第4回滋賀県産業振興新指針改訂検討委員会議事概要

日時

平成19年11月9日(金曜日)14時00分〜17時00分

場所

コラボしが3階中会議室1

議事次第

1.新指針(改訂版)素案について

事務局より
事務局より資料に基づき説明

2.その他

出席委員

岡田委員、川端委員、黄瀬委員、高橋委員(副委員長)、殿村委員、仁連委員(委員長)、藤田委員、宮川委員、安居委員、脇田委員

オブザーバー出席者

滋賀県商工会議所連合会、滋賀県商工会連合会、滋賀経済同友会、滋賀県中小団体中央会、(社)びわこビジターズビューロー、(財)滋賀県産業支援プラザ

県出席者

沢井商工観光労働部長、中西商工政策課長、商工観光労働部関係課・室長

議事概要

(1)新指針(改訂版)素案について

事務局より
事務局より資料に基づき、第1章〜3章を説明

第1章〜3章質疑応答

(委員)近頃原油が高騰しており、1バーレル100ドルから150ドルに達する勢いになっている。この原油の高騰が産業界に与える影響は非常に大きいと思う。特に製造業についてはエネルギーの高騰により資源・材料が高騰しますが、なかなか価格転嫁ができず、経営が非常に厳しくなってきている。このようなエネルギーの高騰が、第2章に入っていないのは問題なのではないか。
(委員長)原油については、先物取引が上昇しており、今後価格が下落することはなかなか考えられない状況。2010年の滋賀県産業を展望した本指針においては、確かにこの原油の高騰は大きな課題となると思いますので、第2章にしっかりと記載する必要がある。
(委員)レアメタルについては一時の暴騰からは落ち着きたが、我々が扱っている材料費も倍になっており、なかなか価格転嫁ができない状態である。今後も大きく元に戻ることはあまりないのではないかという見方をしている。
これが地域産業政策にどのようにからむのかということが論議のあるところだと思うが、ただ滋賀県の産業といえども、滋賀県や地域などの単体では成立しないと思っている。今後はこのような論議をなんらかの形で国などに提起をしていくという視点が指針の中にあってしかるべきではないかと現場にいるものとして感じている。
(委員)資源はしっかりと回収するべきだと思う。今まではお金を払ってスクラップなどを回収してもらっていたが、今は空き缶でも1キロ20円ほどの価格になっているが回収業者はそれでも商売が成り立っている。廃食油を活用したバイオ燃料についても、今までは軽油との価格差が50〜60円では成り立たなかったが、今は100円くらいになっており、事業として成り立っている。ペットボトルも同様。これからは、そのような資源を回収していく産業もしっかりと成り立つのである。このような産業が今後うまれてくるのではないかと思うのと、それが産業に絡んでくるのではないかと思っている。
しかし、回収した資源については、中国や東南アジアなどの海外に流れてしまっているため、しっかりと日本国内で資源を囲い込むようなシステムづくりが重要となってきます。
逆に言うと、産学官連携のなかで廃水からリンを回収するという取り組みを進められていますが、将来的には回収したものを再度利用できることになりますと国益としても大きな産業になってきます。このことからも大学や試験場などでの技術開発が重要になってくるのではないかと思っております。
(委員長)今の委員のご意見は、資料2P16の基本的視点(3)「環境に配慮した持続的な産業・経済の発展」と繋がってくるのではないでしょうか。しかし、「環境に配慮した」というよりは、「環境時代にふさわしい」「循環を前提とした」経済の発展という捉え方が適切ではないのでしょうか。環境は経済の外のものということではないと思っている。
(委員)今の基本的視点(3)については、経済と環境保全がバッティングした視点で書かれているように思いますが、経済が環境を内部化してビジネスとしての手段に使っていくという発想にすれば、戦略も大分変わってくるのではないでしょうか。
(委員)資源が回収されても海外に流れてしまいます。やはり、資源は日本に返るべきだと思っている。やはり海外で高く買われてしまうので業者も海外に回収した資源を出してしまうため、日本で資源を再利用しようとしている企業に資源が戻ってこないようになっている。
(委員)資源とともに、海外の環境に負荷を与えるものが海外に流れている。
