カワウはカツオドリ目ウ科の大型の魚食性水鳥で、全国の内湾、河川、湖沼などに生息しており、繁殖期には樹上に集団で営巣します。
滋賀県では、全国でも最大規模の繁殖地である竹生島(長浜市)を始めとして複数の繁殖地やねぐらが確認されています。平成に入って以降(1990年代)には爆発的な勢いで増加し、平成16年には40,000羽を超える生息数が確認されましたが、県や市の各種対策により平成28年春季には約6,500羽(ピーク期に比べて4分の1以下)にまで減少しました。しかし、近年では繁殖地が河川等の内陸部にも分散しており、R4年には17,451羽と増加傾向であり、水産課としても今後の動向に注意している状況です。
春期カワウ生息羽数の推移
水産業では増えすぎたカワウによる魚類の捕食が問題となっています。カワウの一日あたり捕食量は300g〜500gと言われていることから、カワウが県内に滞在する3月~9月(214日間)の捕食量は、令和2年では約543トン※と試算され、令和2年の琵琶湖漁業における年間魚類漁獲量(約759トン)の約7割に相当する量となっています。
※カワウの魚類捕食量の計算
350g/羽・日×7,261羽(R2年)×214日(3月~9月)= 543トン
捕獲されてゲンゴロウブナを吐き出したカワウ
水産課では漁業被害の軽減を目的として、漁場において花火や防鳥糸を用いた追い払い、銃器による駆除等を実施する市町等に対して補助を行っています。令和3年度には6市域の湖岸や河川の漁場等で実施しました。
滋賀県(琵琶湖環境部所管事業)や市町ではカワウ捕獲対策を実施されています。令和3年度には竹生島を中心に県内で7,320羽が捕獲されました。