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ゲノム疫学研究部門

スタッフ

【専門研究員】
谷垣 健二(たにがき けんじ)

【専門】
神経発生学、分子医学、分子生物学

【略歴】
平成9年京都大学医学部卒業、平成9-13年京都大学大学院医学研究科分子医学専攻(平成13年修了、医学博士)、平成13-14年 京都大学大学院医学研究科分子生物学教室特別研究員、平成15年京都大学大学院医学研究科分子生物学講座助手、平成15-16年Max-Planck Institute for Medical Research, Biomedical Optics留学。

【抱負】
統合失調症は複数の遺伝子の機能異常によっておこる多因子遺伝病です。遺伝学的解析によって統合失調症の原因遺伝子が同定されつつあり、原因遺伝子のいくつかは神経発生に関与する可能性が示唆されています。わたくしは、統合失調症原因遺伝子と考えられている遺伝子が欠損すると、どのような神経発生異常、神経機能異常が生じるか研究を行ってきました。ゲノム疫学研究を通して、精神神経疾患の診断法、治療法を開発できる可能性を追求したいと考えています。

【主な論文】
こちら

【主任研究員】
十名理沙(となりさ)

【専門】
遺伝性難聴、分子遺伝

【略歴】
平成19年長崎大学医学部卒業、平成27年京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科(医学博士)。平成28-令和2年米国国立衛生研究所(NIDCD/NIH) Laboratory of Molecular Geneticsに留学。

【抱負】
先天性高度難聴は出生1000人に1-2人発症します。このうち70%は遺伝性難聴が原因です。現在難聴の原因遺伝子は100以上見つかっており、原因の遺伝子によって、難聴の程度、進行性の有無、聴力の変動の有無、随伴症状など現れる症状は異なります。遺伝性難聴およびゲノム疫学研究により、臨床に直結した研究を進めていきたいと考えます

【主な論文】
こちら

【臨床検査技師】

植村 宗弘(うえむら むねひろ)

【臨床検査技師】
村木 一枝(むらき かずえ)

ゲノム疫学研究部門の研究概要

ゲノム疫学研究分野は滋賀県民の健康改善に貢献するために、滋賀県の健康医療データを元に、健康課題の分析、保健事業と連携した介入の実装を行い、住民の健康行動、医療の質の改善によって、健康アウトカム改善、医療費適正化を目指しています。当センターでは、ゲノム疫学研究で得られた疾病(精神神経疾患、難聴)の病因遺伝子と病態との関連の解明にも取り組んでいます。

神経系の発達とその異常による病態の解析

(1)中枢神経系におけるNotch/RBP-Jシグナルの役割

Notch/RBP-Jシグナルは、遺伝学的、生化学的解析によって統合失調症、自閉症、精神遅滞等の精神疾患に関与することがわかっています。我々は、中枢神経系特異的にNotchシグナルが欠損したマウスを作成することで、Notch/RBP-Jシグナルが成体神経新生において神経細胞の成熟に関与していることを発見し、著名な米国発生生物学誌に報告しました。成体に残存する神経新生は、統合失調症や認知症に関与することから、これらの知見は精神疾患発症の分子メカニズムにせまるものと期待されます。

また、この研究から、Notch/RBP-J シグナルが悪性脳腫瘍である神経膠芽腫の悪性化に必須のOlig2 の制御を行なっていることが明らかになり、Notch/RBP-J シグナルの神経膠芽腫の悪性化の関与が示唆され、新たな研究の展開につながっています。

(2)中枢神経系細胞構築の異常と統合失調症の分子基盤

統合失調症は複数の遺伝子の機能異常によっておこる多因子遺伝病です。遺伝学的解析によって統合失調症の原因遺伝子が同定されつつあり、原因遺伝子のいくつかは神経発生に関与する可能性が示唆されています。我々は、統合失調症原因遺伝子と考えられている遺伝子を欠損したマウスを利用して、神経発生学的に解析し、統合失調症発症に関与する神経回路網の解明を目指すと同時に、統合失調症様行動異常に影響を与える遺伝子群をQTL解析の手法を用いてスクリーニングを行なっています。

研究業績

業績はこちらをご参照ください。


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