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【岸本副知事】着任後2年にあたっての思い、県内各所の教育関連事業を視察して

 職員の皆様、来庁者の皆様、こんにちは。副知事の岸本です。今月は、知事の代わりに私が談話を担当させていただきます。私が一昨年、2024年7月に副知事に就任して以来、間もなく2年となります。就任時に知事から「違いを楽しみ、化学反応を起こしましょう」と言っていただき、また、就任時の会見で「外からの視点や感覚を大事にしながら、滋賀の魅力を発信していきたい」と述べたことを思い出します。

 特に昨年、2025年は大阪・関西万博と国スポ・障スポという大きなイベントが2つ重なり、多くの県民の皆様のほか、外国や他府県の方々ともお話しする機会を数多くいただきました。そこで感じたのは、やはり滋賀っていいところだな、琵琶湖とそれを取り巻く山や川など自然が豊かで、誇れる文化・歴史がたくさんあって、災害が少なく安心して住み続けられるところだなということと、そんな滋賀県をもっとよくしていきたいという県民の皆様からの県政に寄せられる期待の大きさでした。これまでの2年間、周りの方々に支えられ、様々な経験をさせていただき、外から段々中の人になりつつありますが、これからも内と外、両方の視点や感覚を持ち、1日1日を大切に、滋賀県の魅力を高め、発信していけるよう、精いっぱい務めていきたいと思います。

 さて、今日、7月1日は「びわ湖の日」です。そして本日の「びわ湖の日」に始まり、8月27日までは「びわ活重点期間」です。8月27日は、一昨年12月に国連総会で決議された「世界湖沼の日」で、今年は2回目の記念日となります。まず「びわ湖の日」の由来ですが、昭和55年の7月1日に、滋賀県で全国に先駆けて、琵琶湖の富栄養化を防ぐための「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」、いわゆる琵琶湖条例が施行され、その1周年を記念して昭和56年に制定された日です。現在は琵琶湖の水質は改善傾向にありますが、一方で、気候変動による影響や侵略的外来種への対策などの課題もある中で、この「びわ湖の日」は、環境保全についての理解と認識を深め、環境保全活動への参加意欲を高めることを目的として位置づけられています。

 そして、「びわ湖の日」にちなんでぜひ知っていただきたいのは「びわ活」です。「びわ活」とは、琵琶湖を守る、琵琶湖と暮らす、琵琶湖と親しむといった、琵琶湖に関わるさまざまな取組や活動のことで、例えば、ごみ拾いや外来種の駆除活動、湖岸の散策、釣りなども立派なびわ活ですし、環境学習施設に訪れるのもびわ活です。今年は、滋賀県を代表する博物館である琵琶湖博物館が開館30周年を迎える節目の年です。3年前の2023年2月にビワコオオナマズの水槽が破損する事故が発生して以来、皆様のご支援をいただきながら水槽の再建工事を行ってきましたが、ようやく完成し、この4月に新しいビワコオオナマズの水槽とコアユ水槽がお披露目されました。私も、先週27日に見に行ってきました。新しい水槽は琵琶湖最北部の葛籠尾崎(つづらおざき)に伝わる伝説のナマズ岩を再現して設計されたとのことで、新しい水槽で元気に泳ぐビワコオオナマズの姿を見ることができました。また、水槽の裏側に回ると別の水槽があり、ビワコオオナマズとイワトコナマズ、マナマズのお腹を下から見上げられる立体的な構造となっています。いままでちょっと見づらかったナマズたちを下からたっぷり見られるようになり、多くの来館者が琵琶湖に生息するナマズの違いを楽しんでいました。まだ見ていない方は、このびわ活期間中に是非新しい水槽などの水族展示や化石展示などを見に行って、琵琶湖のことをよく知っていただきたいと思います。

 びわ活に関して、最後に。今年度、滋賀県では琵琶湖の保全・再生を応援していただくための新しい寄附制度「びわぽち」をスタートしました。「びわぽち」は、スマートフォン決済アプリ「PayPay」を利用し、専用の二次元コードを読み取るだけで、誰でも手軽に寄附ができる仕組みです。金額も自由に設定できますので、琵琶湖を応援したいという気持ちを気軽な形で届けることができます。いただいた寄附金は、ヨシ群落の保全や湖上パトロール、航行ブイの管理、魚のゆりかご水田をはじめとする世界農業遺産「琵琶湖システム」の推進など、琵琶湖の環境を守り、未来へ引き継ぐためのさまざまな取組に活用されます。琵琶湖の豊かな自然を次世代へつなぐため、私も参加したいと思っています。

