2001年に大津市の琵琶湖畔から始まった本芸術祭は、日本で前例のなかった公共空間における作品展示やコンサートを行った先駆けで、日本の各所で開催されている芸術祭の中で最も長い歴史があります。
10回目を迎える2022年は、総合ディレクター中田洋子氏のキュレーションで、国内外の芸術家約70組が滋賀の歴史ある街なかを舞台に、現代社会の起源に迫り、未来像を提示する現代アート作品を公開します。
起源~ORIGIN
2022年10月8日(土)~2022年11月27日(日)※水曜定休日、最終週無休
国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ実行委員会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
69組(うち海外作家11組)
近江八幡エリア(10会場)、沖島エリア(6会場)、彦根市市街地エリア(9会場)、鳥居本宿エリア(4会場)
2001年に大津市で初開催。2003年以降は拠点を近江八幡市に移し、第9回の2020年からは彦根市を加え、近江八幡市旧市街地にある江戸・明治・大正・昭和時代の象徴的な建物、元造り酒屋や元醤油蔵、彦根市の彦根城、庭園などを会場に第10回目を開催します。
会場となる建物は、地域固有の文化を特徴付けるものとして未来へ継承すべき財産であり、これらが失われつつある中、その保存と継承を現代アートに見出そうとする試みが本芸術祭。
長年放置されていた日本家屋を、地元住民や日本全国から集まる有志たちの手で清掃・修繕し、国内外のアーティストたちの手によりそれぞれの空間を作品へと変え、再生させます。
2006年に「近江八幡の水郷」として文化庁が選定する「重要文化的景観」の日本第1号となったエリアで、近江商人の町家を中心に歴史的都市空間が形成されています。江戸から昭和時代にかけて建てられた建物が、自然と共存しながら生きてきた日本人の生活を伝えています。
日本で唯一の、世界的にも希少な淡水湖に浮かぶ1.52平方キロメートルの有人島には約250人が暮らしており、小学校では11人が学んでいます。日本の古い漁村の姿が今に残り、琵琶湖の内側から景色を見渡せるスポットです。
城の天守は国宝で、世界的にも特徴ある江戸時代の日本の政治体制を示す遺構が国内で唯一完全な形で現存しており、世界遺産登録を目指しています。
日本の東西交通の大動脈・中山道の宿場町として彦根城と城下町を物流の面で支えて発展してきたエリア。350年以上の歴史を持つ「有川薬局」では、江戸時代から親しまれる整腸薬「赤玉神教丸」を今も購入できます。
公式ウェブサイトで現地での展示作品や最新情報を掲載しています。
近江八幡市と彦根市は、今後も「歴史ある街並み×現在アート」の仕掛けを通じて、歴史的建造物の保存・活用、地元住民のシビックプライドの醸成を図り、新たな文化の創造と文化観光都市としての一層の発展をめざしていきます。
滋賀県においても、こうした地域連携による広域周遊観光の基盤づくりを進めるとともに、観光資源のコンテンツ化を図り、アフターコロナを見据えた国内外からの観光誘客に取り組んでいきます。
滋賀県は日本のほぼ中央にあり、日本一大きな湖「琵琶湖」を有します。JR京都駅から県庁所在地のJR大津駅までは電車で約9分。重要文化財指定件数は1位の東京都、2位の京都府、3位の奈良県に次いで全国4位。「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」が文化庁から「日本遺産」として認定されている。