<中田農政水産部長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(岡田総務部長)
資料3の6ページ、政策の方向性のところで施策について記述をいただいているが、県のブランドである近江牛の記述がない。畜産であったり、農業の中に溶け込んでいたりするのかもしれないが、近江米についてはブランドの向上のところに記載があるので、同じように滋賀県のブランドである近江牛という記載をしなくていいのかなと感じた。
(中田農政水産部長)
確かに近江牛というのもブランドの一つであると思う。どのように打ち出していくかということについてもご意見を踏まえて検討させていただきたい。
(小林知事公室長)
(1)資料2について、例えば2ページのところで新規就農者等の確保のところの評価であるが、目標値に対して8割の人数が確保できているというようなことで評価しておられる。全般的に8割の達成でよしとされているようだが、目標を100%達成できなかったことについて分析しておられるのか伺いたい。
(2)また9ページの「No.6滋賀の食材を発信するSNSサイトのフォロワー数」のところであるが、こちらも目標数値を達成しておられない。そういった中で「今後もターゲットに応じて魅力ある情報発信や交流体験となるような工夫した施策を実施」という総括をされている。SNSのフォロワー数が伸びない中で、今までと同じような発信をしているだけではなかなか数字も伸びてこないと思うが、こういう結果を受けて今後より重点的にあるいは工夫をされるような点は何かあるか伺いたい。
(中田農政水産部長)
(1)新規就農者数について、ご指摘の通り80%以上ではあるが、年々就農者数も減っている状況。これは近年の資材高騰や農畜水産物の価格が低いというような状況や最低賃金の上昇、他業種との獲得競争に負けているというような背景がある。こういった中で、新規就農者を確保していくということは非常に重要である。近年は農業法人の就職就農の方が増えてきており、そちらの方の人材確保の定着を図るということに特に力を入れていきたいと思っており、農業高校や農業大学校との繋がりの強化、例えば先進的なDXにも取り組んでいる農業法人の若手農業者に来ていただいて、学生との意見交換や現場訪問など、魅力を感じていただけるような取り組みも進めてまいりたいと考えている。
(2)SNSサイトのフォロワー数については、ご指摘の通り目標数に達していないような状況である。これについても発信方法を工夫して、例えば滋賀の食材を使った料理とかレシピをアップしていただくとインセンティブをつけるなど、参加型のやり方ができないかと考えており、できるだけフォロワー数を増やしてまいりたいと考えている。
(福永教育長)
読み方というか解釈について、基本理念の「3.基本的な考え方」に「生産者どうしが協力し、生産者と流通・小売事業者が、つながり流通・小売事業者と消費者が、つながることで、本県農業・水産業が次世代へと引き継がれる。」と示されているが、その下の第2章の目指す2035年の姿の「人」には、生産者と消費者の繋がりが深まりという表現がある。私はこれからの農業を考えるときに、消費者が生産者と繋がっている、どのように生産されているのかどのようなご苦労をしていただいているのかも含めて、どのようにして米や野菜が採れているのかというのを、消費者特に子どもたちに知ってもらうというのが非常に大事だと思っている。基本的な考え方に書かれている内容では、生産者と消費者が繋がるというところに、間に流通・小売事業者が挟まる感じに読めて、生産者と消費者がダイレクトに繋がるというイメージがしにくい、十分に読み取れないのではないかと思う。流通形態がこうなるのはよくわかるが、生産者が直接消費者に売ったりするようなパターンも非常にたくさんあると思うので、この基本的な考え方と目指す2035年の姿をどう整理しておられるのかお聞かせいただきたい。
(中田農政水産部長)
おっしゃっていただいたことはとても大事なことだと思っており、確かに生産者と消費者の繋がりというのも、例えばECサイトで直接つながるというような場合もあるので、いろいろなストーリー性を乗せていくということも大事であると思っている。
関係人口や半農半Xというような取り組みもある。コンセプトとしてはいろいろな関係の方々が繋がっていくということ、そして農業水産業をしっかりと次に引き継いでいくというところが大きなポイントにあるので、それをどのように表現するかについては、ご意見を踏まえて考えたいと思う。
(岸本副知事)
資料3の施策の方向性のところでも、琵琶湖システムと新規テーマを色分けしていただき、わかりやすくなっていると思う。全体として新規の就農者の方にとって魅力のある施策を滋賀県が展開しているという見せ方が大事だと思うので、そういう意味で先ほど部長がおっしゃったブランドみたいなキーワードをちりばめていくのはすごく大事なこと。琵琶湖システムについても、しっかりわかりやすく表現していくことが大事だと思う。