 

  滋賀県ではたくさんのユニークな子どもの体験事業を実施していますが、そのうち、5月~6月にかけて、ホールの子事業とうみの子事業を視察させていただきました。「ホールの子」では、滋賀県の舞台芸術の拠点である「びわ湖ホール」に県内の小学生等を招き、子どもたちに本格的な舞台芸術に直接触れる機会を提供することで、子どもたちの舞台芸術への関心を高め、芸術を感じる心や創造性を育むことを目指しています。事業開始16 年目となる今年度は過去最多の1 万 7 千人を超える児童が参加する特別な年となりました。プログラムの後半で、毎年、子どもたちが劇場専属の「びわ湖ホール声楽アンサンブル」と一緒に「翼をください」を手話を交えながら一緒に歌うのですが、今年も色々な地域から来た子どもたちの歌声が一つとなってホール全体を包み込み、音の豊かさを五感で感じながら共通の体験を分かち合う貴重な時間となりました。びわ湖ホールは今年7月から改修のため20ヶ月閉館となりますが、再開後はさらにパワーアップして、これからも多くの滋賀の子どもたちにこの事業を体験してもらう予定です。

 また、「うみの子」は40年以上継続され、滋賀県で育った50代前半から下の方のほとんどが思い出として共有している歴史ある事業で、県庁内にも行かれたことがある方は多いと思います。正式名称は「びわ湖フローティングスクール」といい、滋賀県内の小学5年生全員が1泊2日で学習船にのり、琵琶湖の水質検査やプランクトン、魚の観察などを通じ、自然環境を学ぶ活動を行います。昨年の国スポの開会式でも、象徴的なコンテンツとして活用され、例えば、開会プログラムでは、大型スクリーンにうみのこが出航する映像が上映されるオープニングから始まり、親子2世代の共通体験としてうみのこ体験談の発表やうみのこ就航歌「希望の船」の合唱、そしてクライマックスには学習船をモチーフにした炬火台への点火など、県民の胸があつくなるような、また、全国からの来県者に「琵琶湖との共生」を印象づけるような内容となっていました。

 私も着任以来、うみのこの話は色々な人から聞いてはいましたが、一昨日、彦根港から子どもたちと一緒に船にのり、初めてその様子を間近にみることができました。残念ながら、経験者の多くの方が「とてもおいしい」という「うみの子カレー」は食べられなかったのですが、子どもたちがいきいきとびわ湖学習する様子を見たり、子どもたちと同じ琵琶湖の食材を使った焼き魚ランチをいただくなど、琵琶湖の恵みをダイレクトに体験できる貴重な一日となりました。うみのこ事業は、これまで40年以上、多くの関係者の御理解御協力があって築き上げてきた事業であり、これからも滋賀県の特色ある大事な教育財産として守っていかねばならないと感じました。

 また、先月はその他の教育活動も視察することができました。皆さんは「あすくる」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。非行などの問題を抱えた20歳までの少年に居場所を提供し、健やかに成長していくための立ち直りの支援をする施設のことで、県内9か所で少年を支援する活動を続けています。具体的な支援の内容としては、生活リズムを整える生活改善支援から、将来自分が何をやりたいのかなどを探る自分探しの支援、就学・就労支援や家庭支援まで本当に様々で、カウンセリングで心のケアを行いながらそれぞれの少年の状況に合わせた内容を提案し、社会に出るまでの伴走支援をしています。私が視察させていただいた「あすくる」では、少年だけでなく、家族への支援を行ったり在籍する学校と連携した活動をしており、さらに、支援の終了に当たっては、福祉機関など他機関と連携して相談先を確保し、本人とつなげるなど、少年の置かれている環境全体や支援終了後の未来にも目配りをしたきめ細かな活動をされていました。様々な背景と課題をトータルで理解し、関係者が連携しながら継続的に支援していくことの重要性を改めて感じました。

