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幻の城の復元を目指して 海外で行方不明の屏風絵、世界からの情報求む

 日本の戦国時代を代表する武将の織田信長が、滋賀県に築城した安土城は、戦乱の中わずか6年で焼失し、幻の城と呼ばれています。

 450年の時を経て、滋賀県では、幻の安土城をデジタル技術により復元することを目指しています。

 しかし、復元には安土城の資料が不足していることから、このたび県では、海外で行方不明になっている安土城の描かれた屏風をはじめとした資料について、海を越えた本格的な捜索に乗り出しました。

【捜索中の資料(地図、写真、図面、書籍など)】

わずか6年で焼失した幻の安土城

 織田信長が天下統一のための拠点として、3年の歳月をかけて築城した安土城。

 安土城は、五重の天守や本丸内に豪華な御殿を有し、当時の日本最高の技術と芸術の粋を集大成して造られたといわれています。

 当時信長は、この安土城を拠点に、天下統一まであと一歩まで迫りました。

 しかし、信長が家臣の明智光秀に討たれ、築城からわずか6年、安土城は戦乱の中で焼失してしまいます。

 信長の天下統一の夢と共に消え去った幻の安土城ですが、その復元を望む声は多く、滋賀県では、CG、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などのデジタル技術を駆使し、安土城をよみがえらせる『幻の安土城」復元プロジェクト』を進めています。

謎を解くヒントは海外に?

【HPの画像】

 安土城はわずか6年で焼失してしまったため、多くの謎に包まれており、復元に向けては、資料が不足している状況です。

 安土城に関する資料の中でも、最も注目しているのが「安土山図屏風」です。

 この屏風は、織田信長が安土城の様子を描かせたもので、天正遣欧使節に託してローマ法王へ贈られました。

 この絵は、幻の安土城天主の外観がわかる資料とされていますが、バチカン宮殿の「地図の回廊」に掲げられていたのを最後に、現在は所在が不明となっています。

 またこの屏風絵以外にも、安土城に関する未知の文書や絵画、記録類などが、世界にはまだまだ埋もれている可能性があります。

 このたび滋賀県は、安土城に関する未知の資料について、海を越えた本格的な捜索に乗り出しました。

 まずは、屏風が移動した可能性が高い国の6つの言語(イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語・ドイツ語・英語)によるホームページを作成し、情報提供を求めています。

 

URL:https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/bunakasports/bunkazaihogo/321174.html

 

 今後滋賀県では、屏風が移動した可能性が高い国の関係機関等への屏風探索についての協力依頼や、専門研究者や屏風調査関係者への意見聴取、寄せられた情報の分析などを通して、幻の安土城復元を推進していきます。

 世界中の皆様からの情報提供をお待ちしております。

お問い合わせ
知事公室 広報課 報道係
電話番号:077-528-3042
FAX番号:077-528-4803
メールアドレス:[email protected]