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部位別がん検診

このページには、「部位別がん検診」についてのQ&Aを掲載しています。

(1)肺がん検診にはどのような検査がありますか。

■肺X線検査
X線で肺全体を撮影し、その写真を2人以上の専門医で読影します。必要に応じて、受診者の過去のX線写真と比較して変化を見る「比較読影」をすることもあります。

■喀痰細胞診
喀痰細胞診は、3日分の痰を1つの容器にまとめる蓄痰法、もしくは3つの容器に1日分ずつ別々に入れた検体を提出してもらう連痰法があり、その検体を顕微鏡で調べる検査です。これは気管支などにできたがん細胞の一部が、痰にまぎれて出てくるものを調べるための検査です。

≪精密検査が必要と言われたら≫

■胸部CT撮影
肺がんの診断には必須の検査で、X線を使って体の横断面を描き出し、がんの大きさや性質、周囲への広がりなどを検査します。

■気管支鏡検査
口から気管支鏡を挿入し、病変部位を観察したり、組織や細胞・細菌を一部採取して顕微鏡検査を行ないます。

(2)胃がん検診にはどのような検査がありますか。

■胃X線検査
X線で胃の内部の表面を撮影する検査です。胃を膨らませる発泡剤を飲み、X線に映る造影剤(バリウム)を飲んで、胃にX線を当てながら撮影します。撮影したいところにバリウムがうまく付着するように体を上下左右に動かしながら撮影するのが一般的です。読影については肺X線検査を参照してください。

≪精密検査が必要と言われたら≫
■胃内視鏡検査
内視鏡を入れて食道、胃の内部、十二指腸までの表面の様子を観察します。喉に局部麻酔をしたり、胃の動きを抑えたり、分泌液を少なくするための注射をすることもあります。がんが見つかったときの臨床診断や精密検査としては標準的な方法です。

■組織診
内視鏡検査の最中に行われ、胃の組織の一部を採取して顕微鏡検査を行ないます。

(3)大腸がん検診にはどのような検査がありますか。

■便潜血検査(化学法・免疫法)
体外に排出された便の中に血液の反応があるかどうかを調べ、身体の中の出血がないかどうかを確かめる検査です。便潜血検査には、1日法や2日法があり、1日分もしくは2日分の便の一部を採取して検体として調べます。

≪精密検査が必要と言われたら≫
■大腸内視鏡検査
内視鏡で大腸の粘膜を直接観察する検査です。観察範囲により全大腸内視鏡検査とS状結腸内視鏡検査があります。S状結腸内視鏡検査は、日本人の大腸がんで最も発生率の高い直腸とS状結腸の範囲だけを、肛門から内視鏡を入れて観察する検査です。検査前に検査をする部分の内容物を取り除いてから、肛門から内視鏡を挿入します。全大腸内視鏡検査は、盲腸から結腸、直腸に至るまで大腸すべてを観察する検査です。腸管洗浄剤を飲んで大腸の内容物を取り除いてから、内視鏡を入れて観察します。大腸の動きを抑えたり、分泌液を少なくするための注射をすることもあります。

■注腸X線検査
X線で大腸の内部の表面を撮影する検査です。大腸の動きを抑えたり、分泌液を少なくするための注射をして、検査時にはX線に映る造影剤(バリウム)を肛門から注入し、さらに空気を入れて腸を膨らませ、撮影したいところにバリウムがうまく付着するように体を上下左右に動かしながら撮影します。

(4)乳がん検診にはどのような検査がありますか

 乳がん検診は無症状の方に対して行われます。平成17年から国の指針で40歳以上の方を対象にマンモグラフィ検査による検診が原則になりました。

■マンモグラフィ検査
 乳房のX線撮影のことで専用の撮影装置を使い乳房を透明のプラスチックの板に挟んで撮影します。異常があるとしこりの影や白い粒として写真に写ります。触ってもわからない小さながんに威力を発揮します。

■視触診
 くぼみや引きつれ、皮膚の変化、乳頭や乳輪に異常がないかを観察することを視診といい、指の腹で触れてしこりの有無を調べることを触診といいます。

■超音波検査
 乳房に超音波をあて内部から反射波(エコー)を画像にして異常がないかを、診断します。放射線を使わないので妊娠中でも安心です。現在、厚生労働省が有効性について検証中です。


≪精密検査が必要と言われたら≫
■細胞診検査
 がんが疑われる部位に、細い針を刺して注射器で細胞を吸い取り顕微鏡検査を行ないます。

■針生検細胞診
 細胞診検査よりも太い針で組織の一部を採って顕微鏡検査を行ないます。

■マンモトーム組織診
 より太い針で組織の一部を狙って採取し、顕微鏡検査を行ないます。

≪早期発見のためにはどうすればよいですか≫
■自己検診
 乳がんは、自分で発見できる数少ないがんです。生理が終わった1週間後に、閉経の人は毎月、日を決めて自己検診を行いましょう。

(5)マンモグラフィー・エコー・触診でもわからないほどのしこりがあり、半年後にもう一度検査をするように言われたが、それまで放置しておいてよいでしょうか。

 検査は体の情報を得ることができますが体の負担になることもあります。しこりの大きくなるスピードにもよりますので、最適なバランスで検査を受けていくことが必要です。

 医師はこのバランスを考え、どのような検査をどれ位の頻度で行えばよいのか判断してしています。

 検査の間隔について不安が残っているならば医師からの説明を受けることができないか確認してみましょう。

(6)子宮がん検診にはどのような検査がありますか。

■視診、内診あるいは経腟超音波検査
 肉眼的に子宮頚部病変の有無および子宮、卵巣等の形、大きさを確認します。施設によっては経腟超音波検査で子宮内膜病変等の有無を確認します。

■子宮頚部細胞診
 子宮頚部の細胞を細い棒状の検査器具を用いて採取し、顕微鏡検査を行ないます。

■子宮体部細胞診
 子宮内膜の細胞を細い棒状の検査器具を用いて採取し、顕微鏡検査を行ないます。

≪精密検査が必要と言われたら≫
■子宮腟部組織診
 子宮頚部がんの疑いがある場合、子宮腟部の組織を数ヶ所生検(数mm切り取る)し、顕微鏡検査を行ないます。

■子宮内膜全面掻爬術
 子宮体がんの疑いがある場合、麻酔下に子宮内膜の細胞を採取し顕微鏡検査を行ないます。

■CT、MRI検査
 CTあるいはMRIを用いて病変の形、広がり、進行度、転移の有無等を検査します。

(7)肝臓がん検診にはどのような検査がありますか。

■血液検査
 B型肝炎、C型肝炎ウイルスに感染しているかを調べるために、HB抗原やHCV抗体検査を行います。これはB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスにより、慢性肝炎、肝硬変などになる可能性があり、それらの病気のために肝臓がんを合併することがあるからです。また腫瘍マーカー(AFP・PIVKA-II)の検査を行います。

■超音波検査
 腹部に超音波をあて内部から反射波(エコー)を画像にして異常がないかを、診断します。

≪精密検査が必要と言われたら≫
■CT、MRI検査
 CTあるいはMRIを用いて病変の形、広がり、進行度、転移の有無等を検査します。

■血管造影検査
 カテーテルというチューブを太もものつけ根の鼠径部から動脈内に入れ,その先端を肝がんが疑われる部分に進入させ,造影剤を注入して患部の血管造影によりがんの位置と数を確認します。

【滋賀県がん診療連携協議会・がん相談支援部会事務局】

滋賀県立総合病院 地域医療連携室

TEL:077-582-5031