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知事定例記者会見(2019年7月30日)

令和元年7月30日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。大変暑い季節となりました。1週間、会見が開いてしまいました。その前に起こった事件ではございますが、京都アニメーション第1スタジオにおける火災では、大変多くの犠牲者が出るという痛ましい惨事になりました。お亡くなりになった方に心から哀悼の心を捧げると同時に、今なお負傷され治療中の皆様方の御回復をお祈り申し上げたいと存じます。まだ全容が明らかになっていないところがございますが、現在、警察と消防が連携しながら、原因究明ですとか検証を、また消火避難訓練の徹底、住民へのケア等を進められているところでございますし、国からは警察、消防関係の通知が来ておりますので、先週末、県からも関係機関に送付の上、対応の徹底を図ると同時に、ガソリン販売時の安全対策の徹底について制度改正も含めて、必要な対応を検討されたしという、こういう内容のものを関西広域連合から29日付で緊急要請を行っているところでございます。

今ひとつは、先週、全国知事会議が富山県で開催され、私も3日間参加をして参りました。地方分権はじめ、地方創生、5G元年ということで議論が行われました。しっかりと国に対しての要望事項等を行っていくと同時に、地方創生も第二期に入って参りますので、さらに実効性を高めて参りたいと考えております。なお、来年は滋賀県で開催する予定でございます。東京オリパラがあります関係で、通常7月の下旬に行われますところ、6月上旬に開催されますので、その意味でも滋賀の様々な課題や可能性について、全国の知事、都道府県の皆様方に御周知いただく絶好の機会ととらえて、しっかりと準備をして参りたいと存じます。

 

さて話題提供は、本日は3件させていただきます。

まずお手元に「テレワーク・デイズ2019」への参加ということについて、資料をお出ししております。テレワークを活用した働き方改革という国民運動もございますし、来年、東京オリパラがありますので、できるだけ職場に出ずとも働ける環境づくりをしようという、こういう動きもございます。今年の夏、「テレワーク・デイズ2019」という運動が行われることとなりました。

県庁では、これまでから健康経営の取組といたしまして、在宅勤務制度を平成29年4月から、サテライトオフィス勤務制度を、昨年度、平成30年4月から導入いたしまして、働きやすい環境の整備を推進して参りました。今回、職員の多様な働き方を進め、ワークライフバランスをより一層推進するために、この「テレワーク・デイズ2019」に、実施団体として参加することを決定いたしました。実施期間は8月1日(木)から9月6日(金)までといたします。期間中、職員に在宅勤務、サテライトオフィスでの勤務など、テレワークの積極的な利用を呼びかけて参ります。なお、具体的な取組予定といたしましては、まだ予定でございますが、男女共同参画センターにサテライトオフィスを新設いたします。またサテライトオフィスにおける大型モニターの設置、これはこれまで利用した職員からの要望に対応する形でございます。こういった制度、活用事例をさらに普及すべく、庁内システムの掲示板等に掲載し、周知を図って参ります。ぜひ皆様方のお呼びかけ、御協力をお願いいたします。

2点目は「オーガニック近江米」この秋デビューということでございます。県では、昨年度「滋賀県環境こだわり農業推進基本計画」を改訂いたしまして、新たに環境こだわり農業の象徴的な取組といたしまして、オーガニック農業を推進することを重点施策に位置付けたところでございます。このオーガニック農業とはですね、1つ目として化学的に合成された肥料および農薬を使用しない、2つ目といたしましては遺伝子組換え技術を利用しない、3つ目といたしましては、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減するといった方法を用いて行われる農業のことを指しております。

今回は、この秋にデビューいたします「オーガニックおうみ米」のパッケージデザインをこのようにお披露目させていただきました。デザインコンセプトは、滋賀の自然を象徴する琵琶湖と周りの花のモチーフで農産物の花をイメージいたしまして、県内各地でオーガニック農業が広がる様子を表現させていただいております。また花全体は楕円形で、オーガニックの英文字「O(オー)」の形を連想させ、環境に負荷をかけない「0(ゼロ)」の意味も込めているということでございます。

当面の予定でございますが、オーガニック近江米の販路開拓に向け、まず首都圏におきましては、8月2日、3日に新宿で開催されますオーガニックライフスタイルエキスポへの出展、9月28日、29日には「ここ滋賀」で流通事業者、消費者にお披露目させていただきますほか、大手スーパーの京滋エリアの店舗で試験販売を計画しているところです。

