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北陸新幹線敦賀以西ルートに対する考え方(平成28年12月5日)

第21回与党 北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会(平成28年12月5日)にて、北陸新幹線敦賀以西整備について本県からの意見聴取が行われました。

三日月知事が当委員会に出席し、本県の敦賀以西ルートに対する考え方をプレゼンテーションしましたので、その全文を掲載します。

意見聴取の様子

滋賀県知事の三日月です。今日はこういう機会をいただきましてありがとうございます。また、平素は、精力的に様々な課題等を御教授いただいていること、心からお礼申し上げます。

さっそく、時間もありませんので、本県資料に基づきまして説明させていただきます。

表紙

目をお開きください。今日お伝えしたいことは5点でございます。

1ページ

1点目は、このたび、おかげさまで、国において、整備計画にあります「小浜市附近」を経過しない「米原ルート」が調査され、最も投資効果が優れる等「米原ルート」の優位性が確認されたことでございます。

また、2点目、敦賀・大阪間のルートについて、路線の形によりますが、本県の考え方に変わりはなく、開業までの期間が短く、建設費が低廉で、費用対効果に優れる「米原ルート」をぜひ実現すべきだということ。

3点目。人口減少社会を迎えております。「早く」「確実に」整備することが必要ではないか。平成53年、2041年以降の開業では遅すぎるということでございまして、他のルートと比較して、財源的な優位性があり、前倒し整備に向けた力を生み出すルートを検討すべきではないか。

4点目。御案内のとおり、北陸新幹線整備は重要な国家プロジェクトでございます。多額の投資も必要です。米原乗り入れなど、あらゆる可能性を検証し、広く国民的な議論も踏まえルートを決定すべきであると考えます。

最後。国家全体の便益/費用を最適化できないルートには同意できません。国で最終的に決定したルートが、仮に地域における利益と相反する場合、国が責任を持って対処していただきたいということでございます。

以上が、国の調査結果を受けて、本日、本県が申し上げたいことでございます。

をお開きください。

2ページ

まず、ルート選定にあたって、滋賀県が主張したい「視点」を2点、申し上げます。

1 点目の「視点」でございますが、今回の国土交通省の調査において、昭和48年に「小浜市附近」とする整備計画を決定して以降、「米原」を経由する「米原ルート」を改めて調査対象としていただいたこと、このことは、極めて重いと考えます。

また、その調査においてですね、「米原ルート」について、投資効果および工期、建設費において最も優れることが明らかになりました。それは、お手元、この2ページの上段に比較させていただいております。これをどう評価するのかということだと思います。

その際に、単に、この一番右側にありますように、投資効果、B/Cという「比率」が優れている点だけでなくて、建設費の「差」。これは、米原ルートとそれぞれのルートは、1.5兆から1.9兆円ございます。また、建設期間の「差」、これは、想定されております両ルート15年に対して、米原ルートは10年。5年の差がございます。これをどう評価するかという視点。

そしてもう1点はですね、「小浜京都ルート」と「米原ルート」の時間短縮効果の差、これを便益として表現いたしますと、福井県さんの御説明の資料にもございましたが、年間約50億円、最大50億円に相当するということでございます。

仮にですね、この年間50億円の便益というものを、建設費の差額でございます1.5兆円、これを年間約50億円の便益差で回収しようとすると、計算していただければすぐにわかるんですが、約300年必要になる。このことを我々はどう評価すればいいのかということだと思います。

2ページの下段、もう1つ主張したい「視点」は、関西と北陸・中京を結ぶルートに関してでございます。下段の左側に書いてありますように、米原ルート以外の2つのルートで整備されるとすると、京都・新大阪に別線を引く必要がございまして、これは明らかに2重投資ではないかと考えます。そういう意味で最も合理的なルートは「米原経由」ではないかと考えます。

この右下の表を御覧いただければと思いますが、これは、北陸の各地域から名古屋・東京へ向かう際の所要時間と運賃料金を比較するとこのようになります。特に、オレンジで示されたところが、米原ルートで金沢・福井から名古屋に行った場合、そして、下の段、表題を青で書いてあるところは、小浜京都ルートならびに舞鶴ルートで金沢・福井から名古屋に行った場合を比較いたしますと、所要時間・運賃とも大きく米原ルートを上回ってしまうという現状がございます。こういうことに対しまして、北陸と中京とのつながりということも大変重要ではないかと考えます。

少し飛んで、

をお開きいただきたいのですが、

5ページ

すでに御案内のとおり、福井県、石川県、富山県は、中京圏、静岡、神奈川を含めた、この地域との、「ヒト」や「モノ」の流れがたいへん多ございます。そして、5ページの上段の右側ですね、これは今朝時点の最新の敦賀駅ならびに小松駅の朝の時間帯の時刻表でございますが、これ見ていただくと、大阪方面に向かうオレンジ色の「サンダーバード」と米原方面に向かう「しらさぎ」の赤の文字、これはほぼ運行が1対1でございまして、そういう意味で言いますと、この北陸圏と中京圏との結びつきというものを無視することはできないのではないか、これが、この地域にお住まいの方々の生活実感ではないかと考えます。

