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平成20年度滋賀県環境審議会環境企画部会(第2回)開催概要

1開催日時

平成20年9月9日(火曜日) 13時30分~16時00分

2開催場所

滋賀県庁東館7階大会議室

3出席委員

伊藤委員、岩田委員、大塚委員、岡田委員、笠原委員、川地委員、檀上委員、辻村委員、津野委員、中野委員、中村委員、仁尾委員、松井(正)委員(以上13名)※委任状提出委員4名

4議題

  1. 滋賀県環境総合計画の改定について
  2. その他

【配付資料】

資料1

資料2

【はじめに~第3章の一部、第5章】

資料3

資料4

5議事概要

(1)滋賀県環境総合計画の改定について

  • 事務局(資料1に基づいて説明)

部会長:
資料1については、前回の審議会で検討いただき加筆・修正したものであり、確定したものとさせていただきたい。今後も御意見等があれば計画改定に反映させていくので、事務局に御意見をお寄せいただきたい。

  • 事務局(資料2、資料3に基づいて説明)

(はじめに部分)

委員:
大きな章立てとタイトルのみでなく、読む人にとってわかりやすいように小見出しをつけてはどうか。また、重要な部分については、太字にする、二重線を引くなどしてはどうか。

事務局:
今後計画の全体の体裁を整える中で、整理していきたい。

委員:
なぜ2030年を目標年に設定したのか、冒頭に記載していただいた方がよいのではないか。

事務局:
持続可能な滋賀社会ビジョンの目標年である2030年を受けたものであるが、ご指摘を踏まえ必要な部分について加筆していきたい。

部会長:
2030年を目標とした県の基本構想に相反しないように、今回、5年間の計画期間である(仮称)第三次環境総合計画を策定するということであるが、そもそも基本構想でなぜ2030年を目標と設定したのか。

事務局:
おおよそ、1世代の期間である25年後が2030年であったこと、人口の将来推計上も2030年まで推計がなされていたことなどから、基本構想も2030年を目標年度としたところ。

(第1章部分)

委員:
近年外国人が増加している。例えばレジャー等の場面において、禁止されている行動をとって、環境に悪影響を及ぼしている場合もあるが、言葉の問題から外国人の方に禁止事項が伝わらないことも多く見受けられる。国際化等についても触れていただいた方がいいのではないか。

事務局:
外国人の増加について、どのように環境施策に反映させていくのか十分に描けなかったこともあり今回記述していないが、ご指摘も踏まえ、検討していきたい。

委員:
4ページに記載の「持続可能なライフスタイル」には、働き方の問題なども含まれているように思うが、今後「持続可能なライフスタイルへの転換が進む可能性がある」という記載ぶりではなく、「転換が必要」という書きぶりにしてはどうか。

事務局:
課題認識というつもりで記述したつもりであるが、表現ぶりについては検討していきたい。

委員:
構成として、課題認識部分を先に記載して、その後、現状を記載した方がわかりやすいのではないか。また、滋賀県は赤ちゃんの出生率が高いという報道がなされていたように記憶しているが、そのような現状を踏まえても滋賀県の人口は減少していくのか。今後増加していくのではないか。

事務局:
全国と比較して滋賀県の出生率は相対的に高い状況にはあるが、合計特殊出生率でみると1.4台と、全国平均は上回っているものの、人口を維持するのに必要な2.08を下回っている状況にあり、資料3ページの国立社会保障・人口問題研究所の推計にもあるように、2015年までは本県の人口は増加するが、将来的には減少に転じることが見込まれている。

委員:
老年人口の増加のみでなく、これから生まれてくる赤ちゃんたちのための視点も盛り込んでほしい。

部会長:
今のご指摘も盛り込めるようであれば、御検討いただきたい。

委員:
5ページの課題認識部分にも記載の「環境制約」に対応していくため、画期的な技術開発への支援が必要になってくるように思う。

部会長:
御意見は第3章の具体的な施策展開で反映させていただきたい。

委員:
2030年の目標設定がなされているが、自然環境の保全についていえば、高度成長期以前の状態に戻すべきだという意見も聞かれる。そこで出発点を1950年代にそろえるなどして共通認識を図ってはどうか。

