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滋賀県「ベトナムでの水環境保全支援の取り組みが認められ、 日本水大賞 国際貢献賞を受賞しました!」

このたび滋賀県は、ベトナムハロン湾・カットバ島沿岸水域での滋賀県および事業者等による水環境保全支援活動が認められ、2021年6月15日に、第23回日本水大賞国際貢献賞を受賞しました。

 

Taizo MIKAZUKI Governor of Shiga Prefecture

日本水大賞とは

 水循環の健全化に貢献するさまざまな活動を対象に、社会的貢献度が高い、特に優れたものを表彰し、広く国民に発信することを目的として、平成10年に創設されました。

 今回滋賀県が受賞した国際貢献賞は、活動の範囲や効果が国際的であり、人・文化・技術の日本との交流も含め、大きな功績をあげたものに対して授与されます。

主催:日本水大賞委員会、国土交通省

名誉総裁:秋篠宮皇嗣殿下

産学官民の連携による「琵琶湖モデル」

 滋賀県には、日本一大きな湖であり、世界でも有数の古代湖である“琵琶湖”があります。

 今は美しい琵琶湖ですが、1970年代は、高度成長による人口増加や工場立地等により、水質悪化が深刻な問題となっていました。特に1970年代後半に、琵琶湖で大規模な“淡水赤潮”が発生し、琵琶湖が赤褐色に染まった際、県民は大きな衝撃を受けました。

 そんな中、行政や研究機関は琵琶湖のモニタリングを通して、科学的なアプローチから調査・分析を続け、その原因が合成洗剤に含まれる“リン”であることを解明しました。そこで、合成洗剤の使用をやめて、代わりに粉石けんを使おうと、洗剤を使う主婦の方々を中心に、県民を巻き込んだ「石けん運動」が始まりました。

 こうした琵琶湖を守るための活動が大きなムーブメントとなり、1980年7月1日に、滋賀県独自の条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)が制定され、窒素やリンの排出に規制が設けられました。厳しい基準でしたが、県内の企業・工場も、これを達成するため努力しました。また行政では、下水道整備を急速に進め、全国でもいち早く窒素やリンを除去する高度処理を導入しました。

 このように滋賀県では、「研究機関」による科学的な調査・分析への貢献、「住民」による琵琶湖を守る活動、「行政」による条例というルール作りや高度処理の施設の整備、「企業」による厳しい排出基準の達成への努力と、この4つの主体による連携・協働を通して、経済成長に伴う環境汚染を乗り越えてきました。

 今でも滋賀県では、条例を制定した7月1日を “びわ湖の日”として、県民をあげて琵琶湖の清掃活動を行うなど、琵琶湖への思いをみんなで共有して、環境を守る取り組みを行っています。

 この滋賀県が成し遂げた経済成長と環境保全の両立は、「琵琶湖モデル」と呼ばれています。

 2013年には、「琵琶湖モデル」を活かして国内外の水環境課題の解決に貢献するため、産学官民によるプラットフォーム「しが水環境ビジネスフォーラム」(Team WaterShiga)が設立されました。

 滋賀県では、当フォーラムのメンバー等と共に、かつての滋賀県と同じように環境問題を抱えるアジア地域を中心に、現地の経済成長と環境保全を目指した支援活動を実施しています。

国際貢献賞を受賞した活動の内容

今回、「琵琶湖モデル」を活用した、以下2つのベトナムへの支援活動が評価されました。

 1. 観光島カットバの水環境改善に向けた協働体制づくりの協力支援(フェーズ1)

・観光客の増加とともに、水環境の悪化が深刻化するカットバ島において、美しい自然と独自の生態系を守りながらグリーン成長を目指す現地関係者の活動を、滋賀県のノウハウを活かして支援しました。

・研修や環境学習を通じて、産官民の水環境保全と産業の育成に取り組む機運が醸成され、カットバ島において、産官民の連携組織である「グリーンカットバ」が結成され、プロジェクト終了後も自主的な活動が継続されています。

・現在、後続事業(フェーズ2)を実施中です。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、本格的始動は遅れていますが、オンラインを中心に活動しています。

 2. クアンニン省ハロン湾地域のグリーン成長プロジェクト

・カットバ島と同様に、ハロン湾に面するクアンニン省においても、沿岸の急激な開発や観光客の増加による水環境の悪化の問題を抱えています。滋賀県は、JICAの技術協力プロジェクトにおいて、クアンニン省におけるグリーン成長の推進を支援しました。

・滋賀県の持つ汚水処理に関する技術や、琵琶湖モデルのノウハウを活かした支援活動を実施し、クアンニン省によるグリーン成長白書の発行や、「ハロン湾研究センター」の設立等につながりました。

滋賀県って、どんなところ?

滋賀県は日本のほぼ中央にあります。まわりを山々に囲まれ、中央に県の面積の約6分の1を占める日本で一番大きな湖「琵琶湖」があります。

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