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仕事始めにあたっての知事あいさつ

職員の皆さん、明けましておめでとうございます。

湖国の冬極まれりと思わせる今朝の冷え込みでございます。

年明け、仕事初め、ともに健やかに迎えられたことを慶び合いたいと存じます。それぞれに英気を養われて、本日をお迎えのことと思います。

職務とはいえ、年末も年始も夜間も、宿直、雪寒対応、児童の養護・相談用務、病院、警察、「ここ滋賀」の年末年始の状況把握等、年末年始も県民の皆様のために仕事をしていただいた多くの職員に、厚く御礼を申し上げたいと思います。

本県は、昨年も自然災害に見舞われました。この教訓をふまえ、本年も引き続き自然の中で今、共に生きていくために、県民の暮らしの安全・安心の確立に向けて、平時からしっかり備え、いざという時に対応できるよう、危機管理、防災対策に使命感と緊張感を持って臨んでまいる所存です。このことを職員の皆さんと共有しておきたいと思います。

さて、今年2018年は明治維新から150年、平成30年という節目にあたります。近代・現代の我が国、また滋賀県の歩みを顧みて、そして次の時代を展望する。さらには自治を大切に、琵琶湖を真ん中に、持続可能な共生社会をつくるという取組への決意を新たにしたいと思います。

滋賀県では、「新しい豊かさ」をみんなでつくろうという基本理念を掲げた基本構想が、今年から来年度にかけて四年目を迎えます。いよいよ仕上げの年です。

昨年からは、「琵琶湖新時代をつくろう」という強いメッセージとともに、国連の新しい開発目標であるSDGsの取組に参画することを表明し、経済界や大学生、県民など、あらゆる方々と連携・協働しながら取組をスタートさせたところです。

10月には「ここ滋賀」、7月に「ジェトロ滋賀貿易情報センター」がオープンしました。これらを最大限に活用し、世界との関わり、つながりの中で、滋賀らしい取組を充実させて「琵琶湖新時代」を発信していこうではありませんか。

その中で、新年、そして新年度、来年度へ向けまして、強調・発信したいこと、それは「健康」です。

一に健康、二に健康、三に健康、「健やか滋賀」をキーワードに皆さんと一緒に取組を進めてまいりたいと思います。

一つ目の健康は「人の健康」です。

昨年、県政世論調査におきまして、「あなたが豊かさ実感するうえで大切なものは何ですか」との問いに、「健康」が70%と最も多く、他の回答項目とは大きく差があります。また昨年、既にご存じのとおり、政府や大学等から、滋賀県民は、平均寿命だけではなく、健康寿命も長いと発表され、注目されているところです。

いよいよ人生100年時代に入りました。あらゆる部局の総力をあげ、連携して、身体的な健康、精神的な健康、そして社会的な健康を追求できる滋賀、老いても、病ともつきあいながら、死とも向き合って、なお自分らしく生きることができる滋賀を、皆さんと一緒につくっていこうではありませんか。

「少子高齢化」という言葉や傾向は、どちらかというと、ネガティブなイメージを持たれたり、不安を抱くような言葉と思われがちですが、多くの大人が、一人ひとりの子どもに目と心をかけていく時代だと受け止めるとするならば、もっとやれることがあるのではないでしょうか。

医療、福祉、保健など、人の命と健康を支えるネットワークの充実はもちろんのこと、スポーツ・文化活動の充実、さらには、生活習慣や教育の視点、IoTやAI、データを駆使、活用して、新たな機器やサービスを開発していく視点。とりわけ、年をとり、体が不自由になっても、行きたいところに行ける、会いたい人に会える、そのための公共交通の充実・維持が大切な視点になってくるのではないでしょうか。

あらゆる視点から「健やか滋賀」を考え、取り組んでいきましょう。

二つ目は、琵琶湖をはじめとする「自然の健康」です。

人間生存の基盤である自然の健康な状態、すなわち生態系の健全さに思いを致し、人間の活動からそれらを守る取組、守るために活かす取組に力を入れてまいりたいと思います。そのためには、研究など支える取組を確立することも重要です。

昨年来、アユの不漁に悩まされています。アユの不漁から見る琵琶湖や自然の健康診断をしっかりと行っていこうではありませんか。そして私たちの日々の行動につなげていかなければならないと考えます。また、琵琶湖をより豊かな状態にして次の世代に引き継ぐためには、山の健康が大切です。山にもっと人の手や心が入る施策を着実に進めていきましょう。

三つ目は「県庁の健康」です。

すなわち、職員の皆さんの健康と財政の健康です。

これまで、イクボス、働き方改革などを進めてきましたが、それらをもっと本格的に取り組む、県庁の「健康経営」に挑んでいきたいと思います。具体の取組内容につきましては、職員の皆さんと知恵を出し合い、考えていきたいと思います。

財政の健康、健全化につきましては、昨年から一歩踏み込んだ行財政改革をする、やろう、と表明しており、今年、一つの正念場を迎えます。新たな財源の確保、真に必要な投資の見極めなど、トップである私も決断するときにはしっかりと決断をいたしますが、職員の皆さんにも知恵と力を出していただくことを強く求めたいと思います。

私自身も今年任期節目を迎えます。新たな熱い決意を込めて、新年、仕事初めにあたっての言葉といたします。今年も元気に共にがんばりましょう。

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。