1点質問であるが、以前、農業高校の高校生に意見を聞いていたかと思う。この後、生産者や市町と意見交換をする予定はあるということであったが、次代の担い手である子どもたちの声を聞く機会はこの後あるのか伺いたい。
(中田農政水産部長)
子どもの視点については、子ども若者部の職員との意見交換会を予定しており、そういった中で、子ども施策を担当しておられる方の考えについても聞いていきたいと考えている。高校生等と直接意見交換をするということは今のところ予定していない。
(岸本副知事)
間接的に担当部局の意見を聞くことももちろん大事かと思うが、子どもたちの関心が高いと思われるテーマであり、琵琶湖にかかることとか身近な食に関わることについて、農業高校や農業大学校の学生も思っていることはあると思うので、何らかの形で意見を反映できる仕組みがあると良いと思う。
(中田農政水産部長)
そのような機会を設けられないか、検討させていただきたい。
(江島副知事)
論議を経て、いろいろな視点を加えいただいた。特に流通販売の視点が重要だと思う。やはり農業は作るだけではなくて、生産者もマーケットを見ながら考えていくことが大事だと思うので、滋賀県の農産物畜産物、水産物含めて、マーケットを意識しながら、いかに拡大していくのかという視点を加えてほしい。施策に期待したい。
また当然海外という視点も入ってこようかと思うので、そういうことを視野に入れた施策を期待したいと思う。
(知事)
私も子どもの意見を取り入れるのはとても大事だと思う。学校給食なんかもあるので、そういう文脈で何か聞きに行けないか。またマーケットの視点、これは以前から施策構築のときにも議論しているが、特に生産額が今どれだけで、どれぐらいまで持っていけるのか、そういう見方は、こだわってやりたいと思う。
そのうえで2点申し上げる。
(1)基本的な考え方もいろいろな議論の上に提案してくれていると思うが、「生産者同士が協力し、生産者と流通小売り業者が繋がり、流通小売り業者と消費者が繋がることで」というのは何か、旧態依然とした基本的な考え方だなと思う。滋賀県の農業がこれでいいのかなという気がする。
(2)中間評価が資料に付いていて、目標に対してどれぐらいできてるのかできてないのかを見に行こうとしていると思うが、その目標設定のあり方・立て方をもう1回ちょっと見直した方がいいかもしれない。これは他のプランや計画にも言えることであるが、おそらく数字が取れる目標を置いているのだろう。なりたいことを目標にするのではなくて取れるものを目標にし、この後の多文化共生のプランでも出てくるのかもしれないが、なりたいものを目標にするという視点も持ちながら、この農業の基本計画も少し見直してもらえればと思う。
<前川総合企画部次長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(福永教育長)
概要版5ページ第5章施策の展開の「5 次世代を育成する教育および保育の充実」の「(3)外国人児童生徒等の進路支援への取組」のところに、入学選抜における受験上の配慮の実施というのを書いていただいているが、これは既に取り組んでいるが、今後もう少し外国人の児童生徒が増えていく中で、高等学校にどのように入ってもらうのかという取組は、今検討をしており、教育委員会の中でもいろいろな事例を基に考えていこうとしているところ。この多文化共生プランは令和7年から令和11年までの計画なので、ここの書きぶりをどのようにしていただくのがいいのか、少し我々としても検討させていただければと思う。
時間的に少しタイトにはなるが、令和11年に向けて、教育委員会としても県立高校に外国籍の中学生が進学するに当たっての取組の方向性が書けたらいいのではないかと思っているので、そこはまた相談させていただければと思う。
(松田総合企画部長)
ぜひ相談させていただければと思う。
(藤原企業庁長)
パブコメの際には、やさしい日本語版でも案を出されるのか。
(松田総合企画部長)
今のところやさしい日本語版のパブコメ案を出すことは考えていないが、その代わりとして懇話会で当事者の方からのご意見をいただいている。
(岸本副知事)
とても大事なプランだと思っている。市町としっかり共有いただき、取組を進められるようにしていただきたい。教育長から高校への入学選抜における配慮について発言があったが、今後、外国にルーツのある子どもたちをしっかり育て、地域に定着していただく上で、高校に入っていただくことはすごく大事だと思っている。入試だけではなく、入った後のフォローの方が大事だと思うので、その辺りをもう少し書けるといいのではないかと思う。
(松田総合企画部長)
多分これからますます増加すると思うので、課題もいろいろと出てきたり、ボリュームも出てくるかなと思う。そのあたりも含めてどのように盛り込めるか検討したい。
(江島副知事)
概要版の3ページにあるように、最近ベトナムの方が特に増えている。そうなってくるとこの「行動目標4 働く場での活躍支援」ここが重要なところかと見ている。施策の展開の4-(4)で、「留学生や県内で働く外国人の雇用や定着に向けた支援」を入れていただいたことは非常に良いと思う。
