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知事定例記者会見(2019年6月11日)

令和元年6月11日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

6月の句を述べていませんでしたので申し上げます。

清くあれ二期二年目の沙羅の花

公舎の玄関に夏椿、沙羅の花があるんですけれども、今ちょうど花が咲く頃で、朝咲いて、もう午前中に、ぼとぼとと落ちるんですね。なかなか可憐な花だなと思っているんですけれども、ちょうど去年の今頃、2期目の信を問う選挙をしておりました。2期目も早2年目に入ってきておりますので、しっかりと清く正しく頑張っていきたいというふうに思っております。

また昨日は、びわこビジターズビューローの会長に選任をされました。これまで民間の皆さんが担ってきてくださった仕事を、知事としてお受けすることとしたところでございます。責任重大です。ただ、天の時、今、観光が盛り上がっている、様々な注目も浴びるきっかけがある、さらには大きなスポーツイベント等もある、また滋賀県には地の利もある。そして、それらに人の和を重ねることによって、こういった天の時をしっかりと活かしていきたい。1期2年、皆様方のお役に立てるように頑張って参りたいと思います。

また本日午後にはですね、大阪に参りまして、関西広域連合の琵琶湖・淀川流域海ごみ抑制プラットフォームの立ち上げを宣言する場に臨ませていただきます。先般、5月23日に関西広域連合が「関西プラスチックごみゼロ宣言」を発出いたしました。滋賀県は関西広域連合の広域環境保全を担当しております。したがって、この関西プラスチックごみゼロ宣言を発出することの主導的な役割を果たさせていただきました。また、この関西広域連合の中には、琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会というものがございまして、治水のことは一部なんですけれども、環境のことをはじめですね、上流と下流の様々な連携方策について議論をしていただいております。こういった議論の1つの成果といたしまして、この度、琵琶湖・淀川流域海ごみ抑制プラットフォームの立ち上げを宣言いたします。具体的にはですね、このプラットフォームには、構成府県市のほかに、一般社団法人の全国清涼飲料連合会ですとか、ペットボトルリサイクル推進協議会、また日本チェーンストア協会関西支部、日本フランチャイズチェーン協会なども入っていただく予定でございますので、様々な意見交換を重ね、実効性を上げていきたいと考えております。

 

今ひとつ、資料に基づくお話の前に、いよいよ出水期に入ります。6月16日から出水期と位置付けてます。改めて県民の皆様方に注意喚起をしていきたいと考えております。今日の県政経営会議でも、私から機器機材ですとか、情報伝達のあり方を再点検するよう指示をいたしました。ちなみに琵琶湖ではですね、国において水位調節されておりますが、6月16日から8月31日までは、マイナス20センチに水位維持されることになります。今、マイナス20センチに向けて水位が下げて行かれるという、こういう状況にあります。ただ同時に急激に下げていただくと、ちょうど今の時期ですとホンモロコが産卵の時期を迎えていまして、卵が干上がってしまうという、こういう状況もありますので、環境に配慮した水位操作にも取り組んでいただいている、また、様々な意見交換を重ねさせていただいている、こういう状況がございます。

また、すでに御存知だと思いますが、気象庁が発表する気象情報、市町が出す避難情報等について、5段階の警戒レベルを付けて発信されることになっています。改めてそのことを、我々も強く意識しなければなりません。この運用を5月29日から始められているということでございます。レベル3では「高齢者等に避難を始めることを促す」、レベル4では「避難勧告、避難指示(緊急)であり、全員避難を求める」、レベル5は「すでに災害が起きており、住民に命を守る最善の行動をとることを要請する」ということでございますので、共通理解、共通認識を持ちながら、こういった情報発出に努めていきたいと考えております。どうか、メディアの皆様方にも報道呼びかけ等にお力添えいただければ幸いでございます。

それでは資料に基づきまして、私から3点申し上げます。1つ目は「びわ湖の日」の取組概要でございます。こちらはパワーポイントも用意をさせていただいております。琵琶湖の夏を迎えるということでございまして、今年度の「びわ湖の日」の取組概要でございます。「びわ湖の日」のポスター、今年度のポスターは、こちらに出ているこのデザインでございます。3月に発表済みとなっております。この「びわ湖の日」は、毎年、県内全域で清掃活動に取り組まれると。ちなみに、初めての方もいらっしゃるかもしれませんね。びわ湖の日がいつかと言うと、7月1日でございます。この日を中心にですね、様々な活動に取り組んでいただいております。