(事務局)全体の説明ができておりませんので、言葉足らずになっている部分もありますが、資料2P32で、重点的な取り組みの1つとして「滋賀ならではの環境関連産業の集積」ということで、今お話にありましたようなことが挙がっている。また、基本的視点(3)については、環境と経済の両立という風に言い換えることができると思いますが、それを視点におくということで、今お話になられたリサイクルなどの問題については、P32の戦略の中で補強させていただいている。それらについては、この第5章の説明のあとにご議論いただければと思っている。
(委員)最初の現状認識として、エネルギーの高騰に触れることが必要であるということを申し上げているのですが。
(事務局)ご指摘の点については、第2章に反映するように今後検討する。
(委員長)基本的視点(3)については、「環境に配慮した」という表現になっていますが、環境に配慮することは企業にとってコストがかかることと受け取られる。そうではなくて、環境と共存することで、環境を利益の源泉にするという視点が必要と考えるので、表現の工夫を検討していただければと思う。
(委員)資料2P13の本県産業の課題の(2)について、産学官連携は県外の大学に頼ることがあるので、もっと県内大学を育成する必要があると思う。
県内の大学にも足らない部分があるならば育成する必要がある。また、現在あるものについても、それをしっかりと育てていく必要があると思う。県外からやってくる大学との連携が多いことから、まず「地元を」という意識を県内企業も持たなくてはいけないし、大学側も持つ必要があると思う。
(委員)大学との連携と言ったとき、最先端の技術開発などを産業にどう活かしていくかということで、そのような大学は限られてくると思う。
しかし、大学にも色々ありまして、まちづくりなどの活動を通して、ローカルに根付こうとしている大学もあります。大学との連携とは、技術的に資金や特許に繋がるものだけではなく、地域を広い意味で活性化していくような土壌づくり、相互扶助のネットワークをつくっていくということでも大学と地域の連携はあり得る。
これらの取り組みは、資料2P14の課題(5)(6)、もしくは時間がかかるとは思うが(7)にも関わってくる。
今後は、滋賀県にこだわる若者、大学を出たあとでも滋賀県で働きたいと思うような若者が生まれるような連携などの取り組みを進める必要があると思う。もう少し足元の大学を見れば、地元には貴重な人材がたくさんいるのではないかと思っている。
(事務局)委員が言われたように、課題(5)〜(7)についても、大学との連携で進めていかなくてはなりませんし、そのためにも県としては今まで大学の誘致に努めてきた。
(委員)産学官連携は大変重要なことですが、やはり滋賀県はコーディネート機能が非常に弱いと思っている。県は連携が上手くいっていないデータをしっかりと集めていないのではないか。企業から大学との連携について、今後の関係もあるので悪口を言うことはできないので、県はしっかりとうまくいっていない事例をつかんで今後の展開に役立てる必要がある。
(委員)資料2の第1〜3章の説明について、重要になっているのはワークバランスではないでしょうか。また、グローバルバランスも大変重要だと感じている。実際現在景気がよいと言われているところについては、グローバルな取り組みが関係していると思う。あと、エネルギーの問題も重要である。
また、インフレとデフレのバランスが取れなくなった時、国内の事情は大変良くない方向に向かうと思う。第1〜3章については、ワークバランスやグローバルバランス、エネルギー問題について、どのようにとんがりを見せるかが重要だと思っている。
ただ、今の時代はスピードが非常に速い時代となっており、色々な政策を検討して、実際にその取り組みを開始した時には、もう次の動きが生じているといったように、政策が時代のスピードに追いつかないということもある。別に言い訳ではないが、時代のスピードが非常に速くなっているということも、しっかりと指針の最初に載せる必要もあるのではないでしょうか。そして、その様な課題をしっかりと踏まえて、第4章につなげていく必要がある。
(委員長)グローバルとローカルが切り離されており、中小企業がなかなか伸びていないという認識をきっちりと押さえておく必要がある。資料2P6のグローバル化の箇所に、グローバル経済とローカル経済のズレについて、しっかりと明記する必要があるのではないでしょうか。
(委員)地域の中でもグローバル経済と上手く組んでいるところと、組めていないところがある。