 また、滋賀県内初の公立夜間中学として昨年4月に湖南市に開設された甲西中学校夜間学級も視察させていただくことができました。さまざまな事情により小中学校に十分に通うことができなかった方や、外国籍の方など多様な背景を持つ方の「学び直しの場」として、現在は年齢・国籍を問わず24名が在籍し、学ぶことの楽しさを実感しながら意欲的に学習に取り組んでいらっしゃいます。教頭先生からは、昼間部との併設型のよさを生かし、昼間部と夜間部の生徒が文化祭や体育大会等の行事を通じて交流することで、双方にとって多様性や共生社会への理解を深める貴重な機会となっているということや、県内各市町から通学しているため、全県的に連携しながら支援を継続していく必要があることなどのお話も伺いました。このような学び直しの場は「誰一人取り残さない」理念を体現するものであり、継続的に広域で支援していくことが必要となります。直近では、令和9年度に入学を希望される方を対象とした入学希望者説明会が10月と11月に開催されるとのことで、学び直しを希望される方に是非この夜間学級の存在が届いてほしいと願っています。

 次に、2028年(令和10年)4月開校予定の県立高等専門学校についてです。高専に関心のある県内外の企業400社等と高専が連携・共創するプラットフォームとして創設された「共創フォーラム」では、これまでも継続的に「高専生の未来可能性」や「ダイバーシティ」などをキーワードにイベントを開催してきましたが、今年第1回目となる「共創フォーラム」が5月28日に開催されました。今回は、各企業と開校準備教員とが「共創インターンシップ」などの関心事項について、双方向でコミュニケーションを図る場として開催しました。当日は多数の企業に実際に生徒が学ぶカリキュラムの内容を紹介し、意見交換会を行うことで、開校後の高専についてより具体的にイメージしていただけたのではないかと考えています。現在、高専設置準備担当においては、各企業への個別訪問や意見交換を行っていますし、順次校舎等の施設建設工事の入札手続を行うなど、着々と開校の準備を進めています。令和10年に県立高専に入学する第1期生はいま中学2年生ですので、今後志願者獲得に向けた入試広報活動として県内中学校への訪問・説明、プレオープンキャンパス、地域開催型出前授業等を積極的に展開していくことになっています。現在、本館1階の県民サロンで高専の模型図を展示し、パンフレットも置いてありますので、皆さんの周りに高専に関心のあるお子さんがいらっしゃれば是非ご紹介していただければと思います。

 最後に防犯関係のトピックとして、特殊詐欺防止についてお話したいと思います。先週、彦根警察署で1日警察署長として、署員の皆さんと共に詐欺防止の啓発活動を行いました。交通安全や防犯は、行政だけでなく地域や県民の皆様との連携によって支えられており、地域の安全は皆で作り上げていくものであることを改めて感じました。特殊詐欺被害については全国的にも毎日のようにニュースになっていますが、本県においても過去最悪のペースで増加しています。県民の大切な財産を詐欺で奪われ、日常生活や家族関係を大きく毀損してしまうような事態を何としても食い止めなければなりません。特殊詐欺の手口は年々巧妙化し、最近では警察官を騙るケースも多くなっています。高齢者だけでなく若い方も被害にあうケースも増えています。誰もが巻き込まれる可能性があるということを意識し、少しでもおかしいと思ったときは遠慮なく警察に問い合わせたり、身近な人に相談するなどしてほしいと思います。対策としては、電話対策が重要であり、警察庁が推奨する詐欺電話や国際電話をブロックするアプリが有効であるとのことですので、是非身近な方も含め、アプリをダウンロードしていただきたいと思います。私自身も十分注意するとともに、今後も安全・安心な滋賀県づくりに努めていきたいと思います。

 今年度が始まり早くも3か月が過ぎ、新しい業務に携わる方も、仕事の流れやコツをつかんで 軌道に乗ってくると同時に、疲れが溜まってくる頃かと思います。また、気温や湿度の変化が大きく、体調に変化の出やすい季節でもあります。先月から夏季休暇の取得期間が始まっていますので、所属内で互いに声をかけ合って十分な休息の機会をとり、仕事とプライベートにメリハリをつけていただきたいと思います。こころとからだの健康を保ちながら今月も元気に、一緒に頑張りましょう!これで談話を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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