事務局:
例えば13ページのヨシ群落のグラフなど、ご指摘の年代のデータがあり、かつ象徴的なものなどについては、お示ししているところ。

部会長:
高度成長期以前の状態に戻すといっても、戻せるものと戻せないものもあるように思う。ただ御意見もいただいたので、可能なものについては、データを掲載いただくようご努力いただければと思う。

委員:
環境意識の部分で、県民全体が近畿1,400万人を支える水源である琵琶湖を大切にしているという部分も記載いただければと思う。

事務局:
御意見を踏まえ、参考にさせていただきたい。

部会長:
8ページの環境保全を活動分野とするNPO法人の具体的な活動内容なども把握されているのであれば、その内容についても記載していただくと、今の御意見も反映できるように思う。

委員:
2030年の目標に向かって、この計画を推進していく若い世代を対象に、計画について意見を聞く機会を設けるべきではないか。

部会長:
資料4において、県民の方からの意見聴取状況をお示ししていただいているが、その状況と、今後計画策定の手順の中で若い世代から意見を聞く機会が設けられるのかどうかについてお答えいただきたい。

事務局:(資料4に基づいて説明)
環境にご関心のある方々を中心に、これまでに3回、御意見をいただく場を設けたところ。いただいた御意見については、計画の具体策などに反映させていきたいと考えている。さらに今後も、県民の方から意見を聞く機会を設けるほか、市町の方からも意見を頂戴する機会を設けたいと考えている。また、今後のスケジュールについては、答申をいただいた後、パブリックコメントの手続きをとり、県民のみなさんから御意見を頂戴することになる。
なお、将来世代の方の意見を聞く機会を設けるべきだという御意見については、重要であると考えるが、将来の目標に向かって、今の世代がこの5年間に何をすべきかという行政計画がこの環境総合計画であるので、今の世代を中心にしながら将来世代も含め幅広く意見を伺っていきたいと考えている。

委員:
22ページにもあるように、循環型社会、自然共生社会に加え、持続可能な社会の側面に低炭素社会が入ってきたために、グローバルに議論しなければならない問題と、ローカルに議論しなければならない問題が混在したように思う。例えば、9ページの県政の満足度などは、ローカルな問題である。
この5年間にすべきことと、2030年の目標に向かってすべきこととはかなり議論が違ってくるように思う。そもそもこの計画に2030年までの視点を入れるべきではないのではないかという疑問を持っている。

事務局:
琵琶湖が地球環境の変化の予兆を映し出す小さな窓であるという考えもあり、今回グローバルな問題から、ローカルな問題まで意図的に整理したものであるが、委員ご指摘の点について、この場で御議論いただければと思う。

部会長:
温暖化問題が解決したからといって、滋賀県の環境問題すべてが解決するわけではないので、その点を書き分けた方が良いというのが、今のご指摘だったように思う。御検討いただければと思う。

委員:
2030年にCO2を半減するという目標に向かって、この5年間で何割削減するというような具体的な姿が見えない。

事務局:
9ページの県政への満足度の記述は、ローカルな問題であるというご指摘について、3ページからの日本または世界の環境の情勢を記載した部分より、10ページ以降の滋賀の環境を記載した部分に移動した方がいいのではと考えながらお聞きしたところ。
またCO2の5年後の具体的な削減目標については、記載することが難しいというのが正直なところ。CO2の排出量については、2006年データを現在算出中であり、現時点では2002年のものしかないという統計的な問題からも、現時点ではっきりした目標を掲げることが厳しい状況。こういった点も踏まえ、長期的目標を計画にどのように生かしていくかということについては、個別具体的な施策の推進にあたって、この長期的目標を意識した方向性を特に記載したところ。これが第3章の「3施策の方向」に記載しているものである。例えば27ページの「持続可能な滋賀社会に向けた人育ち・人育て」の部分では、この「3施策の方向」の後に、うみのこ、やまのこなどの個々の施策の展開や、個別施策の5年後の数値目標を記載することとしており、現在作業中である。