今はインフレとデフレのバランスがなんとか保たれていますが、ところが、ある日突然原油価格が高騰したとき、それを価格転嫁できるところはいいが、できないところはとたんに廃れてしまうことになる。
(委員)しかし、今すでにその状態になっている。資料2の前段については、「景気が回復している」ということを現状としてあげているが、たぶん来月には景気が下降するでしょう。
現状や時代のスピードについて考えると、指針として明記できないこともたくさんある。ただ、指針としてしっかりと書けることもあるが、難しいところもある。
(委員)グローバル経済につながっているところでは儲かっているが、つながらないところでは儲かっていないということだと思う。グローバルから大きく変動し、それがローカルに影響してくることを考えると、グローバルとローカルはどのような繋がり方をすればいいのでしょうか。資料2P1を見ると、グローバルの好景気が中小企業などにはまだ波及していないという風に捉えることができるのですが。
(委員)例えば、今は公共事業が減っておりゼネコンは苦しんでいると思います。経済というのはそもそも需要と供給のバランスということである。
大手ゼネコンは、ほとんど海外に出て活動をしており、そのようなところについている下請け企業はそれなりに儲けている。製造業でも一緒だと思うが、グローバル経済に関係しているところは、海外進出しようかということになる。
(委員)ただし、グローバル化は変動が大きいということは、リスクも高いということですね。
(委員)そういうこと。スピードが速いので、今これでいいと思っていても、3年後にどうなっているかはわからない。
(委員)グローバルなことに今すぐ飛びつくことが、必ずしも将来いいかということはわからないということ。
(委員長)しかし、グローバル化については挑戦していく必要はあると思う。素材をつくっているところは、もう少し知識集約型というか、その様な面で競争力を向上していかなくてはいけない。
(委員)日本自体がすでに成熟してしまっているので、もう商品の品質で勝負しないといけない状態になっている。
成長には癒す力というのがあります。例えば、多少変な商品をつくったとしても、経済が成長していれば「所得が上がるからいいや」ということで大きな問題にはならない。しかし、経済の成長が止まって、逆に落ち込んできたら、内部告発などが増えてくる。その様な方向に向かうということは世の中が成熟していくということ。逆に成長するということは、変な商品をつくっても大きな問題ではないということになっていくのが、今のVISTAやBRICsの状況なのである。成長には多少の問題を癒す力がある。
しかし、今の日本にはそのような癒す力がありません。品質管理などにエネルギーが働いており、それが成熟ということである。
(委員長)グローバル経済について、地域資源の集積をどのようにつくっていくかが1つの問題となる。それと同時に、ローカルの魅力を向上することで、地域を活性化させる取り組みも必要。例えば、まちづくりなどの取り組みである。
(委員)資料2の素案については、課題と戦略がよく結びついていないように思ってたが、先程の話を1枚はさむことによって、課題と戦略のつながりがクリアになると感じた。
(委員)資料2については、現状と課題があり、今後目指していくべき姿があり、それを踏まえて戦略を進めていくというシナリオがあると思うが、実際はできることとできないことがあると思う。できないこともたくさんある。
そこで、エネルギー問題や時代のスピードが速いということについては、指針にも盛り込む必要があると感じる。あとは、当事者としての意思が指針から感じられたらいいと思う。
(委員長)今後行政の限られた資源をどこに向けていくのかが、重要になってくる。
(委員)私は大阪におりまして、いつも客観的な視点で見させていただいておりますが、この指針素案を拝見して感じたことは、琵琶湖についての記述が全然出てこないということ。県外者から見ると、「滋賀県=琵琶湖」なのですが、滋賀県の最も大きな特徴である琵琶湖をどのように活かして産業振興を進めていくのかがよくわからない。
先日びわ湖環境メッセに行ったが、あんなにすごい産業が生まれているのかということで非常にびっくりした。琵琶湖があるからこそ、環境に関する産業が生まれているのだと思う。それを指針のどこかに入れることで、県外者から見て非常に分かりやすいものになるのではないでしょうか。
(事務局)・資料2の第4章の説明