今年の秋のデビューをスタートといたしまして、生産者、関係団体、事業者と連携しながら販路開拓や生産拡大を図り、将来的には「オーガニックといえば滋賀県」というイメージが定着するよう、オーガニック近江米をしっかりと育てて参りたいと考えているところでございます。

 

それでは3点目、本日はゲストをお招きいたしまして、滋賀県と日本ケロッグ合同会社様との全4分野にわたるSDGs推進に向けた取組をスタートするという、このことについて、発表させていただきたいと思います。本日は、日本ケロッグの井上社長にもお越しをいただきました。どうぞ。

[日本ケロッグ合同会社]

去年に引き続きまして、滋賀県様とのコラボレーションということで、県民の皆さんに喜んでいただけます企画を用意いたしましたので、御紹介申し上げます。4分野について簡単に申し上げます。

まず1つ目が、草津市様と組ませていただきました働き世代の朝食欠食改善に向けた取組でございまして、「健幸(けんこう)都市くさつオフィス朝活サポートプロジェクト」でございます。草津市内に拠点を置いてらっしゃいます企業様らと連動いたしまして、オフィス内にケロッグシリアルを利用した無料朝食ステーションというものを期間限定で設定させていただきます。さらに社内健康セミナーなども開催いたしまして、働き世代の朝食摂取に対する意識向上を目指します。各企業様の健康施策と密接に連動することによって、健康経営の推進をサポートできればというふうに考えております。

2つ目はですね、朝食欠食率が特に高まると言われています夏休みを対象に、朝食欠食と学習支援を融合させましたサポートプログラム「こうか・こども朝活サロン」でございます。8月19日から30日までの期間にて開催を予定しておりますこの取組では、甲賀市様が今年5月にオープンなさいました甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」内に、ケロッグシリアルの朝食ステーションを設置させていただきます。民間ボランティアのサポートのもと、朝食を食べながら夏休みの勉強に取り組めるスペースとして、地域にお住まいのお子様に向けて利用を勧めて参ります。また、甲賀市様が進めてらっしゃいます多文化共生推進計画とも連動し、甲賀市において増加傾向にあります外国人家庭の児童や生徒に向けても、積極的な支援をさせていただきたいと思っております。朝食にも非常になじみの深いシリアルの提供と学習サポートを融合させました多文化共生施策として貢献できればと考えております。

3つ目は、健康ツーリズムの拡大に向けた食のコラボレーションでございます。目玉となりますコラボレーションが、こちらの「ゆばブラン」でございます。ケロッグのシリアルでオールブランという商品がございまして100年続いているブランドでございますけれども、非常に食物繊維が豊富でございまして、そちらの商品とですね、タンパク質が非常に豊富で、皆さんよくご存知の、滋賀県の伝統食材「比叡ゆば」をかけ合わせました。心と体の双方にやさしいマインドフルスイーツとして用意させていただきました。後程、記者の皆様方には召し上がっていただきますので、どうぞ御感想をお聞かせ願えればと思います。マインドフルスイーツは、食物繊維とプロテインたっぷりでございますので。

 

【知事】

試食ですね。ゆばの柔らかさと、オールブランの歯ごたえとが、よくマッチしますよね。味もしっかりしていて。食感もいいですね。

 

[日本ケロッグ合同会社]

この頃の食品は味もありますけれど、食感が大事ですよね。特に若い方々は、食感に対する感性がすごく強いので、これはいいと思います。

 

【知事】

それぞれだけだと味わえない食感と味わいがあって、いいですね。ありがとうございます。

 

[日本ケロッグ合同会社]

最後でございますけれども、今日の午後に、女性活躍支援のプログラムを実施させていただきます。由布副知事と、前回お会いさせていただきまして、非常に志を同じくいたしまして、女性の活躍を高めるために、今回、県内の女性管理職の皆様と、そして県内の企業様の管理職の皆様をお呼びいたしまして、キャリア支援セミナーをさせていただきます。由布副知事と私からお話させていただいて、その後に皆様方にワークショップで、これから自分たちの働き方、あとは管理職の方なので人を育てなければなりませんので、人を育てるためにはどういうふうなことしなければならないのかということをいろいろ皆で話し合いながら、滋賀県様のこれからのますますの成長に、ちょっとでも御貢献できればというふうに思っております。以上でございます。このような機会を頂戴いたしましてありがとうございます。