委員:
長期的目標は掲げるべきであるし、それに向けて我々は何ができるのかを考えていくべきであるように思う。また、近年、社会情勢はめまぐるしく変化することから、5年後とはいわず、中間見直しも行っていくことも大切ではないかと思う。

委員:
これからの若者たちが健康に生きていけるのかという重要な問題である。2030年にCO2を半減するという目標を実現するために、やはり5年後の目標を立てなければ、とても実現は難しいように思う。今の若い世代は、将来への不安を多く抱いている。CO2半減に向けた取組を具体化し、明日から何をやるべきか、しっかりと伝えていかなければならない。

(2章、3章部分)

部会長:
長期的目標だけではなく、5年後の目標について御検討いただきたいと思う。また、第3章には具体的な施策が記載されると思うが、2030年に向かってロードマップのような形で記載することも考えていただきたい。

委員:
持続可能な滋賀社会ビジョンが3月末に策定され、「2030年にCO2を半減する」という目標だけが一人歩きしている。2030年までの目標の段階をいくつか設定し、制度設計していったほうがいいのではないか。

委員:
CO2を2030年までに半減するという数値が先に出ているが、2030年までに半減しなければ、地球や滋賀県がだめになるという科学的根拠がある話であれば、必ず達成しなければならない問題となる。この場合においては、根拠に基づいた半減に向けての道筋を専門家から提示していただく必要がある。
我々にどういった議論を期待されているのか。

事務局:
長期的目標にむかって具体的施策を展開するにあたり、どう戦略的に施策を展開していけばよいのかを御議論いただきたいと考えている。

部会長:
この場では、具体的施策の展開にあたっての戦略を御議論いただければと思う。CO2の半減については、ビジョン策定の議論の中で、積み上げができていると思うので、第3章の冒頭で少し説明いただければと思う。
私から質問であるが、この温室効果ガスの半減は、1990年比で削減するということか。

事務局:
1990年比で2030年までに半減するということである。

委員:
12ページに、CO2の排出量が増加している「業務その他部門」「家庭部門」「運輸部門」における取組が必要であるという指摘がなされているが、これをうけての取組が第3章に記載されていないのではないか。
また、都市計画や、交通政策などの分野についても、少なくともこの5年間にできることを具体的に明示する必要があるように思う。
さらに、滋賀県内においても、地域ごとに状況は違うと思うが、地域モデルのような形で取組を進めることが必要ではないか。
もう1点、質問であるが、県の地球温暖化対策推進計画では、2010年にCO2を1990年比でマイナス9%削減するという目標を立てているが、この進捗状況と、それを踏まえた上でどのようにこの計画に反映しようとしているのかをお教えいただきたい。

事務局:
まず、具体的な取組についての記載が必要であるという点については、第3章の「施策の方向」の後に、具体的な個別施策をお示しすることとしている。
また、温暖化についての課題認識が反映されていないのではないかというご指摘であるが、第3章の「施策の方向」部分で、どの程度まで書き込んでいくか整理しきれていない部分もあるので、ご指摘も踏まえ整理していきたい。
地域ごとの取組の展開については、市町村合併が進み、多くの市町で独自の環境総合計画を策定しているといった現状もある。今後は市町と連携しながら地域での取組を進めていきたいと考えている。
温暖化対策推進計画の目標達成状況についてであるが、現時点で最新のものは2002年のものであり、今年度2006年の温室効果ガスの排出状況を算出しているところ。
滋賀県のみならず、我が国のCO2の削減目標も含めて、CO2削減目標を掲げている多くのビジョンが目標達成にいたるまでの道筋を書き込めていないのが実情。どのように実効性を担保していくかを今後議論していく必要があると認識しているところ。この計画期間の5年間に何をしていかなければならないかについては、最新の排出状況の結果も踏まえつつ、今後記載していきたいと考えている。

委員:
24ページに「安全・安心」とあるが、防災の視点も重要な要素ではないかと考える。是非、防災も環境の一部である、または関連の深いものであるという認識のもとに記載いただきたい。