次に

に戻っていただきまして、整備のスケジュールについてでございます。

3ページ

本県を含みます関西広域連合はですね、「北陸新幹線は極めて重要で早急な整備が必要である」ことを共有しております。

今回の国土交通省の調査報告書には、2031年着工と想定されておりますが、このスケジュールでいきますと、最も工期が短い「米原ルート」でさえ、リニア大阪延伸が予定されている2037年よりも遅い2041年の開業となります。これではやはり遅すぎるということを指摘させていただきたいと思います。

そのためにも、「早期着工」、「前倒し整備」が必要だと考え、現在の予算の枠組みのなかで「米原ルート」は、優位性があるのではないかと考えます。その予算の枠組みにつきましては3ページの下段に現状が書いてありますし、3ルートの比較をさせていただいておりますが、仮に財源のスキームの見直しがなされたとしてもですね、「米原ルート」の建設費が最も低廉、かつ建設期間が短いことには、変わりございませんので、「早く、確実」に結ぶルートとしての推奨をさせていただくものでございます。

もし、仮に、現在の予算スキームと過不足額を比べ、下の※に掛かれておりますとおり、これを貸付料等で賄っていこうとした場合、金沢・上越妙高間で年間80億円、これが30年固定になっております。それと、上の過不足額、見ていただきますと、三千数百億円、五千五百億円余りでございまして、この規模感を我々はどう見たらよいのかということもあるのではないかと思います。

お願いいたします。

4ページ

本県でもですね、敦賀以西ルートについては、3ルート案を独自に試算させていただきました。国土交通省の調査と、停車駅ならびに列車速度など、前提に差異がありましたので、同じ数値になりませんでしたが、米原ルートで仮に乗換えではなく、乗り入れを行った場合、乗換え抵抗がなくなりますので、乗換えに比べB/Cがさらに向上いたします。その値は3.28で、他のルートにさらに大きな差をつけることとなります。

最大2兆円を超える公共事業でございますので、国家全体の費用対効果を最適化するために、あらゆる可能性を検証すべきではないか、そして最適解を得るべきだと考えます。

今回の国土交通省の調査は、JRから、乗り入れは3つの技術的課題があるので困難だとの見解が示され、4月に与党検討委員会で出された「中間とりまとめ」で、米原乗換えで調査していただきました。しかし、その後、リニア中央新幹線の大阪延伸が8年前倒しされる方針が決定され、必要な法改正等行われたと承知しておりまして、今回の国土交通省の報告にある米原ルート開業よりも4年早くリニアが大阪まで開業することになります。前提に変化が生じているのではないかと指摘させていただきます。

東海道新幹線のダイヤの過密性は、今でも乗り入れ可能性はあるのではないかと指摘される声もありますし、この、リニア開業によって、解消される可能性がございます。同時に技術的課題として、4ページの中段に記載しておりますとおり、「運行管理システム」だとか「脱線・逸脱防止装置」のことも指摘されておりますが、これは、現状においても現実に相互直通運転を実施している例もございますので、乗り越えることは可能ではないか、したがって、乗り入れは十分技術的に可能ではないかと考えます。

技術的課題は、技術で克服可能でありますし、それに要するコストはどれくらいか精査をして、当然JRは民営会社ですので、この民営会社の経営自主性も尊重しながら比較考量することが、より良い事業になるのではないかと考えます。

最後に2点申し上げます。

本県試算と国土交通省の調査は、先ほど来申し上げておりますが、若干かい離がございました。それは、前提の違いが原因でございます。この前提を、きちんと精査し整理しながら、与党の皆様方や政府の皆様方に御判断いただく、こういう整理が必要ではないかと考えます。

1つ目は、いつ着工し、いつ開業するのかということが極めて大きな影響を持つのではないか、さらにもう1点は、敦賀以西において、関西広域連合はリニア大阪開業までは「米原乗換え」、開業後は「乗り入れの米原ルート」を決定し、主張させていただいています。今年1月、JRから技術的課題で乗り入れが困難とされた、このことを受けて関西広域連合は「再検討せざるを得ない」ということになったところでございます。

関西広域連合といたしましては、敦賀以西ルートについて、開業までの期間、B/C、波及効果を重視して、地域課題、コスト負担については関西全体で解決することとしておりまして、この考えに変更はございません。

最後になりましたけれども、北陸新幹線敦賀以西ルート、これについては、早期に御決定いただき、早期に着工・完成していただきたい。そのことを目指すのであれば、米原ルート以外にないのではないかと主張させていただき、そのために、費用負担の法的な課題等々また技術的な課題等々ぜひ御勘案、御賢察のうえ御対応いただくことをお願いいたしまして、本県の説明とさせていただきます。

お問い合わせ

滋賀県土木交通部交通戦略課 
電話番号:077-528-3681
FAX番号:077-528-4837
メールアドレス:hc00@pref.shiga.lg.jp
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