人が「依存」する対象は様々ですが、特定の 物質や行為・過程に対して、
「やめたくても、 やめられずに日常生活や家族関係等に支障をきたしている」状態を「依存症」といいます。
人は誰しも、不安や緊張を和らげたり、嫌なことを忘れたりするために、ある特定の行為をすることがありますが、それを繰り返しているうちに脳の回路が変化して、自分の意思では止められない状態になってしまうことがあります。
これが、依存症という病気です。
周囲がいくら責めても、本人がいくら反省や後悔をしても、また繰り返してしまうのは脳の仕組みによるもので、決して「根性がない」「意志が弱いから」ではなく、条件さえ揃えば、誰でもなる可能性があり、特別な人だけがなるわけではありません。
依存症になったとしても、回復途上で止め続けることに失敗したとしても、様々な助けを借りながら、止め続ける生活をすれば、飲酒やギャンブル、薬物使用等に頼らない生き方をしていくことは可能です。
止め続けるには、依存症としっかりと向き合い、正直に自分の気持ちを言える場所があることや孤立しないこと、飲酒やギャンブル、薬物使用等をしたいときどのように避けるかが大切です。
また、依存症になると人間関係よりも依存行為を行うことを優先してしまうため、家族や周囲を巻き込んでいきます。
家族自身も借金の肩代わりをしたり、お酒を隠したり、家族内だけで立て直そうとし、周囲の目を気にして相談や治療につながることを拒み、孤立し、追い込まれ、事態を悪化させてしまうことがあります。依存症から回復するためには、依存症の本人への支援だけでなく、家族への支援も必要です。
加えて、治療者・支援者はやめさせようとする思いが強いと、依存症の本人がスリップを繰り返すことで、無力感に陥ることがあります。治療者や支援者自身も健康であり、本人や家族との信頼関係を築くことが必要です。
依存症は、「孤立の病気」と言われます。例えば「学校や職場、家庭等でうまく馴染めない」といった孤立・孤独感や「常にプレッシャーを感じている」「自分に自信が持てない」等の不安や焦りからアルコールやギャンブル、薬物等に頼るようになり、そこから依存症が始まる場合があります。
また、依存症は「否認の病気」とも言われ、本人が病気と認識することは難しく、「いつでもやめられる」等と依存症を認められないことがあります。
依存症となると「どうして何度も繰り返すのか」「だらしない」と周囲から責められ、依存症になった本人でさえも、弱い人間だと思い込み、また飲酒やギャンブル、薬物使用等をしてしまったときに正直に打ち明けることができなくなります。
回復するには、本人や家族が信頼できる人や場所で正直に自分の気持ちを言えることや依存症と向き合える環境が大切で、
年齢、性別、社会的立場などに関係なく、いつでも誰でも巻き込まれるかもしれない依存症から回復しやすい社会を作っていくには、私たちが依存症は病気であることを正しく理解し、適切な支援の手を差し伸べることが必要です。
御自身が依存状態にあるかを確認する方法として、質問に回答していただき依存状態を計るスクリーニングテストという手法があります。アルコール、ギャンブル等のスクリーニングテストを公開していますので、御活用ください。
県では、県民の皆様に身近な場で御相談いただけるよう、相談拠点機関を位置付けています。
秘密は守られます。本人やご家族、周囲の方等お気軽にご相談ください。
相談機関名 | 相談受付時間 | 対応地域 | 電話番号 |
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滋賀県立精神保健福祉センター | 平日9:00~16:00 | 全県 | 077-567-5010 |
大津市保健所 | 平日9:00~17:00 | 大津市 | 077-522-6766 |
草津保健所 | 平日9:00~16:00 | 草津市・守山市・栗東市・野洲市 | 077-562-3534 |
甲賀保健所 | 平日9:00~16:00 | 甲賀市・湖南市 | 0748-63-6148 |
東近江保健所 | 平日9:00~16:00 | 近江八幡市・東近江市・日野町・竜王町 | 0748-22-1300 |
彦根保健所 | 平日9:00~16:00 | 彦根市・愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町 | 0749-21-0281 |
長浜保健所 | 平日9:00~16:00 | 長浜市・米原市 | 0749-65-6610 |
高島保健所 | 平日9:00~16:00 | 高島市 | 0740-22-2419 |
県では、県立精神保健福祉センターが主体となり、関係者への支援や必要な研修会等を行っています。
依存症を抱える本人や家族を支援する方だけでなく、その関連問題(多重債務や貧困、虐待、暴力、自殺等)の支援者の方も是非ご参加ください。
依存症の問題を早期発見・早期介入し、本人や家族等が回復し続ける社会を実現するためには、関係事業者や民間団体等に継続的に繋がることも必要なことの1つです。
「依存症専門医療機関」は、国の定める基準により、依存症の所定の研修を修了したスタッフを配置し、専門性を有する医師が担当する入院医療や依存症に特化した専門プログラムを有する外来治療を行うなど、依存症に関する専門的な医療が提供できる保険医療機関です。
「依存症治療拠点機関」は、「依存症専門医療機関」である医療機関のうち、国の定める基準により、依存症に関する情報発信や医療機関を対象とした依存症に関する研修を開催することなど、専門的な医療の提供に加えて、治療拠点機関として運営が可能な保険医療機関です。
「依存症専門医療機関」「依存症治療拠点機関」として選定されることを希望する医療機関は、様式1(申請書)と別紙1(専門医療機関)および別紙2(治療拠点機関)に必要事項を記載し、適宜関係書類を添付の上、下記の申請書提出先に郵送または持参により提出してください。
〒520-8577
大津市京町四丁目1-1
滋賀県健康医療福祉部障害福祉課「依存症専門医療機関・依存症治療拠点機関」選定担当あて
医療機関名 | 所在地 | 電話番号 | アルコール健康障害 | 薬物依存症 | ギャンブル等依存症 |
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滋賀県立精神医療センター | 草津市笠山八丁目4-25 | 077-567-5001 | 平成31年7月 | 令和3年3月 | 令和3年2月 |
医療機関名 | 所在地 | 電話番号 | アルコール健康障害 | 薬物依存症 | ギャンブル等依存症 |
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滋賀県立精神医療センター | 草津市笠山八丁目4-25 | 077-567-5001 | 平成31年7月 | 令和3年3月 | 令和3年2月 |
「依存症相談拠点」は、依存症対策総合支援事業実施要綱により、以下の点に留意して設置を進めることとされています。
(ア)関係機関と連携し対応するため、依存症相談員を配置すること。
(イ)アルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症の依存症関連問題に関する相談窓口であることを明示し、周知すること。
(明示例:アルコール健康障害関連お悩み相談窓口、薬物依存症関連お悩み相談窓口、ギャンブル等依存症関連お悩み相談窓口等)
(ウ)民間団体を含む関係機関と十分な連携をとる体制ができていること。
滋賀県では、精神保健福祉センターと各保健所で、依存症に関する相談を受けています。
機関名 | アルコール健康障害 | 薬物依存症 | ギャンブル等依存症 |
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滋賀県立精神保健福祉センター | 平成30年度 | 令和2年度 | 令和2年度 |
各保健所 | 平成30年度 | 令和6年度 | 令和6年度 |
県では、県民が依存症等について正しく知り、必要な支援につながり、安心して暮らすことができる社会の実現を目指して、アルコール健康障害、ギャンブル等依存症、薬物依存症、その他の依存症を含めた令和6年3月に「滋賀県依存症総合対策計画」を策定しました。