 

【知事】

ということで、私ども滋賀県と日本ケロッグ合同会社様とのコラボの取組を御説明いただきました。昨年、ミシガン州と滋賀県が姉妹提携50周年を迎えまして、ミシガン州内のバトルクリーク市にケロッグ社の本社がございます。そちらに私も訪問させていただいて、SDGsを担当されておりますダイアン・ホルドルフ副社長にもお会いをいたしました。ぜひ、SDGsの取組を連携してやろうということを呼びかけたところ、早速このような形で、例えば子どもたちの朝食だとか、働く人の健康づくりだとか、いずれもSDGsにも繋がる、大きく貢献する、こういった取組を具体的に形作っていただきました。

この7月、滋賀県は、政府からSDGs未来都市にも選定されましたので、先ほどを御紹介いただいたケロッグ社様との取組をさらに具体的に進め、そして広めていくことによって、このSDGs未来都市の具体的な取組として紹介をしていきたいなと思っておりますし、同時に行政だけでやるのではなくて、こういった企業様と連携してやる取組ということにも可能性を感じているところでございますので、今後もしっかりと進めていきたいと存じます。後程また、井上社長はじめケロッグ社様にお問い合わせがございましたらお寄せいただければと存じます。私からは以上です。ありがとうございました。

[毎日新聞]

井上社長に質問させていただいていいでしょうか。滋賀県との取組が2年目に入りまして、これまでの1年間に見えてきたことがあると思うんですけれども、滋賀県との取組がケロッグさんにとってどういう意義が今のところ生まれていて、こういうふうに進めていきたいというところをもう少し教えていただけますでしょうか。

 

[日本ケロッグ合同会社]

もともとケロッグは100年前にミシガン州で操業を始めたんですけれども、創業者の理念が、利益を出すだけではなく社会に貢献しなければならないというもので、その思いがものすごく強い方でございまして、実際に自分の私財を投げ打ってケロッグ財団というものを作っております。その財団は、アメリカでも、今トップ10の財団でございまして、7,000億円の基金がございます。そこから毎年、恵まれない子どもたちを中心に、ずっと70年以上、そのケロッグ財団が取組を続けております。ということで、こちらの滋賀県さんとの繋がりは、私ども日本ケロッグとしても、継続的に持続的に人々にインパクトを与えるようなプログラムをしたいと思っていましたところ、本当に本社との繋がりでミシガン州と滋賀県ということでお話いただきまして、一過性のものではなく、積み重ねるという形で、県民の皆さんの生活の向上に貢献できればなというふうに思っております。

 

[中日新聞]

オーガニック近江米のことで伺いたいんですが、パッケージのデザインの色が金色だと思うんですが、その色に込めた思いと、パッケージ右下の部分は何を指しているのか、お伺いできますでしょうか。

【知事】

(パッケージの右下部分の空白は)精米したお米が見える窓になっています。このパーケージの色、いいでしょう?みずかがみは水ということで、ブルーでいきましたが、金色は黄金色、実りの色でもありますし、ひとつの高級感というか、そういうものを表現するパッケージとしても、あまりお米売場の店頭にない色じゃないかなと思いまして、これから売り出す、ある意味では生産者の汗がよりにじんだお米、環境のことや未来のことや生き物のことを考えた米作り、こういったものをより高く御評価もいただければという、こういう思いを込めて、このパッケージを作っていただいたところです。

 

[時事通信]

参議院選挙の件ですが、嘉田さんが当選されまして、今後どのような形で嘉田さんと連携をとっていかれるのかと言うことと、特に大戸川ダムに関しては、嘉田さんは非常に慎重であるんですけれども、そのあたりのことを、あと、御本人はインフラ整備については、必要に応じて必要なものは推進するとおっしゃっているんですが、市町の中にはインフラ整備に対する不安というものもあるようなので、そのあたりについてお伺いできればと思います。

 

【知事】

7月21日投開票が行われた第25回参議院選挙は、皆様方の運動により、また投票により結果が出たということでございます。滋賀県選挙区においては、前知事をなさっていた嘉田さんが当選をされたということでございます。知事として、またその前の研究者として、またいろんな政治活動を通じて、教育者としても様々な活動をしてこられた嘉田さんでございますので、滋賀県のことをよく御存知で、琵琶湖のこともよく御存知でいらっしゃいます。また、この期間中に、いろんなお声を聞かれたでしょうから、そういったものを国政に反映するために、大いに頑張っていただきたいと思っております。私は服部さんの方は、あまり詳しく存じ上げないんですけれども、一緒に立候補され、選挙戦を戦われた二之湯さんにおかれても、この6年間、日本遺産またフードツーリズム、健康の取組、観光の取組、様々な分野で、スポーツもそうですね、おおいに滋賀県の施策伸張のために御尽力いただいた、心から敬意を表したい、また感謝を申し上げたいと存じます。