今年度のポイントといたしまして4つ、御紹介いたします。

1つは「森川里湖を学び、行動へ」ということでございまして、「この夏!びわ活!ガイドブック」を制作いたします。自然体験などの「びわ活」に取り組んだり、森川里湖のつながりですとか、「びわ湖の日」の意義について学んでいただくためのものでございます。6月末に県内の全小学生に配布いたします。冊子ができ上がり次第、皆様にお届けしたいと思います。また6月30日に、ビバシティ彦根で「びわ活」のキックオフイベントを行います。森と湖のつながりを知る体験ブースなど、子どもにも楽しく学んでいただける企画を準備しているということでございます。

2つ目は京阪神地域との連携ということでございまして、今年、京都市の琵琶湖疏水記念館が開館30周年を迎えられるということでございます。これに併せて、立命館大学での連続講座に記念館の学芸員さんを講師に招いて開催をいたします。記念館でも「びわ湖の日」の特別展示が開催されるということでございます。また9月には京都で、琵琶湖の価値発信イベントを開催いたします。

3つ目は、琵琶湖と共生する農林水産業が「日本農業遺産」に認定されたことを踏まえまして、県内外で開催する「びわ湖の日」関連講座ですとか、イベントの機会に「日本農業遺産」のPRを含めた琵琶湖発信の展開をいたします。

4つ目、民間団体と協働した取組についてです。今年も「びわ湖の日」を記念して新しい商品が販売されます。平和堂様におかれましては、滋賀めしメニューコンテスト入賞作品の商品化をしていただきます。またローソン様は、近江米みずかがみを使ったおにぎりを作り、販売をしていただきます。この会見の後に、2社様からびわ湖の日記念商品の発表がある、また試食もあるそうですので、ぜひ取材等賜ればと存じます。またセブン-イレブン・ジャパン様では、みんなの「びわ活」宣言を募集されます。日本ボーイスカウト滋賀連盟様では、創立70年を記念して、県内全域で自然体験活動を展開されるということでございます。「びわ湖の日」をきっかけに、多くの人に魅力いっぱいの琵琶湖に関わっていただければと存じます。

 

次は2つ目ですね、「そこ滋賀」プロジェクト始動ということでございます。東京には「ここ滋賀」があるんですが、京都に「そこ滋賀」をつくろうというものでございます。隣接する京都、こちらには外国人延宿泊者数が(滋賀県の)21倍と、700万人を超えているということでございます。滋賀県は34万にとどまっていると。もちろん、京都は京都の魅力があるんですが、すぐそこの近くに、京都にはない美しい滋賀がある、面白い滋賀があるということを、ぜひ御紹介したいと考えています。京都まで来ている観光客に対してですね、すぐそこにある滋賀県の奥深い魅力を発信し、誘客を進める取組として「そこ滋賀」プロジェクトを実施することといたしました。

これは県議会で、県民の皆様方のお声を代表する形で、御提案いただいたことをもとに設置させていただくものです。京都駅前で滋賀県の積極的な観光案内を行うほか、ホテルコンシェルジュ等への研修を行い、本県への周遊を促す取組でございます。明後日13日(木)にオープニングイベントを実施いたします。ポスターや観光パンフレットを配架設置するだけではなくて、宿泊施設や旅行商品の手配も行っており、落ち着いて、ゆったり観光案内をすることが特徴でございます。ちなみに、忍者の衣装で、御案内をいただくということだそうでございます。ぜひ皆様方にもお立ち寄りいただければと存じます。

 

それでは、イチオシ「健康しがシリーズ」ということで、今回紹介するのは日野町の「誰もがこころもからだも健康で、安心して暮らせる地域づくり~健康みそ汁で健康長寿の延伸を!~」ということについてでございます。健康みそ汁の取組はですね、健康推進員の皆さんと連携した中学校の食育活動だということでございます。対象は中学1年生と2年生で、若いうちから、減塩の習慣と野菜を摂取する習慣の大切さを身につけてもらおうとするものですね。日野町は以前から生活習慣病予防のため、健康推進員の草の根の活動により、減塩推進の取組をされておられましたが、この度、中学生に対象を広げて、さらなる健康づくりの取組を推進しようとされておられます。

本日は日野町から3名のゲストにお越しいただきました。日野町福祉保健課福田文彦さん、日野町福祉保健課檜皮順子さん、日野町福祉保健課安田睦美さんです。せっかくの機会ですので、PRや補足説明をどうぞ。

[日野町]

