2025年令和7年、あけましておめでとうございます。年あらたまる新年、こうして皆さんと一緒に、生きて無事に迎えられたこと、決意新たに仕事始めの時を共有していること、嬉しく思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
初春や脱皮できたかわれに問ひ
元旦にふと浮かんだ句です。十二支で巳年。十干十二支では「きのとみ」「いつし」の今年。世界をみれば激動、激変が予想され、歴史を顧みても大きくことが動き、決まり、終わる年なんでしょうね。地球は気候変動の影響がいたるところで起こっているということも指摘されております。【再生と変化の年】という表現をされる方もいらっしゃいます。
*琵琶湖はじめ自然の中でともにいきること
*世界とともにいきること
*すべてのひとといきものとともにいきること
を大事にしたいと思います。
4月からは大阪・関西万博、秋にはいよいよわたSHIGA輝く国スポ・障スポが開催されますので、「輝く1年」を一緒につくっていきたいと思います。
ともに生きるため、また輝く1年を作るために、「琵琶湖とくらしを守る。三方よしで笑顔を広げる。豊かな未来をともにつくる。」これは今年度から私達が掲げ、その具現実践に取り組んでおります、滋賀県職員の志、パーパスであります。このパーパスの再確認からスタートしたいと思います。
三つの柱に沿って申し上げます。
年末にお伺いしますと、この年始の挨拶で、何を言うのか待ってますという方がいらっしゃいますので、少し時間をいただきながら、若干細かいこともあるのかもしれませんが、お話ししたいと思います。
一つ目の柱は、琵琶湖についてです。
お預かりしている琵琶湖は健康でしょうか?守れているだろうか?常に自問し、琵琶湖を「窓」に、地球の環境、そして世界の動向を見て、琵琶湖を「鏡」に、わたしたちの日々のくらしを見つめ直し、改める姿勢を持ちたいと思います。8月27日が世界湖沼の日と、国連で決議されました。1984年8月27日に、第1回の世界湖沼会議が開催された、この滋賀県の責任は、とても重いと思います。そこで、世界、とりわけグローバルサウスの国や地域とつながり、科学の知見、県民の行動、行政の決断を総動員して、MLGsを進化させていきます。また、水位や水質を常にモニタリングしながら、上下流地域の連携を磨き、アユやニゴロブナなど固有の水産資源回復の動きを強め、水源のやま、もりの健康を高める取組を進めるとともに、ライフラインである上下水道の経営の持続性を高める検討に着手いたします。
二つ目の柱は、笑顔についてです。笑顔を広げるとありますが、笑顔の基は無事・安全・平和にあります。今年は阪神淡路大震災から30年、そして終戦から80年の節目を迎えます。防災と平和を強調して、笑顔を広げることに貢献できる滋賀県政を作っていきましょう。
防災の面では、これまでの震災を教訓に、南海トラフ震災を想定して、防災・減災・国土強靱化の推進、自助・共助・公助、あらゆる面での防災力強化の取り組みとともに、原発防災を再点検し、再エネ導入の仕組み作りを再整備していくことを呼びかけます。また、防犯の面におきましても、トクリュウ対策や、再犯防止のための生きづらさへの寄り添いなど、引き続き取組を行っていきましょう。
とくに、平和というテーマについては、戦後80年。中国大陸等への侵略、沖縄戦、広島・長崎での原爆投下による被爆の歴史を直視し、平和祈念館での展示、戦争で亡くなられた方への追悼慰霊を通じて、戦争の悲惨さ、平和の尊さを知り、学び、語り継ぐ活動を丁寧に強化充実させていきます。
さらに笑顔の基礎は人権です。人権尊重、ジェンダー平等、多文化共生のためのプランを作るとともに、その内容の具現実践に努めるとともに、ジェンダー平等債発行への検討を加速させます。
笑顔というテーマであと二つ申し上げます。その一つは食です。食べること、一緒に食べること、食べるものをつくること、届けることに着目をして、農・畜・水産業の基盤を担い手やインフラとともに強化しながら、滋賀の子どもたちの学校給食を地産地消で届けるモデル事業をつくり、国スポのレガシーとして、健康しが、シガリズム、琵琶湖システム。食でつなぎ、彩るおもてなしプロジェクトを考えたいと思います。また、滋賀の「高校生のお昼ごはん」おいしく楽しく負担少なく届ける仕組みづくりにチャレンジできないか検討を始めることといたします。
