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7 病原大腸菌(下痢原性大腸菌)

大腸菌は人や動物の腸管に存在し、通常病原性はありません。

しかし、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があり、これらは総称して病原大腸菌(または下痢原性大腸菌)と呼ばれており、次の4つと腸管出血性大腸菌の5タイプに分類されています。

病原大腸菌の電子顕微鏡写真
(東京都福祉保健局のホームページより転載)

腸管病原性大腸菌(EPEC)

特徴

小腸粘膜に接着して粘膜上皮細胞の微絨毛を破壊し、上皮細胞の細胞骨格を変化させます。
途上国においては、EPECは現在でも乳幼児胃腸炎の依然として重要な原因菌です。
EPEC感染症は成人においても発生し、わが国においても散発下痢症や食中毒が発生しています。

潜伏時間および症状

潜伏時間

12~72時間

症状

一般的な症状は、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などで、乳幼児においてはしばしばコレラ様の脱水症状がみられることもあります。

腸管侵入性大腸菌(EIEC)

特徴

粘膜上皮細胞へ侵入し、増殖しながら隣接する細胞へ次々と侵入して、上皮細胞の壊死や潰瘍形成、炎症を起こします。
EIEC感染症は、途上国や東欧諸国に多く、先進国では比較的まれです。しかし、先進国においても集団発生事例があり、その媒介体は食品または水ですが、ときにはヒトからヒトへの感染もあります。

潜伏時間および症状

潜伏時間

12~48時間

症状

症状は下痢、発熱、腹痛ですが、重症例では赤痢様の血便または粘血便、しぶり腹などがみられ、臨床的に赤痢と区別するのは困難です。

毒素原性大腸菌(ETEC)

特徴

小腸粘膜上皮細胞に接着して増殖し、エンテロトキシンを産生して下痢を起こします。
このエンテロトキシンには60℃、30分の加熱で活性を失う易熱性エンテロトキシン(LT)と、100℃、15分の加熱にも耐える耐熱性エンテロトキシン(ST)の2種類があります。
ETECは途上国における乳幼児下痢症の最も重要な原因菌で、先進国においてはこれらの国々への旅行者にみられる旅行者下痢症の主要な原因菌です。
ETECの感染の多くは、水を介しての感染であると考えられています。

潜伏時間および症状

潜伏時間

12~72時間。

症状

主症状は下痢であり、嘔吐を伴うことも多いですが、腹痛は軽度で発熱も稀です。しかし、重症例、特に小児の場合、コレラと同様に脱水症状に陥ることがあります。

腸管凝集接着性大腸菌(EAEC)

特徴

小腸や大腸の粘膜に付着して粘液の分泌を促し、炎症を引き起こします。菌が粘膜上皮細胞に接着した後増殖し、耐熱性エンテロトキシンを産生して下痢を引き起こすと考えられています。
途上国の乳幼児下痢症患者からよく分離され、わが国ではEAEC下痢症の散発事例はありますが、食中毒、集団発生事例の報告は多くありません。比較的新しい菌群で、自然界での分布も明らかになっていません。

潜伏時間および症状

潜伏時間

7~48時間

症状

2週間以上の持続性下痢として特徴づけられますが、一般には粘液を含む水様性下痢および腹痛が主で、嘔吐は少ないです。

お問い合わせ

滋賀県健康医療福祉部生活衛生課食の安全推進室
電話番号:077-528-3643
FAX番号:077-528-4861
メールアドレス:el00@pref.shiga.lg.jp
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