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地域防災ちえ袋

先進的な活動の紹介

長自治会(東近江市)

平成24年3月4日(日曜日)の午前9時。近江商人の古民家を改造した趣のある自治会館敷地の一角で、防災訓練の準備が始まっていました。
自治会の掲示板に刻まれた「水と緑に囲まれて 鋳物のふる里 -長-」の文字が示すとおり、歴史を感じさせる落ち着いた佇まいの長町。今は1軒となってしまったものの、かつては鋳物業が盛んな集落であり、集落内の釣鐘のモニュメントには各戸の位置が屋号で記されています。

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「町内の消防団員が「こんな取組がある。」と手作りかまどベンチを紹介してくれたのが、自治会が取り組むこととなったきっかけ。」と黄地自治会長。
製作スタッフをチラシで募り、多い日は15人ほどが参加して作業されたとのこと。4~5日かけて取り組んだかまどベンチ作りは、素人ばかりのため難しい場面もありましたが、かまど内に内枠型を設置し、それに合わせて周囲から数人が作業できるような工夫もしながら製作されました。鍋などを置く位置とかまどの底までの間が離れていることから、その間に炭を置くための金網を設置することができる独自のアイデアが採り入れられています。

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当日は、「50人も集まってくれるだろうか。」という自治会長の心配をよそに地域の子どもから高齢者まで88人もの方が訓練に参加。今回、初めて消防署の職員により、消火訓練や三角巾の使い方、竹と毛布による担架の作り方の指導を受け、和やかな雰囲気の中にも真剣な眼差しで訓練に取り組まれていました。
この日の主役の一翼を担ったのが、日頃は地域との繋がりが希薄と思われがちな若者たち。自主防災組織等の一員として、周りを和ませながら積極的に訓練に取り組まれ、頼もしい存在であることを印象付けました。

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訓練の最後には、「手作りかまどベンチ」による炊き出し訓練が行われました。男性数人と女性数人が共に火興しから調理までを担当され、竹と毛布を使った担架の訓練が終わった頃には、温かな豚汁とおにぎりが用意されていました。
出された食事のおいしさもあってか、楽しそうに会話を交わしながらみなさんが食事をする姿から、新興住宅も含めて64件の世帯がある長では、新旧に関わりなくコミュニティの絆が築かれており、こうした交流を通じて更に絆が強くっなていくのだと感じました。

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今後は、かまどベンチを夏祭りのバーベキューなどにも活用されるとのこと。かまどベンチの利用は、知らず知らずのうちに災害時の炊き出しの訓練にもなり、かまどベンチの製作を契機に、長自治会の絆が一層深まるとともに、防災・減災の活動が更に活発になることを期待します。

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