]

冒頭おっしゃられた病床数なんですけれども、242床ということで、ただ一方で病床を確保する中で病院の経営というのが、空き病床が出るということで厳しくなることも考えられまして、その団体の方の調査では赤字になったりしているところもあるというような話もありまして、別の意味での医療崩壊というのでしょうか、そのあたりについては、どうしていけばいいというか、どういうふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

それは極めて重要な問題だと思っておりまして、今回のこのコロナウイルス対策を行っていただく医療機関、とりわけ病床を確保したり、人材をそちらに向けたりしていただいている病院・医療機関、こちらについては相当な経営面での影響が、マイナスの影響が出ているということを伺っております。やはり、これには財政措置をしっかりと行う必要があると思います。したがって、国に対しても、昨日も西村大臣に対して、そのことを特別要望、緊急要望させていただきました。全国知事会でも、また昨日の中部圏知事会議においても、そういった趣旨の要望等が出されておりますので、全国の自治体あげて、この要望を届けて、できるだけ早く、できればこの国の2次補正にでも、しっかりとまずは第1弾、そういった病院の経営を少しでも支援できるような、そういう枠組みを作っていただくことを期待したいと思います。と同時に、この病床数をどれぐらい確保して、維持しておくのかということについては、少し状況をみながら、242床から例えばさらに増やす、242床のまま持っておくではなく、少し柔軟に状況をみて、また増やせる減らせるというようなことで対応できるように、健康医療福祉部にこの状況下での病床確保の計画を作るようにということを指示させていただいております。

直接的にコロナの治療を、看護だけではなくて、やはり受診者の出控えといいますか、今はちょっと病院に行くのをやめとこうとか、この病院にはコロナの治療をされている方がいらっしゃるので、ちょっと行くのを我慢しようとか、そういう影響も一部あるように聞いておりますので、この問題は重点的に今年度に対応していかなければならない、そういう課題ではないかと思っています。

 

[中日新聞]

たびたび3段階のステージに関連して恐縮ですが、仮に警戒ステージでも場合によっては休業要請を行うケースもあるかと思うのですが、警戒ステージもしくは特別警戒ステージで休業要請をまたやるという際には、補償についてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

まず、我々がステージに応じて対策を講じていく際に、全国的な状況なり、国の宣言が出されるのが出されないのか、こういうこともよくみないといけないと思っていますし、近隣府県の状況、とりわけ滋賀県と行き来の多い府県でどういう状況になっているのか。こういうこともみながら、必要な対策を考えていきたいと思います。当然、4月から5月にかけて行ったような措置というものも検討される場合には、その際にどのような支援なのか補償が必要なのか。これはまたその時点で考えなければならないと思います。ただ、現時点、申請していただいております臨時支援金については、まず第1弾として、今回の休業要請に係るものとしてお支払いをしますので、そういったものを現時点で追加するという考えはないですけれども、今後、長い対策の中で、より厳しい状況になった時にどのような対応をしなければならないのかということについては、国の状況もみながら、その時、取る対策にも応じて、よく検討していきたいと思います。

 

[中日新聞]

そうすると、以前から休業と補償はセットという考えを示されていたと思うんですが、場合によっては補償なしの休業要請ということも今後はあり得るということなんでしょうか。

 

【知事】

いいえ、私は休業を法律的に強い権限でもって要請するなら、それに伴う減収の補償はセットで行うべきだというのが持論です。これは原則だと思います。ただ、それが自治体によって異なるとか、法律に基づかない措置で補償されるということではなくて、これはやはり国として、一定の基準・考え方をもって行われるべきものであるという、こういうことで主張をさせていただいております。これは全国のルールづくり、法律の改正の中でしっかりと議論をしていただくべきテーマ・課題ではないかなと思います。ただ、それがならないときに、自治体としてどう判断するのか行うのかということについては、冒頭に申し上げた回答のとおりとなります。

 

[読売新聞]

昨日、発表があった補正予算についてですけれども、特に重視された点とか、臨時議会に補正予算を出すのはそもそも初めてになるということで聞いているんですけど、特に重視された点とか全体的に重視された点、込められた思いの部分を聞かせていただきたいのと、あと内容をみる中で雇用の部分で事業をみていると確か林業の関連で何か人材をということで400万円程度ついてたものがあった程度かなと思っていて、知事は経済雇用対策本部の方で雇用を守る、つなぐ、創るとおっしゃっていて、「創る」の部分ですね、県独自で雇用創出事業を実施するということでありますが、その部分の予算があまりないのかなと思ったりもしたんですが、今後そういうものを計上していく御予定というのは、追加であるのかどうかも含めてお願いします。

 

