メイド・イン・滋賀(彦根バルブ)

メイドイン滋賀

彦根バルブ(ひこねばるぶ)

彦根の位置マップ
  • 地域/彦根市、犬上郡、愛荘町 他
  • 主な製品/水道用弁、産業用弁、船用弁

問い合わせ/滋賀バルブ協同組合
〒522-0037 滋賀県彦根市岡町52
電話:0749-22-4873ファックス:0749-22-0463
ホームページ:http://www.shiga-vl.jp/

安全に流れを制御し、暮らしや産業を支える。

バルブって……?と言う人は多いだろう。バルブとは管などを流れる気体や液体の出入りを止めたり、流れを調整するための装置をいう。一番身近なものは水道の蛇口である。彦根で生産されているバルブは、水道用バルブ、産業用バルブ、船舶用バルブといった大型が主流だ。まず水道バルブは上水道、下水道、工業用水、農業用水などの配管に用いられている。産業用バルブは製鉄、ガス、パルプ、食品、電力、石油などなど、工場の機械の配管に用いられている。船舶用バルブはタンカー、コンテナ船、客船、漁船、貨物船などの配管に用いられている。すべての配管には必ず、要所要所にバルブが取り付けられている。工事を行う時や万が一、異常が発生したら、一番近い場所のバルブを絞って、気体や液体の流れを止めなくてはならないからだ。毎日私たちが不自由なく使っている水やガスなどもバルブに見守られ、配管を通っている。日常では直接目にすることはないが、バルブは全国、世界のあらゆる場所で活躍している、いわば縁の下の力持ちなのだ。

では、なぜ彦根が産地になったのか。これは明治20年頃、門野留吉という仏具装身具の錺金具(かざりかなぐ)職人が信州の製糸工場から蒸気※カランの製作を頼まれ、錺金具の技術を活かして注文に応えたのがきっかけだと伝わっている。城下町彦根は江戸時代以降、武器をつくっていた職人が仏壇づくりに転身したと伝わり、彦根仏壇の産地としても名高い。

その後、同族の分家やのれん分けによって業者数が増え、日本の近代工業化にともなってバルブ産業が発展した。現在、27社前後のブランドメーカーとそれを支える約120社からなる関連企業で業界を構成し、従業員は合わせて約1,700名になる。メーカーは全国にもあるが、これだけの企業が集積する産地は全国唯一である。

さまざまな配管で使われるバルブは用途によって多種多様である。発注に応じて当然工程も変わるため、高度なプログラミングが必要となる。工程は大きく鋳造・組み立て・加工に分かれ、機械化はされているが、要所は人間による長年積み重ねられた勘による作業が欠かせない。人材育成にはおよそ10年かかるという。たとえ0.01ミリの空間であっても圧力がかかると気体や液体が漏れる。それを許さない技術と検査には厳しい目が光る。

近年、厚生労働省は水道水の安全性を高めるため、水道施設に使用される機器から溶出する物質の溶出基準を強化した。そこで彦根バルブではバルブの材料として、鉛を含まない銅合金鋳物を開発した。名称は「ビワライト」。関西大学、滋賀県東北部工業技術センターと共同で開発を行い、約7年をかけて、目標どおりの試作品が完成、製法特許を取得した。高価で稀少な合金化元素を使用しないことでコストアップを抑えている。鋳造性が良い、つまり汎用性に優れる。再溶解が可能(リサイクルが可能)で環境に配慮できる。そして、従業員の健康面の安全性を向上することができる、といった特性を持つ。現在、JIS化へ向けた各種試験を実施中。

さらにはもっと美味しい水を届けたいと浄水装置の開発にも取り組んでいる。縁の下の力持ちはさらにパワーアップしていく。そんな日本と世界の暮らしと産業を支える産業が、滋賀にあることは誇りだ。

(取材:2007年12月)

※カラン:オランダ語で蛇口を意味する。

バルブ工場工程1
バルブの部品1

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HikoneValve
バルブの部品2
ビワライトを応用した試作品
検査
バルブの部品3
バルブの作業工程2
キャッチコピー「母なる湖・琵琶湖。-あずかっているのは、滋賀県です。」