第4章質疑応答

(委員)第3章の基本的視点(2)について、「中小企業の力強い成長に向けて」という文言が入ってよくなった思うのですが、第4章で具体的な言及がないように思う。
建築確認申請の遅延の問題では、建設業が大変なことになっている。これは決してグローバルな問題でもなく、解決できない問題でもありません。このようなことをしたら、建設業者にどのような影響が及ぶかということは、専門家の中ではアセスメントがあったと思うが、その様なことを判断されず国交省からの指示で機械的な認可・認定作業になったので、今の状態が生まれてしまっていると思う。
今後はしっかりと、色々な政策を推進するうえで、中小企業に対する影響をきちっと判断して、取り組んでいただくということを指針に盛り込んでいただきたい。
(事務局)建築確認申請の件については、委員のご指摘のとおりでございまして、経済のDIの指数にもはっきりと出ている。国交省も現場までの想定をできていなかったのではないかと思うが、行政も中小企業の視点に立った政策展開ができていなかったのではという認識も持っている。中小企業の視点に立った考え方についても知恵を絞って、指針に盛り込むようにさせていただく。
(委員)今の問題については、今年の6月くらいから火が付いたのですが、中小の零細企業の状態が行政にしっかりと届くようなシステムをつくっておけば、もっと早くこの問題について行政に認識していただけたかと思う。
地方行政については、国以上にその様な状況を施策に反映する必要があると思うので、そのようなシステムを是非つくっていただきたい。
第6章でも「産業振興推進会議等」ということで書かれているので、その時に少し議論をさせていただければと思っている。
(委員)原点に返って考えて見ますと、そもそもこの検討委員会を実施する意味は何なのでしょうか。前回の指針が現在の経済情勢に合わなくなってきたということと、この赤字財政の現状のなかで、最終的に「活力ある“しが”」をつくっていくためにどうするかということで、具体的なそれぞれの立場から検討するということが目的であると認識はしている。
10年ほど前から、行政の委員会に参加させていただいておりますが、10年前も今も同じ様なことを議論している様な気がする。
「活力ある“しが”」をつくるためのポイントとしては、滋賀県行政職員の一人ひとりから活力が感じられるかなということを感じる。やはり、行政職員がそのテーマに向かってどれだけ取り組んでいるのかということが気になる。
表面的な理想論は熱く語ることはでき、冊子も立派なものは作ることができますが、この1年間で活動して具体的な動きが見られるようなものを作っていかなくては、絵に描いた餅になってしまう。
中小企業の経営者としては、赤字経営をどのように克服していくかということで見れば、民間企業であれば、短期・中期・長期のあるべき姿をしっかりと出して、具体的な行動計画を打ち出しますが、この指針については、理想やイメージが先行してしまっており、この1年、2年の具体的なものが訴えられていないように思う。
(事務局)この指針は行政がどのように動くかということを示しているわけではなく、県内の企業や事業者の皆さんが自主的かつ積極的に、ともに動いていただくかということである。行政がどうだとか、県の財政がどうだとか、そういうことではありません。
前回の指針策定時の経済情勢と現在の経済情勢が大きく変わってきて、前回の指針のままでいいのかということで、各主体がその現状をしっかりと把握しながら、ともに産業振興の取り組みを進めていこうという指針である。
実施はお互いに取り組みを進めていくことになりるが、必ずしも滋賀県の経済を県が引っ張っていくということではなくて、民間主導であり、我々県としては環境整備を進めていく必要があると考えている。
(委員)県が何もかもを背負うということを言っているのではありません。県として、官と民の意識やスピード感のギャップについて、意識が非常に甘いのではないかということ思っている。
(事務局)指針に書いていることは、ほとんど全てが中小企業対策と考えている。しかし、ギャップがあるということでしたら、その部分についてご提案をいただければと思うので、よろしくお願いしたい。
(委員)資料2P18の経済特区制度について、「着実な推進」という文言があるが、現在のそれらの状況はどうなっているのか。「着実な推進」という文言で、その取り組みが抱えている課題の解決などの取り組みから逃げているような感じを受けるが、現在の経過などについてしっかりと指針に盛り込んだ方がいいのではないか。
(事務局)抽象的な表現となっているが、経済特区制度については、5年という期間が限定されている。そして、地域指定については現在5地域となっているが、スタートもバラバラとなっており、それぞれの状況も違っている。期間内に如何に当初の目標を達成するかということで取り組みを進めているが、それぞれの進捗状況が違っていので、指針の中に細かいことまでは書き切れていない。
各取り組みについては、特区の進行管理の中で別途対応しているので、指針の中では総花的に書いている。
(委員)特区の取り組みについては、うまくいっているのかどうかよくわからないので、表現についてもう少し検討してもらえればとは思っている。
エコ・エコノミープロジェクトなどの違う取り組みとどの繋げていくのかなど、特区で出来なかったことなどを新しい取り組みに活かすことができたらいいと思う。
(委員)前回も経験値をデータベース化しようというお話をしたが、大事なのはなぜ失敗したかという反省である。
資料2P25の「地域に根ざした産業の振興」については、前回の素案と比較しても内容がよくなっておりよかったと思っているが、タイトルの付け方が従来の産業の論理の上での付け方になっているように思う。
衰退していく地域やそこで暮らしてく人の生活を支えていくためのインフラとしての商店街や地域の産業があると思う。大金を儲けるようなものではなくて、ここでつつがなく暮らしていけるためのインフラとしての商店街が欲しいというのが、まちづくりをしている人たちの想いだと思う。
昭和30〜40年代は商店街が儲かってしょうがなかったという話も聞くが、そういう時代をもう一度取り戻すということではなくて、地域の人々の生活があって、それを支えるためのインフラとしての商店街という視点を素案に入れてもらって、タイトルなどに反映して頂けたらと思う。書いていることはその通りだと思うが、それをタイトルにしっかりと反映してもらえたら、もっと良くなるのではないかと思った。
