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仕事始めにあたっての知事あいさつ

皆さん、2019年、平成31年、明けましておめでとうございます。
年末年始いかが過ごされたでしょうか。
私たち、休ませていただいた者のいる一方で、宿直、雪寒対応、福祉施設、さらには病院や警察業務など県民の皆様方のために、お仕事をしてくださった方々に心から感謝いたします。
それぞれに、健やかに、また決意も新たに、新年をお迎えのことと存じます。
昨年は、その象徴する漢字が「災」でありましたように、災害が多発した1年でした。今年は「福」、「恵み」、「幸せ」が多き1年になればと念じながら、私も元日を迎えました。
しかし、昨日の夕方には、熊本で地震が発生しました。今年も自然災害に対する備えの気持ちを常に心に刻まなければならないと心を新たにした次第です。
年末年始、私は、「ふなずし」の妙に感じ入っておりました。
農政水産部の職員に弟子入りをいたしまして、2年前からふなずしを漬けており、年末に樽開けをさせていただきました。昨日は半日、飯(いい)と鮒を触りながら、どうしてこうなるのか、なぜこの味が出るのか、ということにまさに学びながら感じ入っていた次第です。
長年にわたり、脈々と大切にされてきたこういった営みに、改めて思いを馳せながら、仕事の面では、時間をかけて発酵させることや、異色のものが混ざり合って新たなものをつくるというようなことも大事にしたいなと思った次第です。
さて、今年、平成が終わり、新たな時代に入ります。
私たちも滋賀県政では、「変わる滋賀 続く幸せ」を基本理念に据えた、新しい基本構想を策定し、取組をスタートさせます。
共生社会づくりのための条例や公文書をしっかりと作成し、保管し、公開していくための条例など新たな施策も進めます。
世界は激動です。
技術はめまぐるしく進化し、発展してまいります。ゴールデンスポーツイヤーズにも突入しました。
その先にある、新しい時代を常に見据え、新たな自治をつくる気概、そして志をもって仕事をしていきたいと思います。
昨年から「健康しが」をつくろうという取組をスタートさせ、「人の健康」「社会の健康」「自然の健康」の取組を展開してまいりました。
「一人ひとりの生病老死に向き合い、寄り添う滋賀県」、「何歳になっても学びを大切にする滋賀県」、さらには、「公共の名のつく事業や交通をしっかりと担い、つくり、守っていく滋賀県」、そして、「琵琶湖をはじめとする自然、とりわけ『山の健康』をしっかりとチェックし、循環システムをつくり、回していく滋賀県」を今年もみんなでつくってまいりしょう。昨年より一段階あげて、具体化、本格化して、打ち出していこうではありませんか。
年頭にあたり、私から一点申し上げます。
「世界一健やかで、美しく、幸せな滋賀県」をつくりたい。「世界に開かれ、世界とつながり、世界から選ばれる滋賀県」を、みんなで一緒につくっていきたい。
キーワードは「世界」です。
滋賀県には、塩水の海こそありませんが、琵琶湖を真ん中に、山があり、里山があり、川があり、世界とつながる、世界に誇る文化がある。
農林水産業、商工業、観光業、県民に所得をもたらす世界に冠たる企業が、私たちにはある。これらの価値をしっかりと世界に発信をしてまいりましょう。
日本一の長寿である滋賀県は、世界一の長寿の地域です。その人らしく健やかに生きていける、支え合っていける滋賀県をみんなでつくっていこうではありませんか。
改正入管法等がいよいよ施行されます。世界に開かれ、多国籍で多文化が共生する滋賀をつくる取組を市町や関係者と一緒に協力して進めていこうではありませんか。
気候変動、プラスチックごみなど様々な課題に対し、滋賀県が、琵琶湖が、どう向き合っていくのかをしっかり発信していこうではありませんか。世界農業遺産認定への取組も、いよいよ正念場を迎えます。部局を越えて力を合わせて発信してまいりましょう。
滋賀・近江の思想は世界に通じます。G20やIPCCなど滋賀県を訪れる方々も増えるでしょう。「誠心の交わり」、「良知に到る」、「一隅を照らす」、「忘己利他」、「この子らを世の光に」、「三方よし」などの言葉を、多言語で積極的に発信していきたいと思います。
「SDGs」も滋賀県が誇る古から伝わる精神に基づく思想です。自信と確信を持って進めてまいりましょう。グローバルな時代ほどローカルでオリジナルなもの、スピーディーな時代ほどスローでスピリチュアルなものが尊ばれるのではないでしょうか。
ぜひ私たち滋賀県が持っているもの、やってきたことをしっかりと磨き、これからに伝えると同時に、世界に広げていきましょう。
観光においては、世界からのお客様をもてなし、世界につながる観光というものを志向していきましょう。幸いにもNHKの大河ドラマで明智光秀の「麒麟が来る」、朝の連続ドラマで信楽を舞台にした「スカーレット」が放送され、本県にスポットライトがあたります。「地場産業」や「戦国」というものに改めて注目が集まる時期です。
こういった時期をとらえ、私は、「安土城」の復元に向けて、皆さんの知恵と力を集め始めるスタートの年にしたいと思います。皆さん、ぜひ力を貸してください。
最後に、私は、今年も、この激動の時代に皆さんと一緒に仕事ができることを誇りに思っています。私たち自身が、そのことを喜び、楽しみだと感じられる働き方をしようではありませんか。
昨年、私自身も自分の弱さやいたらなさに、滅入ることがありました。うまくいかなくて、どうしようか悩み続けた日々もありました。どうしていいかわからなくて、立ちどまったことも多々あります。
しかし、そんなときに支えになったのが、一緒に働く、一緒に歩んでくれる職員の皆さんです。本当に心強かった。負けてはいけないと思った。相談しようと思った。
ぜひ、一緒にがんばりましょう。
すべての県民のために、すべての県民とともに、私たちの仕事に誇りと情熱を持って、大いに励む1年にしようではありませんか。
一緒にがんばりましょう。
あえて、もう1回申し上げ、私の年頭の言葉を締めさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。