文字サイズ

メイド・イン・滋賀(高島綿織物)

メイドイン滋賀

高島綿織物(たかしまめんおりもの)

高島の位置マップ
  • 地域/高島市
  • 主な製品/綿クレープ、厚織(ゴム工業資材他、帆布)

問い合わせ/高島織物工業協同組合
〒520-1501 滋賀県高島市新旭町旭714-5
電話:0740-25-3551(代)ファックス:0740-25-5345
ホームページ: http://www.takashima-orikumi.shiga.jp/(外部サイトへリンク)

高島綿織物の紹介動画はこちらをクリックしてください。(外部サイトへリンク)

先人が育んだ技に新しい時代を織り込む

高島市では古くから綿花(めんか)が栽培され、江戸時代には和服の生地として、しわ加工を施した「縮(ちぢみ)」が織られていたという記録が残る。庭先に干していた織物が急な雨で濡れて縮んでしまった。ところが、このシワによって今までにない独特の風合いを持つ織物になっていた。縮は偶然にして生まれたとも伝わっている。

明治末期に本格的な工業生産に続いて、※晒(さらし)と染色加工がはじまり、全国的に「高島縮」が知られるようになる。産業資材織物としては、大正期に自転車用の綿※タイヤコードが日本で初めて高島で生産される。その後の関連製品の展開で産業用織物は現在の当産地の生産高の約7割を占めている。

昭和30年代後半から40年代前半にかけて、クレープ肌着が高級品として需要が最高潮に達し、全国シェアの約50%を占める。クレープ肌着と聞いてピンとこない人も多いかもしれない。お父さんの「ステテコ」と言えば分かるだろう。汗をよく吸収して、すばやく乾かす。さらっとした肌触りの爽やかな着心地。高温多湿な日本に最適な肌着は大ヒット商品となった。

織物は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が交差してできている。この緯糸に強い※撚(よ)りをかけた糸を使って織った生地を加工する。緯糸は元の状態に戻ろうとするが、この戻ろうとする糸の力で表面にできた凹凸をシボと言い、シボを出した織物を一般に縮・クレープ・楊柳(ようりゅう)などと言う(絹の場合は縮緬(ちりめん)と呼ばれている)。糸の太さや撚りの回数などでシボの形状や大きさ等を変化させ、多種類の生地を織ることができる。この地域には撚糸企業が数多く集まっているため、高島綿織物はこのシボの種類が多彩だ。ストライプ状、波状のシボといった模様に染色や柄をプリントすれば生地の種類は多数。これまで開発されてきたサンプルは数えきれない。

綿花は現在、日本ではほとんど生産されておらず、アメリカ、オーストラリアなどから輸入されている。国内で紡績された糸は1メートルに1000回程度の撚りがかけられているが、高島綿織物は産地で更に1200〜1300回撚った緯糸を使う。経糸は当地にあるサイジング工場2社で加工され、機屋(はたや)と呼ばれる企業でそれぞれ独自の手法でつくられた緯糸が織り込まれる。

産地ではこれまでの生地だけを提供してきた体制ではなく、消費者に近い商品づくりに取り組んでいる。「高島いろは」はそこから生まれた、大人のための和テイストファッションブランドだ。※高島晒協業組合と京都手描き友禅の工芸職人のコラボレーションにより2003年に発足、50〜60代をターゲットに半袖シャツやTシャツを製造販売している。クールビズで注目が集まった、春夏素材展「ビワタカシマ」は今年で第22回を迎える。京都プリント染色協同組合の協力のもと、プリント染色生地でカジュアルなシャツを制作するなど、産地間交流にも積極的だ。

先人によって育まれてきた技術で綿をベースに新しい時代を織り込んでいく。高島綿織物は、地域ブランドの発信を目指して一歩づつ前進している。

(取材:2008年1月)

※晒:薬品などで布を白くすること。
※タイヤコード:タイヤに寸法安定性を付与するスダレ状の織物。素材には強度、耐疲労性、耐熱性、ゴムとの接着性などが求められる。
※撚る:ねじりあわせる。
※高島晒協業組合:綿クレープなどの精練、漂白、染色、捺染加工(プリント)及び販売を主な業務としている。

緯糸が織り込まれる機屋の織機
高島綿織物の生地サンプル

ここからメイドイン滋賀写真集です。

TakashimaCottonTextiles
プリント生地サンプル
厚織生地サンプル
クレープ
糸
経糸が加工されるサイジング工場内荒巻整経機