ただ、地域社会は脆弱である。観光による地域振興というと、従来のマス・ツーリズムというものが地域社会に入っていって、結局地域社会をダメにしていくということがある。お金の循環は地域を作っていくための1つの手段であるという感覚が必要になる。そのためにも、地域の生活をどのように支えていくのという視点が必要となる。お金の論理が前面に出てきてしまうと、その様な視点が不可視化されてしまう。
しかし、この箇所についてはしっかりと改良されて、基本的にはずいぶんと良くなったなと感じている。
(事務局)今、まちなか振興ということで、中心市街地の活性化に関する取り組みを進めているが、生活があって、それを如何に支えていくかということだと思っている。長浜の取り組みでも、観光によってまちは活性化しましたが、いわゆる中心地に住んでいる方に目を向けた計画に今取り組まれている。タイトルについては、今後検討する。
(委員)中心市街地の活性化といえば、かつては国土交通省系のハード事業と、経済産業省系の経済の振興ということがあったと思うが、福祉であるとか行政があまり得意としないような分野をどのように捉えて、色々なものと繋げていくのかということが重要になってくる。
(委員)地域社会を構成しているステークホルダー(企業を取り巻くあらゆる利害関係者)が20世紀とは大きく変わってきていると思う。
活性化している地域を見ると、ステークホルダー自身が変わってきている。もし、それを取り戻そうとするのであれば、地産地消的なものが前面に出ないといけない。湯布院にしても、黒川温泉にしても、結局地域の人はだれも活性化されていない。結果的に地域の人はそこから抜け落ちてしまっている。
もう少し違う考え方をすると、地域社会のステークホルダー自身の考え方が変わってきているわけですから、当然のことながら地域を支えていくためには、企業誘致であるとか、大学誘致などをやりながら地域のステークホルダーの構造を変えてきた経緯がある。そういうことで、今観光というのも地域のステークホルダーに組み込むことが必要となっている。
大事なことは、地域社会については、そこで生産し、そこで消費している人たちのコミュニティということなので、ステークホルダー自身としてのコミュニティについて考えると、構造を変えていくことが必要となる。また、よそから来て地域に活力を与えてくれる、あるいはないものがあれば誘致などを行うことで、地域社会というものは変わっていくと私は思っている。
もう1つは、どうしても指針については、行政的にこのような文章にならざるを得ないのではないか。そういう点では、文章の表現が良いか悪いかは別として、何か形にしていくためのとんがりをどこに持たせるのかということが重要になってくる。
あと、新産業創出については、イノベーションのようなことをやらなくてはいけない。新しいイノベーションを進めながら、地域という1つのステークホルダーの構造を変えていくことで生まれてくる環境成長経済が未来をつくっていくということを、如何に指針で見せていくかが重要となる。その様な新鮮味と言うか、良い意味での刺激をこの指針の中で表現できればと思っている。
(委員)滋賀県には地域資源がたくさんある。大阪府民が滋賀県に一番望んでいることは、水をおいしくして欲しいということ。ものすごくそのような取り組みをされているとは思うが、「おいしい水をつくるプロジェクト」などのようにわかりやすく表現をして欲しい。水を使った産業といいますか、昔で言いうと水力発電であるとか、滋賀県のおいしい水を使ったお菓子づくりであるとか、水を観光するウォーター観光であるとか、そのような水を中心にした取り組みを展開されると、県外のものとしては注目する。
大阪府は琵琶湖に生かされているので、滋賀県がそのような取り組みをされると非常にうれしく思う。
(委員)素案全体としては分かりやすくなっているが、また古典的なパターンに戻ってしまっているように感じる。私から見れば前回の指針の方が多少斬新だったように思っている。
色々なことが書かれているが、ずいぶん前から言われていることがまた書かれている。私はフォローアップもやっているが、前回指針で書かれている取り組みについては、必ずしもうまくいかなかったので、指針の改訂を行うことになった訳である。その辺がもう少し組み込まれるといいと思う。
例を申し上げると、産学官金の連携ということで、金融機関の「金」を入れたのは新しいと思うが、しかしながら、中身を読むと今までとはあまり変わりがないので、支援ネットワークをつくるということをもう少し強化したらどうか。
どういうことかと言うと、各都道府県でこの間、随分色々な支援施設ができている。ただ問題は、大阪府は大阪府の企業だけの面倒をみるようになっており、滋賀県は滋賀県内の企業だけを対象に取り組まれている。それは行政の1つの見解ではあるが、情報収集であるとか、「滋賀県では面倒が見ることができないが、大阪府内の施設で良いところがある」といった様な広域的なネットワークが構築できないかということである。これはP20のマッチングについても、広域的なネットワークが必要と思う。
2つ目の例としては、P25の「地域に根ざした産業の振興」については、パッと読むとやはり事業者の立場・視点となっているように思います。消費者の視点から言うと、生活水準の向上を求めています。その様な視点から見たときに、消費者の周辺にそれを満たしてくれる商業事業者やサービス事業者がいないということが、地域産業の衰退や中心市街地の衰退に繋がっているということがいえます。そうなると、やはり指針としては、生活水準の向上を支える産業として育成すると言う方向性、グレードアップするというか高いニーズに応えられる中小企業や商業事業者などを育てるという方向性が必要だと思う。
第5章でブランドの話が出てくるが、地域の付加価値を上げるということは非常に重要なツールだと思う。そこに住むことでどれだけレベルの高い暮らしが実現できるかということで、地域の価値に関連する。実はこのことが企業の支援にも繋がる。企業には従業員がいるので、従業員の生活の質の向上ということは企業誘致の際に非常に鍵になる。企業の従業員が「生活の質が落ちるから滋賀県には住みたくない」ということにならないように、色々な取り組みをすることが、今後の産業政策の方向性ではないかと考えている。
(事務局)・資料2の第5〜6章の説明

