滋賀県では、犯罪に遭いにくい安全なまちづくりの基本理念を定め、県、県民および滞在者、事業者の責務を明らかにして、県民総ぐるみで取り組みを推進していくため、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例を平成15年4月からスタートさせています。
安全は、豊かでゆとりある生活を営む上での基盤となるものであり、何ものにも代え難い私たちの共通した願いである。私たちは、満々と水をたたえた琵琶湖と四囲の山々が織りなす豊かな自然の中で、多くの恵みを受けながら、人と人がふれあい、支え合う地域社会を形成し、安全で心やすらぐ生活空間を享受してきた。
しかしながら、近年、都市化や国際化の進展とともに、地域社会が変容し、人間関係の希薄化が進みつつあることなどから、私たちの郷土においても、様々な犯罪が数多く起きるようになり、その内容も凶悪化の傾向にあるなど、安全とは言えなくなってきており、日常生活の中での不安感が高まっている。
こうした状況から、個々人が、自らの安全は自らが守るという意識を身に付けるとともに、身近な地域社会において、相互に連携と協働を図りながら、安全な社会の実現に向けて主体的な取組を進めていくことが重要である。
すばらしい環境に恵まれたこの滋賀において、犯罪に対する不安を取り除き、安全に暮らすことができる地域社会を実現することが、私たちの強い願いであり、喫緊の課題である。
私たちは、地域での着実な取組の重要性にかんがみ、一人ひとりが自らの安全を守るための意識を持ち、警察をはじめ、県、市町、県民、事業者等の一体となった取組を進め、だれもが安心して生き生きと暮らすことのできる安全な地域社会を築くために、たゆまぬ努力を傾けることを決意し、ここに「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例を制定する。