今回、選ばれた嘉田新参議院議員とも、そういう意味でしっかり連携していきたいと思います。県選出の国会議員のお1人として、県の施策を説明させていただきたい、またいろんな要望提案等もさせていただきたいと思います。できるだけ近いうちに、私自身もお会いをしたいと思います。御挨拶には、当選証書を受け取られてすぐおみえいただいたんですけれども、私も留守にしておりまして、お会いできておりません。また、できるだけ早く、県の施策をしっかりと嘉田さんにも説明させていただく機会を作っていきたいなと、これは1回に限らず、都度都度させていただくことになりますが、しっかりと行っていきたいと思います。もちろん、どの国会議員、どの政党ともしっかりと、県にゆかりのある方とは連携していくということがスタンスではございますが、すべての政策で、100%すべてが一致しているわけではないテーマもたくさんございますが、県の考え方、現時点での県のスタンス、姿勢、方針というものについては、きちんと丁寧に説明させていただいた上で、御理解をいただけるよう努力をしていくということだと思います。大きな意味で、治水政策についても、ダムという洪水調節施設が持つ機能についても、また社会資本整備についても、大きな意味で全否定されているわけではございませんし、その辺、着地点、一致点、合意点といったものはあるのではないかなと考えているところでございます。

 

[時事通信]

これまで大戸川ダム早期建設を打ち出されていましたけれども、それについては、県の考えを改めて嘉田さんに理解していただくために説明をしていくということでよろしいでしょうか

 

【知事】

そうですね。県が現時点、持っている考え方については、当選された嘉田さんにもきちんと説明をさせていただくということでございます。

 

[毎日新聞]

県のホームページについて、県の方でも今座談会を開くなどされていらっしゃいますが、先般有識者といいますか専門家の方々が、有志で意見交換会を開かれまして、その場でも、たくさん指摘されていたんですけれども、県のホームページは、そもそも情報設計上に大きな欠陥があるんではないかという指摘が相次いでいることと、あと知事が、過去に、議会や会見の場でも、「県のホームページは、県政の窓であり、県の顔でもあるので、しっかり直していきたい。」ということでしたが、そもそも県の顔ではなくて、県そのものという意識が足りていないんじゃないかと、そういう指摘も相次いでいたんですけれども、そのことについて、今後どのように進めていくのか、これまでの従来どおりの考え方と変わらないのか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず後段、お尋ねいただいた、県の顔ではなくて県そのものではないかという御指摘を勉強会等でもいただいていたということについて、私もそのつもりで申し上げたんですけれども、県の施策を、顔だけじゃなくて手足も含めて、あらゆる分野で御確認いただくものだというつもりで申し上げたんですけれども、その意味がきちんと伝わっていなかったとすれば、丁寧にまた説明していきたいと思います。

いずれにしろ、大変重要なツールでございます。そこに不具合が発生し、様々な使いにくさ、見づらさが昨年度末よりあり、長期的にあったということについては、深く反省をしながら、できるだけ早期にそれらのものが改善できるように取り組んでいきたいと思います。

すでにこの4月から6月にかけて、一定の改善を行いました。根本的な欠陥があるのではないかということについても、記事によれば、情報が時系列で整理され、新しいものが常に上に表示されるところが自治体のサイトに向いてない構造じゃないかという見方を示しながらそのように御指摘されているというようなことがございますが、今のシステムにおいても、時系列で流すものと議事録のようにまとめて掲載するものと、これらは分けて掲載することは可能だと聞いておりますので、そういったことがきちんと見ていただく方にも、また(情報を)入れる側にも周知できるように徹底していきたいと思います。

いずれにいたしましても、県でも座談会を県広報課主催で、7月末に1回、そして8月上旬に2回、開催いたします。それとはまた別の形で、お取り上げいただいた有識者の方や専門家の方、専門事業者の方にお集まりいただいて、県のホームページのどんなことが問題だったのかということについて、整理、議論いただく、こういう機会というものは大変ありがたく、またある意味では心強いと思いますので、その中で出された御意見等もしっかりと受け賜りながら、今後のさらなる改善につなげていきたいと考えています。