第5章〜6章質疑応答

(委員)第6章に最初に書かれているように、中小企業者が産業活動の主体であり、行政機関や商工団体等の産業団体、大学等と協働していくということについては、まったく異存はないが、その主体となる中小企業者が、この指針にどのように関わるのかということが、推進体制のところで見えてこない。
資料2P48の「産業振興推進会議」というのは、先程の説明で現在あるものだということを聞いたが、フォローアップ会議や産業振興推進会議は、私が知っている限り年間2〜3回くらい開催されていると思うが、評価・検証であればそれくらいでいいと思う。但し、先程から議論にあるように、きちっとした戦略のもとに取り組みを決めてもなかなか前に進まない状況がある。これは指針で、だれがそれらを推進するのかということが欠落しているからだと思う。やはり、産業活動の主体である中小企業が推進する以外には他に方法はない。そして、中小企業がしっかりと推進するのであれば、その推進する場を担保しないと、折角の指針が絵に描いた餅となってしまうという危惧がある。
ずっと前から話をしているが、日常から中小企業の経営者をはじめ、行政の方などが集まってもらって、日常で起こっている問題を検討し、その中で指針の取り組みを微調整するような場が絶対に必要ではないかと思っている。その点について、見解をお聞かせていただきたい。
(事務局)現指針では、産業振興推進会議やフォローアップ部会、ウォッチャー制度などを設けて評価・検証をさせていただいている。
今回の改訂に際しても、評価・検証は重要であるということであり、指針の中では今後の評価・検証の具体的な仕組みについては明記しておりませが、県としても評価・検証のための受け皿は必要と思っているので、その点についても議論いただければと思っている。
(委員)目標値がないのに、この指針をどのように評価していくのかという問題もあり、評価・検証に関するこのような表現も止むを得ないとは思うが、プラットフォームのようなものだと思っている。このプラットフォームを明確にするのは大変難しいと思う。もし、仮に明確にするとなると、資料2P46で挙がっている各主体にそれぞれ戦略本部を設置して、戦略本部に産官学から選出されたワーキングを作ってやるのであればいいが、やはりこのプラットフォームの上でこの指針を展開していくしかないのではないかと思う。
あと、観光についてですが、来年の観光白書では「環境と観光」がキーワードになるようなので、環境を観光の中に組み込んでいけばいいのではないでしょうか。もう1つはビジットジャパンということになるが、是非環境を観光の取り組みに入れてもらえればと思う。
(事務局)我々もその様なイメージで観光政策に取り組んで行こうと思っている。表現等について、もう少し検討させていただく。
(委員)第5章の「滋賀の歴史や自然を活かした観光産業の展開」の内容については、全国どこでも同じような内容になると思いますので、水や琵琶湖にもっと特化してもいいと思います。
(事務局)観光に関しては琵琶湖や水はベースになっている。我々にとっては、琵琶湖や水をベースとするのは当たり前という思いのなかで取り組みを進めている。
(委員)ブランド力は、地域や会社などに相当な情熱を持った人がいないとつくれるものではない。中心市街地活性化に関する取り組みは、地域のブランド力に大きく影響すると思うが、それらの計画は市町が取り組まなくてはでない。そして、市町が取り組むためには住民がまちづくりの中で取り組まなくてはできない。国には中心市街地活性化のためのお金があるので、県はこの中心市街地活性化の取り組みと国とをつなぐ役割を担わなくてはいけない。これらの取り組みはそれぞれの役割がしっかりしていないとなかなか進むものではない。
地域のブランド力については、今盛んに全国各地で言われているが、そのブランド力を作り出すためにはものすごく汗をかかなくてはいけない。地域で誰がブランド力を作り出す取り組みを進めるのかを掘り出していって、その人に対してしっかりと支援をしていくことによって地域のブランド化は達成できるのだと思う。
(委員)資料2P40の「滋賀の歴史や自然を活かした観光産業の展開」についてですが、本音を言えば、「滋賀の歴史や自然を活かした『観光客に媚びない』観光産業の展開」であって欲しい。外からのマス・ツーリズムに消費されないということが大事である。