まだ指標が定まっていないということであるので、ぜひこの行動目標4に沿った指標を検討いただき、企業の方の声をしっかりと聞いていただいて、こういうところで困っている、こういうところで支援が必要という、そういうことがあろうと思うので、この働く場での活動支援を包括して示せるような指標があれば一番良いが、なかったとしても企業の声をしっかり聞いていただき目標としていただければと思う。
いろいろな企業の方々と話していると、外国人の方が最近増えてきているという状況はよくお聞きしていて、それぞれやはり違いがあると思うが、この働く場での活躍支援ができてこそ定着していただけると思っているので、ぜひよろしくお願いたい。
(松田総合企画部長)
定着というのが、働く側も働いてもらう側も両方にとって、これからより重要になると思うので、しっかりと声を聞きながら対応していきたい。
(知事)
人材や支援といった言葉の使い方を工夫したり、いろいろとこの間の議論の中で、ご検討もしくは改善していただき感謝する。江島副知事がおっしゃったこともとても大事で、ぜひ企業には法人等も加えて、いわゆる商労部が管轄している企業だけではなくて、今福祉分野などでも活躍してくれている外国の方々も多いので、そういう視点は合わせて持ち合わせるようにしたいと思う。
そして教育長や岸本副知事がおっしゃった、外国人生徒の高校進学またその後の学びの支援というのもとても大事なので、今教育委員会が検討いただいているということであり、また先般連合滋賀との総括協議の中でも、提起されていたので、滋賀県としての考え方を持ちたいと思う。次のプランの中で全部完成しなくても、その後の次々期プランに向けてどうするのかという視点も重要かもしれない。
また企業庁長がおっしゃった、やさしい日本語でのというのもとても大事なことだと思ったので、ちょっと時間的制約がある中でどこまでできるのかはあると思うが、やはり私達のことを私達抜きで決めないでというこの視点は大事にしながら、やさしい日本語での表現またパブリックコメントでも、お尋ね投げかけをするというのは大事にしたいと思う。
そのうえで3点申し上げる。
(1)間に合うかどうかは任せるが、私からは旅行者の取り扱いについてである。住んでいる人を前提でプランを考えているが、京都ほどではないものの、県内や公共交通機関の中で外国の方とおぼしき方が大勢いらっしゃっている様子を感じられていると思う。「観光は次の住処の一里塚」というように、やはりそういう方々とどう共生するのかという視点も持ちたい。次の計画までの5年間ではまだ比較的落ち着いて議論ができる環境だとすれば、ちょっと何か考え始めてもいいのではないかなと思う。
(2)目標設定のところはさっき申し上げた通りで、どうするのか進行管理とともに工夫しよう。
(3)20年間でおよそ2倍になっている。特にベトナムを中心に最近急増している。次はアフリカの方が来るとか東南アジアのまだ来られていない方が来るとか、次の次のプランの中では入ってくるのかも知れない。おそらく10年後には10万人、10人に1人が外国人というこういう状況になってきたときに、自治のあり方をどうするのか。選挙とか投票とかこういうことについても、憲法を変えないとできないこと国籍を持たないとできないことというのはたくさんあるが、そうではなくてもできることを、地方自治の中ではやはり追求すべきではないかと思う。ここはぜひ今回のプランの中でじっくりと議論をして、次の次のプランに反映させたいと思うので、よろしくお願いする。
(江島副知事)
先週、各部局長と一緒に各省庁への政策提案・要望に行かせていただいた。各省庁に行ったときに、省庁の方が「まだ国の体制がはっきり決まっていない。方向性が見えていないので今は聞くだけにしておく。」といったやり取りがあった。
今まさに国の方で内閣ができて、方向が定まってこようとしているので、ぜひその状況をしっかりとウォッチしていきたいと思うし、次回知事の方から三役以上に提案・要望に行かれると聞いているので、そのときに方向性が見えてきているのであるならば、それに対する要望を加えていくということが必要と思う。落ちついて方向性を見定めていただきながら、次の要望に行けるように、準備をぜひお願いしたい。
(松田総合企画部長)
まさに私も同じように感じたところがあり、しっかりと対応できるように情報収集したいと考えており、引き続き東京本部長にもお願いしたい。
(知事)
東京本部長、揺れ動く東京の状況情勢はどうか。
(中村東京本部長)
昨日から特別国会が始まり、補正予算等の動きもあるので、今おっしゃったことを十分念頭に置いて情報収集に努めたい。
(知事)
今、皆さんがおっしゃった通りだが、野党の動きも、与党だけで物事決まらなくなっているとすれば、目玉になるような政策とか、あとこの間いろいろと法案が出されているかと思うので、ちょっとこれはと思うのがあればよくリサーチして、我々の提言の中に入れて、与野党協議に反映させるという視点も必要かつ重要になってくると思うので、よろしくお願いする。