心臓血管センター

センターの概要

狭心症・急性心筋梗塞といった虚血性心疾患、心室頻拍・心房細動などの不整脈疾患、急性大動脈解離等の大動脈疾患、これらは時として生命の危機に直結し、緊急の治療を必要とする疾患です。また、その治療には高度な知識と技術が必要とされます。
心臓血管センターでは、循環器内科医、心臓血管外科医、看護師、臨床工学技師、臨床検査技師、放射線技師、などの多様なスタッフが密接に協力し、24時間365日休むことなく、これら心臓病・血管疾患の治療に対応いたします。
2016年11月にオープンした新病棟3階には、心臓カテーテル室2室に加え、カテーテル治療と外科治療が同時に行えるハイブリッド手術室が新設され、さらに高度な治療が提供できる環境が整いました。
心臓血管センターでは、24時間365日、全ての心臓病・血管疾患の治療に対応します”

動脈硬化ドックのご案内

動脈硬化ドックによる心臓病・血管疾患の予防

動脈硬化の程度を調べることに特化した動脈硬化ドックを行っており、脳卒中や心筋梗塞の予防(外部サイトへリンク)にも力を入れています。

特色ある治療法

1. 狭心症・心筋梗塞に対するカテーテル治療

狭心症・心筋梗塞は、心臓を養っている冠動脈に狭窄・閉塞が生じ起こる病気であり、生命の危機に直結する病気ですが、当院では、365日24時間体制で狭心症・心筋梗塞のカテーテル治療を行います。
また、左主幹部病変、慢性完全閉塞病変など、従来カテーテル治療が困難とされてきた病変に対しても、循環器内科医と心臓血管外科医が作るハートチームで十分検討し、良好なカテーテル治療の成績が期待される場合には、カテーテル治療も行なっています。

カテーテル治療の実際

a. 左主幹部病変

左主幹部は、左冠動脈の起始部に位置し、左前下行枝と回旋枝に枝分かれする根元にあたる部分です。そのため、この部位の狭窄は広範囲の心筋虚血を引き起こし、万が一閉塞すると、突然死の原因となり得ます。

現在、冠動脈の狭窄病変に対する血行再建法としては、冠動脈バイパス術とカテーテル治療が普及していますが、左主幹部病変に対する治療の第一選択は長年にわたりバイパス術とされてきました。しかし、治療器具の向上により、カテーテル治療の長期成績が格段に向上し、それに伴いカテーテル治療もより積極的に施行されるようになってきました。当院では、これまで約700例の左主幹部病変に対してカテーテル治療を行ってきており、良好な成績を残しています。

左主幹部病変にステントを留置した症例(60歳台・男性)

PCA前

  • 不安定狭心症で入院
  • PCI前の冠動脈造影で左主幹部病変を含む多くの病変あり
PCA前
治療中
 PCI後に胸痛は改善し、退院

b. 慢性完全閉塞病変

慢性完全閉塞病変は3カ月以上(慢性)にわたり、冠動脈が閉塞している病変です。慢性完全閉塞病変に対するカテーテル治療は、冠動脈造影のみでは血管走行を完全に把握する事が困難であるため、手技を行う医師の熟練した技術および適切な判断力が成功には不可欠な手技と言えます。最近では、冠動脈CT の使用、薬剤溶出性ステントの留置および側副血行路を経由しての逆行性アプローチ技術の標準化に伴い、成功率および慢性期の成績も向上しています。当院では、これまで約700例の症例に対してカテーテル治療を行ってきており、成功率も90%以上を維持しています。

b. 慢性完全閉塞病変

c. ロータブレーター

カテーテルの先端に小さなダイヤモンドの粒を装着した丸い金属を、非常に高速に回転させることで、固いものを削る治療器具です。動脈硬化病変も長い時間が経過すると非常に硬くなり、バルーン(風船)だけでは拡張できない状態になることもあるわけですが、ロータブレーターはそんな病変に有効です。ロータブレーターで削ったものは、非常に小さ なものとなり、血液のながれを妨げることは稀です。また、ロータブレーターは、柔らかいものは削れにくいのが特徴で、血管を傷つけにくくなっています。
当院はこの器具の使用が許可された認定施設であり、必要な症例には積極的に使用しています。

ロータブレーター(Rotational Coronary Atherectomy)

d. 方向性冠動脈粥腫切除術(Directional coronary atherectomy; DCA)

これは動脈硬化病変を特殊なカッターで狙いを定めて削り取って治療する方法です。片側に回転するカッターが、もう片側にはバルーンが内蔵されている器具で、バルーンをふくらませてカッターのついている部分を動脈硬化病変に押しつけ、カッターを高速回転させて削り取ります。

バルーン治療やステント治療では、動脈硬化病変を押しつぶすように広げて血管を拡張しますが、DCAでは動脈硬化病変を削り取るというところが大きく違う点です。

また、ロータブレーターは冠動脈の内部を 360度削り取りますが、DCAでは、血管の壁の一部にだけカッターを当て狙いを定めて削るので、特定の部分だけを削り取ることができます。

DCAを用いると、ステントを使用せずに治療することが可能なこともあり、ステントの留置を避けたい患者様等に有用な治療器具です。

当院はこの器具の使用が許可された施設であり、必要な症例には積極的に使用しています。

方向性冠動脈粥腫切除術(Directional Coronary Atherectomy;DCA)
 動脈硬化プラーク

2. 不整脈に対するアブレーションとデバイス治療


循環器内科「不整脈に対するアブレーションとデバイス治療」をご参照ください。

3. 下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療

下肢閉塞性動脈硬化症は、足を栄養する動脈に狭窄・閉塞が生じ、歩いた時の下肢痛、さらに進行すると下肢の壊疽を引き起こす病気です。下肢の壊疽は進行してしまうと、下肢の切断を余儀なくされる状況になります。当院では、下肢に対するカテーテル治療を通して、そういった下肢の救済を行っています。

腸骨動脈完全閉塞病変

腸骨動脈完全閉塞病変

4. 大動脈瘤に対するステントグラフト治療

大動脈瘤は、大動脈がコブ状に腫れて大きくなってしまう病気であり、大きくなりすぎると、破裂の危険を伴うようになります。大動脈に破裂が生じると大出血につながるため、生命の危機に直結します。
従来、大動脈瘤に対しては、人工の血管に置き換える開腹あるいは開胸手術が行われてきましたが、近年、足の付け根の動脈から人工血管を持ち込んで手術せずに治す、ステントグラフト内挿術が広まってきています。
当院では、循環器内科医と心臓血管外科医がハートチームを作り、患者様ごとに、開胸・開腹手術が望ましいのか、ステントグラフト内挿術が望ましいのがよく検討し、最良の治療をおすすめしています。ステントグラフト内挿術も積極的に行っており、良好な成績をおさめています。

大動脈瘤
大動脈瘤に対するステントグラフト治療

人工血管を血管の中から植え込み、動脈瘤への血流を遮断し、動脈瘤の破裂を予防します。
受診ご希望の方は、かかりつけ医に相談するか、初診受付にお越しください。

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