皆さんこんにちは。日野町です。取組のきっかけといたしましては、中学校給食で提供するみそ汁が薄いということで残す生徒がいらっしゃいましたので、健康推進員さんによる健康みそ汁の授業をしてもらいたいと中学校から依頼がありました。そこでスクール応援隊という部会を立ち上げまして、食育に携わっていただくことになりました。保健センターからは、なぜ健康みそ汁が良いのかなどを説明し、普段の食生活が、将来の生活習慣につながることを意識してもらい、望ましい生活習慣の実践を目指し、学校・健康推進員・保健センターが連携して食育活動を進めています。平成27年度から実施し、今年度で5年目となる事業になります。中学校1年生は、食育月間である6月に食育学活して、2年生には2学期に家庭科調理実習として取り組んでいます。昆布と鰹節の自然の素材を使って出汁をとる実習を行うと、「いい匂い」と、出汁の香りに反応し、みそ汁を口にすると「おいしい」という声があちこちから聞こえてきます。健康みそ汁と家庭のみそ汁の味を比較しまして、「濃い」「同じくらい」「薄い」という回答をしてもらっています。結果は、健康みそ汁を家庭よりも「薄い」と感じる生徒が半分以上でした。生徒は「家のみそ汁が濃いことがわかった」とか「薄味にするよう気を付けたい」、「野菜もたっぷり食べたい」などの感想を持ってくれています。そこで今日は知事にも健康みそ汁を御試飲いただけばと思い御用意しました。

 

【知事】

いただきます。まず、香りはもうみそ汁ですね。これ減塩ですか。減塩だと思わないですよ。

うちの味噌汁は、濃いめ辛目なので、それに比べると薄いんですけれども、これは、出汁をとっていただいているので、味がすごく濃厚で、あんまり薄さを感じない、というコメントでよかったですか。いや、でも本当そう感じますので、ぜひ皆様方も。

 

[日野町]

今日、知事も(健康みそ汁を、家のみそ汁と比較してどう感じるかは)薄いか濃いかと言うと真ん中ということでしたが、出汁が効いておいしいと言っていただきました。ありがとうございます。

では、最後にですが、日野町健康推進協議会では、生徒がこの体験を保護者と話題にしてもらうことで、和食の文化を大切にし、食生活を意識した家庭が増えることを期待しています。すぐに効果が表れない地道な取組ではありますが、子どもたちの将来の健康づくりに必ずつながるものと確信しております。知事に先ほど試飲いただきました健康みそ汁は記者室に用意しておりますので、ぜひ御試飲ください。日頃のおみそ汁との違いを感じていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

 

【知事】

ありがとうございます。ちなみに日野町さんでは中学校の給食もあるんですか。

 

[日野町]

はい。中学校の給食が始まったのが平成25年です。

 

【知事】

いいですね、中学校の給食があって。そして減塩への取組まで御指導いただけるという日野町の中学生をうらやましく思いました。ぜひ皆様方の御取材等、試飲等いただければと思います。ありがとうございました。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[共同通信]

「そこ滋賀」プロジェクトの関係でお聞かせください。京都に来られる訪日外国人の方がターゲットであるいうことだったんですが、具体的に滋賀のどういう面、どういうものを、外国人の方々にアピールしていこうと考えられていますでしょうか。

 

【知事】

たくさんあるんですけれども、まずですね、個人旅行・グループ旅行が多いですね。これ専門用語でFITというのだそうですけれども、そういった方々に例えば、お寺であればどういったお寺があるのか。滋賀県は、県内全域に、各地に、国宝や重要文化財があると。もちろん象徴的なものであれば、世界遺産比叡山延暦寺などもあると、このことはしっかりと御紹介したいし、国宝彦根城はじめ、お城もお城跡もたくさんあると。琵琶湖周辺で、例えばマリンスポーツやサイクリングや様々なアクティビティができますよということであるとか、健康長寿につながる暮らしだとか食べ物だとか、近江牛、湖魚、近江の地酒、近江米、こういったものも表現したいですね。

最近の観光は、単なる物見遊山ではなく「コト」です。どんなことが体験できるんですか、どんなことを感じられるんですかということを重視されることが多いと聞いていますので、そういったことを効果的に訴求できる、そういう場所にしていきたい。とりわけたくさんの方が来られていますので、ひと足伸ばせば、すぐそこに滋賀があるという、このことをきちんとPRしていきたいと考えてます。

 

[共同通信]

