文字サイズ

令和6年(2024年)知事新年あいさつ

2024年、令和6年、あけましておめでとうございます。

コロナ禍もおかげさまで乗り越えて、こうして生きて、無事に、本日、この時を迎えられたことをとても嬉しく思います。

元旦、一日午後、北陸・能登で大きな地震が発生いたしました。多くの方々が犠牲となられ、被災されていらっしゃいます。心からお見舞いを申し上げます。

既に仕事は始まっております。

年末年始、夜間も含め公務にあたってくれた職員、また、派遣され被災地で活動中の職員もおります。心をともにしたいと思います。被災している北陸地方に近隣接する滋賀県といたしまして、中部圏ならびに連合長を務める関西広域連合の枠組みの中で連携して市町や関係機関とも協力しながら全力で被災地支援にあたってまいります。最大限、協力してほしいと思います。

同時に、南海トラフ地震や琵琶湖西岸断層地震への備えを強化していきたいと思いますので、この点もあわせてよろしくお願いいたします。

 

年始から波乱の今年でありますが、無事・平和・平穏を祈りつつ、3つの決意を皆さんと共有したいと思います。

一つは、十干十二支で甲辰(きのえたつ)の今年であります。シン・ジダイへ新しく始めること、また、来年へ未来へつくっていくことごとについて、夢や希望をもって、旧弊に囚われず、力強く前進する一年にしたいと思います。

わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会は、いよいよ来年、633日後に開催となります。来年は、2025大阪・関西万博もあり、戦後80年の節目でもあります。バッテリー、半導体など新たな産業立地も進んでいくこととなります。準備を進めるとともに、レガシーづくりにも取り組んでいきましょう。

 

二つ目は、いのちを大切に自分らしく、こころとからだ健やかに、支え合って生きていける「健康しが2.0づくり」をさらに進めていきたいと思います。老いや病、弱さや衰え、死を直視し、ともに生きていることに喜びや楽しさを感じられる滋賀をみんなでつくっていきたいと強く思います。

 

そして、三つ目。足元や身の回りを見つめ直し、困難な問題から逃げず、先送りせず、対話を重ね、共感を広げ、ともに創る県政をつくっていきましょう。

気候の変動、生態系の変化、人口の減少、人材や財源の不足などといった様々な変化や条件から目を背けず、根本・根幹を問い直す契機にしていきたいと存じます。

その上で、安全・安心、持続可能性を前提にしながら、重点的に注力するテーマを3点申し上げます。

一点目は、「子ども・子ども・子ども」です。

このテーマでは、子ども一人ひとり、子どものまわりにいる大人一人ひとりを大切にする視点を常に持って対応しよう。子どもの意見の尊重や子どもの社会参画が進められるよう、子どもの権利などを規定する(仮称)子ども基本条例案を今年、県議会に上程する予定です。市町の子育て施策を支援する交付金の創設や市町と協力した医療費助成の高校生世代までの拡充を実施します。高校の魅力化、県立高専設置の準備、こどなBASEの取組など、子どもたちの学びの充実のための施策、育ちの場の確保のための施策を前へ広く進めてまいりましょう。

 

二点目は、公共交通の充実・活性化による健康まちづくりです。

みんなで声を集め、議論してきた「地域交通ビジョン」を年度内に策定し、ビジョン実現のための具体的施策や財源についての議論を本格的に始めていきます。特に財源について、それを交通税という私たちが広く、少しずつ、負担分担する形で施策や財源をつくれるとすれば、どういう暮らしをつくっていけるのか提示していく一年にしたいと思います。

また、近江鉄道も今年、新たなスキームで再スタートいたします。民公共創のモデルを一緒につくり、示していきましょう。

公共交通は、単なる移動手段ではなく、私たちの日々の生活、通勤や通学、買い物や観光、産業振興など基盤となるものであります。まさに自治そのものです。どうやってみんなでつくり、支え合うか。安全第一に、規制の緩和や新技術の導入などにも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

 

三点目は、お預かりする琵琶湖のこと、水のこと、その源である、やまのこと、その恵みを頂く第一次産業、農林水産業の振興であります。水の恵みに常に感謝し、水のつながりを大切にする一年にしたいと存じます。

昨年末より、気をもんでいた琵琶湖の水位は、今朝6時の時点で、マイナス78センチ。その水位観測は、明治7年、1874年に始まって以来、今年で150周年という節目でもあるそうです。水位の回復は、当面、横ばいでありながら、見込めないこと、また、沿岸等にも様々な影響が出始めていることに鑑み、本日16時をもって副知事を本部長とする「滋賀県渇水対策本部」を設置し、全体調整を行うことといたします。

 

琵琶湖の価値、淡水資源の大切さを、関西や全国、そして、世界に発信するため、「世界湖沼デー」の制定の働きかけを精力的に行います。

また、琵琶湖には約80もの様々な水中遺跡があり、古代湖水中に残る遺跡は世界でも珍しく、世界に誇れる水中遺跡の宝庫だということを知りました。折しも、今年はその代表ともいえる葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡が発見されて100周年ということだそうです。葛籠尾崎湖底遺跡魅力発掘・発信のプロジェクトをスタートさせたいと思います。

その他、滋賀県材活用、木育の推進、しがのふるさと支え合いプロジェクト、きらみずき・みおしずくの生産振興などを前進させていきたいと思います。

 

そして、こうした課題克服の先進モデル地域としての北部振興についてでありますが、北陸新幹線敦賀開業も二か月後に迫ってまいりました。これら三つの重点テーマを「北の近江振興プロジェクト」の中で、どのように位置付けて進めていけるのか常に考えていきたいと思います。

 

最後に、こうして年改まり1月になれば、この間、進めてきた来年度予算案、組織づくりは仕上げの時を迎えています。みんなで議論を積み重ねてきた滋賀県職員の志、パーパスについても、おかげさまで、まとまりつつあります。こうして、今、ともに滋賀県のために、公のために、未来のために、仕事をできることを意気に感じ、誇りとしながら、今年度も知恵と力を合わせて、一緒に頑張ってまいりましょう。

 

以上を申し上げ、私自身も知事として10年目の今年、皆様と共に、荒波の中で、船、筏を先頭に立って漕ぎ進めることを改めてお誓い申し上げて、年頭にあたりましての私の訓示といたします。

どうか、よろしくお願いいたします。