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図書館力は文化力~図書館サービスで日本一に~

皆さん、おはようございます。8月になりました。暑い日が続きます。

先週は、岩手県で開催された全国知事会議に出席しました。東日本大震災後、初めての被災県での開催であり、知事会として復興に向けた「岩手宣言~千年国家の創造~」を採択しました。

宣言には、被災地に寄り添い支え続ける、災害を風化させず次世代へつなげる、あらゆる災害に負けない『千年国家』を創り上げるといった私たちの決意を盛り込みました。

また、最終日には釜石市と大槌町を視察させていただき、地域の皆様の復興に向けた力強い歩みを感じました。復興に向けて、本県としても引き続き被災地に寄り添い、被災地から学んでまいりたいと思います。

全国各地で豪雨被害も発生しています。あらゆる災害に負けないよう万全の対策をお願いします。

また、7月18日から22日までの4泊5日、東近江市の奥永源寺で短期居住を実施しました。今回で7回目となります。受け入れ、視察にご協力いただいた地域の皆様に感謝いたします。

今回感じたことは3点。一つ目は、木地師、政所茶、林業、登山などの山の資源の可能性。二つ目は、ビワイチサイクリングを内陸部につなぐ「ビワイチプラス」のルート開発の可能性。三つ目は、「チーム永源寺」という多職種連携ネットワークによる見守りや支え合いの仕組みの可能性です。

現地で見聞きし、感じた地域の皆さんの思いを心に刻み、今後の政策判断に活かしてまいりたいと思います。

さて、本日は、「図書館の力」についてお話します。今回の短期居住では、永源寺診療所の花戸貴司医師による訪問診療に同行させていただき、介護保険サービスとご近所の方々に支えられながら生活をされている90歳の女性を訪問しました。ご自宅にたくさんの本があることに驚いて、聞いてみると、地元の図書館で借りた本だとのこと。図書館の司書の方が、ご本人の好みを考えて、毎月1回、20冊ほど本を選んで持ってきてくださるのだそうです。

この女性は、ご高齢でなかなか遠出ができない中、読書をすることが、この上ない日々の楽しみなのだとおっしゃっていました。

住民一人ひとりのそばに在ることを大切にした、地域とつながる東近江市の図書館サービスに感銘を受け、これからの図書館の姿を見た思いがしました。

私は、「図書館力は、文化力」であると思っています。図書館は、一人ひとりが社会の一員として社会に積極的に関わり、人とのつながりをつくり、課題解決のために自ら考え、行動する力、いわゆる「市民性」を育む地域の重要な情報拠点です。また、自由や民主主義の根源であり、それを支える知的インフラであると思います。

図書館の充実は、個々の教養や自立を高め、より良い地域をつくっていこうという草の根自治の進化、創造性や多様性を大切にする文化の力の充実につながります。私たちが、「新しい豊かさ」を実感できる社会をどのように築いていくかをみんなで考えていく中で、図書館の役割は非常に重要なのです。

今、県立図書館では、これからの県立図書館の目指す姿、方向性について検討をしています。滋賀県の平成27年度の公立図書館の県民1人当たり図書貸出冊数は8.35冊、公立図書館の県民1人当たり蔵書冊数は6.86冊で共に全国2位。

知的インフラとしての機能をもう一歩進め、住民に近い存在である市町立図書館とこれまで以上に連携するとともに、小学校、中学校、高等学校、大学といった市町立以外の全ての図書館とも、人、資料、情報のネットワーク化を進めていきたいと考えています。

子どもから高齢者まで全世代に対する図書館サービス、そして障害のある方に対する図書館サービスで日本一を目指してまいりたいと思います。

私自身は、国会議員になってから人一倍国会図書館を活用し、多面的な物事の捉え方や多様な考え方に触れることの大切さを知りました。同時に利用する側の図書館への積極的かつ能動的な関わりも欠かせないと感じています。今知事としても、知識、情報を収集する面でも図書館に大変お世話になっています。

行政が一方的にサービスを提供するだけではなく、県民の皆さんと一緒に日本一の図書館をつくっていきたいと思います。

8月は、お盆等にはご家族、ご親族で集まる方も多いと思います。ふるさとや親、ご先祖様にも思いを馳せる時間、リフレッシュの時間に充ててください。

今月もがんばりましょう。