先週、合計特殊出生率が公表されたと思うんですが、滋賀県の数字は3年ぶりに上昇しましたが、それに対する受け止めをお願いします。

 

【知事】

先般発表された2018年の概数で、滋賀県の合計特殊出生率が1.55と、前年比で0.01ポイント改善はしていますけど、依然として低いと。また、目標に照らすと、この目標は「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」、これは地方創生の総合戦略の中で定めているんですが、ここでは2020年に1.69、2040年に1.94、2050年に2.07という目標を設定してるんですが、ここからは大きく乖離してる状況だと言わざるを得ないと思っています。したがって、この総合戦略についても、現在どれぐらいの進捗なのか、どのような目標に近づいてるのか、近づいてないのかというのを、この出生率を含め、今検証しているところですので、子どもを産みたい育てたいという人たちが、その希望が叶えられるように、障壁となっているもの取り除くと、社会的に応援していくと、こういったことを進めるために、もっとどんなことをやらなければいけないのかっていうことを具体的に検討していきたい、また実行していきたいと思います。

 

[朝日新聞]

「そこ滋賀」について、もう少しおたずねしたいのですが、スタッフの方は忍者姿で応対してくれるという御説明があったかと思うんですけれども、そうするとやはり忍者の里である甲賀への誘客などをメインで考えておられるのでしょうか。

 

【知事】

メインと言われるとちょっと表現がずれるかもしれませんが、とても強いメッセージ性を持ったコンテンツだと思いますので、忍者は。ですから、そこできちんとアイキャッチをして、「どこ?滋賀。何がある?どこに行ける?」と。ちなみに忍者に興味があれば、こういう施設があるという御案内に結び付けていけたらいいなと思います。

 

[朝日新聞]

もう1点は、昨日の県立総合病院から発表があったと思うのですが、県立総合病院に限らず、県内に医師不足という状況があるかと思います。これに関して知事は、課題の認識ですとか、取組方針があればお聞かせください。

 

【知事】

まず県立総合病院で、労働関係法令が守れていなかった実態があったということでございます。これは今、県庁として県全体で健康経営を進めていこうと、また、国を挙げて働き方改革をしようとしている最中、大変残念で、遺憾なことだと存じます。今日、病院事業庁長も直々に謝罪の上、しっかりと取り組む旨、私の方に御挨拶があったところでございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

加えて、医師が不足しているのではないかという御質問。これは、必要な医師を確保するという責任主体が県にあり知事にあるということからしても、大変重要なテーマであると思っています。一口に医師不足ということではなくて、地域的にどうなのか、また科目的にどうなのか、そして年代的にどうなっていて、どういうことが想定されるのか、例えば御退職なり。そういったことも、詳らかに見ながら、また、地域の診療所にいらっしゃる医師の方と、病院勤務をされている方、また急性期を診てくださっている方と、慢性期をカバーしてくださる方など、少し細かく見ながら、県としての対策をとっていく必要があると考えておりまして、今、担当部局をして、医師確保を長期的にしっかりと担うためのプランづくりをしているところでございます。広域的にかつ長期的に見た対策がとれるように、努めてまいりたいと思います。

 

[NHK]

大津市の交差点で、保育園児が亡くなった事故から、今月8日で1か月となりました。これまでの会見でも伺いましたが、現場と県内の道路や交差点の対策を進めているというお話でしたけれども、現状と今後の対策を、また今どう考えていらっしゃるかと、また心のケアについても現状と今後どうされるかについてもお聞かせください。

 

【知事】

5月8日、ゴールデンウィーク明けに、園児2名が、交差点において、横断歩道の中で、横断を待つ状態で、車にはねられて命を失くすという大変痛ましい事故が発生いたしました。1か月を経過してもなお癒えぬ、いや、なお深まる悲しみ中にいらっしゃることを思うと、胸が痛くなるそういう思いであります。

こういった事故を繰り返さない、また起こさないために、県でも県民の皆様方向けの交通安全、安全運転の呼びかけをすると同時に、当該園、当該園児や保育士に対する心のケアを大津市とともに行っております。これは引き続き、必要な体制をしっかりととってまいりたいと思います。

また、同時に、当該交差点の安全対策ための工事を現在実施しております。加えて、県内600か所で、県管理の1万台以上の交差点の緊急点検を行いました。この点検結果については、現在取りまとめ中です。どういうことをしなければならないのか、どういう順序で、どういうスケジュールでやっていくのかということと併せて整理していきたいと思います。

