5 腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)

特徴

 腸炎ビブリオは好塩菌の一種で、沿岸海水中や海泥中に常在し、一日の最低気温が15℃以上、海水温度が20℃以上になると海水中で大量に増殖します。

このため、夏期に獲れた魚介類には腸炎ビブリオが高率に付着しており、流通過程、調理中などの不適切な取り扱いにより増殖し、食中毒の原因となります。

 また、本菌は増殖能力が極めて高いため、これらの魚介類の流通過程等での二次汚染によって、汚染を受けていない魚などにも付着して汚染を拡散します。

腸炎ビブリオの 電子顕微鏡写真
(国立感染症研究所ホームページより転載)

血清型

O1~O13までの13種類のO(糖鎖)抗原と、K1~K75の68種類のK(莢膜)抗原(欠番7つあり)の組み合わせで血清型別されます。1996年までは血清型O4:K8が主流でしたが、1997年以降はO3:K6が急増しています。

病原性

主な病原因子は耐熱性溶血毒(TDH)とTDH 類似溶血毒(TRH)で、腸炎ビブリオの病原性菌株は、両毒素遺伝子のどちらか一方もしくは両方を持つものです。
腸炎ビブリオ食中毒患者からの分離株のほとんどが病原性株であるのに対し、環境あるいは食品からの分離株の多くは非病原性菌株で、環境中での病原性株の割合は、腸炎ビブリオ全体の1%程度です。
TDHは、熱に安定で100℃、10分間の加熱に耐え、細胞致死活性、腸管毒性および致死活性(心臓毒性)を持ちます。

発症菌量

本菌による発症菌量は、100万~10億個以上と考えられています。

温度

魚介類中の本菌は30~37℃・2~3時間保存で1万~10万個となり、食中毒発症菌量まで増殖できると推察されています。本菌は低温には弱く、10℃以下では増殖しませんが、冷凍保存では長期間生存することが知られています。
このため、解凍方法、解凍する際の二次汚染および解凍後の増殖防止に注意する必要があります。
本菌は、水道水や蒸留水では死滅しますので、魚介類等の水道水による洗浄は本菌による食中毒予防対策上、有効ですが、魚介類の体表は粘質が多く、それに本菌が保護されて殺菌力が低下するので、洗浄は除菌程度の効果と考えるべきで、過信することはできません。

症状(潜伏時間)

潜伏時間

10~24時間(短い場合で2~3時間)

症状

主症状としては堪え難い腹痛があり、水様性や粘液性の下痢がみられ、まれに血便がみられることもあります。下痢は日に数回から多いときで十数回で、しばしば発熱(37~38℃)や嘔吐、吐き気がみられます。
下痢などの主症状は一両日中に軽快し、回復しますが、高齢者では、脱水症状が著しい場合、虚脱状態に陥ったり、低血圧、心電図異常などを起こし、死に至った例もあります。

お問い合わせ

滋賀県健康医療福祉部生活衛生課食の安全推進室
電話番号:077-528-3643
FAX番号:077-528-4861
メールアドレス:el00@pref.shiga.lg.jp
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