文字サイズ
膝の痛みは、日常生活に大きな影響を及ぼします。
痛みのために、
このような状態が続いていませんか?
もちろん手術には不安やリスクを伴います。しかし、その一方で充実した生活も期待できます。
保存的治療では痛みが取れなかった方は、人工膝関節手術について考えてみてください。
膝の痛みは膝だけの問題ではありません
痛みを我慢し続けると、全身の健康が損なわれます。
一度低下した全身の体力を回復させるのは、とても難しいことです。
膝だけでなく全身への影響も考えて、適切なタイミングで次の治療を検討することが大切です。
膝は、主に大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨で構成され、表面は軟骨で覆われています。
傷んだ関節の表面を人工の部品(インプラント)に置き換えて、痛みを減らし、歩きやすさを取り戻す手術です。
当院の手術計画
当院では、術前CTデータから得られる3次元骨形状を分析し、一人ひとりの患者さんに合わせた手術計画を立てます。
下記どちらの方法でも、目指すのはその人に合った自然な脚のバランスと安定して歩ける膝です。
膝の一部だけが傷んでいる場合に、その部分のみを人工関節に置換します。
大腿骨と脛骨の内側が傷んでいる場合は、内側の表面だけを置き換えます。
当院では人工膝関節置換術の約3割にこの手法を用いています。
痛みや損傷が部分的ではない場合に行う方法で、膝関節全体の表面をインプラントで覆います。
膝蓋骨(お皿の骨)の表面が健全な場合は残すこともあります。
当院では人工膝関節置換術の約7割にこの手法を用いています。
できるだけ患者さんの膝の形状に合わせて人工関節を設置し、膝周辺の負担を減らします。
痛みをできるだけ抑え、歩行練習・自転車・階段練習へと段階的に進めます。
当院ではこうした工夫により、術後10日程度で自宅退院が可能となる人が多いです。
関節由来の歩行時痛はほとんど無くなります。
人工関節で覆われた部分が滑らかに動くようになります。
膝が伸ばしやすくなります。
手術によって、膝関節の形状が変形前の状態に回復します。
以上の効果によって、手術前よりも歩きやすくなります。
また、日常生活能力が良くなることが期待できます。
※ 術前の筋力や柔軟性は術後の結果に直結します。
※ 術前に和式の生活能力が高い方は、術後もその能力を維持できる可能性があります。
人工関節置換術で最も重要な合併症です。予防のため様々な工夫を行いますが、 一般的に感染の確率は1〜2%と言われています。
いったん感染すると、治るまでに複数回の手術や、長期の抗菌薬治療・入院が必要になることがあります。 糖尿病・肥満・喫煙・免疫疾患などがある方は、できるだけ改善した状態で手術を行うことが大切です。
下肢の静脈に血栓ができ、肺の血管に詰まる病気です。対策をしない場合、症状のない深部静脈血栓症が半数以上に起こり得ると言われています。
現在は様々な予防策により「症状がある肺塞栓症」は少なくなっていますが、ゼロではありません。
従来の皮膚切開では、膝の前面の知覚神経(伏在神経膝蓋下枝)が影響を受け、 術後に膝の前の感覚が鈍くなることがありました。
従来の皮切では神経に影響することがあります。当院では皮膚切開の位置を工夫し、神経を避けるようにしています。
※従来の方法でも数年かけて感覚が回復する方もおられます。
平均としては屈曲可動域は術前と同程度ですが、術前より少し曲がりやすくなる方もいれば、少し曲がりにくくなる方もいます。
術後の痛みが強い・癒着しやすい体質・自発的に動く意欲が少ないことは拘縮のリスクになります。
状況に応じて鎮痛などで対応し、強い拘縮では追加治療を行う場合があります。
「コツコツ音が鳴る」「擦れるような音がする」と感じることがあります。 できるだけ音が鳴りにくいように工夫していますが、完全にゼロにするのは難しいことがあります。
特に部分置換術(UKA)では、骨が弱い場合にインプラントが沈み込むことがあります。 術後半年間はジャンプ動作など強い衝撃を避けてください。
全置換術(TKA)では「人工関節を入れたから骨折しやすい」というわけではありませんが、人工関節の周囲で骨折すると複雑な手術が必要になる場合があります。
手術技術の進歩により、手術により輸血が必要になることはほとんどなくなりました。 ただし、術前から貧血が強い方や、心不全や透析など全身の循環維持が必要な方では安全のために輸血を行うことがあります。
人工関節は長年使っていると、部品の摩耗や、人工関節を支える骨の変化によって「ゆるみ」が生じることがあります。
一方で長期成績は改善しており、約9割以上の人工膝関節が20年以上もつことが報告されています。
ただし、術後何年経っても細菌感染には注意が必要です。膝のまわりの皮膚病や 歯槽膿漏がきっかけになり、再手術が必要となることがあります。
気になる症状があるときは、皮膚科や歯科で早めに相談してください。
異常の早期発見のため、人工関節を使って歩いている限りは年1回程度の定期検診をおすすめしています。
手術を安全に行うために、入院前からいくつかの準備をお願いします。
※手術中、ご家族の方は病棟デイコーナーで待機してください。手術終了時には病棟看護師がお知らせします。
予定より早い時期でも、条件を満たせば退院できます(最短術後5日目)
Q&A(よくあるご質問) (PDF:111 KB)
人工関節を長く安全に使うために、次のことを続けましょう。
外来受診予定日でなくても、病院へご連絡ください。緊急の場合は予約外でも受診できます。
その際は、人工膝関節の手術後であることをお伝えください。
病院へ電話:0570-00-5031(ナビダイヤル)
緊急時(強い痛みで動けない・呼吸が苦しい等):119