実績

診療の方針

滋賀県内の循環器診療における中心的病院として、狭心症・急性心筋梗塞など虚血性心疾患に対するカテーテル治療と心房細動をはじめとする不整脈疾患のアブレーション治療を中心に、急性期から慢性期に至る総合的診療を行っています。

循環器当直を24時間体制で実施すると同時に、急性心筋梗塞には多職種からなる緊急カテーテル治療チームを結成し、緊急治療を実施しています。

循環器内科メンバー集合写真

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の治療に関しては、バルーンやステントによる冠動脈形成術により心疾患の根治をめざした診療に力を入れています。

アブレーションによる不整脈治療に関しては、自覚症状の強い発作性心房に対する肺静脈隔離から、心不全の治療意義が注目される慢性心房細動アブレーションまで積極的に実施し、連続性電位を指標とする新たな心房細動アブレーション法を開拓しています。

アブレーションの適応とならない心室細動などには、植え込み型除細動器を、左脚ブロックなどを伴う心不全には両室ペースメーカーを植え込んでいます。

虚血・心不全・不整脈に対する薬剤治療・インターベンション・デバイス治療・外科治療を組み合わせて総合的治療を行っていることが当科の特徴です。

一方退院後の慢性期においては心不全などを予防する目的で心臓リハビリを積極的に展開し、県内唯一の心臓リハビリテーション施設としての認定を取得しています。

診療内容の特徴と実績

1.冠動脈治療

冠動脈治療
  • 冠動脈狭窄の診断には高性能の128スライスCTを使用し、外来で検査を施行。冠動脈に狭窄を有する方には、心臓カテーテル検査を実施時に血管内エコー検査も併用し、その所見を役立てた冠動脈治療(PCI)を実施しています。薬剤溶出性ステントを積極的に応用し、再狭窄率は10%以下となりました。左冠動脈主幹部や慢性完全閉塞病変など重症・複雑性病変のPCIも外科治療と比較した上で積極的に実施しています。単純な狭窄病変には上肢からのアプローチでの治療も可能です。
  • カテーテル検査および治療のための入院は、事前に充分な全身評価と説明を行うため2泊3日の入院を原則としてお勧めしています。しかしどうしても入院期間が充分とれない方には、事前にご相談の上で1泊2日のカテーテル入院にも対応しています。
冠動脈モニター

2.不整脈治療

不整脈治療

発作性上室頻拍症や心房粗動、特発性心室頻拍など従来の適応疾患でのアブレーション成功率は95%以上です。発作性心房細動に対する肺静脈隔離術のみでなく、慢性心房細動に対しては肺静脈隔離に電位指標(CFAE:連続性分裂心房電位)アブレーションや自律神経節アブレーションを追加して各々90%、80%の慢性期成功率を得ています。

とくにカルトシステムやノンコンタクトマッピング(ESI)など3次元マッピング装置を導入して立体的評価に基づくアブレーションを実施。平成21年4月からはイリゲーションカテーテルによるアブレーションが国内で認可されたが、ただちに導入し血流低下部位でも充分な焼灼が可能となりました。

基礎心疾患を伴う心室頻拍に対しては、アブレーションに加えて植え込み型除細動器移植術を実施し、医師と臨床工学技士合同で退院後のフォローを行っています。またICD機能付き両室ペースメーカーも心不全症例で積極的に植え込み、心機能低下と不整脈の同時治療を行います。最近ではデバイスの遠隔モニタリングを開始し、自宅でのデバイスの作動状況ばかりでなく不整脈や心不全の状況までも在宅のままで情報収集することができるようになりました。

下記写真>上:左房のCT情報を取り込んだアブレーション用3次元カルトシステム、中央: 生理食塩水で冷却されるアブレーションカテーテル(イリゲーション)、下:除細動機能付両心室ペースメーカーCRT-D治療器具

アブレーション用3次元カルトシステム
アブレーションカテーテル
除細動機能付両心室ペースメーカー

3.心臓リハビリテーション

狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する心臓リハビリや、心不全例へのリハビリテーションを 選任の医師が担当して実施しており、体力の回復・日常生活への復帰を支援しています。

診療体制と治療実績

  1. 外来診療体制と実績

    令和元年度の外来患者数はのべ16,363人、紹介患者数は1,500人でした。

  2. 入院診療体制と実績

    46病床を使用し、令和元年度の新入院患者数は1,157人、のべ患者数は14,793人、平均在院日数は12.9日でした。

  3. 心血管リハビリテーション

    令和元年度の心血管リハビリテーションの新規患者数は349人、延べ患者数は5,538人でした。

循環器内科における検査・治療件数

令和元年度検査・治療件数
疾患
冠動脈CT検査 776件
カテーテル検査・治療総数 641件
ACSに対する緊急カテーテル検査 81件
冠動脈インターベンションPCI治療総数 401件
冠動脈ステント治療件数 298件
冠動脈ロータブレータ件数 6件
POBA 32件
慢性完全閉塞冠動脈治療 15件
左冠動脈主幹部のPCI 13件
末梢動脈へのPTA 63件
腹部大動脈ステントグラフト 4件
大動脈内バルーンパンピング 11件
PCPS 1件
高周波カテーテルアブレーション 202件
心房細動アブレーション 132件
ペースメーカー植込み新規 45件
同 交換術 11件
ICD植え込み新規 10件
同 交換術 12件
CRTD植え込み新規 2件
同 交換術 2件

教育・講演活動

県民医療講座を開催し、循環器疾患の新しい診断・治療法を啓蒙しています。
専門学会において、当科での治療技術を中心とした教育活動を展開しています。

業績

学会発表および論文は、心臓病の検査から治療まで → 臨床研究をご覧ください。