 

[毎日新聞]

知事も最初から「県そのもの」というつもりでおっしゃったということだったんですけれども、リニューアルから4ヶ月経ちまして、県のこれまでの御説明では6月末に、3月当初にあった不具合というのはもう改善していると、それをさらにより良くするという意味で今座談会を開いていると、そういうスタンスでいらっしゃると思うんですけれども、今の時点では、例えば災害時とかですね、県民がすぐ情報が欲しいという時に辿りつかない、そういう意味で情報設計上に問題があるという指摘があるんですけれども、そこについては、県のスタンスとしては、今の時点で、そういうところに関してはもう問題はないと、本来3月末のリニューアル時に達するべきところにはもう現時点では届いていると、それをさらにより良く、使いやすくするという、そういうスタンスで今後も進めていくということで、間違いなかったでしょうか。

 

【知事】

基本的には、今お尋ねにあったとおりです。昨年度末に一定リニューアルし、改善、向上させていくということで目指していたもの、それが年度末、年度当初にできてなかったと。それらをできるだけ早くに復旧させよう、当初の目的どおりに動くようにしよう、見ていただけるようにしようということで、4、5、6月とやってきました。この取組というのは一定できたと思っています。ただ、例えばこの間の取組についても、改善についても、復旧についても、これでは十分じゃないんじゃないかという御意見とか、もっとさらにこういったところが足りないんじゃないかという御意見もあろうかと思いますので、それらについては座談会や、またこういった民間の皆様がやっていただく勉強会等で議論していただき、それらをちゃんと聞かせていただいて、その後のホームページのさらなるリニューアルや、より使いやすいものにするという過程において活用させていただきたいと考えているところでございます。その意味において、一定改善はできているのではないかなという認識で臨んでおります。

[NHK]

韓国との問題についてお伺いしたいんですが、例の慰安婦問題ですとか、輸出規制を巡る問題で、日韓関係が険悪化しておりまして、知事も御承知のとおり、今朝の新聞報道でも、韓国の公州市が守山市への友好団の派遣を取り止めるという事態も出て来ておりますが、今後、何か県への影響とかですね、あるいはそれを見越した上で、何かその対応などを御検討されておりましたら、お願いします。

 

【知事】

隣国韓国との関係、長い経済関係、社会関係、文化関係を有する韓国との関係悪化を私も深く憂慮しています。私自身も国会議員時代に日韓議員連盟に所属し、一時期は未来委員長という分科会の一委員会の役を務めさせていただくなど、また相互訪問、相互交流に関わらせていただくなどしていましたので、大変強い思いを持ってこの日韓関係を見ている1人でございます。

知事になりまして以降も、こちらに駐在されています大阪の総領事などとも友好関係を作って参りました。その意味で、今般のこういった経済問題、また社会問題から関係が悪化するということについては、1日も早く改善されるよう強く望んでおりますし、こういった政治課題が、経済分野や例えば市民交流などに及ばないように、我々自治体としてもよく配慮していきたいと考えているところでございます。

(韓国側が主張するところの)経済制裁措置がどのような影響を与えるのか、これについてはまだ十分把握しきれておりません。聞いてみますと幾つか問い合わせがあるようです。韓国とお取引されている、輸出等されている事業者様から今後の影響等についてお問い合わせがあったとのことですが、現時点、まだ具体的な中身として我々が把握できているわけではございません。

聞いてみますと、県の貿易実態調査では約1割、韓国向けの輸出があるということですので、例えば深刻化すれば、長期化すれば少なからず影響が及ぶ可能性があると思いますので、動向等に引き続き注視していきたいと考えているところでございます。またジェトロ等とも連携しながらですね、県内企業様への情報提供等にも努めて参りたいと存じます。

 

[朝日新聞]

参院選にちょっと戻っちゃうんですが、今回、1人区では、やはり自民党が圧倒的に強くて、多くのところで勝っていると。ただ東北とか滋賀のようにですね、非自民が勝った地域もあるわけですけども、嘉田さんが勝った理由を知事としてはどういうふうに見てらっしゃいますか。

 

【知事】

むしろ皆さんの方が、お詳しいんじゃないでしょうか。すいません、私も参議院選挙期間中、つぶさに見れてるわけではありませんし、報道ベースで間接的にお聞きする程度の情報ですので、十分わかりません。

