多くの人工林が利用期を迎えた今、県では、この森林資源を「伐って、使って、植えて、育てる」という循環利用を進め、健全な森林を次世代につなぐ取り組みを行っています。
苗木を植えてから木材として使える樹木に育つまで、スギは40年、ヒノキは50年ほどかかります。滋賀県では、花粉の少ないスギ・ヒノキへの植え替えなど、利用期を迎えた山の木を伐採した後に苗木を植え付ける「主伐・再造林」が進められています。
まず、木を植えやすいように伐採した木の枝などを整理する「地ごしらえ」をしてから苗木を植え付けます。その後6~10年ほど、苗木によく日光が当たるように、周囲の下草を除く「下刈り」を行います。雪が積もりその重みで傾いてしまった木が真っ直ぐに育つように縄をかける「雪起こし」も行います。
10年以上経つと、節の出ない木に育てるため、そして森林の中に日光が差し込むように下部の枝を切る「枝打ち」をします。その後、5~10年ごとに、生育の悪い木を間引く「間伐」と枝打ちで健全な森林に育てます。
手入れをしないと“山”になりません。樹齢に応じた様々な作業を次の世代が経験する機会を作るためにも、毎年主伐・再造林を続けています。作業後に整った森林を眺める時の爽快感は山でしか味わえないもの。好きな山の仕事を次の世代につなぐため、何年も先のことを考えて、自分が今できることを精一杯しています。
スギは持続可能な森林資源として循環利用される、林業の重要な樹種です。県では花粉症対策として、花粉の少ないスギの育成を推進しており、花粉症対策のヒノキ苗木についても令和4年秋から出荷予定です。これらの苗木を活用し、花粉の少ない森林づくりを進めます。
台風・大雪などによる倒木が、道路や電線などの重要なインフラに被害を及ぼさないように、県では、市町・森林所有者・インフラ管理者が協力して予防伐採に取り組めるよう支援しています。
高島市朽木能家(県道麻生古屋梅ノ木線)
去る6月5日(日)、第72回全国植樹祭しが2022が開催されました。甲賀市「鹿深夢の森」を主会場とし、サテライト会場3か所、一般植樹会場3か所に、約12,700人の方々が集いました。
開催理念は、「森-川-里-湖」のつながりを大切に、森林とびわ湖を次世代へつないでいこうです。主会場では、ナビゲーターに西川貴教さん、安蘭けいさん、総合司会者にNHK放送研修センターの野村正育アナウンサーを迎え、「木を植えよう びわ湖も緑のしずくから」を大会テーマに、おごそかな式典と滋賀の物語を盛り込んだ3部構成によるアトラクション(プロローグ~これまでを知る~、大会テーマの表現~今、誓う~、エピローグ~未来へつなぐ~)を展開しました。
昨年につづき、オンラインで御臨席の天皇皇后両陛下の前に、未来の森づくりを担う「緑の少年団」33団、129人が本県各地から参加しました。両陛下のお手植え・お手播きの樹種説明、代表者記念植樹の介添え、苗木の贈呈など、重要な役割を担いました。
さらに、森林を守り、活かし、それを支える県民の誓いとして、未来を担う世代の代表者が、木々を植え育むこと、木を暮らしに活かしていくこと、森や川や湖とともに生き大切にすること、緑ゆたかな森と碧く輝くびわ湖を未来へつないでいくことを全国に発信しました。
1)上級 10月4日(火) 定員:15名 申込締切:9月22日(木)
里山整備・薪利用 ~薪を科学する! 薪ストーブユーザー必聴講座~
2)中級 10月25日(火) 定員:16名 申込締切:10月13日(木)
竹林整備 ~藪竹林を伐る! 竹林整備の実践講座~
3)上級 11月24日(木) 定員:10名 申込締切:11月14日(月)
林業機械 ~チェーンソーの安全な使い方について学ぶ~ ※チェーンソー講習としては初心者向けです
■場所:林業普及センターおよび周辺森林ほか
■申込先:林業普及センター(〒520-2321 野洲市北桜978-95)
■TEL:077-587-2655■FAX:077-587-6527
■e-mail:[email protected]