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「春の一歩」が人生を変える

ご来庁の皆さん、職員の皆さん、こんにちは。3月なりました。
今日はあいにくの雨ですが、たくさん降り積もった雪も解けはじめ、 風や水が少しずつ暖かくなり、鳥の囀りも賑やかになってきました。 そろそろ虫も蠢き始めるのでしょうか。

ロシアによるウクライナ侵攻に強く抗議します。停戦合意が整い一日も早く収束し、平和が戻ることを祈ります。為政者の意地や執着が戦禍を招き市民を犠牲にすることを肝に銘じなければなりません。

 

皆さんは、どのような「春」にしたいですか。私は別れと出会い、出会いと別れを大切に感じたいと思います。

現在、県議会2月定例会議が開会中です。提出している令和3年度当初予算案はじめ各種議案について、説明し、ご理解いただき、 「一緒に頑張りましょう!」という機運や関係をつくる重要な機会です。 「届ける」こと、をテーマの一つとして予算案をつくってきましたので、 努力を傾注したいと思います。

また、「滋賀県が締結する契約に関する条例」がいよいよ4月1日から施行されます。それぞれ、一つ一つ、すべての契約が適切かつ公正に交わされ、履行されますよう、条例と現在策定中の取組方針の内容を職員の皆さん一人ひとりがしっかり確認して取り組んでいただきますようお願いします。

 

新型コロナウィルス感染症との闘いも3年目に入りました。今年に入って感染が急拡大しているオミクロン株。おかげさまで、増加傾向は一定抑えられているものの、なかなか減りきらず、日々多数の新規陽性患者が確認され、医療機関の逼迫や緊迫が続いています。

保健所においても、応援職員の皆さんを含めて、自宅療養者のケアなど懸命に対応していただいています。感染防止対策や事業者支援のための補正予算も議会にお認めいただき、すでに対応いただいています。

昨年末以降、落ち込んだ需要の喚起・回復に貢献した「ここクーポン」ですが、クレジットカード決済サービスへの不正アクセスと情報漏洩の問題にも関係事業者と共に対応しはじめています。

年度末、それぞれの部局や課・室でたくさんの業務課題がある中、コロナ対策に全面的にご協力、ご対応いただいていることに改めて感謝します。

依然減少傾向を確認できませんので、3月も、当面、この体制を維持します。ただ、新年度に向けて、人事異動の時期でもありますので、詳細については総務部人事課より示達します。

 

短く2つ、申し上げます。

1つ目。先月2月9日、今年度4月に入庁された新規採用職員7名の皆さんと意見交換する機会がありました。
現場で住民の皆さんの声を伺い、直接的なサービス提供に頑張っていること、新たな広報パンフレットの作成業務に携わったこと、いざという時のため、また縁の下の力持ちとして、大切な許認可手続きのため、 内部管理や関係者や庁内各部署との調整業務に当たっていることなど、入庁後の感想や職場の様子などと共に話を聞かせていただきました。

なんとなく眩しく、初々しく、「1年目」ならではのフレッシュさも感じましたし、悩みや戸惑いを抱えながらも、前向きに頑張ってくれていることを頼もしく思いました。同時に、それぞれの職場で、先輩職員の皆さんがよき相談相手、支援者・伴奏者になってくれていることもお伺いすることができ嬉しく感じました。

今年度、重点的に呼びかけている「ひとづくり」や「チームづくり」のために、日々、一つ一つの業務や会話、声かけを大事にしていきましょう。

「貌・言・視・聴・思」の「五事を正す」とは、わが国の陽明学の祖、わが故郷が誇る近江聖人、中江藤樹先生の教えです。1 なごやかな顔つき、2 思いやりある言葉での話しかけ、3 澄んだ目で物事を見つめ、4 人の話にしっかりと耳を傾けて、5 まごころ込めて相手のことを思いやる。それぞれの職場でみんなで実践していきましょう。

 

もう1つは、「子ども・子ども・子ども」です。
「子どものために、子どもとともにつくる県政」を目指すと表明しています。

1月23日には子ども県議会の本会議が行われ、議員の皆さんから鋭い着眼点からの素晴らしい提案をいただきました。中でも、議員のお一人、中学3年生の田井中歩乃佳さんから、「子どもが社会に参加する世の中」と題して、「子どもというだけで社会にものを言う機会が限られる」ことや「意見を表明することはできるが、 大人の一方的な意見を聞くだけで対話になっていない」こと、「なぜそうなるのか、どうすれば一番良い方法が見つかるか、お互いの言葉を聞いて話し合いを繰り返すことで対等な関係として一緒に考えたい」 と述べられた上で、「子どもも社会の一員。人間である以上、私たちも社会的存在の一人なのです」と熱い想いを表明していただきました。

私自身、原点となる経験があります。
前の仕事をしている時、国会見学に来てくれた小学生を前に、「皆さんも社会人や納税者になればわかると思いますが、」と偉そうに述べた時、ある子どもから「私たちも社会の一員だと思います。お小遣いでものを買った時には消費税を払っていますが」と言われ、ハッとしました。

私たち大人は、ついつい子どもとの間に線を引き、上からの目線で、実はわかっていないのにわかったようにものを言うこと、全然心に届かず響かないことを言ってしまうことがしばしばあります。良かれと思いやっていることが、実は子どもや次の世代にとって、良くないことにつながっていることもあるのではないでしょうか。

温かく見守ることや、困難な状況にある子どもに手を差し伸べることはもちろん必要ですし、子どもの育ちや学びを支える施策をつくることにもより一層力を入れて取り組みますが、子どもを権利の主体として捉え、目線を合わせて、対話しながら、「子どもとともにつくる県政」でありたいと思います。業務上直接関係ないかなと思われる職場も含めて、それぞれの部局で考えてみてください。

 

今日から3月です。
予定どおりいけば、退職あり、異動ありで、このメンバーで仕事をするのはあとひと月です。ご縁を大切に、人とひとのつながりを味わい、かみしめながら、仕事をしていけるといいですね。

今月も、元気に、共に頑張りましょう!