ただ結果的に、より多くの方の支持を集められた、だから当選されたということだと思いますが、どうしてより多くの票を集められたのかということについては、当然、ベースとなる知名度ということもあったでしょう。そして、それらを広げるための運動、活動ということもあったと思います。その運動、活動にはもちろん候補者御本人、その周りの運動員の方々の広報活動もあったでしょうけれども、それがいかに伝播していくのかということもあったのかもしれません。そういうものが、結果的に広がった方と、十分広がらなかった方との差が結果に現れたんじゃないかなと思います。

とはいえ、1つの結果が出た以上は、その結果に基づく最善の対応を、県としてはしっかり取っていくということではないかなと思います。

 

[朝日新聞]

今回、野党共闘ということで、知事も旧民主系の出身ですけれども、そこの党がまとまって、それも嘉田さんが勝った勝因の1つだと思うんですが、そのあたり野党共闘に関しては、知事としてはどういうふうに見てますか。

 

【知事】

私が国会にいたときに、国会内の対応の、テーマごとの共闘なり連携というのはしたことがありますけれども、選挙でこういった対応というのは、私はしたことありませんので、そういったことがどのように、例えば候補者だとか、それぞれの政党に影響してくるのか、はたまた投票された有権者の皆様方にどのような説明責任を伴うものなのかということについては、私の体験として持っているわけではないんですけれども、ただ一般的に投票した人は政党政治を通じて、政策実現を期待される、望まれるということがあろうと思いますので、そことの整合性をその野党共闘がどのようにとっていかれるのかということは、今後、結果が出た後の国会対応等で問われ、試されて来るのかなというふうに思いますので、この結果だけではなくて、この後の行動をよく見ることで、この野党共闘というもののあり方というのが、考えられていくのかなと思っております。

 

[朝日新聞]

近江鉄道のことをちょっとお伺いします。昨日、最後の協議会がありまして、今後首長会議、そして法定協議会に進んでいくということが決まりました。もともと協議会で、ある程度具体的に今後の運営体制とかを決めていくのが当初のイメージだったと思うんですが、それがなかなか今回決まらなかったというところもあると思います。そのあたり、今回の協議会を振り返っていただいて、意義、良かった部分と、課題として出た部分を少し教えてください。

 

【知事】

近江鉄道につきましては120年の歴史を持ち、県内湖東地域を中心に5つの市と5つの町に跨り、約60キロの線区、33の駅を有する鉄道として大変重要な役割を果たしていると思います。とはいえ、例えば沿線の人口減、また御利用減に伴う経営の厳しさ、また施設老朽化に伴う経営の厳しさ等、鉄道会社側からも今回改めてこういう協議会の中において、最新の状況で御説明をいただいた。その意味において、この協議会で問題認識の共有といいますか、今後議論するためのベースは、一定整えられたのではないかなというふうに思います。

今後は、法定協議会、法定の協議会ですので、法律に基づく、様々な規定に基づく協議会を立ち上げることによって、その後の例えば計画づくり、当然計画には具体的なことを書いていくことになりますので、鉄道を残すのか残さないのか、残すとすれば全てで残すのか、どこで残すのか、どのように残すのか。残さない時に、どのように公共交通を保つのか作るのか、こういったことについても、より具体的な議論をすることになると思います。その意味において、まだまだ今後大きな山を乗り越えていかなければなりませんが、山を登っていこうという共通認識はつくれたんじゃないかなという意義を感じているところです。

今後しっかりと、県、知事もそうですし、市、町、市長、町長を含む皆様方、当然県民の皆さん、市民、町民、議会議員の皆様方の合意形成が必要ですので、広く議論できるよう努めて参りたいと存じます。

[朝日新聞]

問題はやはり財政負担になってくると思うんです。市、町、県それぞれ財政的にも苦しい中でどうしていくかというところが、これからのポイントだと思うんですが、知事の中では一定県の財政負担も仕方ないというお考えなんでしょうか。

 

【知事】

現時点で、そういうものを持っていません。そういうものを何かもって議論に臨んでいるわけではありません。まず、その鉄道という公共交通がどのような役割を持ち、そして、今後どのような変化の可能性があるのか、また持続可能性があるのか。それらが利用者の負担、会社の資金、一部補助金等でどのように回っていくのか、いかないのか。それらに例えば公的役割を見出せるのか見出せないのか。公的役割が見出せるとするならば、その公的役割に基づく負担を公的主体がどのように行っていくのか、という議論ではないかなと思います。現時点で県が何か負担やむなしというものを持って、この議論に参画しているわけではありません。

