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ルタテラ治療は、ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor: NET)に対する放射性医薬品を用いた先進的で効果的な治療法です。
NETの患者さんの腫瘍細胞の表面には、ソマトスタチン受容体が多く発現しています。ルタテラ治療は、このソマトスタチン受容体に結合する物質に放射線を出す物質(ルテチウム-177)のついた薬剤を投与し腫瘍細胞内に取り込ませることで腫瘍細胞に特異的に障害を与える治療でペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)とも言われています。正常な細胞に与える影響を最小限に抑えつつ、複数箇所に腫瘍病変があってもすべて同時に効果的に放射線を照射することができる、副作用も少なく安全性の高い治療であることが知られています。
原則として、以下の条件を全て満たす患者さんが治療対象となります。
● 病理診断で消化管あるいは膵臓の神経内分泌腫瘍(NET)と診断されていること
● ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(オクトレオスキャン)により、腫瘍にソマトスタチン受容体の発現が確認されていること(当院での検査施行も可能です)
● 日常生活が自立していること(トイレや食事を介助なしに自分で行うことができる)
● 十分な腎機能が保たれていること
ルタテラ治療は、8週間ごとに最大4回を点滴にて投与します。
●ルテチウムから発生する放射線の一部が体外に出るため、治療の際には専用の病室に入院していただきます。多くの患者さんは、投与の翌日には退院が可能です。
●ルタテラは、主に腎臓から尿に排泄されます。排泄された尿からも放射線が出るので入院中や退院後には周囲の方の放射線被ばくを減らすために守っていただく特殊な注意事項があります。
当院では、ルタテラ治療を受ける患者さんの受け入れを積極的に行っています。
紹介をご希望の際は、腫瘍内科の診察をお申し込みください。
●対応診療科(窓口)『腫瘍内科』
●ご紹介手続きは以下のページからお進みください
●オクトレオスキャンが未施行の場合には当院で実施させていただきます。
ルタテラ治療は、放射線を発する医薬品を使用して、がん細胞を体内から攻撃する治療法です。
当院では、腫瘍内科の医師、放射線科核医学専門の医師、薬剤師、看護師、診療放射線技師など、さまざまな医療スタッフが連携して治療を行います。
「他の治療では効果がなかった」「再発が心配」と感じている方は、ぜひご相談ください。ご相談は、主治医の先生を通じて腫瘍内科にお申し込みください。