麻酔科について

麻酔科について

麻酔とは、患者さんが手術を受ける際に伴う、傷の痛みを中心とした様々な苦痛をできる限り取り除き、また、手術による影響で患者さんの全身状態や持病が悪くならないようにサポートし、できる限り快適で安全な手術を受けていただくための診療行為です。


当院では2015年現在7名の麻酔標榜医(うち6名は麻酔専門医~指導医)が勤務しており、年間2500件以上の手術の麻酔管理をおこなっております。

診療の特徴および方針

当院の麻酔科では主に周術期の麻酔管理ペインクリニックを行っています。


まず、当院で手術を予定している患者さんに対しての、周術期の麻酔管理の流れについて紹介します。

周術期の麻酔管理

術前外来診察

術前外来診察

一刻を争うような緊急手術を除き、 麻酔科管理の手術を予定している患者さんには、手術の前に麻酔科医による診察を行います。


患者さんの手術直前のコンディションは麻酔の管理上で非常に重要な情報です。


現在の病状や日常生活、持病、内服薬のリスト、嗜好品、アレルギー、過去の入院や手術などについて情報の漏れがないかという確認の意味も込めて詳しくお伺いします。


また、科学の進歩によって麻酔の薬は特にこの10~20年で非常に安全で便利なものになってきていますが、どのような麻酔にも、かならず麻酔そのものによる危険がある程度伴います。


麻酔科医から、手術の内容や患者さんの状態をふまえて、麻酔法の提案をさせていただきますので、そのメリットデメリットをしっかりと理解していただいたうえで麻酔法を選択していただきたいと考えています。


また、手術や麻酔に関する不安や疑問などは気兼ねなく質問していただければ、それに応じた麻酔法を提案する事ができますので、遠慮なくおっしゃってください。

手術麻酔

手術麻酔1

手術に対する麻酔方法は色々あります。

  • 全身麻酔
  • 硬膜外麻酔
  • 脊髄くも膜下麻酔(腰椎麻酔)
  • 神経ブロック
  • 局所麻酔
  • 静脈鎮静
手術麻酔2

これらの麻酔方法を単独で、または組み合わせて管理しています。


どの麻酔法を用いるかは術前診察で説明し、選択していただきます。


ただし、手術の状況や全身状態の変化によっては麻酔科医の判断によって急遽麻酔法を変更することもあります。


また、脊髄くも膜下麻酔や神経ブロック、局所麻酔などで患者さんの意識がある状態の際は、 手術の最中であっても、麻酔法の変更や静脈鎮静の追加などの希望があれば、 近くのスタッフや麻酔科医に気兼ねなくおっしゃって下さい。ご相談の上、対応します。

術後鎮痛サービス

術後鎮痛サービス

当院での手術後の鎮痛方法には主に次のようなものがあります。

  • 硬膜外鎮痛法
  • iv-PCA法(静脈内麻薬鎮痛法)
  • 神経ブロック法
  • 解熱鎮痛薬の内服薬・座薬
  • 麻薬性鎮痛薬の注射・座薬

手術の規模や部位に応じて、ある程度の範囲で必要な鎮痛法が予想できますので、 手術の内容と患者さんの全身状態に応じて適切と思われる鎮痛法を術前診察の際に提案します。
特に、硬膜外鎮痛法と神経ブロック法は、少ない副作用で非常に良好な鎮痛を提供できることが多いので麻酔科としてはお勧めする事が多いですが、 患者さんの体の中に針を刺してカテーテルを挿入するといった処置を行う必要が出てくるため、 それに伴う身体的な合併症を生じる可能性がわずかですがどうしても存在します。
そのメリットデメリットについてはよく考えて選択していただきたいと考えています。


手術後の痛みは完全に取り除くことはかなり難しいですが、基本的には薬の副作用の出ない範囲内で安静時の痛みを抑えることを目標に、そしてできれば術後のリハビリへの支障が少なくなるように心がけて調整・対応をしています。

