ご来庁の皆さん、職員の皆さんこんにちは!滋賀県知事の三日月大造です。
12月になりました。紅葉から落ち葉へ。冷たい風も吹く「冬」になりました。寒く乾燥することも多く、インフルエンザも流行しているようです。うるおいや免疫力を保ちながらくれぐれも自愛してまいりましょう!
さて、「冬の湖国」。感じ、楽しんでいらっしゃいますか?私は日野菜や矢島かぶら、伊吹大根など、この時期が旬の甘さや辛さを増す近江の伝統野菜から栄養をいただいています。先月、伊吹山や比良山系も少しだけ「雪化粧」しましたね。山本山のおばあちゃんも29シーズン連続で飛来してくれました!私たちは水鳥達も一緒に仲良く越冬します。鳥インフルエンザは心配ですが。
今日から琵琶湖ではアユのエリ漁が始まりました。水位とともに釣果を気にしています。人工河川からの放流の効果はあったでしょうか?午前に受けた速報では、最低だった昨年よりは漁獲がおかげさまであるようで、少しホッとしています。ただ過去10年の平均と比べるとまだまだ少ないようですので、今後の状況等注視しながら、必要な調査や対策等、実施してまいります。温暖化、気候変動の影響は、確実に琵琶湖や湖国の生態系にも及びはじめているようです。琵琶湖を窓に地球環境をみる、琵琶湖を鏡に私たちの暮らしや生き方を見つめ直す。
さて、久しぶりの知事談話です。少々太い肉声をお届けします。お付き合いください。職員の皆さんの、日々刻々のお仕事に心から敬意を表します。
先週からは県議会、11月定例会議が始まりました。良い意味での緊張感をもって臨みます。これから実施いたします答弁協議、楽しみにしております。国の予算編成や税制改正、目玉施策の財源などの議論も本格化してきました。物価高騰対策など県民の皆さんの生活や生産に必要な施策、未来への投資という観点で重要な予算の検討も、鋭意進めてまいりましょう!
早いもので今年も残すところ1か月となりました。今年1年を顧みる、年末の振り返りは改めてさせていただきますが、今月は、先月出張させていただいた中国とブラジルのことを紹介いたします。
中国は戦後80年という節目、ともに平和を祈念・希求する取組として1983年から友好姉妹省である湖南省を訪問いたしました。戦争で肉親等なくされた遺族の皆さん、書道を通じて文化交流をされる皆さん、高校生の皆さんなど総勢150名もの訪中団でした。最近、日中関係が少し揺らいでいるようですが、私たちの訪中や行事にはギリギリ?いや奇跡的に、おかげさまで何の影響もなく、心の通ったこれからに繋がる交流が出来たと感謝しています。瀋暁明湖南省書記と初めて会談させていただき、昼食もともにいたしました。そのお人柄に親しみと尊敬、信頼の念を抱きました。湖南省は滋賀県と比べて人口も面積も50倍。友好姉妹提携した時から経済・社会状況も大きく変化しています。言葉が通じなくてもすぐに仲良くなれる高校生同士の交わり、墨と筆、漢字など共通の文化を通じた交流、AIや自動運転、メディア産業やものづくりなど最先端を追求し巨大な市場を有する隣国との経済連携にも大いなる可能性を感じました。「養老」、こちらの言葉でいうところの介護や健康長寿の分野での連携も改めて模索したいと思いました。引き続き、雨森芳洲先生の「誠信の交わり」の教え、大切に体現していきたいと存じます。
ブラジルには、1980年から友好姉妹協定を締結して交流している最南部 リオグランデドスール州と45周年の節目の記念行事を行うため、訪問いたしました。知事の訪問は25年ぶりとのこと。ブラジル滋賀県人会の皆さまからも熱烈な歓迎を受けました。サンパウロのジャパンハウスで開催した「滋賀県セミナー」では、滋賀県のこと、琵琶湖のこと、特に重点的に水環境保全のことなどを紹介し、多くの方から強い関心を寄せていただきました。1900年代、滋賀県からも多くの移民がブラジルにわたり、多大な苦労を重ねてこられました。現在、約270万人もの日系人がブラジルにはいらっしゃり、その絆は強く、コミュニティもある親日の、何より可能性のある大国です。リオグランデドスール州は、昨年、甚大な洪水被害を受けられたこともあり、今回、県の河川・砂防の技術職員3名も同行。現地での調査や州や市の担当職員との技術交流もしてくれました。1000年に一度の大雨が連続して降る昨今、上流と下流、自治体間の連携、堤防などのハード整備、リスクを知り、備えるソフト対策と組み合わせた流域治水の必要性など、文化や経済の交流に加えて、気候変動の中、水や災害にまつわる技術交流の重要性も実感したところです。
いずれの訪問にも、目片議長はじめ、多くの県議会議員の皆さんもご一緒いただき、これまでの交流の歴史をご確認いただくとともに、これからの可能性についてご体感いただきました。議論・検討の素材を共通体験できたことの意義も感じたところです。何より「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」の開催に加えて、並行して、その後となった今回の海外出張には、総合企画部、健康医療福祉部、商工観光労働部をはじめ、多くの職員が準備や調整、運営や随行などで関わってくれました。何より無事で、歴史にも記憶にも残る、他県にはない有意義な大事業を完遂してくれたことに感謝したいと思います。
今回のブラジル出張時では、ブラジルのリオデジャネイロ出身で、JETプログラムの国際交流員として昨年度から本県に在籍してくれているジエゴさんが、ホテルで転倒して腕を骨折するという災難も受けながら、ポルトガル語での通訳や空港での乗り継ぎ交渉など、たくさんのファインプレー・貢献をする大活躍でした!感謝とともに、ここで称えたいと思います。Muito obrigado!!
先週11月22日早朝、長浜市余呉町菅並の洞壽院で坐禅と写経をさせていただきました。山中で、川の流れの音を聴きながら、一人、静かに、心を新たにすることができました。ひと皮むけたようにも思います。浮かんだ言葉は、無自無私無心 一体山河身心 不動心。決意を込めてしたためました。はらをくくって、一つひとつのことに正対してまいりたいと存じます。
気忙しくなる12月。今週は寒波も来るようです。無理せず、心はなくさぬよう、声をかけ合い、助け合って、ともに頑張ってまいりましょう!