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今月、おすすめの書籍『福祉の思想』(糸賀一雄著)

御来庁の皆さん、職員の皆さん、こんにちは。滋賀県知事の三日月大造です。

令和7年(2025年)2月の知事談話をお届けします。

 

昨夜は節分。妻とひっそり豆まきをしまして、良くない鬼を外へ、福と良い鬼は内へ入れられるよう、誓い、祈りました。

今日は立春。暦の上ではいよいよ春ですね!

最近、朝、明るくなる時間が早くなってきたように感じます。木々の冬芽の形も少し変わり、鳥のさえずりがにぎやかになったようにも感じます。

受験シーズンです。お子様が受験生という職員の皆さんもいらっしゃるでしょう。夢へ、志望する進路へ、一歩。自分を、やってきたことを信じて、頑張ってほしいと思います。

 

昨日は、岡山県倉敷市へ、国民スポーツ大会冬季大会のアイスホッケー少年の競技の応援に行きました。結果は、岡山県を相手に見事勝利!ベスト4をかけて今日、ちょうど今頃、強豪・青森県と戦っています。スケート競技では、初めて7位入賞の快挙!目標の天皇杯獲得へ順調な滑り出しです。15、16日には、岸本副知事に秋田県で開催されるスキー競技の応援に行っていただきます。

今年はいよいよ、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」を開催する年!会期前競技と言われる草津市での水泳競技まで215日となりました。お迎え、おもてなしする準備も大詰めです。職場、所属を越えて全庁的に応援体制をつくって対応いたします。よろしく御協力ください。

また、せっかくの機会ですから、「する」もよし、「みる」も、応援もよし、職務やボランティアで「支える」もよし、何らかのカタチで関わって感動を共有し、経験を積み重ねられると良いですね。

世界農業遺産「琵琶湖システム」を発信・表現する「びわ湖魚グルメ」も先日、第二弾が発表されました!旅館やホテル、お店で、おいしいお料理でお迎えする準備も徐々に整ってきています。

 

この2月も、県議会では2月定例会議が開会されます。各部局、職員の皆さんと編成に尽力してきた令和7年度予算案はじめ、(仮称)滋賀県子ども基本条例案など、数多くの大切な議案の審議に臨みます。情理を尽くして、説明責任を果たしてまいりたいと存じます。

 

また、今月も県内各地で、各テーマで、さまざまなイベントや行事が開催されます。昨日はウィリアム・メレル・ヴォーリズ先生が明治時代に来日されて120年の節目、近江八幡市で記念のフォーラムが開催されました。私は行けなかったのですが、いかがだったでしょうか。ヴォーリズ先生はなぜ滋賀県に来られたのか?何を伝え、何を残されたのか?多文化共生や三方よしとのかかわりで言えることはないのか?これまで、ゆかりの皆様と一緒に勉強会を重ねてきました。今、NHKの連続テレビ小説は「おむすび」、来年の大河ドラマは「豊臣兄弟!」。ヴォーリズ先生を題材として取り上げていただける日を夢見ながら活動していきたい!と考えています。

11日には、東近江市の市制施行20周年の記念式典のほか、健康医療福祉部医療政策課が所管するCDR(チャイルド・デス・レビュー)のシンポジウムも開催されますし、13日には野洲文化ホールにて第3回目となる「高専共創フォーラム」が、15日には滋賀の交通について考える「未来アイデア会議」が、16日には滋賀県北部の高校生徒会の皆さんと語る「高校生サミット」が、そして、24日には文化・経済フォーラム滋賀の総会も開催予定です。忙しいですね。

 

もちろん、行事やイベントだけではありません。日常の業務を含めて、この体制、このメンバーで仕事ができるのもあと2ヶ月です。一期一会、味わい、楽しみながら仕事をしていきましょう!

まず、今年度の事業や施策の完遂へ、そして、次年度へ。また、より良い状態で県政を引き継いでいくためにも、人材育成の観点からも、この2ヶ月は重要だと考えます。有効に使い、過ごしていきましょう!

 

最後に、今月は一冊の本を紹介します。自らの近江学園の創設や実践活動をもとに、「この子らを世の光に」と説かれた、日本の障害者福祉の父と称される糸賀一雄先生の御著書『福祉の思想』です。亡くなられた1968年に出版されて以降、重版に重版を重ね、広く長く世の中に読み継がれています。

まず、「わが国の現実の世界に生起するさまざまな不幸に対して、深い関心を抱かざるを得ない」と始まり、糸賀先生の深い人間愛から、一人ひとりの「今」と「これから」、その育ちと学び、そのものが強烈に発する光にやさしい眼差しが向けられ、言葉が紡がれています。人間の感情や、人間と人間の関係に対する鋭い洞察から、現在で言うところの障害を巡る受容や支援、社会のあり方、福祉というものがもつ限りない可能性、人間の価値について熱く、篤く語られています。

私も、今改めて購入して、再度熟読しているところです。たしかに、「このように思うことがあるな」とか、「そうか、このように考えればよいのか」とか、「このような想いで始められたことだったのか」などなど、自分の思索やこれからの実践にも道標を与えてくれる書だと実感しています。

福祉を担当する人だけではなく、障害のある家族と暮らす人だけでなく、すべての人が読み、感じ、考える材料にすべき、滋賀県民の必読書と言っても言い過ぎではないと思います。職員の皆さん、滋賀県内、地域の書店で購入して読んでみてはいかがでしょうか?

世界がどうなるかわからないとき、人間のやることをAIで代替できるようになる未来に向かって歩むとき、歴史に学ぶ視座と姿勢を大切にしたいと思います。

 

寒波の襲来も予報されています。暖かくして過ごしてください。

忙しい日々、刻々だと思いますが、心は失わず、自らを保ち、「琵琶湖とくらしを守る。三方よしで笑顔を広げる。豊かな未来をともにつくる」仕事に喜びをもって勤しんでまいりましょう!

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