術後リカバリーや集中治療室でのケア

術後リカバリー

心臓や大血管の手術、脳手術、長時間に及ぶ胸部や腹部の手術などの後では、手術や麻酔による影響で、 意識の状態や循環・呼吸が不安的になりやすいです。


また、体への負担の少ない、簡単な手術であっても、 手術前の身体状況がよくない患者さんでは、 同様に、手術後に状態が不安定になることがあります。


そのような患者さんの手術直後は、まず集中治療室でケアをしていきます。 その後、患者さんの状態によって集中治療室の滞在時間を判断していきます。 特に大きな問題がなく経過している場合は数時間~一晩で一般病棟へと退室していただくことが多いです。


必要があれば、人工呼吸器による呼吸管理、人工透析や血液浄化療法、循環補助などを行うことがあります。

術後回診

術後回診

手術後~翌日頃に麻酔科医が診察にうかがいます。 主に手術後の痛みや合併症などの簡単な確認をさせてもらいます。


もちろん何か気になることやつらいこと・違和感などがあれば遠慮なくおっしゃって下さい。

ペインクリニック

ペインクリニック

手術麻酔や集中治療室のほかには、 麻酔科では、緩和ケア病棟や院内からの相談に応じて、 主に癌性疼痛を軽減するための神経ブロックや神経破壊等の処置を手術室内で行うこともあります。


また、毎週月・金曜日の午後にペインクリニック外来を予約診察で行っております。
主に鬼頭・疋田が担当しております。
慢性痛や帯状疱疹後神経痛などの主に神経ブロックが必要となる診療を、外来治療室・透視室で行っております。


外来担当医表をご覧ください。

麻酔科研修について

麻酔科研修について1

当院麻酔科では、後期研修医を募集しています。
また、初期研修医の皆さんには、1年目に麻酔科研修を行っていただくことになっています。


(参考:当院の麻酔科初期研修を終えて

当院の特徴

麻酔科研修について2

まずは都道府県がん診療連携拠点病院に指定されていることから、悪性腫瘍の手術が多くの割合を占めます。
高齢者、心臓血管系を主とする合併症、高リスクな悪性腫瘍手術が多く含まれます。


形成外科・小児科・産科・精神科を除いて、 手術麻酔は満遍なく経験していただけるようになっており、 そのほとんどは予定手術となっています。

ただし、 大津赤十字病院・大津市民病院と連携して研修を行っていますので、 必要な症例に関しては充分に補っていただける体制になっています。

心臓血管外科に関しては、年間50例程度の開心術・大血管手術を行っており、JBPOT合格者も在籍しています。
ある程度の麻酔経験を積んだ上で、希望者には優先的に担当していただくことも可能です。

(参考:当院の心臓血管外科麻酔研修を終えて)

また、TEVAR・EAVER、脳動脈瘤のcoiling、門脈塞栓術などの麻酔管理を透視室で行うこともあります。

また、腰椎麻酔による手術も基本的には全て麻酔科が管理しています。 THAやTKA、腰椎椎弓切除や頚部骨折などの手術もほとんど腰椎麻酔で管理しており、 腰椎穿刺困難な症例を多く経験することで、脊髄幹麻酔全体の技術を向上することができます。

当院麻酔科にはVivid-i(GE)とM-Turbo(SonoSite)の2台の超音波診断装置があり、
積極的に超音波ガイド下神経ブロックや超音波ガイド下の血管確保も行っています。

臨床研究に関しては外科系診療科の理解も得やすい環境ですので、積極的に行っていただけます。
現在は、肝切除術に関する介入研究を行っています。

カンファレンスは、毎週金曜日に、翌週の手術症例の検討を中心に行っています。

当院では産前・産後、子育て中の麻酔科医に対する対応も積極的に行っています。
平日の待機・当直業務の免除し、代わりに休祝日の待機・当直業務をやや多く担当していただくことでスタッフ間の均衡を保っています。

病院全体の方針として当直業務の振替休日は積極的に取得していただけるようになっています。
また、学校などの行事参加や子供の病気による休みにもスタッフ全体でフォローしあいながら対応しています。