そして、そのためには、地域における担い手が必要となる。また、このような観光にこそ、コミュニティ・ビジネスが必要なのではないかと思う。指針素案では、コミュニティ・ビジネスは中心市街地活性化のところだけで話になっているが、地域の生活を支えていくための1つの方法としてコミュニティ・ビジネスを取り入れていくということは大いにあり得るが、地域が外の理論に振り回されてしまうと、ニューツーリズムのような取り組みはダメになってしまう。
だからこそ、地域社会の生活者の視点から見ると、第5章の5と6は繋がっているのではないかと思う。
あと、6についてはニューツーリズムという文言が入っているが、雰囲気がマス・ツーリズムの部類に入っているようなので、その点が心配である。
先程からの話に出ているが、この指針に何を込めるのかというところで私はよくわからなくなっているのですが、産業を振興していくための資源や色々な条件を整備していくことが大事かもしれませんが、材料を用意してもそこで触媒を通じて科学反応のようなことを起こして活性かさせないと、何も動いていかないと思う。
まちづくりについては、いくら補助金を投入してアーケードなどのハードを整備しても、まちの人の心が変わらないといけません。資源や制度や仕組みとともに、担い手を形成していく、あるいは主体形成をしていくような取り組みが必要になってくる。担い手について、この産業振興とセットで議論されればいいのではないかと思う。
先程委員がおっしゃっていることに近いかもしれませんが、みんなで知恵を出し合ってやっていかなければ、この指針も生きてこないのではないでしょうか。
(委員)この指針の最大の目標は、県内全体の報酬の総量を上げること。そのためにはブランドがあったら非常に便利である。そして、ブランド力を向上させるための地域や行政、事業者などの役割分担が必要となってくる。
長浜の黒壁についても、ブランド力を上げたことによって、長浜全体の報酬の総量は上がっていると思う。観光というのは使えば使うほど報酬はあがっていくもの。
(委員)成功する観光資源というのは、地域でしっかりと根付いているものが多い。香川のさぬきうどんが全く隠れていたことと同じだと思うが、県民のみなさんが当たり前のように琵琶湖や水とつきあっているということを発掘して、観光につなげる発信していくことも必要だと思う。
(委員)案外携わっている者は見えていない。黒壁の取り組みも、はじめは異業種の人ばかりであった。異業種ばかりで始めたガラス工芸は、もともと地域物産ではなかったが、そんな取り組みもできるわけである。
渦中にいると案外わからないものであるが、だからこそ異業種などとの連携を行うことで色々な良い意見が入ってくる。全然違うところから入ってくることによって、言い方を変えれば破壊ということになるのかもしれませんが、産学連携でも言えることで、当事者以外の意見が新しいものをつくるのだと思う。
(委員)破壊と創出ということ。商店街などではしがらみや固定観念などで新しい取り組みができないところがあるかもしれないが、何もしがらみがない人が新しいものをつくることができるのかもしれない。それにはリスクもあるが、大きなチャンスにもなる。
(委員)東近江でも商店街に新しい取り組みをしようとすると、「頼むからそんなうるさいこと言わないでくれ」と言われる。そのようなところに、この指針にあたるようなことを持ち込んだとしても、何の効果もないというのが実態である。
では、どうしたらいいのかと言うと、「よそ者」と言われる人たちが、日常的に集まれる場所を作ってあげて、その人たちが色々なアイデアを出して、行政もそこから出てくるアイデアを大事にしながら新しい火を付けていく仕掛けが必要である。
日本の多くの自治体でも産業推進会議というものを作って活動している。東京の墨田区や大田区、八尾市、千葉市、函館市などで実際に効果を上げており、その様な取り組みは地方の産業活性化のモデルとなりつつある。
滋賀県でも、是非、その様な取り組みを進めていただきたい。県が1つのモデルを作れば、それは市町に波及していくと思う。決して難しいものではなく、お金がたくさん必要となる取り組みでもありません。
