災害時の心理状態、女性が置かれる困難な状況、女性の相談の特徴、生活再建に向けた心のケアや必要な相談体制など、被災時の状況や対応について理解を深めることで、男女共同参画センターをはじめ関係機関の相談業務が災害時に有効に機能するよう備えることを目的に「災害時に備えた相談員研修」を令和4年9月15日(木)に開催しました。
講師に認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ 代表理事 正井禮子氏を迎え、
第1部では、「災害とジェンダー~災害を女性の視点から検証する~」と題して講演いただき、
第2部では、正井氏をコーディネーター役に、被災地で相談業務経験のある相談員(2名)との座談会を行いました。
第1部の講演では、過去の災害において女性たちが置かれてきた厳しい状況やそのような状況に置かれる女性たちを救うために行われてきた数々の活動について、現場で御経験されたことを参加者に共有いただくとともに、東日本大震災での調査等について御教示いただきました。
第2部の座談会では、被災地で様々な被害を受けた女性たちの実態や相談事例について当時の写真とあわせて共有いただくとともに、相談員自身のケアの必要性、正確な情報を収集することや地域の特性に配慮することの重要性について説明いただきました。
参加者からは「災害という非日常的な中だから、人間の卑しい醜い部分が性暴力という形で表されると真実を知りました。その理解がないと相談業務は出来ない、私事と捉えなければならないです。」「災害現場での体験談を聞くことができてよかったです。」「自分の家が大丈夫な支援者の場合、申し訳ない気持ちから、燃え尽きて気が付かず、そのまま任務に就く場合があるので、まず支援者も被災者だという事を汲み取って支援者のケアも必要だと思いました。」「災害の支援は、普段からの地域の活動からだと思いました。市町のリーダーのまとめ役にしても、男性が多いところもありますが、どちらもがリーダーになり意見が聞いてもらえるような体制作りが必要だと思いました。」「実際の災害時ではなくとも日頃の関係の築きが大切であると教えていただいた。」などの感想が寄せられました。