部会長:
防災の計画も県でお持ちだと思うので、今回の計画における防災計画の位置づけなどについて補足いただきたい。

委員:
防災の話については、26ページに治水について触れられているので、こういったところに記載するなど検討いただいてはどうか。
また、14ページの課題認識部分の書きぶりについて、「外来生物や特定の野生生物が繁殖・繁茂し、生態系のバランスの維持が危ぶまれている」とあるが、生態系のバランスは外来種であっても保たれている場合もあるので、「本来の生態系のバランスの維持が危ぶまれている」としたほうがよいと考える。
17ページの課題認識部分については、「水質汚濁メカニズムを解明し」とあるが、水質汚濁メカニズムを解明されれば何がわかるのか、具体的に書きぶりを検討してはどうか。

委員:
第3章の部分で「やまのこ」などについても触れていただいたが、学校現場では4年生に限らず、すでに森林学習に取り組まれている場合もある。しかしながら、県で施策が決められ、4年生で一斉に「やまのこ」に取り組むということになったために、方針を転換するといったことも現場ではおきている。現場からの取組も大事にしていただきたいと思う。
学校現場においては、若い世代と、45歳以上の世代の教師との2極化になっている。若い世代の先生方に、年配世代から環境問題の大切さについて伝えているところであるが、なかなか伝わらない現状もある。
未来を担う子どもたちに環境問題に関心を持ってもらい、育てていくということは非常に重要であるが、そういったことについてあまり関心を持っていない若い世代の先生方がいるという現実も踏まえ、施策を展開していっていただきたい。

委員:
27ページの第3章の部分に環境教育・環境学習の推進という文言が記載されていない。もっとも大事な文言ではないか。
また、この計画で重要なことは、第3章の部分である。第3章部分をはじめに述べていただいた上で、なぜこのような取組をする必要があるのかという第1章、第2章の内容をその後に記載するといった構成にしてはどうかと思う。
同様に第3章の中身についても重要な施策の方向、具体的施策を先に記載してはどうかと思う。

事務局:
第3章の「3施策の方向」の後に具体的施策を記載することとしている。

委員:
私はまず、次の世代に渡す滋賀県をどうするかという長期的目標があって、そのために何をすべきかという順に記載していくほうがよいのではないかと考える。

委員:
「琵琶湖環境の再生」を長期的目標に掲げているが、この目標はいかに環境の現状を元の状態にバックさせるかということであるように思う。再生という前提に立てば、第1章の現状認識部分については、昭和30年代を基準としていただいた方がよいのではないか。
また、「低炭素社会の実現」とあるが、「炭素」のみに注目され、メタンなどその他の温室効果ガスが含まれているのかわかりづらい。

事務局:
持続可能な滋賀社会ビジョンの語句説明の中で、「低炭素社会」について、「21世紀環境立国戦略では次のように定義している。化石エネルギー消費等に伴う温室効果ガスの排出を大幅に削減し、世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等レベルとしていくことにより、気候に悪影響を及ぼさない水準で、大気中の温室効果ガスを安定させると同時に生活の豊かさを実感できる社会」としており、これと同義で使用しているところ。
また、温室効果ガスの中ではCO2が圧倒的に多い中、化石燃料から脱却していこうということを象徴的に表す言葉として使用しているもの。

部会長:
県民の方にわかりやすいように注釈等でわかりやすく記載していただければと思う。

事務局:
昭和30年代の環境に戻すというご指摘もいただいたが、すべてを30年代に戻すということではなく、今の豊かさを維持しながらどれだけ環境に負荷を与えない社会を作っていくかが大事なポイントであると考えている。統計データをすべて30年代を基準にするという御意見もおもしろい視点であるように思うが、お示ししているデータについては、データが揃わないものなどもあることから、基準年については個別に判断させていただきたい。

部会長:
ただいま頂いた御意見を踏まえて、事務局で御検討いただき反映してください。

(閉会)

お問い合わせ
滋賀県琵琶湖環境部環境政策課 
電話番号:077-528-3353
FAX番号:077-528-4844
メールアドレス:[email protected]
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