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6 腸管出血性大腸菌(EHEC)

特徴

 大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどの大腸菌は無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。

 病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎などを起こす腸管出血性大腸菌があります。

 腸管出血性大腸菌は、菌の成分(「表面抗原」や「べん毛抗原」など)によりさらにいくつかに分類されています。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。

 腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。

腸管出血性大腸菌(O157)の電子顕微鏡写真
(国立感染症研究所ホームページより転載)

毒素

毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)などの合併症を引き起こすのが特徴です。溶血性尿毒症症候群が発症する機構は十分には解明されていませんが、この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって、全身性の重篤な症状を出すものと考えられています。
ベロ毒素には、赤痢菌の出す志賀毒素と同じ1型(VT1)と、それと異なる構造を持つ2型(VT2)およびこれらの亜型があります。
腸管出血性大腸菌には、これらの毒素のうち1つもしくは複数を出すものがあります。

発症菌量

50個程度の菌数で発症すると言われています。

温度

凍結に対して抵抗性が大きく、牛肉を-20℃で凍結保存した実験では、9ヶ月後でもほとんど死滅することなく生存していました。
75℃で1分間以上の加熱で死滅します。

pH

pH2~4の低酸性条件でも急激な菌数の減少はみられず、酸に抵抗性が強いと報告されています。
O157が少量の菌数で感染するのは、pH2以下の胃内の酸性条件下で本菌が生存できることに関連があるものと考えられています。

症状(潜伏時間)

潜伏時間

平均3~5日

症状

症状は激しい腹痛で始まり、数時間後に水様下痢を起こすことが多い。1~2日後に血性下痢(下血)がみられます。血性下痢は、ほとんどが血液で、糞便を含まないことがあります。便成分が認められないほどの血性下痢は、他の細菌性下痢ではほとんどみられないものです。発熱は37℃台のことが多く、高熱を呈することは希です。
また、溶血性尿毒症(HUS)※や、脳障害を併発することがあります。
なお、ヒトからヒトへの感染に対しても十分に注意を払う必要があります。

※溶血性尿毒症症候群(HUS):下痢が始まってから約1週間後に、赤血球の破壊による溶血性貧血、血小板の減少および急性腎不全などの症状が現れることがあり、重症の場合は死亡することもある。

お問い合わせ

滋賀県健康医療福祉部生活衛生課食の安全推進室
電話番号:077-528-3643
FAX番号:077-528-4861
メールアドレス:el00@pref.shiga.lg.jp
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