明日から始まる議会には、当面、緊急で必要な課題に対応するための予算を補正予算としてまとめ、提出をさせていただきます。国でも現在、こうした事故を受けての対策を検討中だと聞いておりますので、国の方向性も見ながら、必要な対策をできるだけ早く、行っていけるように努力したいと思います。

 

[時事通信]

先程質問にありました合計特殊出生率の話なのですが、知事から言及がありましたように、かなりのかい離があるようですけれども、今後の総合戦略の見直しの中で、目標についても見直しになる考えがおありなのかお伺いしたいと思います。

 

【知事】

必要な見直しはしたいと思います。目標設定していても、かい離しているのであれば、目標自体を見直すということも必要だと思っています。

 

[時事通信]

冒頭、お話がありましたプラスチックごみの抑制プラットフォームの関係なのですが、直接は関係ないのかもしれないのですけれども、大戸川ダムの関係で、これを関西広域連合の場で、理解を求めたりということはあるのでしょうか。これは違うのかもしれないのですけれども、先ほど淀川水系の研究会があるとおっしゃったので、そういった場で大戸川ダムのことを言われたりということがあるのか、また海ごみのプラスチック抑制のプラットフォームの中で、滋賀県としてはどういったことに取り組もうとお考えなのかお伺いできればと思います。

 

【知事】

今日の午後からの場で、何か私が大戸川ダムのことについて言及することは予定していません。また、関西広域連合の場で、大戸川ダムのことについて言うことを考えているのか、現時点では考えていませんが、必要であれば考えたいと思います。

琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会においては、所掌する範囲、取り扱うテーマに治水を取り上げられていないので、治水についてはまた別のステージでと、国の議論もあるのでということで、この研究会では取り扱うテーマにはされておりませんので、付随して治水のことが述べられることはあるかもしれませんが、この研究会では主要な課題にはなっていないと認識をしています。

今回、琵琶湖・淀川流域海ごみ抑制プラットフォームの立ち上げに際し、滋賀県としてどんなことに取り組んでいくのかについてでございますが、当然、海のプラスチックごみが話題、課題になるとすれば、琵琶湖に流れ込む、琵琶湖の中にあるプラスチックごみ等についてもしっかりととらえ、必要な対策を打っていく必要があると考えています。県でも今年度、琵琶湖のプラスチックごみの調査をさせていただく予定をしていますが、淀川流域の上流にある滋賀県として、環境先進県を自称する滋賀県として、しっかりと実効性のある取り組みをつくっていけるように、こういったプラットフォームでも様々な課題や可能性等を探っていきたいと考えています。折しもG20等でも主要課題になると聞いているので、よく見た上で、考えていきたいと思います。

[時事通信]

下流府県に大戸川ダムのことを説明する時期は、まだはっきりと決まってないのでしょうか。

 

【知事】

大戸川ダムについては、毎回、この場でもお聞きいただいておりますが、4月16日に私の考え方を述べた以降、それぞれの府県に対して、事務的な説明をさせていただいております。大阪府に対しても先般6月7日に説明の機会をいただけたということですし、三重県にも6月10日に説明の機会をいただけたということでございます。京都府についても現在、日程等を含め調整をしているということでございますので、事業自体は国の事業ですけれども、県が出したひとつの方向性、結果というものについては、県として説明をしていきたいと考えております。

 

[中日新聞]

今の質問に関連するのですが、知事としての説明というのは予定されているのでしょうか。

 

【知事】

現時点、予定しておりません。

 

[中日新聞]

スケジュールにもまだあがっていないと。

 

【知事】

現時点、スケジュールとしてもあがっていません。

 

[中日新聞]

来年のびわ湖大花火大会の関係で、開催時期を変更してやりましょうということを実行委員会が決めたというふうに伺っていまして、知事は花火大会に出資する県の知事であり、かつ事務局のあるびわこビジターズビューローの会長になられたということで、知事として会長としての来年に向けた思いを聞かせていただけたらと思います。

 

【知事】

まず花火大会というものは、びわ湖大花火大会をはじめ、湖上や湖面に映え、そこから上げる花火として、大変好まれているし、望まれている、多くの方々が楽しまれている、滋賀県観光のそういうイベントだと認識しています。

とりわけ、びわ湖大花火大会については、県内でも最大で、全国でも有数の花火大会で、夏の1つの風物詩になっているのではないかなと考えています。と同時に、安全に、この大きな大会を実施していくということに、毎年、細心の注意を払うと同時に多くの方に御尽力をいただいている、そういうイベントです。