もし希望があれば時短勤務などを行うことも可能ですので、ご相談下さい。

まずは気軽に病院見学に来ていただけると、さらに詳しいお話をさせていただきます。
詳しくは病院総務課までご連絡ください。

後期研修医募集要項

後期研修医募集についての問合せ先

滋賀県立総合病院 総務課総務係まで

〒524-8524 滋賀県守山市守山五丁目4-30
TEL: 077-582-5031(代表) FAX: 077-582-5931
mail: nb01105@pref.shiga.lg.jp

麻酔科初期研修を終えて

麻酔科初期研修を終えて

麻酔科に研修させていただいた2ヶ月間で、多くのことを経験させていただきました。麻酔前の準備から始まり、導入・管理・覚醒と徐々に実践させていただくことで、段々とできることが増えていきました。

手技の面では、気管内挿管や動脈ライン留置、脊髄くも膜下麻酔・末梢神経ブロックなどを各指導医の先生から学ばせていただき、実際に施行させていただくことができました。だいたい1日に2,3件の麻酔を担当させていだくことが多く、手技回数・種類は豊富で早く慣れることができると思います。手技の直後に良かった点・悪かった点をフィードバックしていただき、すぐに次の手技に生かしてブラッシュアップすることができました。

知識の面では麻酔に関わる基本的な循環や呼吸の生理学から、トラブル発生時の対処法まで幅広く教えていただけました。指導医の先生は質問しやすい雰囲気を作ってくださり、分らないことがあればすぐに聞くことができたので、大変勉強しやすい環境でした。また、色んな先生と麻酔を担当させていただくことによって様々な診療方針に触れ、キャリア形成についても色々なご意見をいただけました。

ある程度手技や知識が充実してくると、麻酔中の維持管理は研修医にある程度の裁量をもって任せていただけたので、循環作動薬やオピオイドの使い方や症例に応じた呼吸器の調整など、実践的に学ぶ機会となり、その後の研修生活でも役に立ちました。

周囲のメディカルスタッフの方々も、分らないことがあれば優しく教えて下さり、研修しやすい環境でした。 
また、手術の麻酔だけでなくペインクリニックの見学もさせていただき、疼痛管理の難しさや重要性を学ぶこともできました。

ほとんど何もわからない状態からスタートした麻酔科研修でしたが、先生・スタッフの方々の丁寧なご指導のもと、2ヶ月間で多くのことを学び成長できたと思います。数々の経験をさせていただき、大変感謝しています。

初期研修医 森菜都美

当院の心臓血管外科麻酔研修を終えて

当院の心臓血管外科麻酔研修を終えて

当院では、開心術・大血管手術が予定された前の週に、主治医、麻酔科医、臨床工学士、手術室看護師、ICU看護師による心臓血管外科手術合同カンファレンスを行っています。

現病歴から器械・術式・薬剤・輸血・体外循環やモニタリングに至るまで十分にディスカッションを行い、必ずスタッフ全員で情報を共有した上で手術に臨んでいます。

当院の後期麻酔科研修では、比較的早期から心臓血管外科の麻酔を担当させていただける方針になっています。

例えば私の場合では、最初の2カ月は一般的な手術の麻酔を経験させていただいた後、3ヶ月目から腹部大動脈瘤人工血管置換術、6ヶ月目からは体外循環を伴う開心術・大動脈手術(弁置換術や形成術、胸部大動脈手術、心房中隔欠損症や心臓腫瘍の手術、冠動脈バイパス術など)の麻酔を優先的に担当させていただきました。

バラエティ豊富な指導医のもとで、期間を空けずに集中的に担当させていただくことで、心臓血管麻酔にじっくり取り組み、手術の流れを自然に体で覚えることができました。

症例を重ねていくなかで、術中の経食道心エコー診断が重要であることを痛感し、個々の症例を通じてリアルタイムで指導医や術者に丁寧なご指導をいただいたかいもあって、研修2年目でJB-POTに合格いたしました。

当院の麻酔科研修に興味をお持ちの方は、まず一度見学にいらしてください。

佐谷 由起子

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