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7月は徹底的に琵琶湖のことを考えよう

みなさん、おはようございます。

『湖や暑さを惜しむ雲の峰』

この句は、松尾芭蕉が亡くなられる1694年の句であります。膳所公園にその句碑がございます。大津、義仲寺で眠られる松尾芭蕉は、生涯最も多くの句をこの滋賀県で詠まれたといわれており、琵琶湖を題材とされたものもたくさんあります。

さて、明日から7月ですが、7月1日は「びわ湖の日」でございます。

私は、県漁連主催の「第46回びわ湖(漁場)をきれいにする運動」として実施されます沖島での清掃活動に参加させていただく予定です。

この「びわ湖の日」は、「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」、いわゆる「琵琶湖条例」の施行1周年を記念して定められた、琵琶湖への想いをみんなで共有する象徴的な日であります。その後、平成8年(1996年)7月に施行された「滋賀県環境基本条例」で「びわ湖の日」と定めているものです。

皆さんは、仕事でも私生活でも滋賀県の紹介をする機会が多いと思いますが、必ず琵琶湖について触れるでしょうし、琵琶湖について質問を受けることも多いのではないかと思います。私も琵琶湖にこだわって仕事をしています。琵琶湖の素晴らしさ、琵琶湖と共に生きる滋賀県民の暮らしの魅力をもっと多くの方々に知ってもらいたいと思いまして、平成24年に環境政策課が発行しました「琵琶湖ハンドブック改訂版」、平成25年に企画調整課が作成いたしました「Re-DISCOVER琵琶湖」などを読み込んで勉強しながら公務に勤しんでいます。

琵琶湖と人の暮らしの関係をあらわすとき、「周りに住む私たち滋賀県民の暮らしぶりを映し出す鏡」と紹介することがあります。「近畿の水がめ」と言われることもありますが、これについて、平成7年9月議会の代表質問で、当時の稲葉稔知事は、「ポスト琵琶湖総合開発」に関する答弁の中で次のように述べていらっしゃいます。

『余談になりますが、下流において琵琶湖に対する認識というものは、大変大きな格差があります。よく下流の人は、琵琶湖の重要性をあらわすのに、近畿の水がめという表現を用いておりますが、私は、これに非常に強い抵抗感を持っております。琵琶湖は、豊かな生態系を持つそれ自身生きている存在であります。それゆえに世界的に貴重で重要な湖なのであります。水がめという何げない言い方をしておりますけれども、それは無機質な単なる入れ物を意味しておりまして、そこには、要するに水をためおきするのだと。必要なとき、必要なだけくみ出す意識が働いているような気がしてなりません。』

これは稲葉知事の当時の答弁であります。稲葉知事の「人々を潤す水も、琵琶湖が生きておればこそ」というこの考え方は、マザーレイク、母なる湖・琵琶湖と共に生きていく滋賀県の姿勢、私たち県民の気持ちを表しているものだと感じます。

歴代の滋賀県知事は、琵琶湖に対してあふれる愛情を注いでこられました。

私も先輩方に恥じないよう、未来からの預かりものである琵琶湖に熱い想いを注ぎ、その価値をより多くの人にお伝えしていきたいと思います。

私たちの仕事は、文字どおり琵琶湖を真ん中に、琵琶湖への負荷を減らすこと、豊かな生態系や水産資源を守ること、水がつながっていることを意識した林業や農業、暮らしや産業に欠かせない水道事業、ビワイチなどの観光振興や湖上スポーツ、フローティングスクール「うみのこ」などの体験学習、祈りと暮らしの水遺産として日本遺産に認定された文化的資産、命を守る流域治水など、多くの部署が琵琶湖に関わっています。

琵琶湖は私たちにとって、自分自身にとって、どんな存在か。

今一度、この7月に徹底的に琵琶湖のことを考えてほしいと思います。

梅雨の期間中、引き続き大雨への警戒が必要です。それぞれの部署で備えをお願いします。

今月も元気に頑張りましょう。

これで7月の知事談話を終わります。