(委員)昔シリコンバレーができたときに、随分色々なところから視察団が来たらしいのですが、実際に視察に来た人が、まちづくりなどに取り組むわけではない。そういうことでは、まず取り組みは成功しません。
(委員)それにはそれぞれの地域のDNAなどもありますし、視察したからと言って成功したかというとなかなかそうではない。しかし、違う形で色々な取り組みは生まれている。
(委員)視察した人のなかで、「よし、地域のためにやってやろう」という人が出てきたところはプラスになっているはずである。視察に行くこと自体はマイナスではない。
(委員)そういう人は地域にたくさん眠っていると思う。しかし、「言ってもしょうがないし、自分の会社だけを一生懸命がんばろう」ということで小さいところに逃げ込んでいる人は意外と多い。そしてもっと悪いのは、「そんなことをしても無駄だ」と言って抑え込んでしまう人たちがいるということである。その様な状況で、県がその様な状況に対して「こういうモデルがある」ということをつくる努力をしていただきたい。
(委員)私は市長と喧嘩しながらやってきた。「たぶん中心市街地活性化の取り組みは滋賀県では1つか2つくらいしか出ないでしょう。だからこそつくらなくてはいけない。」とやかましく言って取り組んできた。そこのところまで引っ張らないと、今おっしゃったように閉鎖的になったら何も動きません。
(委員)小さなことでも、やれば変わるということを多くの人が実感できないと変わっていかないと思う。危機感などで追い詰められてきて、猛烈にがんばる人が出てくると、周りの人たちがその人に影響を受けて、少しずつエンパワーメントされるというか、自分の中で勇気が出てくる。そして、「やっても無駄」とは思わずに「力を合わせて取り組むと何かできる」という気持ちを持つことができたら、そのような人がいる地域は変わることができる。
(委員)環境メッセは出来て10年で、参加者も4万人になっている。メッセでは19のテーマで環境に関する研修会などを開催しているが、何千人も参加している。
また、企業の見学については、地域の名勝とつなげて行うようにしています。1つのことが始まると、どんどん色々な取り組みに広がっていき、いつのまにか開催して10年目を迎えているという状況である。
メッセについては、初めは県のお金をたくさんもらってやっていたが、そのような火付けのところで県に引っ張ってもらうということは非常に大きい。たくさんの火種をつくって、経済の活性化が出来るような仕組みが非常に大事である。
(委員)先程私が申し上げたかったことは、まさに今議論されているようなこと。
あと、この指針はあくまでもプラットフォームでいいのでしょうか。もう1つ、この指針を動かしていくプロジェクトとして、小さい取り組みでもいいので動いてみようという展開まで持っていかなくてもいいのでしょうか。逆になぜその展開まで行けないのでしょうか。
(事務局)この指針は幹であり、その幹に応じて、中心市街地活性化の取り組みも別途展開しているが、その全ての取り組みが全部できるとは思っていない。
また、観光についてもビジョンの見直しにかかろうとしている。全体の流れの中で、大きな幹をつくっていって、それぞれの取り組みを進めていくようにしたいと思っている。
(委員長)事業を繋げて相乗効果を生み出すような仕組みづくりや環境づくりが大事だと思う。
結局経済を活性化させるということは、住民の生活の質を向上させることであり、環境を良くることなので、根本では繋がっていると思う。環境と経済の両立といいますか、どちらもうまくいくように進めていかなくてはいけない。
そこで、地域ということに立ち戻ると、滋賀のブランドをつくることが大事なのではないでしょうか。素案については、ブランドに繋がっていくような形でまとめていただけたらと思う。
指針素案については、次回の委員会で再度議論しますが、今回は限られた時間で十分に意見をおっしゃることができなかったと思うので、何かあればメールやFAXなどでご意見を送っていただきたい。
(2)その他(事務局)次回委員会は、11月29日(木曜日)の午前10時から午後12時15分までを予定しております。会場は「コラボしが」でお願いしたい。
入江、武村

キャッチコピー「母なる湖・琵琶湖。-あずかっているのは、滋賀県です。」