文字サイズ

支援者インタビュー:創業プラザ滋賀 インキュベーションマネージャー 中村誠さん

プロフィール:

大津市在住。大阪市出身。大阪市内の金融機関に6年間勤務した後、28歳でダンボール製造販売会社を起業。25年間経営を行うも、大手の寡占化が進み廃業。再就職に備え、行政書士や宅建、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得。2016年から「滋賀県産業支援プラザ」に勤務し、インキュベーションマネージャーとなる。

「起業相談は人生相談。あれこれ考えるより、まずは一歩踏み出して!」

町工場や小さな事業所の役に立ちたいと、大学卒業後に地元の信用金庫に就職。やるからにはトップを目指そうと営業に走り回り、2年連続で全職員中トップの成績を上げたこともありました。その後、自身の会社の起業、廃業を経験し、再び「小さな会社の力になりたい」という原点に立ち戻って、インキュベーションマネージャーに。経営者だった経験を活かし、毎月100件以上もの相談をうけています。

___お仕事の内容を教えてください。

大津市の「コラボしが21」内にある「創業プラザ滋賀」で、起業を目指す方の支援と相談対応を行っています。月に100件ほどの相談を受けますが、3割は外部の方、7割はここの入居者さんです。「創業プラザ滋賀」には賃貸オフィスやコワーキングスペースがあり、入居者の方は私たちインキュベーションマネジャーの支援を受けることができます。外部の方でもいつでも相談に乗りますし、どんどん相談に来てもらえると私もやりがいがでて嬉しいです。

起業は、人生をかけてすることです。どんな事業を選ぶか、いくら貯金を使うか、家族に協力してもらうかなど、一つずつの選択がその人の生き方に深く関わってくるんです。まさに人生をかけてやることだから、人生相談だと思って対応しています。

 

___サポートするうえで大切にしていることは?

その人が今、どんな状況にいて何がしたいかを丁寧に聞いて、状況に応じた支援をするよう心がけています。起業には不安や迷いがつきもの。言いにくいことこそ正直に話してもらえるよう、小さなことでもきちんと対応して深い信頼関係を築くようにしています。

よく「商品の強みは?」と言いますが、私はこの「強み」という言葉が好きではありません。事業や商売は「強み」で判断してはいけないんです。他と比べて自分が勝ってるから強いと感じるだけで、そんなのはいつひっくり返されるかわからない。だから他と比べて勝てる部分ではなく、自分ができることはこれだ!としっかり言えるものがあれば、自分の中だけで物事を回していけます。そこが大事だと思いますね。

___起業を目指す人へメッセージをお願いします。

最初から高い目標を持つよりも、今見える範囲に目標を置いて、段階的に進んで行くのがいいと思います。見えない目標を目指すのは誰でもしんどいですよね。それよりも「できた!」という達成感を積み上げながら進んでいくと、充実感が得られて長続きすると思いますよ。

〇あなたを支える言葉

あれこれ考えるより、とにかく一歩踏み出すことで前向きになって、そこから足が進んでいくものです。やってみてダメなところは直す、良いところは生かす。何事も、やっぱり経験することが一番かなと思います。

【施設情報】