もう一つ、笑顔を広げるテーマに交通と公園があります。楽しく、彩りたいと思います。注目される施策を進化させる1年にしていきましょう。これまでの対話をさらに進めて、私たちが望み、求めるくらしを交通と公園を絡めて描き、それを、実現していくための仕組みや負担についてのコンセンサスづくりを前に進めていきたいと思います。特に交通については、公有民営方式を実現させ、ライドシェアや自動運転の試行を始めるとともに、交通税を含めた財源づくりの見通しを提示する大事な一年になることと思います。
三つの柱は、ともにつくる豊かな未来。この豊かな未来のために、二つの強化を行います。一つ目は、子ども・子ども・子ども。子ども基本条例制定へ、成案をまとめ、それを提示するとともに、すべての子どもが安心して育ち、学べる環境づくり、学ぶ力や読み解く力向上への取り組み、こども図書館プロジェクト。これらを引き続き進めてまいります。また、全ての子どもの様々な体験プログラムを仮称しがのこどものなつやすみとして束ね、発信・提供していく取組をスタートさせたいと思います。
二つ目として、豊かな未来への一歩をともにつくる場として、「高校・大学」があります。伊香高校もりの探求科、守山北高校みらい共創科がいよいよ4月にスタートします。アグリ、マイスター、クリエイターなどの新たなテーマで、滋賀の高校の魅力化をさらに進めるとともに、生徒数減少を踏まえた高校のあり方の検討、計画的な施設改修に向けた議論を始めていきます。また、滋賀県立高等専門学校高専については、令和10年2028年開校へ準備を発信強化しながら、加速させていきましょう。昨年、立命館大学がBKC開設から30周年、今年、滋賀県立大学が開学30周年、そして滋賀大学教育学部が創立150周年という節目を迎えます。
滋賀の強みである大学との連携をさらに強化し、地域の活力づくりや、必要な人材、新たな産業づくりを進めるため、県庁の組織体制の強化を検討することといたします。
以上、パーパスの三つの柱に沿って、今年、重点強化したい項目等を述べました。
いよいよ年が明けましたので、2月、3月の議会に向けて予算の編成、そして、組織体制人事の検討など大詰めを迎えてくることとなります。この体制でこのメンバーで仕事する期間も残りわずかでございますので、県庁での皆さんの仕事を、それぞれやりがいを持って進めていけるように特に幹部の皆様方には意を用いていただきたいと思います。と同時に、対話を。職員との対話、また現場で何が起こってるのかということについて、改めてみんなで共有することができるよう、私自身も、職員との対話、さらに機会を持つと同時に、これまで行かせていただいたけれども、若干時間が経っている現場や、まだ行けてない現場を訪問させていただきたいと思いますので、それぞれの部局でご協力をいただければと存じます。何より助け合って、やりがいを持って仕事を進めていくために、自治体職員の働く環境をさらに改善していくことが、不可欠であると考えています。
たくさんありますが、ここでは二つだけ提起したいと思います。
一つ目は、市町と連携した専門技術職員の確保育成への仕組みづくり。それぞれの職場で、育休取得を気兼ねなく行える仕組みづくりへの検討など、職員、団体との協議も丁寧に重ねながら、滋賀県らしいモデルを構築していくこととしたいと思います。
二つ目は、今年は何といっても大きなイベントがあります。
いのち輝く未来社会のデザインをテーマに、大阪・関西万博が4月13日から、「シャイン」をイメージソングに「湖国の感動未来へつなぐ」を大会スローガンに、44年ぶりにわたSHIGA輝く国スポ障スポが9月6日から開催されます。これは滋賀県にとってビッグチャンスだと思います。せっかくの機会ですので、何らかの形で一人ひとりそれぞれが関わり、偶然の新しい出会いを楽しみながら、私達一人ひとりの存在が輝く、そして、大切な命の輝きを増すことができる1年にしようではありませんか。輝く滋賀をつくる1年にしたいと思います。
ともにいきる健康しがづくりへ、着実に前進する輝く1年となることを祈り、またそのために頑張ることを誓い、年頭のご挨拶とさせていただきます。今年も一緒に頑張りましょう。どうぞよろしくお願いいたします。