 

[滋賀報知新聞]

大きく2点伺います。参院選に関してなんですけれども、21日に執行されまして、その選挙期間中と投票日も含めてなんですけれども、県内各市町の選挙管理委員会でミスが多発されたという報告がありました。5つの市町であったということなんですけれども、中には投票行動に影響を与えるような、無効票となってしまうようなミスが、選管のミスであったという報告がありまして、県内では2017年の衆院選の時に、甲賀市の不正というのもありましたし、今年の春の統一地方選で大津市の選挙管理委員会の管区内で選挙公報がまともに届かなかったというようなこともあり、選挙管理委員会の選挙に対する姿勢というのに疑問の声も上がっていまして、そういうのがまた投票率の低下に繋がるのではないかという意見もあったりするんですけれども、今回野洲市などでは、26名の方が選挙区と比例区の投票用紙を逆に渡されて投票を終えられてしまっている可能性があるとか、米原市では比例区の投票用紙を2枚渡されていて、もしもその2枚ともに、まともに投票内容が書かれていると2票とも有効票になってしまうという平等選挙の原則にも反しかねないような事案というのも起こっておりまして、その辺りに関しまして知事の御所見をちょっと伺いたいなと思います。

 

【知事】

参議院選挙に限らず、こういった選挙の事務につきましては、公正かつ適正に執行されるということが原則になると思います。今回、選挙に関わる県、市、町、また様々な自治体の皆様方に、多大な御尽力をいただき御協力をいただき、様々な手続きが行われてきたと認識しています。この間、これまで県内の様々な選挙事務でミスや問題等があったことも教訓としながら、今回は臨んでいただいたということでございますので、その中において、様々なまだ改善しきれてない事態があったとすれば、それらは一定取りまとめの上、どういったことがまだ課題としてあったんだろうかということを、よく県内市町の事例、事案等も集めてですね、まだ最終確認なりする段階ではないかなと思いますので、選挙管理委員会をして、そういった今回の選挙の事務における課題等についても集約の上、今後の改善につなげていただくよう期待したいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

もう1点質問なんですけども、7月19日に文化庁の答申がありまして、県内でも新たに長浜市と米原市で登録有形文化財、建造物の新規登録というのが7件あって、県内では430件になったという資料もいただいているんですけれども、県内の登録有形文化財が新たに登録されたことにつきまして、御所見を伺えればと思います。

 

【知事】

この県庁本館も昭和14年に建てられた登録有形文化財でございます。県には今御紹介いただいたように、今回の新たな登録も含めて、登録件数が430件ありまして、今回選ばれたことも大変喜ばしいことだと思います。また、こういう貴重な文化財をしっかりと守って、保全して、次の時代に繋いでいくという、そういう責任を改めて感じますと同時に、ただ守るだけではなくて、その良さだとか、価値だとか、そういうものを私たち自身が知って、そして伝えて広めて、例えば見ていただくだとか、感じていただく、そういったことに繋げていきたいなと。いずれにいたしましても、登録されたことは喜ばしく、そしてこれだけのものを持たせていただいているということは誇らしいことだと思っております。

 

[京都新聞]

参議院選挙の関係で、知事がまだ顧問を務めていらっしゃるかと思う「チームしが」との関係なんですけど、嘉田さんは今代表を務めておられますし、今後も代表を辞める気はないということのようなんですけれども、嘉田さんが現職の国会議員になられたことで今後、「チームしが」と知事との関係というのは、見直し等も含めて何か変化はあるんでしょうか

 

【知事】

まだそのことで何か話があったわけでもありませんし、そのテーマで私自身が考えたことがありませんので、ここで申し上げるようなことは、現時点ではないと思います。ただ、もともと出来た経緯と、そしてこの間あった変化等をふまえてどうするのかというのは不断に考えていかなければならないことではないかと思います。

 

[京都新聞]

後援会と言うんでしょうか、政策グループと公職にある知事との距離感とか、あるべき姿というのはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

私自身には、私自身の私的な政治的な後援会というものはございます。それとは別に様々ある団体、また政党、またいろんな各種団体等の関係というのは、等距離、そして公平にということが基本になると思います。