来年度の開催時期については、またしっかりと決まり次第、御報告をさせていただきたい、発表させていただきたいと思いますが、来年は東京オリンピック・パラリンピックがある関係で、夏期のイベントの開催というものが警備員の確保等で、どの地域のどの行事も大変苦慮されているし、調整が必要だということを伺っています。その中で、来年度のびわ湖大花火大会の開催時期についても検討され、協議調整が行われていると承知しております。いずれにしても、冒頭申し上げた通り、大変大事なイベントですし、安全に完遂するという観点で、どの時期に開催するのがいいのか、よく考えていきたいと思います。

 

[中日新聞]

その関連ですが、東京五輪の影響で警備員が不足するということで、びわ湖大花火大会以外にも夏のイベント等々で影響が出るのかなと思うのですが、県が主催する、もしくは県が絡むイベント等で、そういう検討をしているものがあれば教えていただければ。あとこんなふうに対応したいということがあれば。

 

【知事】

現時点、ここでこのイベント、この時期のこれということを申し上げる資料は、持ち合わせておりません。ただ私も前回の東京オリンピックを知りませんし、今回の東京オリンピックがどのような形で行われるのか、今、いろんな種目のチケット販売等も行われておりますし、いろんなことが決まっていき、発表されていく、聖火リレーの日程等も発表されてきましたけれども、徐々に概要がわかるにつれ、そういった影響等も出てくるでしょう。しっかりと見て、対応したいと思います。

 

[NHK]

先ほどのお話で、大戸川ダムについて、大阪府に対しては6月7日に説明の機会、三重県にも6月10日に、京都府には日程調整中とありましたのは、知事自らではなく職員の方が説明に行ったと理解するのですが、それについては、事務レベルでどういう反応があったのかと、そういうレベルで説明が進んでいるのか、でも進んでいる進んでいないにしても、結局は知事自らが説明に行かなければという思いがおありだと思うのですが、その点の思い、相手方の大阪と京都は伝え聞くニュアンスでは、両知事とも慎重な姿勢であると報道で伝わっていますので、そういう状況で、どう説明されていくのか、改めてお聞かせください。

 

【知事】

まず、事務的な説明は、先ほど申し上げた通りです。例えば大阪府の事務的な説明の際には、今後、大阪府独自で実施される検証を踏まえて判断されるという認識を得て帰ってきておりますし、三重県では大戸川ダムへの対応については、今後他府県の状況を注視していく、という返答を得て帰ってきております。

こういった状況を進んでいると思うのかということについては、一定、県としての考え方を事務的に説明させていただいているという意味においては、説明をさせていただいているということだと思います。

知事がどの場面でどう出るのかということについては、必要な場面で、有効な場面で出たいと思います。知事が出て何かやれば、すべて解決されるか、何かものが進むのかという見極めはよくした上で、行動を起こしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

先ほどの大戸川ダムの関連で、大戸川ダムとあわせて鹿跳渓谷の掘削は整備計画の中では懸案で残っているかと思うのですけれども、該当課の方でも鹿跳渓谷の掘削もあわせて進める方が、滋賀にとってはいちばん、防災、治水、琵琶湖の水位も下げることができますし、というような勉強会の内容だったと聞いているのですけれども、そのあたり下流府県には、どういう説明をされていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

まず、今回私どもが出した結論結果は、大戸川ダムが大戸川に、また琵琶湖の水位に与える影響を結果として、滋賀県として出した結論結果について、表明させていただき、下流府県にも説明をさせていただいています。

あわせてその勉強会の中でも出ましたけれども、その大戸川の下流にあり、天ヶ瀬ダムの上流にある鹿跳渓谷が狭く、これはいわゆる狭窄部になってますので、ここを広げることが、琵琶湖の後期放流対策、もって水位を下げるということに大きく影響作用するということが出ました。このことについても、勉強会の中で議論されたこととして紹介されていると思ってます。

ただ大戸川ダムとこの鹿跳渓谷の取扱については、これは、それぞれまた意味を持つものだと思っていますので、私たちは、大戸川ダムを整備した上で、そして鹿跳渓谷の開削についても広げていくということについても、ぜひ琵琶湖の水位を下げる観点から、国に対しては、早期に着手の上、実行実施して欲しいということを併せて申し上げております。その際にもやはり上流で一定時間、一定水量をカットする、そういった大戸川ダムの必要性については何ら変わるものではないのではないかなと考えています。