【知事】

まず、基本的にこのコロナショックですね、コロナの影響に対する対策、これは非常に大きく広いものであるし、それぞれの事業者、分野によっては深く深く痛手をこうむっている、そういう状況でありますので、国のいろいろな対策もさることながら県としても、できるだけ早く必要な対策を講じていくということが必要だと思っています。したがって、今年度当初予算を御審議いただく昨年度の3月議会においても、もうすでにその時点から当初予算の補正をお願いいたしましたし、4月に2度目の、そして通常であれば6月議会にというべきところですけれども、この異例の事態を鑑みて、通年議会ということもございますので、この5月に臨時議会を開いていただいて、この時点で見積もられて、必要だというものについてはお諮りをしたいということを申し出ています。それが徹底した感染拡大防止策と医療提供体制の充実強化、そして経済・雇用・生活支援対策ということで、3本柱で約24億円余ということになっております。

今、お尋ねいただいたように経済・雇用・生活支援の中で、まず、どういったところに重点置いたのかということですが、この時点ですので、まずは、私は1つ目と2つ目の感染拡大防止策と医療体制の充実強化、特に病床の増床対策ですとか、コントロールセンターに必要な費用ですとか、ケアする人のケアですとか、こういったところが重要ということで、この段階においては、私は考えておりました。経済、とりわけ雇用の対策を講じるべきですが、まだ検討に時間を要するということでしたので、6月議会に主なものを入れるべく準備をさせていただいていたのですけれども、この時点ですでに入れられるものについては入れようということで、まだほんの一部ではございますが、林業等でそういった対策を盛り込もうとしているところであります。したがって、まだまだ不十分だと思いますが、できるだけ早くそういったものがお示しできるように準備をしていきたいと思います。

[読売新聞]

県独自の雇用創出のくだりですけど、まだ追加で考えていらっしゃるということでしょうか。それは県が直接採用をするということも含めてでしょうか。改めてお考えをお願いします。

 

【知事】

まだ、これから出せるように検討したいと思っています。県独自の採用も含めて検討したいと思います。

 

[びわ湖放送]

冒頭に話題提供がありました1人暮らしの学生に対する支援なんですが、学生さんはアルバイトなどがなくなって経済的にも困窮されている方も多いですけれども、大学も今、ほとんど授業がない中で、かといってゴールデンウィークも帰りたくても、ステイホームで帰って来んといてと言われて実家にも帰れず、すごい寂しい思いをされている。精神的にもまいっている学生さんも多いというお話を聞きます。1人暮らしの学生に対してメッセージをお願いできたらと思います。

 

【知事】

いや、本当に大変だと思います、学生の皆さんも。すべてを想像できるわけではないんですけれども、皆さんも同世代のお子さんがいらっしゃったり、私もそのうちの1人ですけど、日々本当にいろんな声を聞きますね。相当大変だと思います。

大学に行けずに、オンラインで授業を受ける。生活費が少ないのに、アルバイトもなかなかできない。いろんな行事等もなくなる。こういうことに伴ういろんな、また特に就職活動なんかも全然先が見えないとか、いろんな資格試験についても、そのありようが変わりつつあるというようなことで、将来展望もなかなか描けないということに不安や不満を感じられる、そういう学生の皆さんは多いと思います。

ただ、私もそういう連絡や相談があった時に言うのは、あなただけじゃないと、みんなが今そういう状況の中で、不安を分かち合いながら、できるだけ早くこの状況を解消すべく努力してるんだから、社会の一員として頑張ろうということをまず申し上げたいと思うし、とは言え、将来のために、せっかく志を持って勉強してくれている学生の皆さんに対して、少しでも、何かの足しになればということで、用意をさせていただいたものをぜひ受け取っていただいて、糧にしていただいて、この難局を乗り切るものにしていただきたい。

そして、この時期に学生をしていたという経験を、ぜひ生かして、これからの社会づくりに、より良い社会づくりに大いに力を発揮していただきたい。そのための応援を、知事としても県としてもしっかり行っていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 

[朝日放送]

先ほど大阪、京都は解除されても「注意ステージ」には移行しないということでしたけれども、一部報道で明後日にも大阪、京都、兵庫の解除が有力視されているという報道も出ています。隣の近隣県の知事としての受けとめをお聞かせください。

 

【知事】

近隣の、繋がりの深い大阪や京都で、今が特別警戒の府であられながら、兵庫も含めれば府県でありながら、これまでの取組の効果が功を奏して、より緩和された状況になることは、隣接府県として、大変好ましい状況だと思います。

ただ一方で、まだ感染者が全くいなくなったたわけでもありませんし、コロナウイルスの治療方法が確立された、ワクチンや治療薬が整ったという状況ではありません。また本県においては、感染経路不明の患者の発生なども危惧されているところでございますので、そういう状況下で、どのようなステージを置き、どのような対策を講じるのかということだと思います。

したがって、そういう宣言が解除されること自体はいいことだと思うんですけれども、そのことだけに、喜び過ぎずに、緩め過ぎずに対応していくということが必要なのではないかと思いますので、滋賀県としてはそういう観点に立って、ステージを判断し、対策を講じて参りたいと思います。

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